ほめ【褒め/▽誉め】
読み方:ほめ
ほめること。「子―」「べた―」
褒め
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/15 04:18 UTC 版)
褒め(ほめ。英: Praise)、褒める(ほめる)とは、人のしたこと(行い)を、"すぐれている"や"素晴らしい"などと評価して、それを表明することである[1]。なお、言葉だけでなく、ボディーランゲージ(表情や身振り)によっても伝えられる。賞賛などともいう。
概略
社会的な操作としては、褒めとは表彰であり奨励であり、古典的条件づけとして、その後の行動を強化する。個人に対する社会的影響は多くの要素によって変化する。例えば、どういう状況で伝えられたのかという文脈や背景、受け取った側の性格や解釈の仕方などである[2]。
「褒めて伸ばす」という言葉や手法があり、大人のスポーツ選手の育成現場や、会社の新人社員の育成の現場でも使われており、あるいは高齢者のお稽古ごとの教室でもこの手法は使われており、褒めることの効果に年齢は関係無い。
効果に影響する要素
調査によれば、褒めるタイミングや回数が、褒めることの効果に大きな影響を与える[3]。
- タイミング
行動分析学では、褒めるという行為を「正の強化子(報酬)」と呼び、この報酬を与えるタイミングについては、相手の行動の直後に行うことが重要だとしており、これを「即時強化の原則」と言っている[4]。人間や動物の脳は、「自分がした行動」と「その直後に起きた良いこと」を1セットにして学習するので、行動の直後に褒めることで、脳内で「この行動をしたから褒められたんだ」という因果関係が(脳のレベルで)明確になり、その行動が定着しやすくなる(脳内のシナプスの結合の強化が起きる)からである。逆に、良い行動をしてから数時間や数日経ってしまうと、その間に相手は「別の仕事」「雑談」「休憩」など、他の行動を無数に行うことになり、後から「あの時は良かったよ」と褒められても、脳内での行動と報酬の結びつきが弱くなり、学習効果が低くなる。
- 回数
同じく行動分析学によると、褒める回数(頻度)は相手の段階("ステージ")により変えると良いという。[5]
- 新しい行動を身につけさせたい段階 ─ 相手が新しいタスク(仕事、任務)に挑戦しているときや、習慣化の初期段階では、「良い行動をするたびに毎回」褒めると効果的である。毎回褒めることで、正しい行動の基準が相手に早く伝わり、急速に行動が定着する。この手法を「連続強化」という。[5]
- 行動が身についた後 ─ 相手がある程度その行動をできるようになったら、毎回褒めるのをやめ、ときどき(つまり、ランダムな回数につき1回)褒めるように頻度を減らしてゆくと効果的である。これを「間欠強化」という。[5] 心理学の実験では、「たまに褒められ、いつ褒められるか分からない」のほうが、"褒められない時期"になってもその良い行動を、長く、自発的に続けようとする、ということが判明しているからである。また、毎回必ず褒められると、相手は褒められることに慣れすぎてしまい効果が薄れる。また、さほど上手にできなかった際にも褒め続けると、「本当にうまくできたから褒めてくれているのか? そうではなさそうだ」「ただのお世辞か?」と疑心暗鬼状態も生じ、逆効果になる。
子供を褒める方法
子供の年齢に応じて適切な褒め方がある、との指摘がされている。それぞれの年齢帯で、行為の"やり方"(過程)を褒めるのか、"結果"を褒めるのか、"人"(個人)を褒めるかで、効果が異なる。
Henderlong CorpusとLepperによれば[6]
- 未就学児の場合には個人・過程・結果の3種類の褒め方どれについても同じようにやる気に好影響を与えた。
- 小学4年・5年生の女児には、(過程を褒めるのでなく)"個人を褒める"ことは、むしろやる気に悪影響を与えた。
また、Henderlongによる別の研究では[7]
備考
D. E.Kanouseによると、言葉による褒めには、他者の行動や特質に対する肯定的な評価が含まれているが、それが受け手に対して不安を与える可能性もある、という[10][11]。
脚注
- ↑ 「褒める」。コトバンクより2026年6月14日閲覧。
- ↑ Henderlong, Jennifer; Lepper, Mark R. (2002). “The effects of praise on children's intrinsic motivation: A review and synthesis”. Psychological Bulletin 128 (5): 774–795. doi:10.1037/0033-2909.128.5.774. PMID 12206194.
- ↑ Carton, John (19 June 1989). “The differential effects of tangible rewards and praise on intrinsic motivation: A comparison of cognitive evaluation theory and operant theory”. Behavior Analyst 19 (2): 237–255. doi:10.1007/BF03393167. PMC 2733619. PMID 22478261.
- ↑ 杉山尚子 (2005). 行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由. 中央公論新社. ISBN 978-4087203073
- 1 2 3 B.F. スキナー (2003). “第6章「オペラント行動」、第7章「オペラントの形成と維持」”. 科学と人間行動. 二瓶社. ISBN 978-4931199934
- ↑ Henderlong Corpus, Jennifer; Lepper, Mark R. (2007). “The Effects of Person Versus Performance Praise on Children's Motivation: Gender and age as moderating factors”. Educational Psychology 27 (4): 487–508. doi:10.1080/01443410601159852.
- ↑ Henderlong, J. (2000). Beneficial and detrimental effects of praise on children's motivation: Performance versus person feedback (Unpublished doctoral dissertation). Stanford University
- ↑ Barker, George P.; Graham, Sandra (1987). “Developmental study of praise and blame as attributional cues”. Journal of Educational Psychology 79 (1): 62–66. doi:10.1037/0022-0663.79.1.62.
- ↑ Ackerman, Brian P. (1981). “Young children's understanding of a speaker's intentional use of a false utterance”. Developmental Psychology 17 (4): 472–480. doi:10.1037/0012-1649.17.4.472.
- ↑ Kanouse, D. E.; Gumpert, P.; Canavan-Gumpert, D. (1981). “The semantics of praise”. New Directions in Attribution Research 3: 97–115.
- ↑ 右京, 澤口、昌三, 渋谷「「ほめ」に関する心理学的研究の動向」『目白大学心理学研究』第(10)巻、2017年10月20日、99頁、 ISSN 1349-7103。
関連項目
外部リンク
| 褒めに関する 図書館収蔵著作物 |
「褒め」の例文・使い方・用例・文例
- Xができたと山田先生からお褒めの言葉を頂きました
- 彼がお客様からお褒めの言葉を頂戴した
- 彼女はその歌を褒めたが、それはお世辞に過ぎなかった。
- それを褒めていただいて有難う御座います。
- 良く出来た仕事では自分を褒めなさい。
- それは褒め過ぎだと思う。
- 私は有名なロボット工学の先生に褒められてとても嬉しかった。
- あなたに褒めてもらえて嬉しいです。
- 私は先生に褒められることなどありませんでした。
- 私は自分自身に本当によくやったと褒めたい気持ちで一杯です。
- カワイイは彼女にとって最高の褒め言葉です!
- 私はあなたに褒めてもらえて嬉しいです。
- 私は仕事が丁寧だと褒められた。
- そんなに私を褒めないでないでください。
- 私は彼が私の黒髪のことを褒めてくれて嬉しかったです。
- あなたが私の笑顔を褒めてくれて私は嬉しいです。
- 私はあなたが私の笑顔を褒めてくれて嬉しいです。
- 私は笑顔を褒められて嬉しく思う。
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