十二鬼月
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 10:19 UTC 版)
上弦 黒死牟(こくしぼう) / 継国 巌勝(つぎくに みちかつ) 上弦の壱。顔面に三対六つの眼を持つ異形の鬼。侍の出で立ちをしており、痣が左の額と右首筋から右顎にかけて浮かび上がっている。継国縁壱の双子の兄にして、時透無一郎の先祖。ファンブックによると、戦国時代の武家の人間だった名残で常に周りの動向に目を光らせている他、会話の間合いが長く丁寧に発声して話すため、会話するのに忍耐が必要になるらしい。無惨のビジネスパートナー。 月の呼吸の剣士。虚哭神去を持つ。また、筋肉の動きを視覚として修得している。 人間の時の名は継国巌勝。戦国時代の武家・継国家に弟の縁壱と双子として生まれる。生い立ちは継国縁壱と重複するためそちらを参照。母が病死した事を機に出奔した縁壱を見送った後、実は縁壱は母の左半身を支えていたと知り、嫉妬と憎悪を抱く。継国の家督を継承し、妻子を持った。野営していたところを鬼に襲われ、鬼狩りになっていた縁壱に救われる。再開した弟の強さと剣技を欲して、地位も家族も捨てて鬼狩りとなる。入隊後は独自の月の呼吸を習得し痣を発現させるが、痣により己の余命がほとんど残っていないことを知る。その後無惨と出会い、技を極めるために鬼となる。60年後、老いた縁壱に再会し、力量差に死を悟るも、縁壱が寿命死してしまう。縁壱の遺体から笛を回収し、最期まで持っていた。 無限城では、無一郎と玄弥を容易く倒し、実弥も追い詰めるが、増援として現れた鬼殺隊最強の柱たる悲鳴嶼と交戦、痣者となった実弥・悲鳴嶼を相手になお優位であったが、無一郎の赫刀と玄弥の血鬼術に力を削がれ、斬首される。斬首すら克服して異形の姿(鬼を超越しかけた姿)で再生するも、実弥の刀身に映る己の姿を見て侍とはほど遠い異形になったことに動揺した隙に、剣士たちの総攻撃を浴びてようやく消滅した。最期は縁壱になりたかったと気づき、己の存在理由を問いながら塵となった。 虛哭神去(きょこくかむさり) 黒死牟の持つ刀。刀身には無数の眼がついている。鬼の血肉の産物であり、折れてもすぐに再生する。また、刀身が枝分かれし伸縮も自在。 技一覧 月の呼吸(つきのこきゅう) 血鬼術との合わせ技。刀身のみならず回転する月の斬撃そのものが切断力を持つため、本筋を回避しても切られる。壱ノ型 闇月・宵の宮(やみづき・よいのみや) 抜刀して横薙ぎに一閃する技。この単純な一撃でさえ、異次元の攻撃速度と三日月状の斬撃が合わさり回避困難な一撃と化している。 弐ノ型 珠華ノ弄月(しゅかのろうげつ) 切り上げる様にして連続で正面に三連の斬撃を放ち、三日月状の斬撃で広範囲の対象を取り囲む。 参ノ型 厭忌月・銷り(えんきづき・つがり) 大振り且つ横薙ぎの形の異なる斬撃を三日月状の斬撃を纏わせて二連で放つ。 伍ノ型 月魄災渦(げっぱくさいか) 刀を振らずに無数の斬撃を広範囲に出現させる。この技の存在から、鍔迫り合いなどで太刀筋を封じることは不可能。 陸ノ型 常夜孤月・無間(とこよこげつ・むけん) 縦方向の一振りで広範囲かつ縦横無尽に無数の斬撃を放つ絶技。一瞬の内に全方向に放たれるこの斬撃を見切る事はおろか間合いの外に出る事すら困難である。 漆ノ型 厄鏡・月映え(やっきょう・つきばえ) 刀を斜めに一閃し複数の方向に地を這う斬撃を放つ。更に、地を這う斬撃の合間を埋める様に三日月状のうねる斬撃が伴っている。 捌ノ型 月龍輪尾(げつりゅうりんび) 強烈な力で素早く繰り出す横薙ぎの一閃だが、壱ノ型の数倍以上に範囲が拡大している。 玖ノ型 降り月・連面(くだりづき・れんめん) 刀を背中から前方へ振るい、対象に降り注ぐような軌道の複雑かつ無数の斬撃を放つ。 拾ノ型 穿面斬・蘿月(せんめんざん・らげつ) 楕円形の回転鋸の様な三日月状の斬撃を横に二連、並べて地面から放つ。 拾肆ノ型 兇変・天満繊月(きょうへん・てんまんせんげつ) 折り重なった渦状の斬撃を繰り出す。広範囲に渡って相手に攻撃を加える事が可能だが、その分隙間が生じる弱点もある。 拾陸ノ型 月虹・片割れ月(げっこう・かたわれづき) 複数の相手を的確に狙ったうえで、上から地面に向かい三日月状の斬撃を縦に突き刺す様な凄まじい破壊力の斬撃を複数放つ。 透き通る世界 相手の体内が透けて見え、筋肉や骨格の動きから次の動作を予測する技術。 童磨(どうま) 声 - 宮野真守 上弦の弐。頭から血を被った様な文様の長髪に、洋風に改造した着物を着る青年の鬼。生まれつき虹色の瞳を持つ。万世極楽教の教祖。姿は人間時代と変わらず、人間としての表の肩書で活動している。 飄々としており、常に笑みを絶やさず鬼狩りにも親しげに接する陽気な人物。他人の痛みや感情に無頓着で無意識に相手の感情を逆撫ですることが多く、鬼の中では浮いているが、本人は皆と仲良しだと思っている。無惨に心酔し、先輩の上弦の鬼たちを「〇〇殿」と呼ぶ。 喜怒哀楽は表面上だけで、その真の人物像は非常に無機質で虚無的な性格であり、自身の肉体の損傷すら気にも留めない。 二十歳のころに無惨に出会い鬼となる。鬼としては猗窩座よりも新参だが、追い上げて上弦の弐となった。上弦の陸時代に妓夫太郎と堕姫を鬼にスカウトした。 人間のころ、両親に神童だと担ぎ上げられたが、自身は極楽も地獄も全く信じていない無神論者で、「馬鹿で可哀想な民を救ってやらねば」という信条で教祖をしていた。鬼となってからは苦しみから解放するという名目の下、自らの一部として永遠の存在にしてやり救済するという「善行」を行動原理と称して信者らを食っている。基本的に男は食わず、栄養が豊富だからと女性を好んで食す。女好きだが嗜好はかなり歪んでいる。 鉄扇を武器に、冷気の血鬼術を用いる。術を霧状にばらまく事で、敵の感覚器や呼吸器系を冒し弱らせる。氷像による大技も強力。合理的で、情報を集める目的で敵に全力を出させてから仕留めようとする。 かつて胡蝶カナエを殺害した鬼であり、無限城ではその因縁でしのぶと対決。彼女の毒を食らうも分解し、殺した後で全身丸ごと体内に取り込む。しかしその後、カナヲと伊之助との交戦の最中、しのぶの仕込み毒が効き、弱ったところを斬首され、敗れる。今際の際にしのぶの魂と再会し、彼女に惚れて「一緒に地獄に行こう」と口説くも、却下され、滅びる。 技一覧 粉凍り(こなごおり) 自身の血を凍らせて霧状にしたものを扇で散布する。微量でも吸い込めば肺が壊死する。公式ファンブックでは蓮葉氷になっている。 蓮葉氷(はすはごおり) 蓮の花を模した氷を作り出す。作られた蓮の花は掠めるだけで凍結する冷気を持つ。 蔓蓮華(つるれんげ) 蓮葉氷から氷の蔓を伸ばす技。 枯園垂り(かれそのしづり) 冷気をまとった扇子を連続で振るう近接技。 凍て曇(いてぐもり) 氷の煙幕を発生させ、相手の眼球を凍結させて視界を奪う技。 寒烈の白姫(かんれつのしらひめ) 氷の巫女2体を作成し、巫女の吐息で広範囲を凍結させる技。 冬ざれ氷柱(ふゆざれつらら) 上方から巨大な氷柱を多数落下させる技。 散り蓮華(ちりれんげ) 扇を振るい、無数の氷の花びらを放つ。攻撃範囲が広い。 結晶ノ御子(けっしょうのみこ) 氷の小型の童磨人形。御子は童磨と同じ強さの血鬼術を使用し、自動で戦闘を行う。戦闘の情報を記録することも可能。御子がダメージを負っても本体には全く影響はない。複数の御子を生み出すことができ、6体前後なら余裕で作り出せる模様。 霧氷・睡蓮菩薩(むひょう・すいれんぼさつ) 追い詰められた童磨が放った大技。巨大な氷の仏像を生み出す。 氷仏像は息を吹きかけられるだけで全身が凍結するほどの戦闘力を持つ。 猗窩座(あかざ) / 狛治(はくじ) 声 - 石田彰 演 - 蒼木陣 上弦の参。全身に紋様めいた刺青を施した、紅梅色の短髪を有する青年の鬼。作中最初に登場した上弦。無惨は忠実で真面目な猗窩座を気に入っている。無限城では無口だが、対人になると饒舌になる。自身も人間と話すのは好きであると明言しており、強者と認めた人間は下の名前で呼ぶ。ファンブックによると、人間時代の名残なのか鬼には珍しく、人を食うより鍛錬に時間を費やしていた。 愚直に強さを求め続ける武術家じみた一面を持ち、敵でも実力者には尊敬の念を持つ一方、自身が弱者と見定めた者は露骨に見下し、些細な理由で真っ先に殺害しようとする。若く強いまま何百年も鍛錬し続け、自分のような強い鬼になる事を「至高の領域」と賛美し、逆にどんな強者も「老い」によって弱体化する人間という種に対しては嫌悪感を抱く。その価値観から高い実力を備えた者に対しては敬意を払い、同じ鬼になるように勧誘する。 「拳鬼」と呼ばれ、戦闘スタイルは己の体で戦う肉弾戦。また、闘気を感知する血鬼術を用いる。 前身は江戸時代に生まれた「狛治」という名の青年。病気の父親のためにスリで薬代を稼いでいたが、心を痛めた父親は自殺し、罪人として江戸を追放される。世を恨み喧嘩を繰り返していた所を、素手で戦う武術道場を営む慶蔵に拾われその娘の恋雪(こゆき)と恋仲になり、恋雪を守るため誰よりも強くなる事を誓う。しかし隣接する剣術道場の嫌がらせで井戸に毒を入れられ慶蔵と恋雪が死に、それに激昂して剣術道場の67人を虐殺。自暴自棄になっていたところを無惨に鬼にされ、記憶を失ったことでただ強さのみを求める亡霊と化した。構え、雪の陣、花火にちなんだ技などは、人間だった頃の思い出が土台となっている。鬼と化しても恋雪への思いは潜在的に残っているのか、童磨とは正反対で女性を一切食わない。そのためか一方的に親しくしてくる所も含め、童磨を毛嫌いしている。「狛治・猗窩座」ともに狛犬に因んだ名であり、彼の過去を掘り下げた第155話のタイトルは「役立たずの狛犬」。 魘夢が倒された直後、無惨の指令で現れる。煉󠄁獄の強さを認め、鬼になるよう勧誘するも決裂して交戦。致命傷を与えるが、動きを封じられてしまう。差し始めた陽光と頚に突き刺さる日輪刀に焦り、自らの腕をもいで戦場から撤退。その行動を見た炭治郎に卑怯者呼ばわりされた上、無惨に任務の結果を報告をした際にはその場にいた鬼狩りを仕留め損なった事を咎められ制裁を受けてしまう。この事から炭治郎を標的視する。 無限城編では、炭治郎・義勇と2対1で戦う。痣に覚醒した義勇と、柱に準じた実力を持つ炭治郎でさえも実力で上回るが、炭治郎の「透き通る世界」の闘気を感知することができず、斬首される。それでも鬼の執念で頚を再生しようとするが、人間だったころの記憶が蘇り自分が既に強くなる理由を失っていた事、殺したいほど毛嫌いしていた弱者は大切な人を守れなかった自分であったことを自覚し、死を受け入れて自分に攻撃を打ち込み、崩れ去った。死後は父や慶蔵及び恋雪と再会を果たし、恋雪に対して守ってやれなかった事を涙ながらに謝罪。自分を待っていてくれた彼女と共に地獄の業火に包まれた。 コミックスの『キメツ学園』では素山 狛治(そやま はくじ)と名字が付けられていて、高校3年生ながら既に恋雪と結婚している。 技一覧 破壊殺(はかいさつ) 猗窩座の血鬼術。「術式展開」することで効力を発揮する闘法。羅針(らしん) 自身の足元に「壱〜拾」までの数字が描かれた雪の結晶のような陣が展開する。闘気で相手を感知する。戦闘開始時に使用。 空式(くうしき) 拳撃をそのまま飛び道具にする。 脚式(きゃくしき) 蹴り技。背後の敵を下段から蹴りあげる冠先割(かむろさきわり)、中段から上段への連続蹴りで相手を彼方に蹴り飛ばせる流閃群光(りゅうせんぐんこう)、掠っただけでも吐血を免れない威力で近距離から上に向かって蹴り上げる飛遊星千輪(ひゅうせいせんりん)の3種類の技がある。 砕式(さいしき) 地面を砕き割る威力で頭上に拳を振り下ろす万葉閃柳(まんようせんやなぎ)という技がある。 乱式(らんしき) 地上戦で放つ乱打。広範囲の衝撃波が発生するほどの威力がある。 鬼芯八重芯(きしんやえしん) 左右四発合計八発の乱打を高速且つ広範囲に放つ。 滅式(めっしき) 絶技。威力と疾さがあり、炎の呼吸奥義「煉󠄁獄」に撃ち勝った。 終式 青銀乱残光(しゅうしき あおぎんらんざんこう) 全方向にほぼ同時に百発の乱れ打ちを放つ大技。 鈴割り(すずわり) 血鬼術ではないが猗窩座が人間時代から得意としていた技。敵の刀を側面から拳で叩き折る。 半天狗(はんてんぐ) 上弦の肆。額に大きなコブと二本の角がある老人の姿をした鬼。見た目の年齢は87歳ほど。常に何かを怖れているような様子で、事あるごとに「ヒィィィィ」と悲鳴を上げる。 柱でも目視するまで確認できないほど気配の同化に優れ、身のこなしも軽い。自身が追い詰められると、その時の感情を具現化し、新たな分裂体を生み出す血鬼術を使用する。作中では頚を切られると、舌に「喜怒哀楽」のそれぞれ一字が刻印された4人の天狗の鬼に分裂をし、更に追い詰められるとパターンが増えた。戦闘面は分身に任せて「小さな本体」は身を隠す。喜怒哀楽で能力が異なり、合体した憎珀天は全ての能力を強化して組み合わせて使用できる。ちなみに(ファンブックによると)分裂してできた鬼達は若い頃の半天狗の姿であるらしい。 自身を「善良で弱い被害者」、自身に向かってくる者を「弱者を虐める加害者」とする性格で、人間だった頃から気弱で嘘つきかつ卑怯で自分の良い様に事実や解釈をねじ曲げ、盲目を偽り盗みを働いていた小悪党。人間時代は虐められており、自分と分からない様に仕返しをしていた陰湿な部分があった他、半天狗自身が働いた悪事を責任転嫁して正当化せんとする卑劣漢であり、後述の奉行からは「二枚舌の大嘘付き」と吐き捨てられた程。それを盲人に咎められた末に殺害し、奉行所に連れ出され死罪を宣告されたが無惨によって鬼化され、自身を罰した奉行を殺害するが、彼には「その命をもって罪を償う時が必ず来る」と吐き捨てられる。 無惨の命を受け、刀鍛冶の里に玉壺と共に出向き、剣士の始末を担当する。無一郎・炭治郎・禰󠄀豆子・玄弥と戦い、頚を斬られた事で「喜怒哀楽」の4人に分裂して戦う。本体はひたすら隠れていたが、能力の絡繰りに気付いた炭治郎達に追い詰められ、新たに憎珀天を生み出す。新たに参戦した蜜璃が、憎珀天の攻撃を防いで時間を稼ぐ。残りのメンバーが本体を追い、最終的には前述の嘗て自分が殺した奉行の言葉通り、炭治郎に頚を斬られ、走馬灯を見ながら消滅した。本体 半天狗の本体。舌に「怯」の文字が刻印された鬼。野ネズミ程度の大きさしかないが、その頸は鍛え上げられた日輪刀をへし折るほど硬い。 積怒(せきど) 「怒」の鬼。怒りを滲ませた表情をしている。雷撃を放つ錫杖を持つ。分裂体の中ではリーダー格。相手との戦闘の愉悦に浸らず的確に仕留めようとする。 分裂後、主に他の3鬼に指示を出したり、敵の追撃を邪魔する等のサポートを行う。本体部分が見つかると、本体の感情に呼応して他3体を吸収し憎珀天となる。 可楽(からく) 「楽」の鬼。ニヤリと笑ったような表情をしている。突風を放つ天狗の団扇を持つ。団扇は爆風も起こせる。相手との戦闘の愉悦を優先する性格で、そのことで積怒にいつも呆れられている。主に禰󠄀豆子と交戦。 空喜(うろぎ) 「喜」の鬼。楽しげな表情をしている。可楽に似た気質の持ち主。背中に翼を生やし、手足の先が鳥の鉤爪となっている半鳥人。口から超音波を発する。主に炭治郎と交戦。 哀絶(あいぜつ) 「哀」の鬼。どこか悲しげな表情をしている。十文字槍を振るい、近接戦闘で鬼殺隊と交戦する。主に不死川玄弥と交戦。致命傷を与えたはずが、死亡せず向かってくる玄弥に戸惑う。 「恨」の鬼 大柄で筋肉質な半天狗の姿の鬼。本体を守るためにできた鬼。血鬼術は使わなかった。体内の心臓部に、小さな本体が潜んでいる。一見本体が巨大化したようだが、それすら偽りであり、直射日光への防御にもなる。 憎珀天(ぞうはくてん) 「憎」の鬼。怒が喜哀楽を吸収して誕生した、小柄な鬼。背中に「憎」の字が書かれた雷様の太鼓を持つ。喜怒哀楽の血鬼術と、新たに樹木を操る術を用いる。 本体「怯」の半天狗を「小さく弱き者」と守り、敵を「極悪人」「鬼畜の所業」と一方的に断罪する。半天狗の強烈に身勝手な保守性が具現化した分身。 攻撃力は高く、痣の発現した蜜璃をも防戦一方に追い込む。 技一覧 激涙刺突(げきるいしとつ) 哀絶が使用。槍から5つの斬撃を放つ。 共鳴雷殺(きょうめいらいさつ) 憎珀天が使用。積怒と空喜の力を合わせた技。 共圧鳴波(きょうあつめいは) 憎珀天が使用。空喜の力を使った超音波技。 石竜子(とかげ) 憎珀天が使用。樹木でできた5本の竜を召喚する。射程が66尺(約2m)だが、伸ばした石竜子の口から別の石竜子を召喚するので射程は無限に等しい。応用に無間業樹(むけんごうじゅ)という技があり、広範囲に石竜子を生み出し攻撃する。木竜の共鳴という口から超音波を放つ技もある。 玉壺(ぎょっこ) / 益魚儀(まなぎ) 上弦の伍。壺と肉体が繋がった状態で、両目部分に2つの口、額と口部分に両目がある。頭などからも小さな腕が複数生えている。完全に異形の鬼。壺は無惨の財源にもなっている。特に子供の肉が好き。 「至高の芸術家」を自称し、人間を見下す傲慢な性格。自己顕示欲も非常に強く、特に己が作品に対して捻じ曲がった執着心を持ち、他者にそれらを侮辱されると激怒する。その本質は作品を創り上げるために犠牲者の遺体をおぞましく変形させるなど、人命はおろか死者の尊厳すら踏み躙る、鬼の中でも際立った異常性の持ち主。反面、年若い無一郎を舐めてかかりとどめを刺さず、鋼鐵塚の集中を削ごうと夢中になるあまりに彼の反撃を許すなど、狭量さや詰めの甘さが見受けられる。 同僚である上弦相手でも不遜さは変わらず、自分よりも上位の猗窩座に慇懃無礼な態度をとっている。無惨への忠誠心は高いが、彼に首をもがれて恍惚とするなど、その思いはどこか歪んでいる。語尾に「それもまた良し!」とつける癖がある。 人間のころの名前は益魚儀(まなぎ)といい、漁村で生まれ育った。猟奇性は生来のもので、気がふれていると忌み嫌われていた。あるとき、自分をからかった子供を殺して壺に詰めていたことを知った子供の親に滅多刺しにされ、瀕死の状態で放置されていたところに通りかかった無惨によって鬼にされた。 戦闘では自身の掌から生み出した壺を使ったトリッキーな戦術を用いる。壺から壺への瞬間移動も可能で、移動の媒体となる壺も神出鬼没に出現するため、高い敏捷性があり回避に優れる。脱皮する事で本人曰く「完全なる美しき姿」に変容でき、変身後は屈強な半魚人の様な上半身に蛇のような下半身を持つ。この形態では直接戦闘を行う様になり、鱗と肉体のバネにより俊敏な動きを可能とし、鱗は金剛石より硬いと豪語する。 刀鍛冶の里の居所を突き止め、無惨の命を受けて半天狗と共に強襲を仕掛ける。刀鍛冶達の殲滅を狙い、介入してきた無一郎を水獄鉢で捕え、止めを刺さずに溺死を目論む。そのまま鋼鐵塚がいる家屋に侵入するも刀を砥ぐのに極限まで集中していた彼の姿を見て、「芸術家として負けている、この男の集中を削ぎたい」と対抗意識を燃やし、すぐに殺さず痛めつける。その内に小鉄に助けられ記憶を取り戻した無一郎と再戦、真の姿を解放するも、痣の発現した無一郎に頸を斬られて完敗する。 技一覧 血鬼術は水棲生物や水に関わる物が多いが、これは嘗て海の近くで生まれ育ち、魚を捕まえて遊んでいた名残。産み出された魚は経皮毒を持ち、日輪刀で斬られても毒を散布する。 使い魔 背中に壺をつけ、人間の手足がついた大小様々な鯉の化け物を生み出す。 弱点は背中の壺で割られるとあっけなく肉体が崩壊して死滅してゆく。しかし壺を割られるまでは頸を斬り落とされても死なず、自己再生能力まで兼ね備える。 作中では大量の使い魔がばら撒かれ、多数の死傷者を出した。 鍛人の断末魔(かぬちのだんまつま) 5人の刀鍛冶の肉体と刀を醜悪に組み合わせたオブジェ。血鬼術により生成された玉壺の作品で、得意げに解説する。犠牲者の中には小鉄の親族もいる。死者を徹底的に冒涜するその様は、無一郎の怒りを買うことになった。 水獄鉢(すいごくばち) 波の模様が描かれた壺から大量の水を放出し、相手をそのまま水でできた壺の中に閉じ込める。水ゆえに柔らかく変形するため、日輪刀による破壊を防ぐ事から、柱である無一郎でも脱出は困難を極める。 蛸壺地獄(たこつぼじごく) 壺から蛸足に似た触手が溢れ出し、相手を締め上げる技。蛸足は弾力がある為生半可な刀では切れない。 千本針魚殺(せんぼんばりぎょさつ) 玉壺の持つ壺から現れた金魚が無数の針を放つ技。針には毒が仕込まれている。 一万滑空粘魚(いちまんかっくうねんぎょ) 壺から鋭い牙を持つ魚の大群が吐き出され相手に食らいつく技。魚の体液は経皮毒。 陣殺魚鱗(じんさつぎょりん) 全身の鱗を使い、高速で縦横無尽に飛び跳ねる。神の手と併用される為、極めて危険な技。 神の手 第2段階の玉壺の腕を自ら称したもの。拳に触れたありとあらゆる対象物は生きた無数の魚に変換できる。 堕姫(だき)、妓夫太郎(ぎゅうたろう) 上弦の陸。吉原を根城に暗躍する鬼の兄妹。殺した柱は堕姫が7人、妓夫太郎が15人。主に堕姫がメインで動き戦闘時に妓夫太郎が現れる。 二人で一人の鬼でどちらかが生存していれば頚を斬られても消滅しない。但し、兄妹には明確な実力差があり堕姫は無惨から妓夫太郎の足手まといだと思われていた。無惨の評価は堕姫に対しては頭の悪い子供、妓夫太郎は貪欲な性格を高く評価しお気に入りにしている。 兄妹共に死にかけていたときに、童磨(当時上弦の陸)に助けられ鬼となった。音柱・宇随天元と炭治郎たちによって討伐され、113年ぶりの上弦の敗北者となる。 コミックスの『キメツ学園』では、謝花 妓夫太郎(しゃばな ぎゅうたろう)・謝花 梅(しゃばな うめ)と名字が付けられている。堕姫 / 梅(うめ) 声 - 沢城みゆき 妖艶な美女の姿をした鬼で、普段は花魁に化けている。非常に性悪で傲慢な性格だが、兄の前では口調が幼くなり、泣き虫な素の性格が表れるほか、妓夫太郎によると素直で染まりやすいらしい。 花魁時は着物だが、鬼の姿ではランジェリー風の服装に三本歯下駄、身体に着物の帯を身に着けるという極めて露出度が高い服装をしている。気に食わないことがあると首を傾けて下から睨めつけてくる癖がある。あまり頭が良くないらしく、実兄の妓夫太郎からも度々「足りねえ頭で〜」と発言されている。 100年近く吉原に潜んで、時代に応じて様々な「姫」という名の付く花魁になりすましていた。現代での仮名は蕨姫花魁(わらびひめおいらん)。不細工な人間を忌み嫌い、「(不細工は)生きてる価値がない」などの発言を繰り返す。鬼の中でも偏食で、見目麗しい女性を好んで喰らう。人間だったころに生きたまま焼かれたため、炎にトラウマがある。 血鬼術は「帯」(声 - 伊藤静)を用いる。この帯は彼女が力を切り離した分身であり、帯を全て回収すると髪色が銀に変わり、更に強くなる。頸を帯状に軟体化させることで防御するため斬りづらく、例え斬首に成功しても妓夫太郎が生命を補っているために死なず再生する。 単体の実力は下弦の鬼より遥かに高いが上弦の鬼としては力不足で、負けた際は無惨から「案の定、堕姫が足手まといだった」と言われている。当時の炭治郎のヒノカミ神楽での極限状態をも上回るが、柱の天元には「上弦じゃないだろう、弱すぎる」と酷評される。 人間だったころの名前は「梅(うめ)」。遊郭の最下層である羅生門河岸で生まれる。亡くなった母親の病名「梅毒」から名前をつけられたが、赤子時代に母親に髪や目の色を気味悪がられ、縊り殺されそうになったのを兄に救われている。とはいえ、幼い内から周りをたじろがせるほどの美少女だったため、髪色等から「白梅ちゃん」と呼ばれていた。成長した梅は遊女となるが、妓夫太郎を侮辱した客の侍の左目を簪(かんざし)で突いて失明させたことへの報復として生きたまま焼かれ、死に瀕していた所を童磨に血を与えられ、兄と共に鬼となる。 無惨から禰󠄀豆子の殺害を依頼されていた。天元が遊郭に潜入させた嫁達を捕らえ、捜しにきた新入りの善子に扮した善逸も鬼狩りと見抜き捕らえた。吉原を離れる鯉夏花魁を喰らうためにときと屋に自ら出向き、炭治郎と遭遇・交戦する。炭治郎を圧倒するも禰󠄀豆子に苦戦し、柱の天元にはあっさり頚を斬られてしまう。妓夫太郎が出てきてからは、主に善逸・伊之助の2人と交戦。妓夫太郎の左目を額に移されパワーアップするも、連携の前に頚を斬られてしまう。 同時に頚を斬られた妓夫太郎との口喧嘩の末、先に消滅する。暗闇の中で人間の姿で妓夫太郎と再会し一人だけ地獄に行こうとする妓夫太郎に「ずっと一緒にいる」「何回生まれ変わってもお兄ちゃんの妹になる」と言って、仲直りして共に地獄の業火の中へ消えていった。 技一覧 八重帯斬り(やえおびぎり) 無数の帯で退路を塞ぎながら切り裂く技。 分裂体 吉原の地下深くに張り巡らせており、食料や邪魔者となる人間を保管する役割を持つ。本体から独立して行動することも可能。帯に目と口が付いた姿のため、伊之助からは「蚯蚓帯」と呼ばれた。 妓夫太郎 声 - 逢坂良太 堕姫の兄の青年の鬼。先が緑の癖毛で、顔や体に斑模様が無数に浮かんでいる。また肋骨から下が異常に痩せているものの、腕や胸筋は人並み以上に発達している。 普段は堕姫の背中に融合し張り付いている。彼の方が真の「上弦の陸」であり、堕姫よりも桁違いに強い。自身の血肉で生成した鎌と自らの血を利用した猛毒の血鬼術を使う。堕姫に左目を貸与することも可能で、彼女を遠隔操作しつつ、自分は右の視覚だけで戦ってなお鬼殺隊を圧倒するほどの実力がある。 喋り方に独特の癖があり、「〜なぁ」と語尾を伸ばす。見目麗しい宇髄天元に対して強い嫉妬心をあらわにし、死んで欲しいと繰り返す。堕姫には「お兄ちゃん」と呼ばれ、堕姫の事を「可愛い妹」と呼ぶ。堕姫を甘やかしている。 名前は人間時代からの物だが、この名はほぼ遊郭での役割名そのままであり、人間扱いされていなかったことを意味する。一見すると異形の鬼のようであるが、この容貌は人間時代と同じで、怖がられることを利点と思っているためそのままにしており、元を辿れば母子感染した先天梅毒の病状である。江戸時代に羅生門河岸(遊郭の最下層)で生まれる。遊郭では子供は邪魔者扱いとされ、さらに羅生門河岸という貧困と不衛生な環境の中、生まれてきたこと自体を否定されつつ、容貌を嘲笑され、忌み嫌われながら罵詈雑言を浴びて育つ。やがて、妹・梅が生まれてからは彼女を守り育てつつ、自身は醜い容姿と喧嘩の強さを活かして取り立て屋を開業する。梅を誇りに思っていたが、梅が13歳のとき客の侍に生きたまま焼かれ、自身も過剰な取り立ての繰り返しによって疎まれていたため梅が失明させた侍に襲われるが、持っていた鎌で侍と自分を討つよう依頼した女将を殺害。その後、丸焦げになった梅を抱えて死に瀕しながら深夜の遊郭を彷徨っていた所を通りすがりの童磨に救われ、妹と共に鬼となった。 堕姫が追い詰められて天元に頚を刎ねられたことで眠りから目覚める。堕姫の首をくっつけたり火傷を治癒して以後は天元・炭治郎と交戦する。天元を毒に冒し腕を切断し、伊之助の心臓を貫くなど、上弦の実力を見せつける。炭治郎のことは鬼になるようにと勧誘し心を折らせようとするも、それでも立ち向かう炭治郎によって頚を斬られる。 同時に斬られた堕姫と罵り合いをするも、堕姫が消滅した時に呼んだ名前によって人間だった頃の記憶を思い出す。自分が育てたがために、梅を自分と同じような道に歩ませてしまった後悔を思い出した暗闇の中で、本来の人間の姿に戻った梅と再会し、彼女だけ光がある方に向かわせるため一旦は突き放すものの、梅に「ずっと一緒にいる」「何度生まれ変わってもお兄ちゃんの妹になる」と言われたことで彼女の気持ちを受け入れ、梅を背負いながら地獄の業火の中へ消えていった。 技一覧 血鎌(ちがま) 自身の血で作られた二対の鎌状の武器。血が弾けるまで鎌として扱える。直接切りつける他、投擲にも用いられる。猛毒が含まれており、少し切り付けられただけでも毒に冒される。 飛び血鎌(とびちがま) 血の斬撃を飛ばす技。軌道を意のままに操る事も可能で、敵に当たるまで追尾する。 円斬旋回(えんざんせんかい) 螺旋状に飛び血鎌を放つ技。意図的に体から出血させることが可能なので技の出が速く、広範囲を攻撃する事も可能。闘いの終盤では天元によって攻撃パターンを看破され、命中しなくなる。妓夫太郎が首を斬り落とされたのち身体に残っていた術が暴走し、その威力によって吉原の街一帯は瓦礫と化した。 跋扈跳梁(ばっこちょうりょう) 血の斬撃を身の回りに巡らせる全方位を防御する技。 鳴女(なきめ) 長い黒髪で目元を隠した女性の鬼。髪の下は大きな単眼である。十二鬼月からは「琵琶女」、「琵琶の君」と呼ばれている。無惨は鳴女を便利という意味でお気に入りにしている。 必要以上の会話をしたがらず、上弦の壱から伍が集められた際も質問に短く答える程度。内心は「早く帰ってくんないかな」と思っていた様子。 十二鬼月とは別枠の側近であったが、半天狗が死んだ事で空位となった上弦の肆へと昇格する。 琵琶を奏でる事で異空間・無限城の無数ある部屋を自在に操り、直接的な殺傷能力が無いとは言え、広大な空間を操作する能力は響凱を遥かに凌ぐ。鬼達への干渉能力も高く、上弦ですら気付かれずに無限城へ呼び寄せ、城内の鬼や人間を部屋から部屋へ琵琶の奏で一つだけでテレポートさせる事もできる。上弦になった後には探知探索の血鬼術を会得し眼球に三本触手の足を持つ使い魔による遠隔探知ができる。 人間時代は無名ながら琵琶演奏で日銭を稼いでいたが、夫が博打ばかりする為貧乏で、琵琶演奏用の着物を勝手に売られて博打に使われた事で逆上し夫を金槌で殴り殺した。その後の演奏で賞賛された事で人を殺してから演奏していたが、殺す相手に無惨を選んでしまい返り討ちに会った後、気に入られて鬼にしてもらった。 無限城決戦時には髪で壁に根を張り動く事はできないが、部屋を自在に動かして鬼殺隊を分断する。蜜璃と小芭内に捕捉されるも猛攻を凌ぎ続けて無惨の回復まで時間稼ぎをし、回復した無惨の覚醒後にも生き残った柱を集結させない様に城の構造変換を続けていたが、この隙に彼女に接近していた愈史郎に脳を乗っ取られた事により視界を操作され、無限城の制御も奪われてしまい、この事実を知った無惨が鳴女を切り捨て、自壊の呪いを発動させた事で頭部を破裂させられてしまい死亡。その結果、制御不能に陥った無限城は崩壊して地上に露出した。 『キメツ学園』では音川 鳴女(おとかわ なきめ)という名字が付けられている。 獪岳(かいがく) 声 - 細谷佳正 演 - 千葉雅大 善逸の兄弟子にあたる元鬼殺隊剣士。鬼殺隊の隊服の上に着物と帯を着用し、勾玉の首飾りをしている。人間時は善逸と色違いの日輪刀だったが、鬼となってからは自分の血と骨から作った刀を背負っている。 真面目で努力家な性格である一方自尊心がとても強く、傲慢で承認欲求が強い。ひたむきに努力する姿勢を善逸からは尊敬されていたが、自分の未熟さを顧みず、他者から評価されない事に不満を抱えていた。善逸からは「どんな時も不満の音がしており、心の中の幸せを入れる箱に穴が開いている」と評されている。 嘗ては悲鳴嶼が世話をしていた寺の孤児であったが、ある日寺の金を盗んだことで他の子供達から責め立てられ、寺から追い出される。その夜に鬼と出くわし悲鳴嶼と子供達の命を与えると鬼を手引きした過去を持つ。その後、桑島に拾われ雷の呼吸を教わり鬼殺隊の剣士となる。臆病で壱ノ型しか使えない善逸を見下していたが、反対に全ての型の基本である壱ノ型が使えないため他の剣士からは大したことないと陰口を言われていた。「生きてさえいれば勝てる」という考え方から、黒死牟に遭遇した際、その圧倒的な実力を戦わずして感じ取り、命乞いをして鬼となる。妓夫太郎・ 堕姫が死んだことで空位になった上弦の陸になるが、善逸からは「適当な穴埋めで入れた上弦の下っ端」と皮肉を言われる。 体得した弐ノ型から陸ノ型からなる雷の呼吸と血鬼術を組合せた技を使用する。受けた相手の体はひび割れが起きる。 無限城で善逸と交戦。お互い挑発の果てに、善逸が編み出した新たな雷の呼吸「漆ノ型」に敗れる。しかしそれでも自身の敗北を受け入れられず、善逸も力尽き転落死しようとした事から自分と共倒れになることをほくそ笑むが、突如現れた愈史郎によって善逸は救出され、自身は「人に与えない者はいずれ人から何も貰えなくなる」「欲しがるばかりの奴は結局何も持ってないのと同じ 自分では何も生み出せないから」と嘲りと哀れみの言葉を愈史郎に浴びせられ、あらゆる物を踏みにじってまで保とうとしていた己の自尊心が覆しようのない形で折れていく事実に声にならない断末魔をあげながら消滅した。 上弦の陸ながら善逸に単独で倒されたが、愈史郎は「善逸が生き残れたのは獪岳がまだ自分の血鬼術を使いこなせていなかったから」「(負傷した善逸に対して)戦いが1年後だったら即死だった」だと評している。 『キメツ学園』では稲玉 獪岳(いなだま かいがく)と名字が付けられていて、鬼舞辻のスパイという設定。 技一覧 雷の呼吸(かみなりのこきゅう) 雷の呼吸と血鬼術を組み合わせた技を使う。血鬼術により刀の斬れ味が強化され、呼吸の演出も善逸と異なり黒い雷になっている。その斬撃を喰らうと体に亀裂が奔り、肉体を罅(ひび)割り続ける。弐ノ型 稲魂(いなだま) 自身を中心に半円を描くように刃を振るう高速五連撃。 参ノ型 聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい) 身体を回転しながら波状攻撃を打ち、斬撃が相手に無数に襲いかかる。 肆ノ型 遠雷(えんらい) 離れた間合いから素早く踏み込む。劇中の描写から恐らく壱ノ型と同系統の踏み込みからの斬撃と思われる。 伍ノ型 熱界雷(ねっかいらい) 斬撃によって相手の肉体を稲妻の形状にひび割り焼いていく。血鬼術により威力は増大した。 陸ノ型 電轟雷轟(でんごうらいごう) 一撃でも喰らうと斬撃で身体がひび割れ続けていく。広範囲に放たれるので回避は困難。 下弦 魘夢(えんむ) 声 - 平川大輔 演 - ※掛川僚太(2作目)、内藤大希 下弦の壱。優男風の洋装の鬼。増血されてからは全体に血管が浮かんだ姿になっている。 目玉と口が存在する異形の左手を分身として身体から切り離し、独自に行動させることができる。他者の不幸や苦しみを見ることを何よりも好む。 魘夢は最初、小腹が空いた無惨に腑を食われたが、致命傷で痛みを感じず無惨を羨み褒めそやして死亡した後、無惨が気まぐれに鬼にした。 「眠り鬼」と呼ばれ、夢に関する血鬼術を使い、術の効力を持ったギミックを作成する事も得意とする。閉じ込められた夢から覚めるためには、その中で自刃する胆力が必要となる。 無惨による下弦の鬼の粛清時に、「他の鬼たちの断末魔を聞けて幸せだった」と言い放ち、歪んだ恭順を気に入られて唯一見逃され、「増血」されて炭治郎に対する追手として放たれた。無限列車にて、鬼殺隊と直接対峙しないように人間を配下に置く。車掌を使って鬼殺隊の一行を眠らせ、子供達に無意識空間の「精神の核」を破壊させようとするが、それ自体は時間稼ぎに過ぎず、炭治郎が覚醒した時には汽車その物と融合が完了していた。200人の乗客を人質兼食料にしようと企んでいたが、煉󠄁獄と善逸・禰󠄀豆子の働きで阻止された上、炭治郎と伊之助に列車の運転室の床下に隠していた頚骨を破壊される。結果として1人も食えなかった上に全力を出せず敗北、「何という惨めな悪夢だ」と嘆きながら消滅する。 『キメツ学園』では魘夢 民尾(えんむ たみお)という名前になっており、鉄道変態ヲタクというキャラクターになっている。鉄道に変態行為を繰り返すこと前科6犯、そのせいでよく電車が遅れる。 人の迷惑を顧みないため、ほかの鉄道オタクはおろか誰からも嫌われている。ジャンプGIGAに収録された袋とじの漫画にはその変態行為の実態が描かれている。 技一覧 強制昏倒催眠の囁き(きょうせいこんとうさいみんのささやき) 左手の口から発せられる「お眠り」、もしくは「眠れ」という言葉で強制的な眠りに落とし、夢に閉じ込める。音を介する技のため防御は困難どころかほぼ無いが、炭治郎のように技をかけられたら夢の中で即座に自害し脱出する事で事実上の無力化は可能。 強制昏倒睡眠・眼(きょうせいこんとうすいみん・まなこ) 汽車融合により、無数に増えた眼と対象者の眼が合った時、眠りに落とす。眼が無数にある為破られても直ぐに術をかけられる。更に、この術で相手を眠らせるのは魘夢の意のままであるため、夢の世界に落ちたと相手を錯覚させ、現実の世界で自決させることもできる。 被り物をしていて視線を読みにくい伊之助とは相性が悪い。 累(るい) 声 - 内山昂輝 演 - 阿久津仁愛 下弦の伍。趣味は綾取り。那田蜘蛛山に住まう鬼の一家の末子で、蜘蛛めいた髪型の小柄な少年。鬼になって二十年弱。下弦の中では壱(魘夢)、弐(轆轤)ほどはあったとされる等、実力が高く、無惨に気に入られていた。基本は冷静な性格だが、頭に血が上ると感情的になるタイプで、攻撃も単調になる。 配下に「母」「父」「兄」「姉」役を演じる鬼がおり、家族の「末弟」にあたるとして彼らとの絆を主張するが、その実態は暴力で無理矢理従わせている恐怖支配に過ぎず、口ぶりや内容も妄執めいている。以前はもっと多くの家族がいたようだが、累に逆らったり、望むように家族を演じられなかった為に処刑されて4人になっていた。家族役の鬼たちの容姿は元々異なっており、累によって顔の皮をはぎ取られ、無理やり作り替えられている。累は家族が元の姿に戻る事を嫌い、元の子供の姿に頻繁に戻ってしまう母蜘蛛を頻繁に虐待していた。 繰り出す糸に血液を乗せることで、鋼に勝る硬度を与える血鬼術を持つ。切れ味そのままに網状にすることもできる。 人間時の名前も累。人間だったころは非常に病弱で床から起き上がれず、歩く事さえ苦しい状態であったが、ある日無惨に血を与えられ、鬼となる。鬼化後は人を喰らい続けなければならず、その事実を知った両親(声 - 立花慎之介、桑谷夏子)により無理心中を図られるも、一時の激情に駆られ返り討ちにしてしまった過去を持つ。 那田蜘蛛山山中にて、炭治郎・禰󠄀豆子と交戦。禰󠄀豆子が示した兄への絆に感動し、自分の新たな「妹」役として目をつける。血鬼術の糸で炭治郎の日輪刀を破壊する等、絶望的な戦力差を見せつけ、新たな力に目覚めた竈門兄妹に反撃されるが、先んじて首を自切することで日輪刀を回避。激怒して竈門兄妹を殺そうとするも、救援に来た冨岡に止めを刺される。 身体が崩れゆく中で、かつて両親の自身に対する命を賭した愛情を自らの手で断ってしまった事に気付き、死後その魂は両親と再会。謝罪を果たして、共に地獄の業火へと消えていく。この戦いでは、炭治郎は十二鬼月の採血に失敗する。 因みに「家族ごっこ」は無惨に認められた行為であり、反乱者が徒党を組む事を危惧して共食いという習性を故意に与えている無惨が累の配下ともとれる鬼が増えることを認めたのは、「父母の代用品を求めている」「気に入らない代用品は捨てる」といった累の幼稚性を見抜いていたためである。 コミックス巻末の『キメツ学園』では綾木 累(あやき るい)と名字が付けられている。学年は不明。あやとり大会で優勝し、キメツ新聞でも特集が組まれて一躍時の人に。独特のホクロが可愛いとネットでも話題らしい。 技一覧 刻糸牢(こくしろう) 蜘蛛の巣状の糸で相手を包囲し、切り刻む。 殺目篭(あやめかご) 刻糸牢より狭い篭状の空間に相手を閉じ込め、確実にとどめをさす。 刻糸輪転(こくしりんてん) 竜巻の如く渦を巻く最硬度の糸が襲い掛かり、相手を跡形もなくバラバラにする。 下弦の弐、参、肆、陸 轆轤(ろくろ、声 - 楠大典 / 演 - 夛田将秀)、病葉(わくらば、声 - 保志総一朗 / 演 - 星賢太)、零余子(むかご、声 - 植田佳奈 / 演 - 牧浦乙葵)、釜鵺(かまぬえ、声 - KENN / 演 - 鳥居留圭)。 順に下弦の弐、参、肆、陸。累討伐後に無惨によって魘夢と共に招集され、弱さを責められた末に全員殺される。
※この「十二鬼月」の解説は、「鬼滅の刃」の解説の一部です。
「十二鬼月」を含む「鬼滅の刃」の記事については、「鬼滅の刃」の概要を参照ください。
十二鬼月(じゅうにきづき)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 10:19 UTC 版)
「鬼滅の刃」の記事における「十二鬼月(じゅうにきづき)」の解説
鬼舞辻󠄀無惨直属の十二人の鬼たち。江戸時代に無惨が作った幹部十二枠で弦月に喩えられた名称。ほかの鬼に比べて実力が格段に高く、十二鬼月である証は「数字」と呼ばれる。
※この「十二鬼月(じゅうにきづき)」の解説は、「鬼滅の刃」の解説の一部です。
「十二鬼月(じゅうにきづき)」を含む「鬼滅の刃」の記事については、「鬼滅の刃」の概要を参照ください。
- 十二鬼月のページへのリンク