大樹の村の住人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 18:34 UTC 版)
「異世界のんびり農家」の記事における「大樹の村の住人」の解説
ヒラク=マチオ【Hiraku Machio】 / 街尾 火楽(まちお ひらく) 声 - 小林裕介 本作の主人公(語り手)。大樹の村の村長。村長としての立場や業務にはあまり興味はなく一農民として農業をすることを望んでおり、村の規模の拡大に伴い村長としての業務が増えて農業のために使える時間が減っていることに悩んでいる。移住者の村々の形成後は、役職名が「村長」では他の村々の代表と区別できない問題が発生し、「王」か「大村長」への改称が提案されたが、いずれも本人が拒否したため検討となっていた。しかし、10年目の冬の代表会議にて他の村々の代表を「村長代行」と呼ぶことが決まり問題は解決した。 放浪生活を余儀なくされていたハイエルフを村に受け入れるなど、困っている者を放っておけない性格。優しさゆえに他人の意見に流されることも少なくないが、その優しさから周りからは慕われている。一方で自身の村や作物に手を出す者には容赦がない。トラブルを嫌い、外部の勢力とは積極的に友好を結んでいる。自覚はないが、コップや皿などに緻密な彫刻を施せる等、彫刻の腕はかなりのものである。本人は自身が目立つことをあまり好んでいないが無意識に、もしくは住人からの希望で何かと目立つことが多い。複数の女性と関係を持っており(本人はルーとティアを除き関係を持ちたがらないが、周りによって強引に持たせられている)、それにより子供もたくさんいる。家族に対してはかなり甘く親バカな様子を見せることも多い一方で、自身が慕われてないのではないかと不安に思ったこともある(実際は子供全員から好かれている)。 名前の由来は著者の内藤によると、「火楽が農業やって(草冠を被せて)火薬になる」ことから。 『万能農具』 / グライム 転移前のヒラクの3つ目の願いにより、創造神によって授けられた農具。ふだんはヒラクの体に宿っており自由に出し入れ可能な他、投げても彼の元に瞬時に戻る。ヒラクの意思で様々な道具に変形する。変形は基本的に農具限定だが、「神槍」だった頃の名残りで槍にもなれ、その他にも管轄する神が存在しない道具であれば変形可能。鍬の状態で地面を耕すと、地面自体が農作に適したものに変わり、耕している時に頭に浮かべていた植物が生える。生えた植物の生長速度は通常の3 - 4倍だが、この植物を生殖して作った個体の生長速度は通常通りである。鍬の刃が生物に当たると、刃の手前側が肥料に変わる。斧の状態の切れ味は死の森の木を切れるほどによく、切った後の木は乾燥不要で使える。武器として使った時の威力は、神代竜族を倒せるほどである。 その正体は、常人では少し使用するだけで精神が消耗してしまう神具のレプリカ、若しくは分霊であるが、ヒラクは『健康な肉体』により消耗した精神が即座に回復することでことなきを得ている。また、明確な自我を持っている。 インフェルノウルフ クロとユキおよび彼らの子孫とその配偶者たち。村での役割は村内外の巡回警備と森での狩り。また、最低1頭が常にヒラクの護衛に付いている。建築工事がある時は、資材運搬の手伝いも行う。ザブトンの子供たちと共闘することもある。毎年春には配偶者がいない若者が配偶者探しのために森へ出掛けるが、ほぼ全員が配偶者を伴い帰村し、以後は村に定住し出産と子育てを行う。個体数が増えてからは、村内で配偶者を見つける者も現れている。 クロ【Kuro】 インフェルノウルフのオス。かつては死の森を徘徊し獲物を狩る日々を送っていたが、ある日同族のメスに出会い頭に暴行されて強制的にその夫となり、以降は行動を共にするようになる。しかし、妻が妊娠し出産間近となった時にグラップラーベアの攻撃によって妻と共に全身に怪我を負い、逃亡先でヒラクと出会い保護される。妻の出産後は、食事の保証、妻の産所、安全に子育てができる場所を与えられた恩から、妻共々ヒラクを主と認め彼と共に暮らすようになった。大樹の村の形成後はインフェルノウルフの代表を務めている。名前は黒い毛色を元にヒラクが考案した候補(クロ、ブラック、シュバルツ、ノワール、ネロ、ヘイ、黒太郎、黒丸)の中から選んだもの。本人は「シュバルツ」を希望していたが、妻に「クロにしなさい」と圧力をかけられたため渋々「クロ」を選んだ。 ユキ【Yuki】 インフェルノウルフのメスで、クロの妻。ヒラクに保護された時点で出産間近となっており、彼に与えられた肉を夫と共に食べ尽くした直後に産気づいたが、彼に産所(倉庫にする予定だった建物)を提供されたことで無事に出産を遂げた。名前はクロとの対比になる白色のイメージでヒラクが考案した候補(シロ、ユキ、ツララ、ミゾレ)の中から選んだもの。 クロイチ、クロニ、クロサン、クロヨン 最初に誕生したクロとユキの子たち。クロイチは好奇心旺盛で活発な性格、クロニは用心深い性格、クロサンは最も力がある紅一点、クロヨンはマイペースな性格で村におけるチェスのチャンピオン。配偶者探しは2年目の春に行った。 アリス、イリス、エリス クロイチたちの妻たち。アリスはお淑やかな性格のクロイチの妻、イリスは活発な性格のクロニの妻、エリスはタマネギが好物のクロヨンの妻。 ウノ クロサンの夫。アリスたち4頭の中では最もヒラクに懐いている。一般のインフェルノウルフが容易に倒せないゲートボアを単独で狩れるほどの類い稀な高い戦闘力を持ち、ギラルからは「歴代最強」と称されている。 クロゴ、クロロク、クロナナ、クロハチ 2年目の冬に誕生した、クロとユキの子たち。それぞれが遊撃隊、一ノ村、二ノ村、三ノ村の警備隊のリーダーを務めている。クロゴとクロロクがオスで、クロナナとクロハチがメス。配偶者探しは3年目の春に行った。 フブキ クロヨンとエリスの子で、メス。名前の由来はユキの名づけの際にヒラクが考案した候補の流用で、体の白いコキュートスウルフだったことから名づけられた。クロイチとアリスの子の1頭を夫に持つ。 マサユキ クロニとイリスの子で、オス。3頭のメスを妻にしたことから、ヒラクの前世に存在した漫画の、女性の登場人物全員を妊娠させた主人公の名前を付けられた。その後も年々妻を増やしている模様。 兄貴 インフェルノウルフのオスの1頭。強さは10頭ほどで集団行動する際にリーダーを任されるほど。10年目の死の森の探索任務中に子犬を発見し村に持ち帰り、程なくしてその夫となった。「兄貴」は子犬からの呼び名であり、自身は名前を持っていない。 クリッキー マルコスとポーラが一ノ村に不在の間、彼らの家の見張りを担当しているインフェルノウルフ。名づけ親はポーラ。 ジョン 一ノ村を警備するインフェルノウルフの1頭。名づけ親はジャック。12年目に制裁を受けた後のヨウコの監視を担当した。 デーモンスパイダー ザブトンとその子供たち。村での役割は布地や服の縫製、魔獣の毛皮のなめし、畑を荒らす虫や鳥の捕食、村周辺の見張りおよび警報の発令、果実の収穫。綿花の栽培が始まってからは、綿花から綿糸への紡績作業も担っている。好物はジャガイモ。春になると何匹かの若い個体が配偶者探しのために村を旅立つが、インフェルノウルフとは異なり帰村することはない。ザブトンが毎年数十 - 百匹以上の子を産むため、個体数はインフェルノウルフより多い。子は大半が拳大であるため、畑では誤って踏まれないように地面から5mほどの高さに張った、糸で作った幅20cmほどの空中通路を通る。 ザブトン【Zabuton】 座布団のような形の体を持つ、イリーガルデーモンスパイダーのメス。1年目の晩秋に、防寒の準備に苦慮するヒラクを見かねたクロサンとクロヨンによって森から連れて来られ、ヒラクと出会う。出会ったその場で5分ほどでハンカチを1枚作りその速度と質でヒラクを驚かせ、卓越した裁縫能力、高い知能、温和で大人しい性格が彼に認められ共に暮らすこととなった。住処は大樹の上部。大樹の村の形成後はデーモンスパイダーの代表を務めている。 名前は出会った際の第一印象からヒラクに付けられた。初対面から一切警戒せず、自作の布や服を素直に喜んでくれるヒラクのことは非常に気に入っており、直接言葉は通じないものの親友のような関係となっている。本人は派手な服を好むことが多い。初めて村を訪れた者はザブトン(と、時にその子供たちや、クロとユキ及びその子供たちも加えて)の姿を見て失神するのがお約束で、これは村に移住する際の「通過儀礼」となっている。グラッファルーンの「古い友人」である、神代竜族の中でも高い戦闘力を持つライメイレンを打ち破るほどの戦闘力を持つ、ヨウコからは「蜘蛛の女王」と呼ばれる、子を産むが夫の存在が見られないなど謎が多い。 マクラ ザブトンの子の1匹。ザブトンよりも丸みのある形をしており、大きさは畳半畳ほど。7年目の南のダンジョンの襲撃にも参加した猛者。その強さから8年目に第1回武闘会の騎士の部の出場者として選出された際に、前述の見た目からヒラクによって名づけられた。ザブトンの冬眠中は群れの統率を代行しており、「マクラ隊長」とも呼ばれている。 アラコ 12年目に大樹のダンジョンにて進化を遂げ誕生したアラクネ。名前はクロとユキ同様、ヒラクが考案した幾つかの候補の中から決めたもの。会話は最初は奇声のみだったが、徐々に上達している。ふだんは大樹のダンジョンを中心に活動している。 レッドアーマー、ホワイトアーマー 15年目の秋にヒラクの作った服を着たことで進化を遂げ誕生した、アーマーデーモンスパイダー2匹。レッドアーマーは赤く、ホワイトアーマーは白い。名づけ親は文官娘衆の1人。進化後はヒラクの屋敷の門番を務めており、ザブトンからも期待されている。 吸血鬼 ルールーシー=ルー【Loo】 声 - 種田梨沙(ボイスカード)、井上麻里奈(ドラマCD) 「吸血姫(ヴァンパイア・プリンセス)」の異名を持つ、銀髪の美女。魔法、魔道具、医学(薬学)の権威で、戦闘力は彼女を捕縛するのに一国の軍が必要になるほど。自身の薬学を求めて暴れた貴族を拒否しその面子を潰したことで賞金首にされ宿敵のティアに追われる身となり、2年目の冬に死の森に逃げ込みクロたちに襲われていたところをヒラクと出会う。ヒラクから血を与えられて回復した後は、彼の家に招かれて熱烈なプロポーズを受け、彼の最初の妻となる。 大樹の村では吸血鬼の代表を務めている他、ティアやフローラと共にヒラクの秘書のような役割(相談役)を担っている。当初はヒラクに「自重」させるために夜以外は少女の姿でいたが、出産後は子供に顔を覚えてもらうために常に大人の姿でいるようになった。当初はヒラクのことは「ケダモノ」呼ばわりしていたが、現在は「旦那様」「貴方(あなた)」と呼び愛しており、彼を含む村民たちからは「ルー」と呼ばれる。「酒にはうるさい」と自負しているが、酒自体にはさほど強くなく少し飲むだけで寝てしまう。 フローラ=サクトゥ【Flora】 ルーの従妹。首辺りの長さで切り揃えた銀髪と華奢な体型が特徴の美女で、身体に密着するタイプのドレスを着ている。5年目の春の終わりにルーを探しに大樹の村を訪れ、10日ほど滞在した後に引っ越しの準備を行い冬前に定住した。 ルーには及ばないものの、世間では薬学の権威としてそこそこ名が知られている。移住当初よりルーと共に薬物を研究しているが、ヒラクから菌の概念を教わって以降は味噌・醤油作りも行うようになり、後に「発酵食品の女王」と呼ばれるようになった。研究室はヒラクの屋敷内に存在するが、研究内容が発酵だけに臭いが問題となったため、屋敷の改築後は封印されて、代わりに専用の小屋が建てられて隔離された。本人は研究に没頭するあまり、この小屋に家具を持ち込み生活の場にしているため、同じく屋敷内に存在する個室は空き部屋となっている。 武闘会の騎士の部に出場できる実力があるが、「一人ぐらい、治癒魔法に専念しないと」と言って出場はせず、毎年治癒担当での参加を貫いている。 天使族 ティア【Tier】 声 - ゆかな 「殲滅天使(せんめつてんし)」の異名を持つ女性。異名の通り、天使族の中では最強を誇る。大学生ほどの外見年齢の金髪の美女で、真っ白なドレスを着ている。3年目の春に宿敵のルーを追って死の森に入り、クロたちに甚振られていたところをヒラクと出会う。その後、ルーの策略でヒラクと「励む」こととなり、成り行きで彼の2番目の妻となる。試練を行わずに結婚したことで、9年目にはキアービットによる大樹の村への襲撃騒動を招くが、ヒラクが試練を突破したことで問題は解消した。ヒラクと結婚する以前は、周囲から恐れられて求婚自体がなかった模様。きっかけこそルーの策略にはまった形ではあったもののヒラクとの関係は自ら認めており、彼のことは「旦那様」と呼んでいる。好物はキュウリ。大樹の村では天使族の代表を務めている。 グランマリア、クーデル、コローネ 3人纏めて「皆殺し天使(みなごろしてんし)」の異名で呼ばれる、ティアの部下たち。ティア、マルビットに次ぐ強さを誇り、3人揃えば一般の天使族10人より強い。鎧を着込み、ランスのような槍を武器にしている。大樹の村における自身の勢力が弱まったことを危惧したティアによって、6年目の春にリザードマンと共に村に連れて来られた。村での役割は上空からの村周辺の警戒。 キアービット【Kierbit】 声 - 雨宮天 天使族の族長・マルビットの娘。ガーレット王国の巫女職を務めていた。惚れた母が難度の低い試練を突破させた「顔だけの男」が父であることに強いコンプレックスを抱いており、自身の求婚相手に対しては厳しい試練を与えて追い返し続けていた。 「未婚仲間」だったティアが試練を行わず結婚したことを9年目の春に知り激怒し、配下の天使族10人とハーピー族約30人と共に大樹の村を襲撃するも、クロとザブトンの子供たちの迎撃に遭い全員が捕虜となる。それでも強気な態度を続けたが、ヒラクの策略により配下全員が寝返ってしまい、涙ながらに許しを乞う羽目となった。その後、自主的に試練に挑んだヒラクに対し最後の最後に妨害を行うも、ティアに殴られ押し切られた。 10年目には巫女職を辞め、スアルリウ、スアルコウと共に大樹の村に移住した。村での役割はグランマリアたちと同様の警戒任務、ヒラクの補佐、文官娘衆の業務の手伝いなど多岐に渡る。 酒には弱く笑い上戸で、少し飲んだだけで笑いが止まらなくなりまともな会話が不可能となる。また、宴会などではタップダンスに似たような踊りを披露することがあり、後にザブトンとその子供たちも真似て踊るようになった。 ハイエルフ 死の森で放浪生活をしていた若い女性たち。リアたち7人とラファたち5人の移住後は、村への移住を勧誘する一団(リーフ、ラーサ、インフェルノウルフ10頭)を死の森に派遣したことで、5年目の春に8グループ計42人が新たに移住し、総勢54人の大所帯となっている。村での役割は土木および建築(用地選定、設計、施工、補修)、畑の収穫、森での狩り。空き時間には採掘作業に従事し、冬場には採掘により集めた鉄を使い鍛冶を行っている。また料理に関心を持つ者が多く、鬼人族と共に調理法を学び、村民の毎日の食事の準備や祭り、ダンジョン調査隊などの調理スタッフとして活躍する者もいる。 リア【Ria】 リフ氏族の女性。年齢は400数歳。ヒラクとの激しい夜の生活に耐えかねたティアの勧誘により、3年目の春に妹・従姉妹たち共に村に定住することとなった。移住後は後から移住した者たちも含めたハイエルフの代表を務めている。村では他のハイエルフと同様の作業を行なっているほか、ルーやティアのようにヒラクのサポートも担っている。 リース、リリ、リーフ、リコット、リゼ、リタ リアの妹・従姉妹たち。リフ氏族だが、リリとリタはリグネの養女である。リタが最年少で約300歳。リゼは村における麻雀のチャンピオン。 ラファ、ラーサ、ララーシャ、ラル、ラミ ラフ氏族の女性たち。4年目の春にクロの子供たちに追い立てられ大樹の村に連れて来られ、リアたちの勧めで村に定住することとなった。リアたち同様、全員が姉妹や従姉妹。ララーシャは樽作りの技術を持つ。 鬼人族メイド フローラが以前に住んでいた屋敷で働いていた20人の女性(メイド)たち。5年目の冬前にフローラと共に村に移住した。ルーやフローラの一族に数百年間仕えた実績があり、家事全般はもちろん、事務会話や世間話までもこなす。当初は料理のみが苦手だったが、これはそもそも作中の世界にて「煮る」と「焼く」しか調理法が知られていなかったゆえの知識不足が原因であり、ヒラクから炒める・揚げる・蒸す・炙るなどの調理法を教わった後はすぐに上達した。村での役割はヒラクの家での家事と、料理方法の伝達や掃除の監視などの各家の生活向上活動。序列を非常に重視しており、メイドとしては第一にヒラクの世話、第二にルーやティアの世話、と優先度をつけている。 アン【Ann】 声 - 上坂すみれ 鬼人族メイドのメイド長(鬼人族代表)。ヒラクとはふだんは適切な距離感で接しているが、夜の生活では意外な積極性を発揮している。 ラムリアス 鬼人族メイドのナンバーツー。6年目にヒラクによって獣人族の世話係に任命された。幼い獣人族の保育士や先生といった役割が多く、世話係の中では最も多忙である。しかし、本人は苦には思っていないようで、逆に9年目の祭りにゴールたちが出場した際に怪我をしないかと本気で心配するほど、世話係の業務に入れ込んでいる。 アズキ 鬼人族メイドの1人。 リザードマン 天使族の従者として活動していた者たち。6年目の春にティアによって男性10人と女性5人の総勢15人が村に連れて来られた。村での役割は主に力仕事。その他、鶏・牛・小型ワイバーンの世話も任されている。 ダガ【Daga】 リザードマン代表。リザードマン移住当初のヒラクが彼らの個体識別ができなかったため、右腕にスカーフを巻いている。ガルフとはよく共に修行をするほどに仲がよい。 ナーフ リザードマンの1人。過去にミノタウロスと交流を持ったことがあったため、8年目に二ノ村のミノタウロスの世話役を志願し任命された。 獣人族およびその家族 ゴールたちについては「#ゴール」を参照 6年目に当時食料難だったハウリン村から口減らし目的で移住した者たち、ガットとその家族と弟子、ガルフとその家族の3グループで構成されている。この内、口減らし目的で移住した者たちは総勢25人で、内訳は当初から移住予定だった女性22人と、ヒラクが移住の条件としたために加えられた男性3人(ゴールたち)。移住当初の外見年齢はセナが高校生、その他の女性たちが小・中学生、ゴールたちが幼稚園児程度だった。村での役割は主に農作業。戦士としての鍛錬を行った一部の者を除き戦闘力が低く森での狩りなどができないため、村内の細かい雑用なども積極的に行う。 セナ【Senna】 獣人族代表。ハウリン村の村長の娘。垂れた犬耳が特徴。獣人族が見捨てられたり酷い扱いを受けたりすることがないよう、自身はどのような扱いも甘受するようハウリン村から指示されており、大樹の村に来た当初は奴隷扱いを覚悟していた。フラウと互角に渡り合ったり、四天王であるグラッツをあっさり倒したりと戦闘力はそこそこあり、戦闘スタイルは徒手で投げ技を得意とする。 マム 獣人族の女性の1人。8年目時点の外見年齢は中学生ほど。見かけによらずしっかり者で、8年目に一ノ村のニュニュダフネの世話役を志願し、セナの太鼓判もあって任命された。しかし、ニュニュダフネが村内でほぼ自由に行動できるがゆえに彼女たちからの要望や相談はなく、信頼されていないのかと自信を失い泣いたこともある。 ガット ハウリン村の村長の息子で、セナの兄。ハウリン村とヒュマ村のトラブル解決後の9年目に妻子と共に大樹の村に移住した。ハウリン村で一二を争う技術を持つ鍛冶師であり、移住後も鍛冶師として働いている。 ナーシィ ガットの妻。人間。ヒュマ村の村長の親戚で、領主の庶子。友好目的でハウリン村に移住しガットと結婚するも山の暮らしに慣れず、鉱山から離れなければ死に至る病「鉱山咳(こうざんぜき)」を患ってしまった。発症後は救命のためにガットによってヒュマ村に帰されたが、彼が鉱山咳の危険性をヒュマ村に伝えなかったことで、ヒュマ村とハウリン村の関係悪化の原因となった。 ナート ガットとナーシィの娘。17年目にウルザが貴族学園に移動した後は、彼女に代わって村の子供たちのリーダーを務めている。当初はアルフレートとウルザと共に貴族学園への移動が決まっていたが、自身では2人が暴走した際に制止できないという理由でティゼルに譲った。 ガルフ【Gulf】 死の森を突破できるほどの戦闘力を持つ、ハウリン村一の戦士。6年目に友好目的で訪れて以降、大樹の村と交流を持っており、10年目には妻・息子・娘と共に村に移住した。ダガとはよく共に修行をしており、親友のような関係を築いている。大樹の村の住人の圧倒的な力から気づいていないが、並の冒険者や兵士ではまるで歯が立たないほどに強くなっており、シャシャートの街の武闘会に木刀で挑戦し優勝して以降、魔王国では「武神ガルフ」と呼ばれるほどに人気となっている。 エルダードワーフ ドノバンの移住を皮切りに、村の酒の噂を聞きつけた者たちが次々と移住しており、その人数は年々増加している。村での役割は酒造りと酒造法の研究開発、酒の素材になる作物の収穫の手伝い。種族の性質から全員酒好きだが、酒造りの際は良質の酒を造るために、必要な味見(テイスティング)以外では口にせず、特に作業行程上で交代で寝ずの番をする時や火を使う作業(蒸留など)を行う時は一切口にしない。なので飲酒は食事や宴会の時が主で、その際に酒造法の意見交換や品評をする事も多い。その一環でカクテルの研究をする者もおり、村に来客があるとバーテンダーとなってもてなしに参加することもある。当初は村の酒の村外での販売に強く反対していたが、エルダードワーフの女性不足が深刻(男性37人に対し女性4人)になったため、「美味い酒の存在を広め、女性のエルダードワーフの移住に繋げたい」との思惑で、少量ずつ村外での販売を容認するようになった。 ドノバン【Donovan】 エルダードワーフの男性。6年目の冬に自力で大樹の村を訪れ、自身の酒と村の酒のどちらが美味いか勝負を行った末に、ヒラクの知らない間に村民となった。移住後は後から移住した者たちも含めたエルダードワーフの代表を務めている。あまり戦うことはないが、戦士の部で優勝経験があるほどの実力を持つ。ヒラクのことはその人柄(特に酒に対する理解)からそれなりに慕っており、彼からも信頼されている。 ウィルコックス、クロッス エルダードワーフ2人。7年目の春にドノバンの後を追い大樹の村を訪れ、ドノバンと同様にヒラクの知らない間に村民となった。 大樹の村の神代竜族 大樹の村に定住していない神代竜族については「#大樹の村の外部の神代竜族およびその従者」を参照 ラスティスムーン【Rasutisumoon】 ドライムとグラッファルーンの娘。「狂竜(クレイジードラゴン)」の異名を持ち、魔王国では知らない者はいない要注意竜と認知されている。ドライムが大樹の村に別荘を建てたことで彼が浮気をしているものと疑い、7年目に彼が用意したアルフレートの誕生祝いの品を浮気相手へのプレゼントと勘違いして激怒し、ドライムの制止も聞かず村を襲撃した。誤解が解けた後は、グラッファルーンからの「(ヒラクの力が)竜族に向かないように努めなさい」という命令により村民となった。 愛称は「ラスティ」。竜の姿はドライムよりも2回り小柄な15mほどの大きさで、人間の姿は竜の角と尻尾が生え、長い金髪の真面目な雰囲気の少女。好物は干し柿。村では竜族の代表を務めている他、交渉能力の高さから外交官も務めている。住居はドライムの別荘。伯母のハクレンとは幼少期から仲がよく、彼女を「ハクレンお姉さま」と呼んでいる。また、従妹のヘルゼとは「よく喧嘩した」仲である。 ハクレン【Hakuren】 声 - 生天目仁美 ドースとライメイレンの長女(第1子)で、ドライムの長姉。「真竜(エンシェントドラゴン)」の異名を持つ。人間の姿はぽやっとした雰囲気の胸の大きい女性。姪のラスティが自身より先にパートナーを見つけたことに嫉妬(自身は「姪っ子の相手の力を確かめようとした」と否定している)し、7年目に大樹の村を襲撃した。ヒラクに敗北した後は、ドースからの「(村に)残って奉仕せよ」という命令により村民となった。 お調子者で、ヒラクの癇に障る言動をしては彼に右手でアイアンクローをかけられるというお仕置きを移住当初にはよく受けていた。竜族の中でも問題児らしく、ドースからは村を訪れる度に「迷惑をかけていないかね?」「村で大人しくしているのが夢のよう」と言われている。その一方で、ヒラクの前では人間の姿で居たがるなど、彼に対し好意を持っている様子も見せている。面倒臭がりで、村での仕事も一々文句を言いながら行っていたが、村民が賢くなれば自身が楽できるという理由で、最終的に村民の教師役に落ち着いた。教師としての手腕は目覚ましく、小さな子供・スライム・グノーシスビーを除く村民全員に読み書きと計算ができるようにした。教師の件からわかる通り実は世話好きで、かつては弟や妹の面倒もよく見ており、若い頃の弟ドライムに繰り返しちょっかいをかけるグラッファルーンを何度も追い払っていた。 移住当初はドライムの別荘でラスティと同居していたが、いつの間にかヒラクの屋敷の空き部屋で寝起きするようになり、屋敷の改築後は内部に専用の個室を置いてもらった。ヒイチロウの実母だが母親のライメイレンがヒイチロウの面倒を頻繁に見ているため、ウルザたちの面倒を見ていることが多い。 グラル【guraru】 ギラルの娘。竜の姿は全長5mほどで、人間の姿は頭部に2本の角と尻に尾が生えた、外見年齢が5歳ほどの少女。10年目のヒイチロウの誕生直前に竜族の女性の習性によって大樹の村を訪れ、そのまま村民となった。来訪直後はウルザをライバル視し睨み合っていたが、しばらくすると意気投合し、2人でヒイチロウのプレゼント用の魔獣を狩ろうとした。 グーロンデ【Gouronde】 ギラルの妻。竜の姿は8つの頭部と山のような巨体を持ち、人間の姿は長い黒髪を持ち黒いドレスを着た美女。頭部に対応して人格も8つあるが、その内「メイン人格」は1つで残りの7つは「サブ人格」である。サブ人格はメイン人格によって統制され、場合によっては統合される。歴史を紐解けば必ず名前が出るとされ、その武勇伝の数は年上のドースやギラルをも凌ぐ。800年前に欲望のままに自身の進路上にある物に襲い掛り、宗教系の軍を滅ぼしたり世界樹を燃やしたりしたことから「神の敵」の異名を持つ。 自身に挑み返り討ちにしたギラルと結婚した後は大人しく巣に籠るようになったが、500年前にギラルの不在時を狙い巣に侵入した、竜族を倒せる魔法の武器を持つ勇者たちに襲われ、8つの頭部のうちの7つ、翼、尻尾を切断される。翼と尻尾は100年ほどで再生したものの頭部のみは再生せず、ギラルが助けを求めた「もっとも優れた賢者」と呼ばれる竜でさえも「世界樹の葉でなければ治療できない」と宣言したため、以降は「自身の行いが返ってきた」と悟り頭部の治療は諦めていた。しかし、16年目に事情を知ったヒラクがギラルに渡した世界樹の葉によって頭部の完治に成功し、お礼のために大樹の村を訪れた。頭部の復活に伴い休んでいたサブ人格も復活し、体が上手く動かせなくなっていたため、村での移動は山エルフが製作した車椅子で行っている。同年の武闘会の開催後は、できる限りグラルの傍にいたいという理由で村に移住した。ルーやティアをも凌ぐ魔法技能を持っていたことから、移住後は村の子供たちの魔法の教師に就任した。 魔族 フラウレム=クローム【Fraurem】 ビーゼルの娘。愛称は「フラウ」。自他共に認める才色兼備で、かつては貴族学園で王姫・ユーリの学友を務めていたが、7年目に狂竜・ラスティが村民となったことを危惧したビーゼルの命令で学園を辞め村に移住した。移住前は村を乗っ取るつもりでいたが、移住後は村の戦力を知り「村長の忠実な下僕でありたい」と心に誓った。 移住時の世話役だったラスティとは対面時こそ驚愕したもののその日の夜には仲よくなったり、初日こそドレス姿だったものの翌日からはズボンを穿き髪を後ろでまとめ農作業を手伝い始めたりと順応力は高い。魔物・魔獣を含めた村民たちともすぐに仲よくなっており、農作業を共にすることが多い獣人族とは特に親しくなった。村では王侯貴族の関係や種族に関する知識でヒラクをサポートしており、文官娘衆の移住後はその代表を務めている。また、名目だけの村の代官も務めている。ヒラクの屋敷内に代官としての体面用の個室を持つが、住居は居住エリア内の代官舎で、屋敷内の個室は空き部屋となっている。 ホリー クローム伯爵邸を一手に取り仕切っていた女中。ビーゼルが子供の頃から世話になっているほどのベテランで、彼からは「ばあや」と呼ばれている。老女だが腰は曲がっておらず、キリッとした態度をとっている。寡婦。フラウの妊娠が発覚した11年目の武闘会の後に、彼女の専属メイドとして大樹の村に派遣された。11年目の冬に出会って以降、ゴウに好意を抱いている。 文官娘衆(ぶんかんむすめしゅう) 王姫・ユーリの取り巻きだった魔族の女性たち。村での役割は農産物、酒、交易で購入した物品、金銭などの在庫管理と出納記録。村主催の祭りでは実行委員の中心を担い、企画準備から当日の運営、事後の反省会まで取り仕切る。魔王国の貴族の娘たちだけあって一通りの教育を受けており、作中の世界では優秀である。7年目にフラウの始末を企むも返り討ちに遭い彼女の部下にさせられた者たちと、13年目に五ノ村に赴任したユーリの補佐役の中から半ば強引に引き抜かれた者たちの2グループに分かれ、人数は前者が10人で後者が18人。 ラッシャーシ=ドロワ ドロワ伯爵家の次女。三ノ村のケンタウロスの代表であるグルーワルドがドロワ伯爵家組下の縁者だったため、8年目に彼女たちの世話役に任命された。移住者の世話役たちの中ではリーダーのような立ち位置におり、移住者たちの共通する意見や要望をまとめてヒラクに伝える役割を担っている。カンペを使い、ヒラクに第三者への的確な応答を指示することもある。 クラカッセ、キリサーナの二番目の姉 プギャル伯爵家の四女(エンデリの姉)とグリッチ伯爵家の次女。大樹の村襲撃計画の中心人物だった者たちで、村に来るまではフラウから「わかりやすい権力バカコンビ」と称されていた。キリサーナによれば、彼女より若い頃から権力欲が強く、交渉・説得・買収・脅迫・暴力を駆使して、貴族学園のみならず王城や軍部にまで手を伸ばし権力を集めていたという。移住以降村から出なかったため世間では「行方不明」とされており、「手を出してはいけない相手に手を出して抹殺された」との噂も立っている。16年目にはシールと結婚した妹たちと再会を果たした。 ロアージュ マモンロズ子爵家の次女。ヒラクの部屋に忍び込んだことがある。 山エルフ 同族との争いに敗れ食糧事情が悪化し、移住を余儀なくされた20人の女性たち。ライメイレンの勧めで7年目の秋に移住した。村での役割は狩り用の罠や機械類などの作成、採掘作業、鍛冶仕事、窯業。 ヤー【Ya】 山エルフ代表。胸は控えめで、本人もそれを気にしている。また、思慮の浅い一面を持つ。 ヒテルトー ヤーの補佐。本来なら長になる予定だったが、補佐の方が自身に合っていると感じ、長の座をヤーに譲った過去を持つ。ヤーとは幼少期からの仲。 ネコ ライギエル / 魔法神(まほうのかみ) → 魔神 → 落神 → 猫【cat】 神々との戦いに敗れ地位と名を奪われ、死の森の地中の奥底に封印された男神。世界に「幾つもの仕掛け」を施し復活の時を待っていたが、9年目に(何も知らない)ヒラクによって封印の岩を次々と神像にされ、封印を強固にされてしまった。すべての封印の岩を神像にされた後は黒いネコに変化し、大樹の社前に突如現れ、そのまま村に定住することとなった。定住当初は村民によって呼び名が異なっており、ヒラクからは単に「猫」と呼ばれていた。統一された名前は14年目に籤引きによって決まることとなったが、そこで奇しくも真名である「ライギエル」が選ばれ、そのまま名づけられた。 その正体は世界の魔力を管理する仕事を行っていた「魔法神」。ある日、仕事に失敗し魔力が世界に漏れたことと、その元凶である2柱の神を怒りのあまり殺害したことが原因で世界の崩壊の危機を齎してしまい自ら世界に降り立ち崩壊を防ぐも、世界に過度な干渉を行ったことで複数の世界の法則が狂い修復不可能になったため、その罰として前述した経緯を辿ることとなった。 ジュエル 白い宝石猫のメス。11年目に何者かによって違法取引されていたところをルーたちに助けられ大樹の村に住むこととなり、ほどなくしてライギエルの妻となった。村のネコたちの中では、力関係の頂点に君臨している。名前は子猫たちと区別するために付けられたもので、鬼人族メイドたちの間で呼ばれていたものがそのまま採用された。 ミカエル、ラファエル、ウリエル、ガブリエル 12年目の春に誕生した、ライギエルとジュエルの娘たち。名前は村民たちが考案した数多くの候補からライギエルが選んだもので、その結果ヒラクが考案したものが採用された。ふだんはそれぞれ「ミエル」「ラエル」「ウエル」「ガエル」という愛称で呼ばれている。毛色はミエルとラエルが白、ウエルが黒、ガエルが斑模様である。全員を指す呼び名は当初は「子猫たち」だったが、14年目にアリエルたちが誕生して以降は区別のために「姉猫たち」となった。 アリエル、ハニエル、ゼルエル、サマエル 14年目の春に誕生した、ライギエルとジュエルの娘たち。サマエルが未子である。名前はガルガルドと一部の村民によって決められた。愛称はそれぞれ「アエル」「ハエル」「ゼエル」「サエル」だが、呼び辛いため周囲からは一貫して本名で呼ばれている。 九尾狐 ヨウコ【Youko】 九尾狐の女性。年齢は12年目時点で数百歳。キツネの姿は10mほどの大きさで、人間の姿は和服のような服を着た長い黒髪の美女。ヴァルグライフに匹敵する戦闘力や、本人曰く「竜族のブレスすら防ぐ」ほどの障壁を展開する能力を持つ。ブルガとスティファノとは顔見知りであり、3人で各地を暴れていたこともある。 12年目に勇者に襲われた娘のヒトエを保護した大樹の村に礼をしに訪れるも、そこで村を支配すると宣言してしまった(本人は自身の加護で村を守ってやると伝えたつもりだった)ことで、宣言を快く思わなかったヴァルグライフの策略によってヒラクの『万能農具』の威力を味わった上に、宣言に対して怒ったザブトンから「制裁」を受ける羽目となった。それからしばらくは村に居ついていたが、ほどなくして五ノ村の責任者となることを恐れた文官娘衆に推薦され、五ノ村の村長代行に任命された。統治者のような役職を務めていた経験もあり、村長代行としての実力は高くその業務を的確に熟している。 ヒトエ【Hitoe】 ヨウコの娘。年齢は100歳以上だが、未だ子供であるため尾は1本である。少しの時間だけ、人間の幼女の姿になれる。ヨウコとは異なり人間の姿でなければ喋れない。 かつてはヨウコによって人間の村に預けられていたが、12年目に勇者の勢力によって村は滅ぼされ自身も攫われる。その後、コーリン教の教徒たちによって救出されかけるも、追い詰められた勢力のボスが嫌がらせのために使った転移魔法によって大樹の村に転移させられ、村の花畑に迷い込んだところをウルザとグラルに発見されヒラクに保護された。 ヒラクの子供たち アルフレート、ティゼル、ウルザについては「#アルフレート=マチオ」を参照 下記以外にも、14年目に誕生した名前未発表の子供たちが7人存在する。内訳はハイエルフとの娘が2人、山エルフとの息子が2人、娘が1人、獣人族との娘が2人。 リリウス、リグル、ラテ 9年目に誕生した、リア、リゼ、ラファとの息子。名づけ親は各々の母親。リリウスはハイエルフのまとめ役、リグルとラテはその補佐役となるように育てられている。 トライン 9年目に誕生した、アンとの息子。名前はヒラクとアンが双方納得できるようなものが思い付かず、相談を受けたガルガルド、ドース、ヴァルグライフが話し合いとくじ引きで決めたもので、最終的にガルガルド考案の名前が選ばれた。 ヒイチロウ 10年目に誕生した、ハクレンとの息子。名づけ親はヒラクで、竜族の名づけのルールに則り考案した。ライメイレンが世話を焼くことが多いおばあちゃん子。 フラシアベル 11年目に誕生した、フラウとの娘。愛称は「フラシア」。 セッテ 12年目に誕生した、セナとの娘。名づけ親はセナ。ハーフだが、体は獣人族の特徴を持つ。 ラナノーン 12年目に誕生した、ラスティとの娘。名づけ親はラスティで、名前の由来はグラッファルーン系の祖先。愛称は「ラナ」。 ルプミリナ 14年目に誕生した、ルーとの娘。名づけ親はルーで、ヒラクと相談し決めた。 オーロラ 14年目に誕生した、ティアとの娘。名づけ親はティア。 ローゼマリア 15年目の冬に誕生した、グランマリアとの娘。名づけ親はグランマリアで、ティア、マルビット、ルィンシァと相談し決めた。 その他の大樹の村の住人 大樹 大樹の村の象徴である巨木。根元付近の直径は10mを超える。内部にはヒラクが『万能農具』で掘った、創造神と農業神を祀る祠「大樹の社」が存在する(当初はヒラクの寝床だった)。喋れないが明確な自我を持っており、ザブトンとならば意思疎通を図れる。当初は周りよりも背が高いだけの一般的な木だったが、大樹の社が作られた後は眠っていた知性が目覚め、それに伴い口調も知的なものとなった。 酒スライム 7年目に大樹の村の酒を盗み飲みしたことで、紫色に変異したスライム。体は酒臭く、酒の息を吐く。酒を愛飲する村民の怒りを買い裁判にかけられ即刻有罪となるも、フラウの「罰を与えたとして、(そもそも種族的に知能が低い)スライムがそれを理解するのだろうか」の一言でお咎めなしとなった。その後も元のスライムには戻らず、ふだんは浄化作業もせずに村をのんびり徘徊しており、宴会などで酒が出た場合のみ、いつの間にか酒を飲みに来る。ヒラクの隠していた酒をこっそりと飲むこともある。 ライギエルが酒樽に落ち他者が飲めなくなった酒をすべて貰えたことからもう一度落とそうとするなど、スライムにしては高い知能を有している。ヒラクが作ったパラシュートの試験台に志願したり、祭りに出場したりと冒険心も旺盛である。 ブルガ、スティファノ グッチの親戚にあたる、古の悪魔族の女性2人。7年目にラスティの下で働く使用人として大樹の村に移住した。ふだんは執事服を着ている。名前は魔王国でポピュラーな童話の登場人物のそれと同じである。ブルガは「狂宴(きょうえん)のブルガ」の異名を持ち、自身の分身を生み出し操る戦法を得意としており、スティファノは「黒槍(こくそう)のスティファノ」の異名を持ち、漆黒の槍を無数に飛ばす魔法を得意とする。 ベルフォード ヒラクの乗馬用にルーとティアがゴロウン商会から購入したオスのウマ。名づけ親は村の獣人族の娘。三ノ村のケンタウロス(特にその代表であるグルーワルド)をライバル視している。村に来た当初は乗馬技術のないヒラクには懐いていなかったが、彼が自身の主であることは認識しており、彼がグルーワルドに乗った姿を見た後は激しく落ち込み、以降は指示を聞くようになった。 小型ワイバーン 体長1mほどの小型のワイバーン。総勢20頭。村と外部を行き来する連絡網を担っている。ラスティの配下だが、村に来てからはリザードマンが世話をしている。12年目に明かされたその正体はワイバーンの長老の眷属のような存在で、密かにヒラクの行動を長老に報告していた。 子犬 フェンリルのメス。10年目に死の森で倒れていたところを兄貴に発見され村に連れて来られ、ほどなくして彼の妻となった。厳つい顔をしているため、ヒラクによって「勇ましい名前」を付けられたようだが、名前は作中では明らかにされていない。兄貴からは「羨ましい」と言う理由で本名では呼ばれず、成長後も単に「子犬」と呼ばれている。 セレスティーネ=ロッジーネ 神の声を聞ける存在「聖女」。気の強そうな雰囲気の人間の女性で、12年目時点の外見年齢は15歳ほど。愛称は「セレス」。農村のロッジーネ家の三女として生まれるも、10歳の時に両手の平に聖痕が現れたことで教会に引き取られ、以降は誘拐される形で様々な教会を転々とし、そこで聖女としての活動を行っていた。最終的にコーリン教の本部付きの武力集団に確保され、12年目の武闘会開催時にヴァルグライフによって大樹の村に身を預けられた。その間、コーリン教によって身受けの場所を見繕われるも旨くいかず、約1年後に村への定住が決定した。定住後は五ノ村の教会に所属しそのトップを務めているが、ふだんは大樹の村で暮らしている。16年目以降は五ノ村の店の1つ「甘味堂コーリン」の店長代理も務めている。酒スライムとは仲がよい。 アイギス【Aegis】 大樹の社に供えていたフェニックスの卵から13年目に孵化した、フェニックスの雛。丸々と太った体型をしており、大きさはバレーボールほど。羽毛の色はピンク。好物は収穫前の米。名づけ親はアルフレートで、ヴァルグライフから聞いた話を元に名づけた。ハーピー族の雛たちからはアイドルのような扱いを受けているが、強烈な追っかけである彼らに追い掛けられて以降はトラウマとなっている。フェニックスであるためほとんど食事をする必要がないが美食家である。ヒラクにはかなり懐いており、頭に乗ることが多い。 妖精女王【Fairy Queen】 甘味をこよなく愛する、妖精の女王。外見は背中に光の羽を持つ美女。通常の妖精とは異なり、身長は高い。世界各地を転移し続ける神出鬼没の存在だが、他者に触れられた状態だと転移できなくなる。本来の役割は子供に過度な労働を強いることの抑止であり、子供には基本的に甘い。 13年目の秋に大樹の村を訪れるが、自身が訪れた証としてヒラクの畑の麦を倒し、ミステリー・サークルのような絵を描いたことで彼の怒りを買い尋問を受ける。その後は村の甘味(特にカスタードプディング)を知ったことで、村に半ば居着くようになった。 大きな蔓を召喚し作った球状の縄張りに入ると、少し成長した姿に変身できる。この姿になるとギラルのブレスさえも防ぐほどの戦闘力を誇るが、子供や動物からの受けが悪いため、本人はこの姿でいることを嫌っている。召喚した蔓は、貴重な魔法の薬の材料となる。 鷲(わし)【Eagle】 / フレースヴェルグ 翼を広げると3mほどになる大きさの鷲。15年目の秋に世界樹に巣を作った。アイギスとは仲が良い。ニーズによれば、その正体は「鷲の神の使い」である。 死霊魔導師 ゴールゼン王国の空に浮かぶ島で魔法の研究をしていた、骸骨の女性。魔術師だが、剣の腕前はガルフやダガを凌ぐ。かつては何かに対して強い恨みを持っており、その復讐のために人の怨念を力に変える非常に危険な装置「怨念炉(おんねんろ)」の研究をしていたが、6・7年ほど前に何かしらの要因で恨みが消えて以降は「花の色をもっと鮮やかにする」などの「のんびりとした研究」を行うようになった。16年目に島が落下し地上の街や村に被害を齎したことで冒険者に討伐されそうになり、逃げるために使った転移魔法で温泉地に転移し身体を半分埋めてしまい動けなくなったところをライオンと死霊騎士たちに助けられた。当初は彼らに助けられた恩から温泉地で働いていたが、17年目以降は村で子どもたちの教師役を務めている。 クエンタン 死霊魔導師の相棒で、自我を持つ魔法の剣「知恵ある剣(インテリジェンス・ソード)」。本人曰く「少し変な魔法使いのグループ」に作られたらしいが、詳細な記憶は制作者たちによってすでに消されている。自身に触れた者の意識を乗っ取る能力を持つ。死霊魔導師の命で空に浮かぶ島にて怨念炉の管理を担当していたが、16年目に怨念炉のエネルギーを自身に集めたことで怨念炉が爆発し島を落下させてしまい、その被害を受けたゴールゼン王国の救援に駆けつけたヴァルグライフとフーシュに見つかり確保された。その後、彼らによって大樹の村に運ばれ、死霊魔導師と再会を果たした。
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