最終局面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 18:45 UTC 版)
市民委員会とCDAVはそれぞれ個別に4月4日のゼネストで抗議するように呼びかけた。ボリビア政府は市民委員会のみを交渉相手にすると明言していた。 4月4日、朝から、各地で道路封鎖が実施された。CDAVを支持する団体もボリビア全土で幹線道路の封鎖を実施した。 4月5日、CDAVの集会で24時間以内にトゥナリ社との契約破棄を政府に要求する提案がなされた。感情的になった集会参加者は、即時破棄を要求してこの提案を否決した。トゥナリ社を占拠すべきだと主張を先鋭化した参加者達は、トゥナリ社の事務所へ向かって行進を始めた。途中、市民委員会の事務所も襲撃し、トゥナリ社の事務所に「人民の水」という看板を掲げた。オスカル・オリビエラによれば、CDAVの指導者達は群衆の暴力を抑えるように尽力していたとしている。 4月6日、CDAVと彼らの支持者による集会やデモが続いた。大司教の仲介で、CDAVの代表と政府閣僚、県幹部、市幹部、市民委員会代表等との会議に参加したが、結局、CDAVの代表はこの話し合いから排除された。夜22時、警察はCDAVの支持者たちによる占拠に対して強制排除を始め、CDAVの指導者たちを拘束しはじめた。 4月7日、午前3時、大司教の仲裁で、拘束されていたCDAVの指導者たちの釈放が実施された。40,000人近いCDAVの主張を支持する群衆が彼らを祝福して迎えた。CDAVの支持者たちは、トゥナリ社が撤退するまで市の中央広場を占拠し、道路封鎖を継続することを決定した。警察は再び、CDAVの指導者達の逮捕をはじめた。 4月8日、朝、政府は「今回の暴動は麻薬ギャングの扇動」と表明し、戒厳令を発した。これを受けてボリビア軍が出動した。軍はテレビ・ラジオを統制し、マスメディアから市民への情報を遮断した。コチャバンバの民衆は抵抗を激化させ、市庁舎を襲撃し、ゲリラ戦の様相を呈した。このとき17歳の青年が射殺された。 4月9日、暴動が収束しないのをみた政府は、CDAVとの話し合いに応じることを受け入れた。同日、ボリビア政府の代表とオスカル・オリビエラの会談が実現した。オスカル・オリビエラは、トゥナリ社との契約を白紙撤回することを要求した。 4月10日、政府代表とCDAVとの間で協定書が交わされた。協定書はSEMAPAがコチャバンバの水供給に責任を持つこと、SEMAPAの運営についてコチャバンバ市、CDAV、SEMAPAの労働組合からそれぞれ2名ずつ代表とした参加する暫定理事会を設置すること、法律2029号の修正が盛り込まれた。4月13日に国会が臨時招集され、協定書を承認した。またトゥナリ社との契約解除を証明する書類が提示されたことをうけて、蜂起した民衆たちは道路封鎖の解除に応じた。 4月20日、ウゴ・バンセル大統領は戒厳令を解除し、国民に対して謝罪した。
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