二冠王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 00:31 UTC 版)
第59期王将戦で羽生に挑戦。その七番勝負第2局と第3局の間に、第68期順位戦B級1組(2010年2月8日、対豊川孝弘戦)で9勝目を挙げ、最終局を待たずA級復帰を決めた。また、第3局と第4局の間の2010年2月13日には、第3回朝日杯オープン戦の準決勝と決勝を戦うが、決勝で羽生に敗れて2年連続準優勝。しかし、3月16日 - 17日の王将戦第6局を制し、4勝2敗で王将を奪取。5度目の挑戦でついに羽生の壁を越えた。これで、関西所属棋士としては谷川浩司(2004年度に王位・棋王の二冠から王位失冠)以来5年半ぶりとなる二冠王となり、振り飛車党が二冠王となるのは大山康晴以来、37年ぶりである。 しかしながら、王将戦と並行して、前年と同じく佐藤康光と戦っていた棋王戦の防衛戦(第35期棋王戦五番勝負)では、王将戦終了の時点で1勝2敗の角番に追い込まれていた。第4局は王将奪取から僅か2日後の3月19日。これに負けると、1990年度の南芳一のケースよりもさらに短い‘2日間だけの二冠’という珍事になるところであったが、勝利してしのぐ。そして2010年3月30日、大阪市福島区・関西将棋会館において行われた棋王戦最終第5局で、終盤戦の長い190手の熱戦の末に佐藤に競り勝ち、1年後まで二冠に在位し続けることとなった。タイトル初防衛でもある。また、昇段規定の「タイトル獲得3期」に該当したことにより同日付で九段に昇段した。この棋王戦第5局は、翌日行われた将棋大賞の選考で名局賞に選ばれ、また、2009年度の成績が高く評価され、優秀棋士賞も初受賞した。 第4回「ネット将棋・最強戦」の決勝(2010年8月22日)で森内俊之を破り、タイトル戦以外では6年半ぶりの優勝。第60期(2010年度)王将戦では豊島将之を4勝2敗で、第36期(2010年度)棋王戦では渡辺明を3勝1敗で退け二冠を堅持。初タイトルから3年目にして通算タイトル獲得数を5期とした。また、2年連続で将棋大賞の優秀棋士賞を受賞した。
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