相撲部
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1919年(大正8年)創部。1964年の全国学生相撲選手権大会にて、立教大学から初の学生横綱を輩出した。1980年~1990年代前半、部員不足に陥り、他の部から「助っ人」も多く出場していた。その様子は、映画「シコふんじゃった。」(1992年 脚本・監督 周防正行)のモデルになり、第16回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品になった。2018年には、学生相撲の男子相撲部にて、初の女性主将が誕生し、話題になった。この年、インカレ団体戦Bクラス(2部リーグ)にて、40年ぶりにベスト8に進出した。
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相撲部
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潮 火ノ丸(うしお ひのまる) 声 - 江口拓也 / 阿部敦 本作の主人公。1年生。身長152cm(背伸びして丁度160cm)→157cm、体重79kg→92kg。無造作に伸ばした赤毛調の長髪と、身体に残る無数の傷が特徴。あどけなさが残る顔立ちだが、眼光は鋭い。 小学生相撲二冠王となり、その鬼のような強さから、国宝「鬼丸国綱」の異名で将来を嘱望された少年。しかし、中学時代は身長がほとんど伸びず、無差別級競技である相撲において公式戦で実績をほぼ残せなかった。周囲から終わった選手と思われたが、裏で体格差を帳消しにする地道で過酷な「三年先の稽古」を積み続けていた。そして高校入学を期に再び頂点を目指し、相撲界に復帰する。 小学生時代から相撲一筋で横綱を夢見るが、上記のように新弟子検査規定に満たない小柄な体格で、アマチュア横綱になり身長基準が不問となる幕下付出の権利を得る以外、角界入りの手段は無い。それでも彼自身は「高校相撲のタイトルを総なめにして相撲界から頭を下げにくる位の凄い力士となる」という大きな目標を抱く。小兵ながら奇策には走らず、体格差があっても真っ向勝負を挑むことを信条とする。15分間佑真に一方的に殴られ続けてもものともせず、300回四股踏みしても最後まで軸足がぶれず高々と足を上げ続けるなど、小さな体からは想像もできない強靭な精神・肉体を誇り、それが彼の強さの土台となっている。 その小さな体から侮り謗りを受けるも、それを跳ね返すように次々と強敵・難敵を破っていく。五條佑真を倒し道場を取り戻すと、出稽古先の石神高校で全国的に名高い高校力士・金盛を「鬼車」で撃破。春大会予選決勝トーナメントでは、自身が沈んでいる間に最強だった中学横綱・沙田と初対戦に臨み、3年間の集大成とも言える技「百鬼薙ぎ」で勝利をもぎ取り、雌伏の時が報われた事に笑顔を見せた。新人大会では「鬼丸殺し」の異名を持つ相性の悪かった下山に圧勝し「過去の自分」を、同じ小兵ながら火ノ丸と違う相撲で結果を出す狩谷を破り「別の現在の自分」を倒し、その実力を証明する。しかし、「大きな自分」である久世には体格の差を覆せず完敗、高校入学からの快進撃は止まる。その後、遅れて入部した桐仁から、技の伸び代の可能性を示唆され、彼の計らいで猛稽古で知られる柴木山部屋へ体験入門。その実力と心意気を部屋の親方や力士たちに認められ、以降の強化期間中も部屋の朝稽古に参加する。迎えたIH千葉県予選団体戦では順当に勝ち進み、決勝戦で石高の沙田と再戦、前回の対戦から短期間で別人のように進化した彼の圧倒的な力に1度は負けを認めかけるも、初めて経験する精神的敗北(「心」の死)を本能的に拒絶し、体格を与えられなかった「持たざる者」の意地で沙田と同じく「修羅の相」の領域に入った。最後は死の淵で本能的に一撃必殺の新技「百千夜叉墜」を完成させ、彼にしか成し得ない「火ノ丸相撲」で沙田を再び下し、ダチ高の全国行きを勝ち取る。沙田戦で右肘を故障するもそれを仲間に隠し、個人戦では仲間たちとの死闘を繰り広げながら全力で勝ち上がり、満身創痍にもかかわらずIH県予選個人戦も優勝を決める。 IH県予選後は、柴木山親方の計らいで七月場所前の鈴ヶ嶽一門の稽古に参加するため名古屋に赴いた。名古屋城の観光中、偶然出会した国宝・日景との野良試合を敢行するも、事実上の敗北を突きつけられ、新技が全国では通用しないことにショックを受ける。さらに関取との稽古では新技の弱点が完全に露見し、中学時代以上の挫折をしかける。しかし、柴木山親方の懇願で稽古を見に来ていた元横綱・駿海に見いだされ、礼奈とともに修行を受ける。当初は駿海の無茶ぶりに近い課題について行けずにいたが、駿海の自身に対する期待を偶然耳にし奮起、百千夜叉墜の強さと難しさに囚われ技を単調にしていた自分に気付き、崩しやフェイントを入れることで百千夜叉墜に至る道は無限であることを理解した。日景との再戦でこれを証明し勝利、出された課題にも見事合格し、高校相撲の頂点を取ることを宣言する。 IH全国大会個人戦予選では全国の高校力士を相手に圧倒しながら3連勝、決勝トーナメントにて前年度の高校横綱・天王寺獅童と対戦する。徹底的に火ノ丸の研究をしていた彼に苦戦を強いられながらも善戦するが、とっておきの崩し技も既に想定していた天王寺には通じず個人戦は敗退した。試合後の控え室では左腕を痛めていることが発覚、プロ入りの夢も散ったと思われていたが、団体戦で天王寺に勝利すれば叶えられる可能性があると小関に告げられたことで、僅かな望みを繋ぐ。その後は蟹江医師のもと腕の治療に専念・復活し、火ノ丸不在の間はダチ高メンバーが予選を勝ち抜いたことで、天王寺への挑戦権を再び得る。 2勝2敗で迎えた団体戦準決勝大将戦では、攻めのパターンを一気に広げ、天王寺の想定を超えることに成功、「鬼炎万丈の相」へと昇華する。そして天王寺の執念を上回る相撲で勝利し、最初で最後の雄叫びをあげた。決勝の大将戦では、以前敗北を喫した久世との再戦、体力の消耗が激しい苦境の中、自身に問いかける亡き母の言葉が脳裏に浮かび、自身が相撲をする理由が「相撲が好き」であることを再確認し、取組中に始めて笑みを見せた。新たな時代の到来を思わせる極限の技の応酬を見せ、自身の代名詞的な技である「鬼車」で勝利、ダチ高を団体戦優勝に導き、土俵上で初めての嬉し涙を流した。 IH後は見事高校生枠に選ばれ、全日本相撲選手権大会に出場する。痛めていた左腕が完治していなかったため、天王寺との3度目の対戦には破れたものの、第3位の好成績を修め、「三段目付出」の資格を手にする。付出資格は1年の期限付きのため、ダチ高は中退。最後は仲間たちとの送別相撲を取り、それぞれの未来を想いながらも自身は念願のプロ入りを果たす。 一人称は「ワシ」。語尾に「〜じゃ」「〜じゃのう」という古風なしゃべり方が特徴で、機嫌が良いと「うへへ」と言いながら笑うことが多い。これは両親の転勤が多く、幼少期に様々な方言を聴き覚えてしまったことが影響している模様。高校生ながら達観しており、周りの人間には的確なアドバイスをすることが多い。目標に向かい精進する人には誰でも敬意を表し、性根の腐った者や他人の努力を馬鹿にする者は許さず、時に暴力に訴える。しかし、自分への誹謗は割と冷静に流している(ただし、低身長を引き合いに相撲を舐めていると言われるのは我慢ならない様子)。己の信念を貫き通す男気のある性分ではあるが、裏を返せば頑固でもありそれが中学時代孤独になっていた要因でもあった。しかし、ダチ高メンバーや柴木山部屋の面々との交流を経て徐々に軟化していく。 携帯電話・スマートフォンなど、連載中の中高生に普及している情報機器は扱えず、持っていない。ダチ高の学生服にはブレザーが指定されているが、中学時代の学ランを着用する。歴史マニアで、城や戦国武将の話題になると、子供のように目を輝かせる。相撲に全力で打ち込みながら勉強も手を抜かず、インターハイ前の中間テストでは全教科で平均点を大幅に上回る学年上位の成績。佑真を倒したことから当初はクラスメイトから恐れられるが、面倒見の良さでいつからか「兄貴」と呼ばれ慕われるようになる。体育祭では紅組応援団長に就任し、冷ややかだった周囲の生徒たちを奮い立たせ、最後にはチーム全員で号泣する卓越したカリスマ性を見せた。両親は既に他界し、肉親は母方の祖父母のみの模様。 小説版では、小学生時代が書かれており、鬼丸と呼ばれるようになった経緯が書かれている。 作者によると、初代若乃花をなんとなくイメージしてキャラクターを作っているとのこと。大相撲編 四股名は「鬼丸 国綱(おにまる くにつな)」。大太刀高校中退で柴木山部屋に入門し、三段目付出で初土俵を踏む。 スピード出世で幕内昇進後、程なくして数珠丸との取組で右腕を負傷。1度は幕下の下位まで降格するも、2年の歳月をかけて幕内の西前頭13枚目までに復帰する。九月場所での番付は西前頭3枚目。 目標としていた横綱刃皇の突然の引退宣言や病床に伏した駿海、薫丸が蜻蛉切に重傷を負わされた事件など、様々な要因で内心焦りを感じ、相撲内容にもそれが反映されることとなる。花相撲にもかかわらず、蜻蛉切との取組では内に秘めた凶暴性が「修羅の相・無道」として発現。九月場所初日では大典太にもこれで勝利するも、その投げ遣りな相撲は横綱・刃皇には通じず敗北、数珠丸にも敗北を喫し2連敗となる。周りの声も聞こえないほどに追い込まれていくが、礼奈の励ましや生前の母のビデオレター・大太刀高校相撲部(部長の小関を除く)の面々と再会したことで、漸く心の落ち着きを取り戻す。 続く大般若との取組でまだ開けていない自身の引き出しを解放して白星を上げたことを皮切りに、金鎧山との取組では「心・技・体」に加え「愛」に目覚め、草薙との取組では右腕のイップスを解消、童子切、百乃花と四大関を立て続けに撃破する。10日目、自身の中にある凶暴性を自覚しつつも、それを飼い慣らす「無道・馭」でただ1人無敗のまま連勝を走る大包平にも土を付けた。因縁の三日月との再戦では、数多の修羅場を乗り越えた心で「覇燗万丈の相」に辿り着き、彼の強さを十二分に引き出しながらも自身がたどり着いた「横綱相撲」で勝利。その後は、同じく12勝2敗を守る元ダチ高メンバーの太郎太刀と対戦、鬼丸に迫りたい一心の太郎太刀の真っ向勝負に応え、完勝。同部屋の兄弟子、冴ノ山との優勝決定戦では、互いに敬意を表しながら全力でぶつかり合い、櫓投げ「鬼楼」で勝利、史上最強の横綱・刃皇との再戦の権利を獲得した。 千秋楽、迎えた大一番では刃皇の圧倒的・神的・支配的力量にも一歩も引かずに死闘を演じる。刃皇裁判では、神の依り代にはなれないことを自覚しつつ「神に刃向かう異形としてこの地獄を闊歩する、鬼神となる」と確固たる意思を表明。これまでの連戦で尖らせた勝負勘で刃皇の隙を突き、百千夜叉墜で勝利、九月場所を初優勝で飾った。初優勝から半年後のエピローグでは、小結に昇進している。 プライベートでは礼奈と正式に交際を始め、彼女の両親に公式に認められた上で、公開プロポーズの宣言通りに九月場所終了後に結婚した。 小関 信也(おぜき しんや) 声 - 村田太志 / 落合福嗣 3年生。相撲部の部長。身長173cm、体重108kg。力士としては低身長だが、相撲取り然とした立派な体格が特徴。 廃部同然の弱小相撲部で「大関」の呼び名でからかわれていた少年。初登場時は中学時代から5年間公式戦未勝利、部員に手を出さないという条件付きで道場を佑真ら不良たちに占拠されていた。ダチ高一の腰抜けと罵られるも、2年間1人で相撲部を守っていた。道場が使用不能の時も、トレーニングや西上高校への出稽古などで稽古は怠っていない。 優しく真面目で、常に気配りもできる常識人。気が弱く卑屈な面もあり、おおよそ格闘技向きではない性分。しかし相撲を心から愛しており、その真摯さ・粘り強さは実力者である火ノ丸や真田たちも尊敬・畏怖の念を抱く。当初は自分を卑下する場面も多々みられたが、火ノ丸との出会い、部員たちとの交流を機に部長という立場を自覚し、徐々に堂々とした言動が身に付く。 IH千葉県予選一回戦大将戦では注目されない中で電車道を決め圧勝、観衆の度肝を抜く。団体戦決勝副将戦では1勝2敗と後の無い状況で真田と当たり、火ノ丸らの激励もあって真田の猛攻にも耐えながら、がっぷり四つの引き付け合いに持ち込み、最後まで「心」を強く持ち続け、激闘の末勝利する。ダチ高全国行きを決めた後、個人戦ではモチベーションを低さが懸念されたが、尊敬する力士相手に金星を上げたいという野心を胸に火ノ丸と対戦、右腕を負傷していたとはいえ全力の火ノ丸と互角の引き付け合いを繰り広げる。惜敗はしたものの、この試合で自身も火ノ丸のライバルたりうる事を示した。このように良くも悪くも「心」の状態が実力に影響しやすい力士で、名古屋での強化合宿ではそれが浮き彫りとなり、金沢北高校の相沢との邂逅でそれが度胸の無さゆえの弱点である事を痛感。しかし、それと同時に自身が積み上げたダチ高相撲部の歴史に自負を持ち、「ダチ高相撲部が最高だってことを日本一になって証明します」と宣言、度胸をつける。 IH全国個人戦で敗退し憔悴する火ノ丸にプロ入りの可能性が残っていることを提示、奮起させる。その後、火ノ丸が不在の中、団体一回戦では因縁の相沢と対戦し、会心の立ち会いで圧勝、真田戦以上のアグレッシブな攻めに観客を驚かせる。団体準決勝の鳥取白楼戦では、合気道の使い手である榎木と当たる。技で上を行く榎木に追い詰められ「首捻り」で逆転を狙うがあと一歩及ばず敗北した。続く団体戦決勝では国宝級との呼び声高いされるダニエルと対戦、一足早い鬼丸対草薙戦と揶揄される。しかし、久世になりたいダニエルと、火ノ丸とライバルでいたい小関の「心」の差を見せ、辛抱強い相撲でダニエルの大蛇断に耐え勝利。大将戦では火ノ丸も久世に勝利したことで、宣言通りにダチ高は日本一となった。送別相撲では火ノ丸に電車道を決め、高校卒業と同時に自身も大相撲の世界に飛び込むことを宣言した。 歌が非常に上手く、ダチ高相撲部でカラオケに行った際はメンバー全員が涙を流すほどの歌唱力がある。意外に少食で千比路からは「見かけ倒しか」とつっこまれるが、甘い食べ物は好物らしく、人並みには食べられる模様。稽古場で火ノ丸に勝ったときには嬉しさのあまりケーキを買って帰宅した一面も。 読切版では、相撲好きという設定ではない。大相撲編 大太刀高校を卒業後、長門部屋に入門。四股名は「太郎太刀 信也(たろうたち しんや)」。 入門した当初は、三段目と序二段を行き来し伸び悩む。童子切の付け人として彼に稽古をつけてもらうことが多かったが、猛稽古の苦しさにも付いていけずに1度逃げ出している。自身に才能がないことを嘆くが、自分がなぜ長門部屋を選んだのかを追懐し、鬼丸のライバルになるために選んだことを思い返し「心の火」を入れ直して稽古に戻る。その後は、勝率を上げるために四つ相撲を捨て、徹底的な押し相撲一本に転向し、その愚直さを武器に結果を出し始めた。 九月場所では新入幕となり、西前頭16枚目から快進撃を続け、100年ぶりの新入幕の優勝を観客から期待される。2敗をキープして臨んだ鬼丸との取組では、万全な状態の彼と初めて戦えることの喜びを感じ、強くなった自分を報告するように土俵上で語り合う。体ごとぶつかる押し相撲で真っ向勝負を挑むも、最後は渾身の押しを全て受け止められ押し出しで敗北した。しかし、その目には嬉し涙があった。表彰式では自身初の敢闘勝の受賞に笑顔を見せ「まだまだこれからだ」と来場所への意気込みを語っている。 五條 佑真(ごじょう ゆうま) 声 - 武内駿輔 / 熊谷健太郎 3年生。身長186cm、体重87kg。銀髪の逆立てた髪型が特徴。五條礼奈の兄。 ダチ高不良グループのリーダーとして初登場する。空手の有段者で、入学以来喧嘩で負けたことが無く、「ダチ高最強の男」と持て囃されていた。相撲を「裸同然の姿で男同士が抱き合う競技」と嘲り、小関から相撲道場を奪って不良の溜まり場にした上、小関が校庭の隅に作った手作りの土俵も破壊する。それに激怒した火ノ丸に対し、人間サンドバッグを彼に行うが自身の体力と拳の耐久力が先に底をつき、火ノ丸のぶちかまし一発で吹き飛ばされ完敗する。 その後、火ノ丸に半ば強制的に石神高校相撲部への出稽古に誘われる。沙田・金盛ら強豪たちを目の当たりにし、自らがダチ高という箱庭の王に過ぎなかった事を痛感。真の意味で最強を目指すべくプライドを捨て、自分たちが荒らした部室を掃除し、小関に過去の無礼を謝罪した上で入部する。その後は喧嘩と煙草をやめ、重要局面で小関を「部長」と呼び敬意を払うようになる。入部後も一部舎弟からは慕われ、試合で応援される。 空手・喧嘩の経験を相撲に生かし、突っ張りといなしを主体とした取り口を得意とするようになる。相撲に真摯に向き合うにつれ、不良時代の振る舞い(特に小関に対する横暴)を省みるようになり、自身の非行が原因で確執があった恩師・高荷との経緯を経て、「覆水を盆に返す」という言葉を胸に改めて自身の勝利で部に貢献する決意を固める。引き技に対する弱さを桐仁から提示された対策稽古で克服し、さらに磨きをかけた空手技による怒涛の連打を浴びせIH県予選一回戦で難なく3勝目を上げ、ダチ高強しの気風を観衆に広げる。決勝中堅戦では金盛と当たり、突き合いの勝負で大技「掛け突き 破城掌」を決め一旦優位に立つが、実力差を埋めるには至らず敗北。個人戦で金盛と再戦するも組まれたら何もできなくなる弱点を見透かされ完敗。蛍と共に今はお荷物である事を自嘲しつつ全国ではチームに貢献する事を誓う。 全国大会前に組まれたペア特訓では、過去の自責の念に苛まれ、小関と本気の稽古ができないことが発覚した。しかし、既に佑真のことを赦している小関の懐の深さと思いを知り、以前のように相撲を楽しみながら、小関への「贖罪」、高荷への「恩義」を抱えて強くなることを改めて決意する。その後は、目を瞑って脳内のイメージと実際の動きのズレを修正する空手の型の特訓を課された。迎えたIH団体戦一回戦では次峰として金沢北高校として強敵、瀬良との対戦を組まれる。序盤苦戦を強いられるも、火ノ丸不在の状況に奮起し連打で形勢を逆転、苛立ち不用意に前に出た瀬良に「掛け突き 破城掌」を浴びせて勝利を飾った。団体戦準決勝の鳥取白楼戦では副将として出場、1勝2敗の後がない状況に震えが止まらずにいたが、火ノ丸の言葉で落ち着きを取り戻し、空手の「息吹」で乱れた呼吸を整えバトとの対戦に臨んだ。稽古で染み込ませてきた空手の型の成果により死角にある腕を掴み・払う技術を駆使、手繰り追い突きや、変形三所攻め「呼び掛け」から「渡し込み」を仕掛けるなど、奥の手を出し惜しみせず使用し、最後は死力を尽くした怒涛の連打で土俵から押し出し勝利、覆水を盆に返し、ダチ高の窮地を救った。団体戦決勝では中堅として四方田と対戦、序盤を突き押しで優勢に進めた。途中、廻しを取られるも小関とのペア特訓の成果を見せ「組まれると弱い」と周知されていた弱点を克服・成長した姿を見せる。しかし実力差は覆せず四方田には腹で吊られて土俵際に運ばれ、あと一歩足りず惜しくも敗れた。しかし「勝ってもう一度高鳴りたい」という自身の純粋な気持ちで戦えたこと、ダチ高相撲部で過ごした日々の充実感を感じながら、試合後は清々しい顔で土俵を降りた。引退後も自主トレは欠かさず、送別相撲では自身が壊した小関の土俵を修復、その上で火ノ丸と全力の突き合いを繰り広げた。 実家は金持ちで、父親は大学病院の副院長。空手・そろばん・習字・水泳と大方の習い事を極めたが、その育ちの良さが逆に劣等感となりグレた一因になる。しかし、基本的には何でもできる家庭的なタイプで、掃除は隅々まで行う几帳面さを持ち、火ノ丸のピンチヒッターで作ったちゃんこ鍋が好評を呼ぶなど料理も得意。県予選の祝勝会では「肉が輝く」高度な肉焼きのスキルや、うっとりするような皿の盛り付けを発揮し、店長をして「バイキング最強の男」と評された。学業も優秀で、不良になった後も授業にはきちんと出席しており、本人いわく「授業を聞いているだけ」で余裕で学年上位の成績を維持するほど地頭が良い(千比路には「それでも不良か」とつっこまれた)。相撲にのめり込んでからは、以前のような粗暴さはなくなり真面目さが際立つようになった。 小説版の二作目では、中学時代が描かれ、不良になった経緯が描かれた。大相撲編 大学4年生。栄華大学医学部。大学でも相撲を続ける傍ら、スポーツドクターを目指し蟹江医師に師事する。負傷して再起を目標にする鬼丸に空手の稽古をつけ、サポートをする。 礼奈と鬼丸の付き合いを後押ししながらも「結婚するまでは手を繋ぐ以上は許さん」と激怒する場面もあり、そのシスコンぶりは健在。鬼丸と太郎太刀の取組や、礼奈の結婚式では号泣しており涙脆い一面も見せた。 國崎 千比路(くにさき ちひろ) 声 - 佐藤拓也 2年生。レスリング部員→相撲部員。身長180cm、体重97kg。恵まれた体格と、短髪、目付きが悪いのが特徴。鼻絆創膏がトレードマーク。 国体で個人戦優勝するほどの実力者。将来は総合格闘技選手として全米の頂点に立つ事を夢見る高校生。 当初は相撲を「手がついたり土俵から出ただけで勝負がついてしまう負けの重みが軽い競技」と見下すが、学園祭余興の異種格闘技戦で火ノ丸に敗れたことで、「簡単に勝負がついてしまうからこそ勝ち続けるのは難しく、その上で頂点に立つ人間は本物の強者である」と相撲と火ノ丸への認識も改める。学祭はレスリングの次を探す異種格闘技戦であった事を明かし、総合格闘技に必要な相手を押しこむ力、倒されない強靭な足腰を身に付けるべく入部する。その後、新人大会で大河内を下すなど相撲初心者とは思えぬ戦績を上げる。一目で圧倒的強者と見抜いた久世との対戦では、レスリングで磨いたフットワーク・技術を駆使して戦うもことごとく対応され、寄り切られて完敗した。その後、桐人から摺足が身についていないゆえ足を掬われるとの助言を受け、摺足の基礎稽古を目的とした独自の特訓に取り組む。迎えたIH県団体決勝戦では次鋒で荒木と対戦し攻防目まぐるしい技と技の応酬の末、敗北寸前に火ノ丸の「鬼車」で逆転勝利を収め、力士としての才能が開花しつつある事を示した。個人戦では小関と対照的に火ノ丸との初公式戦に滾り、1度見ただけで技術を模倣する並外れた格闘センスと吸収力でこの大会で見てきた様々な技を繰り出すも完敗。実力差を認めつつ火ノ丸が強くなり続ける限り、自分も強くなれる事を感謝した。 県予選終了後は、自身が苦手とする突き押しに対する対策として沙田の対応力を見込み、怪我の治った彼に一時的だが弟子入りをする。この際「いなし」や「おっつけ」などの技術を著しい速度で吸収をしており、IH団体一回戦では国宝である日景を相手に高校一の突き押しを見切り、完封する。試合中に進化しを続ける日景との激闘の末、絶対に勝利を譲らない覚悟から「修羅の相」を発現、幻の決まり手「襷反り」で土をつけた。また、この勝利を切っ掛けに「国宝喰い」の異名で自らを呼ぶように宣言、以降は観客・選手からそのように呼称されるようになる。団体戦準決勝でも中堅として出場、蛍を軽視した発言をした国宝・加納に対抗心を燃やしながら挑んだ。2敗という後のない状況でも全く怯まず、大胆な踏み込みと日景からコピーした突き押しを駆使して優位に立つ。追い込まれて火がついた加納に四つに組み止められるも、なりふり構わない寄り切りで勝利する。団体戦決勝では先鋒として実の兄・真磋人と対戦。彼の自由奔放な相撲にペースを握られるも、相撲を心から楽しむ彼の熱気に当たられ、「自分にとって相撲が何か」を考える。最後は自身も「相撲が好き」であることを再確認し、今まで練習してこなかった頭からのぶちかましで勝負をかけるも、体重差を覆せず土俵際に追い込まれ「合掌捻り」で逆転を狙ったが、自身と同じく相撲とレスリングにも詳しい真磋人に外掛けで返され、団体戦で初の敗北を喫した。大会後の送別相撲ではその自由な相撲で火ノ丸を追い詰めるも「五輪砕き」で寄り切ろうとしたところを担ぎ上げられ敗れる。最後には相撲を通じてスリリングな体験をできたことを感謝し、次に会うときはお互いが頂点に立つことを誓った。 技を習得する勘、動きのツボを見抜く確かな観察眼を持つ類い稀な格闘センスは、沙田や火ノ丸にも「天才」と言い切らせるほどであり、元横綱・駿海にも「金の卵」「相撲に進まないのは勿体ない」と評価される才能の持ち主である。また、格闘技漫画には珍しい味方側にありながら相手の技をコピーするキャラクターでもある。 裏表のない竹を割ったような性格だが、自己顕示欲が強く、自分に負けた相手に痛烈なダメ出しをするため、当初は「ダチ高のアンタッチャブル」と呼ばれていた。空気が読めず自分の横柄さが顰蹙を買っていることにも気付かないため、千比路がいたレスリング部も退部が相次ぎ、最後は彼一人だけになってしまう。さらに自分の退部後にレスリングに復帰している元部員たちを見つけても気付かず、見かねた師岡に諭され漸く嫌われていたことに気付くほど鈍感である。しかしながら、自身の強さにしか興味がなかった自分が変わりつつあることを自覚、相撲に出会い志を同じくする仲間を得て心境が変化し、他人のために勝とうと思うようになるといった精神的成長も見せる。一方で個人戦での仲間同士の潰し合いに戸惑う小関や蛍らに「仲間である事と馴れ合う事は違う」と諭すように格闘家らしい割り切りの精神も持つ。 IH県予選後の祝勝会では大食いで盛り付けががさつな面が見られた。カラオケでは1人で何曲も入れる、飲み物を溢す、人が歌っている途中で演奏中止ボタンを押してしまうなど、自分勝手さが全面に出ていた。公衆の面前で大きな屁をこいたり、不浄負けをしても股間を隠す素振りも見せないことから羞恥心もない様子だが、当の本人は自分が常識があって空気も読める人間だと勘違いをしている模様。 シングルマザーで子持ちの姉と、栄華大附属相撲部所属の兄・真磋人、相撲好きの祖父、妹と弟が一人ずついる。小学5年の時に両親が離婚し、折り合いの悪かった真磋人が父親に引き取られ、自身は母親に引き取られた。桐仁によれば筋金入りの格闘一家で、母親・祖父は柔道、実父はレスリング、義父(母の再婚相手)は元ボクサーと格闘技経験者らしい。勉強は苦手で中間テストでは補習となるが、石高の荒木との出会いで「(勉強で)時間を無駄にしていられない」と赤点は取らないことを心に誓う。 小説2巻では、真磋人と暮らしていた小学生時代が描かれる。大相撲編 火ノ丸の大相撲入りと同時に大太刀高校を自主退学し、総合格闘技の本場アメリカ合衆国で重量級王者になる夢のために渡米。ストリートの賭け試合でスカウトされた後、総合格闘技のマイナー団体チャンピオンになる。そして、九月場所の頃に帰国して4日目の朝に火ノ丸と再会する。さらに生後10か月の娘・オコメを連れており、皆を困惑させた。しかし、オコメのことで姉と大喧嘩になり実家に戻れなくなり、九月場所が終わるまでに姉と仲直りするという条件と雑用を行うことで、女将の許可を貰い柴木山部屋に居候することになった。 九月場所中は鬼丸の取組を解説。ビデオを少し観ただけで、金鎧山の「大関という地位に満足している」という本質を看破している。また、高校時代に一度対戦した大包平を気にかけており、彼の危険な相撲の裏にある心情を見透かした描写も見られた。 エピローグの火ノ丸の結婚式では髭を蓄えており「よく知らないベルトをもう一本手にいれた」と他の団体のチャンピオンにもなった様子が描かれた(火ノ丸の夢が混じっているため定かではない)。 三ツ橋 蛍(みつはし けい) 声 - 村瀬歩 1年生。元音楽部員。身長162cm、体重50kg。 中性的な顔立ちをした小柄な男子高校生。気弱で同級生の火ノ丸に対しても「さん」付けで呼び、丁寧語で話す礼儀正しい性格。千比路からは「ホタル」と呼ばれる。 6歳からフルートをやっていたが、スポーツ経験は乏しく、ひ弱な体つきの自分にコンプレックスを抱いていた。自分と同じように小柄な体格ながらも大きな相手に立ち向かっていく火ノ丸の雄々しさに感化されて相撲部入部を決意する。火ノ丸のような真っ向勝負に憧れるも、強豪校相手には戦力になり得ない現実を桐仁から告げられたが、ダチ高の勝利のためなら憧れを捨てる覚悟がある事を気丈に宣言する。 新人戦で初心者ながらガッツのある真っ向勝負を挑むも完敗、以降は自身と同じく小兵である狩谷や火ノ丸の取組などを見学した。IH県団体予選でも同様に真っ向勝負で連敗し、愚直な道化を演じ続ける。決勝、先鋒戦では体格差が明らかにある間宮に「八艘飛び」で奇襲をかけ後ろを取ろうとするも、冷静に対処され完封された。その後、柴木山親方の胸を借りながら稽古に励んでいたが、自身は選手にはなり得ないと諦めていた桐仁にも発破をかけ、彼の選手復帰を促した。 IH団体戦準決勝の次鋒の首藤戦では、数度の突っ掛けから背を向け歩くという前代未聞の立ち会いで相手を挑発、会場全てを敵に回す大胆な奇策をやってのける。冷静さを欠いて突っ込んできた首藤に「猫騙し」から「八艘飛び」という奇襲技を畳み掛け、彼の背後をとった状態で形振り構わない気迫の押しで大判狂わせを演じた。しかし、物言いにより同体の判定となってしまい、既に膝を負傷していたため、取り直しでは首藤になす術もなく敗れ、決勝戦は欠場することになってしまう。だが、その戦いぶりは千比路をはじめチームメイトを奮起させることとなった。送別相撲では火ノ丸のぶちかましを真っ向から耐え、鬼車を模倣して周囲を驚かせる。火ノ丸の前で勝利した自分を見せたかったと嘆くも、火ノ丸は安心してダチ高相撲を託せると蛍の成長に満足気な表情を見せた。大相撲編 大学2年生。高校時代とは変わって、プレイボーイ風の優男となる。大学でも相撲は続け、「蛍丸」「平成の牛若丸」の異名で有名だと語るが定かではない(荒木は蛍丸と呼んでいた)。 桐仁談では、火ノ丸がいなくなった翌年のダチ高で蛍は頼もしく成長し、IHも良いところまで行けた様子。また、沙田の回想では蛍が高校3年時に石神高校に団体戦で勝利しており、部員に担がれている姿が見受けられた。このことから蛍が部長に就任していた可能性が高い(高校相撲編終了時、ダチ高メンバーは桐仁と蛍以外は抜けていることから2年生から部長を務めていた可能性もある)。 変化のスペシャリストとして、九月場所の途中から鬼丸の稽古にも付き合っており、相撲部屋の現役力士を相手に鬼車を決める姿も見せる。火ノ丸の結婚式にも参加しており、桐仁の倒錯した発言につっこんでいた。 辻 桐仁(つじ きりひと) 声 - 寺島拓篤 1年生。火ノ丸の幼馴染。相撲部監督。身長175cm、体重72kg。 火ノ丸とは小学生時代に同じ相撲クラブで稽古に励んだ無二の親友。長髪の美男子。普段はメガネをかけているが、相撲中はコンタクトはつけていない模様。 久世に敗れて落ち込む火ノ丸の前に現れ、部に監督が必要であることを教える。その後、自分が教えている中学生と相撲を取らせて部員たちの弱点と伸び代を指摘し、彼らの納得のもと監督に就任する。力士として火ノ丸と互角に渡り合う実力を持つが、20秒以上戦うと窒息し、生命さえ危うくなる先天的な肺機能の障害(現実の角界にも、舛乃山ら戦える時間が限られる力士が実在する)を患っている。これは小学生の時に発覚しており、未だ治療法は見つかっていない。一時は自身の運命に絶望し相撲の全てを自分から遠ざけたが、過酷な現実に抗い続ける火ノ丸を目の当たりにし、彼を支えるべく独学でマネジメント学・監督論等を身に付けダチ高にやってきた。 全国大会前の合宿で三ツ橋の激もあり、リサーバーとして選手復帰を決意。IH団体戦決勝では負傷した三ツ橋に代わり、次鋒として土俵へと上がる。栄華大付属高の全国レベルの高校力士・理音を相手にし「とったり」「喉輪」「小手投げ」などの多彩な技を武器に翻弄するも、肺の疾患による限界を超える。理音の動きを利用し原型三点投げで勝負を決めたかに思えたが、彼のパワーに強引に持っていかれ、同体取り直しとなった。朦朧とする意識の中で、相撲をまた取れる幸せを噛みしめながら「頭捻り」で瞬殺、見事高校初の公式戦を勝利で飾り、誰の目にも疑いようのない形でダチ高の団体戦優勝に貢献した。 前述の通り相撲の実力は高く、病気さえなければ国宝「鬼切安綱」として小学生横綱になっていたかもしれないと火ノ丸に言わしており、実際に「剛の鬼丸」と「柔の鬼切」として一時千葉県を賑わせていたこともある。稽古の最初の1番に限っては国宝クラスの千比路にも全勝しており、天王寺も辻の存在に注目していた。部で知り合った三ツ橋は、最初こそ奮起させるために煽ったが、実力不足を理解した上でどんな手段を使っても部の勝利に貢献したいと誓う姿や、自分の選手復帰を決心させた恩もあり、火ノ丸とは違う形での友情を築く。 学業は赤点スレスレ。「勉強してないだけで、すればもっと取れる」と本人は弁明するが、名古屋城城主を大名でない宮本武蔵と答えるなど、勉強そのものが苦手な模様。宵っ張り。歌は歌わないがカラオケに誘わないと怒るなど繊細な性格をしているが、口が足りない雑さも多々あり一言で表すと面倒なタイプである。しかしながら、部員の稽古のために道場・漁船などに礼を尽くして頼み込むなど、人に見えないところで身体を張るエピソードもあり根は優しい青年である。 小説版では、小学生時代の大会に火ノ丸の応援に駆けつけていたことが書かれ、鬼丸と呼ばれるようになった経緯を目の前で目撃する。大相撲編 四股名は「鬼切 安綱(おにきり やすつな)」。高校卒業を待たず角界入りする。名古屋場所時点の番付は東十両2枚目で、鬼丸に敗れるも辛くも8勝7敗で勝ち越し、9月場所は新入幕で東前頭17枚目。火ノ丸がダチ高相撲部に在籍していた頃は監督として活動していたが、火ノ丸のプロ入りに触発され、以降は選手としても出場する。甘いマスクにソップ型の体格も相まって、病と懸命に戦う姿から女性ファンが多いという。 高校相撲編同様、先天的な肺機能の障害で20秒以上の取組ができない。しかし、長門親方の指導で「取組は1日1番」とすることで負担を減らし、身体を「相撲に飢えさせる」ことで徐々に番付を上げ、稽古で童子切を倒すほど成長する。七月場所での待ち望んだ鬼丸との取組では、横殴りの強烈な張り手を喰らい一気に土俵際まで攻め込まれ、起死回生の「網打ち」を繰り出すも逆転には至らず、格の違いを見せつけられて完敗した。その後の九月場所では自身の連敗が続く中、火ノ丸の応援に駆けつけた。 エピローグでは火ノ丸の結婚式に参列し「男の子を生めよ。俺がその子を横綱に育ててやる」と倒錯した発言をしていた。 五條 礼奈(ごじょう れいな) 声 - 小松未可子 2年生。生徒会副会長(アニメ版では生徒会長)で、ミスダチ高。金髪の美少女で佑真の妹。身長167cm、体重51kg。 表向きはダチ高のアイドル的存在だが、実際は気に食わない相手を徹底的に潰そうとするなど腹黒い性格。それゆえ男子から人気とは裏腹に、女子受けはかなり悪い模様。兄の佑真には「ブラコン」とも思える感情を抱き、佑真の前では「かわいい妹」の面を見せる2面性を持つキャラクターとして登場した。また、当初は彼女も相撲を「ふんどし姿で行うかっこ悪いスポーツ」と嫌悪し、兄が相撲部に入ったことを快く思わず、相撲部と特に佑真が相撲を始める切っ掛けになった火ノ丸を潰そうと画策し失敗している。そして癇癪をぶつけようと揺るがぬ佑真の決意が本物だと知ると、少しずつ相撲に興味を傾け、兄を応援するようになる。その後、火ノ丸が久世に敗北し落ち込んでいるのを見かねて「そんなに辛いなら辞めればいいのに、なぜ相撲をやっているのか」と素朴かつ残酷な質問をぶつけるが、火ノ丸の相撲への飽くなき情熱を知ると、青春全てを懸けられるものを持たず、無為に日々を過ごすだけの自分の生き方に疑問を感じるようになった。 IH県予選の後、1年生の堀がマネージャー希望を表明すると、その場の勢いに近い形ではあったが、対抗心を燃やして自分もマネージャーとして入部する。名古屋での合宿の時には、火ノ丸とともに駿海の指導を受け、意図せず百千夜叉墜完成の切っ掛けを作った。この指導を経て、火ノ丸と彼の相撲に徐々に好意を持ち始める。このころから性格にも変化が見られ、我が儘ぶりは残しつつも初期のような腹黒い一面は顔を出さなくなった。団体戦準決勝後は、鳥取白楼に勝利したことで気が緩んだ佑真たちに克を入れるなどマネージャーとしての成長も見せた。大相撲編 大学3年生。以前のような腹黒さや我が儘ぶりは影を潜め、落ち着いた雰囲気の女性となっている。佑真の後押しも手伝って、火ノ丸と正式に交際を開始した。柴木山部屋にも顔を出している他、刃皇の妻・由美と知り合った縁で朝陽川部屋の稽古場にも見学(偵察)に出向く。火ノ丸を支えてやりたいと願う反面、無謀とも言える勝負に挑み続ける彼に心を痛めていたが、強引に連れてきたラブホテルで火ノ丸と共に彼の亡き母恵子のビデオを観賞、彼の全てを受け止める覚悟をした。その後は復活した火ノ丸を素直に応援しながらも、公衆の面前でイチャイチャし始める「バカップル」ぶりを発揮する。火ノ丸の公開プロポーズが父に発覚したことにより、共に五條家に出向いた際は両者固く手を取り合い、苦手であった父にこの先二人で共に人生を歩む覚悟を表明、蟠りを解消した。最後まで彼の精神的支柱として九月場所を見届け、エピローグでは約束通り火ノ丸と結婚、晴れて関取の妻となった。 堀 千鶴子(ほり ちづこ) 声 - 田辺留依 1年生の女子。眼鏡で三つ編みが特徴、大人しい優等生タイプ。 IH千葉県予選を観戦し、相撲部の戦いぶりに感銘を受け、マネージャーとして入部する。勉強熱心で、最近興味を持ち始めた相撲にも、既にかなりの知識を持っていた。IH団体戦準決勝前には百千夜叉墜の「左右に投げれば投げるほど威力を増す」ことを見抜き、ダチ高の勝利に貢献した。第1話で電車内で痴漢に遭っている所を火ノ丸に助けられ、彼に想いを寄せているらしき描写がある。礼奈と密かに相撲を取ったときには、偶然居合わせた火ノ丸にスカートの中を見られており、その後の火ノ丸の挙動が怪しさに「私たちを異性として意識して欲情しているのでは」と的外れな憶測を本気で語る天然な面も見せた。1つ下の妹の柚子香には「ポテンシャルは高い」と言われたり、関取たちにモテたりと容姿は整っている。 小説2巻では、メインの回がある。大相撲編 カメラマン志望で、月刊『相撲道』編集部にも出入りして学ぶ。火ノ丸と礼奈が交際するようになってからは、身を引いて2人を応援する立場に回り、現在は冴ノ山が気になっている模様。しかし、彼が「ほしいものは横綱以外にない」とインタビューで発言したことにより失恋し涙を流す。その後も彼を想い、刃皇に初勝利した際は、彼の努力が報われたことに感極まって号泣した。エピローグでは礼奈のブーケトスをキャッチしており、傍にいた冴ノ山も意識している描写もあって両想いであることが示唆された。
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