石神高校相撲部
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大太刀高校の近くにある高校。千葉県内でもトップクラスに治安が悪いヤンキー校として悪名を轟かせている。相撲部は関東大会2位の実績がある強豪で、今でこそ同校の不良たちからも非常に恐れられているものの、以前は度重なる嫌がらせを受け、不良が学外で起こした問題によって大会出場停止処分になったことも何度かあった。だが、真田が「血煙の一夜」を起こしてからは相撲部に手を出す者はいなくなったという。 沙田 美月(さだ みづき) 声 - 石川界人 1年生。相撲部のエース。身長182cm、体重91kg。異名は国宝「三日月宗近」。ソップ型の体格と、凛々しい顔立ち、アップにした前髪が特徴。(再登場後は髪型が変わり、一切整えていない無造作な頭髪となったがIH全国大会時点では戻している) 軽い言動が多く、主将・金盛の目を盗んで稽古をサボろうとする軽薄者だが、天性の運動神経を誇り、中学から相撲を始めたにもかかわらず、3年時には「中学横綱」に君臨した実力者である。当初は基礎練習を怠っている描写が見られた。 相撲を始めた動機は、小学生時代に火ノ丸を見て「ダサい締め込み姿も恰好良く見える男になりたい」とのこと(小説版でその詳細が描かれる)。興味本位で始めた相撲だったが、剥き身で相手の殺気を感じることができる競技の性質は思いの外相性が良かったようで、彼を応援しに来た女子生徒が畏怖するような威圧感を発してしまう。火ノ丸のような実力者を求めて勝ち上がるが、自分が戦いたかった火ノ丸は既に中学相撲界から姿を消しており、不完全燃焼な心を抱えたまま才能のみで頂点に立ったため、相撲を真剣に取り組むことができなかった。しかし、高校にて念願の火ノ丸戦で敗北すると、初めて悔しさを実感し、それをバネに基礎練習にも積極的になる。 その後は春の全国大会で高校横綱・天王寺と対戦するもなすすべなく完敗。新人戦で火ノ丸が久世に敗北したことを知り、自分が上から何番目かも分からない現実に直面、生まれて初めて「挫折」を味わう。同時に自分が相撲を好きだったことを再認識し、勝利に執着するようになる。以後、表面上は飄々としつつも土俵上では観客すらも恐怖するほど張りつめた空気を纏い、一切の無駄を廃し勝利する相撲を完成させる。IH県予選団体戦決勝では「修羅の相」を発現し火ノ丸を圧倒、彼を肉体的・精神的に敗北に追い込むが、それが皮肉にも、火ノ丸も「修羅の相」へ覚醒させる切っ掛けとなってしまう。最後の攻防では意地を見せるも初見の百千夜叉墜は防ぎきれず敗北した。また、ここで無理に堪えたことで右肩の亜脱臼を起こし、個人戦は棄権となった。 怪我の完治後は、千比路の頼みを聞き彼に稽古をつけることとなる。その中で千比路の才能の正体を知り、国宝たちと同じ天才であることを認めている。IH全国大会では、ダチ校の応援に駆けつけ、自身の天王寺との対戦経験を元に火ノ丸へアドバイスし、彼の勝利に貢献した。 幼少期から抜群の運動神経を誇るが、相撲にも存分に生かされており、離れて相撲を取る相手には「いなし」、廻しを掴んでくる相手には「おっつけ」で対処する取り口を主体とする。力士としては軽量だがその敏捷性と平衡感覚で相手を翻弄しつつ、相手の圧力をカウンターで利用する「上手出し投げ」を得意とする。「修羅の相」を発現した際は、相手の動き出しを先読する資質と相まって、消えたと錯覚させるほどのスピードを実現した。中学時代から廻しをほとんど取られることはなく、彼の廻しは新品同然であると謳われていた。大相撲編 20歳。四股名は「三日月 宗近(みかづき むねちか)」。所属部屋はかつて顧問の菅原から稽古をするために紹介された皆川部屋。高校2年生では日景典馬と死闘を演じ、高校3年生時には石神高校の主将を務めながら「高校横綱」となった。その後、火ノ丸たちを追って大相撲の道へ進む。九月場所時点での番付は西前頭2枚目。九月場所では角番大関の百乃花や草薙などの三役の力士たちを破り、童子切と互角の勝負を繰り広げるなど、優勝争いの一角に加わる期待の力士となる。この際、固有の相として「風清月白の相」を取得している。自身が一度も勝てたことの無い火ノ丸との取組は横綱戦と同じくらい特別であり、最高の火ノ丸と戦い勝利したいという理由から、無道の状態も火ノ丸の強さであり、それを受け入れるように本人に焚き付けた。11日目には刃皇に廻しを与えず後一歩まで追い詰め強者と認められるも、土俵際うっちゃりで投げられ惜敗。12日目の火ノ丸との取り組みでは、刃皇から互いに今日の状態なら負けていたかもしれないと評されるほどの最高の状態で対戦をし、新技も掲げて全力で戦うも、なお上回られ敗北した。取組後は強くあり続ける火ノ丸に心の中で感謝した。また九月場所では火ノ丸に廻しを取られるまでは、他の力士たちには廻しを与えていなかった。九月場所は11勝4敗の成績で終え、技能賞を獲得した。 金盛 剛(かなもり つよし) 声 - 木村昴 3年生で、相撲部の主将。身長189cm、体重138kg。異名「金剛力」。 不良の佑真をして「ヤクザ」と形容されてビビらせる強面の巨漢。口元に傷がある。右肩のサポーターはかつて怪我した時の名残で、ゲンが良いため、完治後もそのままつけ続けているとのこと。 沙田と同じ相撲クラブ出身。彼の軽薄な言動やサボり癖に腹を立てるも、期待の1年生として目をかける。全国的に名高い高校力士であるが、当初は出稽古に来た火ノ丸を「ただのチビ」と侮るが、自らに真っ向勝負を挑み勝利したことで沙田のライバルとなる男」と認め、天狗になりかけていた己を見つめ直す。春の全国大会団体戦ではさらに名を揚げ、あと一つ結果を出せば国宝認定は間違いない準国宝級と言われる。 体重90kg以上の沙田を片腕で放り投げる剛腕で、それを活かした右四つが得意。また、突き押し相撲も上手く組んでも離れても器用に立ち回れるオールラウンダー。火ノ丸に敗北してからは誰も侮らず、最も勝率が高い取り口を選択し、確実に勝利をものにする熟練の域に達した力士の心構えも合わせ持つ。1度勝った佑真との再戦にも心構えを崩さず、あえて彼の土俵である突き合い相撲で受け、片腕で波離間投げを豪快に決め、彼を認めつつ実力差を示す。個人戦では佑真や大河内らを圧倒しながら破り、決勝進出。火ノ丸には敗れたが、2位として全国大会出場を決める。IH全国大会個人戦で決勝トーナメントまで勝ち進むも、組んでも力強さが増した日景に寄り切られ完敗する。個人戦敗退後はダチ高の応援に駆けつけ、仮想・天王寺として火ノ丸のイメージトレーニングに付き合う。 強面に似合わずあがり症。口が回る方ではなく、口達者な桐仁に乗せられ、頑として拒否していた合同稽古を許可してしまう(沙田は不在で秘密兵器の荒木は謹慎中で、さほど手の内を晒すことに抵抗はなかった)。強力な統率力を有するが決して独裁的ではなく、敗北を喫し消沈する荒木や沙田にフォローを入れるなど、リーダーシップに優れている人物である。物語中盤は国宝と自身を線引きし、諦念・ネガティブな思考に陥ることが多々あったが、火ノ丸たちの成長を間近で見続けたことでその考えを払拭した。 卒業後は教職に就き相撲を次世代に広めたいと夢を持ちが、複数の相撲部屋や大学相撲部から引合いの話が来ており悩む。教育実習では子供たちと良好な関係を築けた様子で、実習終了時には黒板に書かれた子供らの寄せ書きに号泣していた。大相撲編では三日月の応援に駆けつけた。 小説2巻では、メインの回があり、苦悩や心理描写が日記を通してじっくりと描かれている。 真田 勇気(さなだ ゆうき) 声 - 嘉人 3年生。小学3年生から10年近いキャリアを持つベテラン力士。身長175cm、体重121kg。 眼鏡をかけ、強面の金盛とは対称的に柔和な顔立ちをしている。基本的に面倒見の良いおおらかな性格だが、時に素行に問題のある荒木を含めた不良たちを黙らせる威圧感を放つ。 イタズラ半分で相撲道場に放火しようとした不良グループを止めるべく、部に迷惑がかからぬよう自ら退部してから、不良30人を一人で倒したことがある。しかしこのことから「小三でリーゼント、小六でヤクザにスカウトされるなど、小学生時代から筋金入りのヤンキー。当時から一匹狼だったが、高校入学当初に学内の不良グループによる相撲部襲撃計画を聞きつけ、一人で100人の不良を一人残らず半殺しにするという『血煙の一夜』と呼ばれる抗争を起こして以降は相撲部との間に絆が生まれ、そのまま入部し性格も丸くなった」という尾ひれの付いた武勇伝が流布されるようになる。同時期にヤクザと談笑していたという噂もあったが、実際は強面の金盛や間宮と一緒にいただけだった。その喧嘩で停学中に小関の存在を知り、当初は同情しつつ歯牙にもかけなかったが、自分より遥かに過酷な環境で2年間耐え続ける彼の忍耐力に恐怖を抱き、警戒するようになる。停学明けと同時に再入部。 春の地区大会で沙田・金盛と共に出場。対ダチ高戦では小関と対戦し、勝利を治める。IH県団体決勝副将戦で仲間を得た小関と再戦する。意図的な突っ掛けで小関を自分の土俵に引きずりこもうとするが、既に落ち着きを取り戻していた彼には通じなかった。序盤は熟練の技による猛攻で攻めるも、堪え忍ぶ彼を崩すことができず息切れした隙をつかれる。追い込まれると捨て身覚悟の打棄りで逆転を狙うも、小関の予想以上の勝利への執念の前に、自分が先に土俵を割っていたことを潔く認めた。 IH全国大会ではダチ高の応援に駆けつける。蛍には突っ掛けをした理由を明かし、彼の覚悟を目の当たりにする。 卒業後はできちゃった結婚により大学を中退し、水道業者に勤める。高校時代は坊主頭であったが、この時はサラサラヘアーに変化していた。大相撲編では三日月の応援に駆けつける。 荒木 源之助(あらき げんのすけ) 声 - 浪川大輔 1年生。身長179cm、体重86kg。 バリアートを入れた坊主頭がトレードマーク。中学時代に柔道日本一なった実力者で、総合格闘技で頂点を取る夢を持ち、その過程で相撲を始める。千比路と似た経歴と目標を持ち、自宅謹慎中にもかかわらず「鬼丸」見たさにダチ高へ乗り込んだ際に接触した千比路を強者と認め「チハル」と呼びライバル視するようになる(千比路からは意趣返しもあり「ゲンゴロウ」と呼ばれる)。事あるごとに自分をツイてるツイてないで運気を測る癖がある。 思ったことをそのまま口にするタイプで、軽率な言動が多い。一方、真田の言うことは(彼の誇張された噂もあり)素直に聞く等下級生として最低限の礼節は心得ており千比路と比べると空気が読める。頭もあまり良い方ではないようで、上記の性格もあって三枚目的な役どころが目立つが、勝負事に関しては非常にストイックな価値観で、運のような外的要因の介在しない純粋な強さによる完全な勝利を求める。試合では人が変わったように研ぎ澄まされた集中力で自分以外一切の雑念を完全に「削ぎ落とす」ことができ、投げられている最中でも異常な冷静さで、勝利への最適解を見つけ状況を打開するという、若年ながら格闘家として完成された精神を持つ。 入学直後停学になり、相撲部の稽古も1日しか参加できなかったが、その日だけで金盛が「秘密兵器」と称するほど才覚を見せた。団体戦メンバーに抜擢されインターハイ予選に出場し、他部員らと同じく無敗で決勝進出を決めると次鋒戦にて千比路と対戦する。千比路の高速タックルに対し、完璧なカウンターの内股をしかけるも、徹底的に鍛えられていた把持力で倒れなかった彼に「腰投げ」を返される。しかし、反撃にも全く動揺せず「払い巻き込み」で勝負をかけるが、土壇場で機転を効かせた千比路の「鬼車」で敗北する。観客たちには異種格闘技戦として期待され迎えた柔道対レスリングの戦いではあったが、今回は相撲という土俵上で戦いだったため、より力士に近づけたほうが勝利を手にする形となった。ただし、荒木はこの一戦を異種格闘技戦とは考えておらず、異なる競技の優劣を決めることに「ナンセンスだ」「強い奴は何をやっていても強い」と心中で持論を展開している。IH全国大会では渋々ダチ高の応援についてきていた。大相撲編 19歳。卒業後は総合格闘家となっている。負傷から再起を果たす鬼丸に、一本背負いを教える。また、国内の格闘技団体の新人王トーナメントで優勝している。大相撲編では三日月の応援に駆けつけた。 間宮 圭一(まみや けいいち) 声 - 松川裕輝 2年生。身長182cm、体重166kg。 スキンヘッドの厳つい顔と、予選出場選手中最大とされる圧倒的な巨体が特徴。近眼で普段は眼鏡をかけ(相撲部活動中はコンタクトレンズを着用)、その際の人相は金盛と共にヤクザと間違われるほどの強面。IH予選決勝で先鋒戦にて蛍と対戦し、八艘飛びをしかけられ背後を取られ窮地に陥るも、金盛の助言もあり素早く対処し勝ち星を上げる。個人戦では準決勝で火ノ丸、3位決定戦では大河内に敗れ、全国大会への出場は果たせなかった。 アイドルに詳しく、カラオケではキレのあるマラカス振りを見せて部員たちを爆笑させた。また、実家の花屋の店番をすると客が来なくなることに悩むなど、外見とは裏腹にまともな感性の持ち主。火ノ丸に敗れ意気消沈する沙田を励ますなど、先輩らしい心遣いも持ち合わせる。IH全国大会ではダチ高の応援に駆けつけると同時に、打倒鳥取白楼を見据えていることを明かし合同稽古で力を貸した。蛍の取組を観戦した際は、進化した彼の奇策に感嘆していた。高校卒業後は実家の花屋を継ぎ、大相撲編では三日月の応援に駆けつけた。 菅原 隆史(すがわら たかし) 監督。37歳で既婚者。日本史の教師。 相撲選手の経験もないが、練習メニューや合宿の手配、沙田に相撲部屋を紹介するなどマネージメントを一手に引き受け、金盛ら部員たちからは尊敬されている。また、相撲部顧問ということで校内の不良たちからも一目置かれている。風貌も性格も温厚だが、部員らを言葉だけで恐れさせるほどの威圧感を醸すこともあり、桐仁にも「恐いね、石高の先生は」と言われている。
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