アーティフィシャル‐インテリジェンス【artificial intelligence】
エー‐アイ【AI】
読み方:えーあい
《artificial intelligence》⇒人工知能
じんこう‐ちのう【人工知能】
AI
読み方:エーアイ
AIとは、人間の知的営みをコンピュータに行わせるための技術のこと、または人間の知的営みを行うことができるコンピュータプログラムのことである。一般に「人工知能」と和訳される。
コンピュータがAIと呼ばれるには、人間が用いる自然言語を理解したり、論理的な推論を行うことができたり、経験から学習して応用することができたり、といった知的で発展的な作業をこなすことが要求される。
AIという言葉はジョン・マッカーシーによって提唱され、20世紀半ばから盛んに研究開発が行われてきた。研究例としては、人間とチェスを打つプログラムや、言語の自動翻訳、画像の意味を解析するプログラムなどを挙げることができる。人工知能を記述するためのプログラミング言語として、LispやPrologといった言語も開発されている。
人工知能の研究者としては、ジョン・マッカーシーをはじめ、チューリングマシンを開発したアラン・チューリングや、コンピュータによるニューロンの再現を試みたマービン・ミンスキーなどが有名である。
参照リンク
人工知能のやさしい説明 - 社団法人人工知能学会
AI
人工知能。認識、推論、判断などの高度な知的作業をコンピユーターに行わせるもの。応用は、エキスパートシステム(ES)、画像、音声認識システム、機械翻訳システム、教育支援システムなど多岐にわたる。知能ロボットにも欠かせない技術である。
参照 ES人工知能
【英】:artificial intelligence
概要
人間や生物の知能を, 機械によって実現したもの, あるいはその研究分野. 具体的には, コンピュータを処理の中心とし, 各種入出力機器を結合したシステムである. その主要なテーマは, チェス, 将棋等のゲームを典型的問題とする問題解決・推論, 文字, パターン等の認識, 言語の理解, 診断等の現象の分析, 経験からの学習等がある. 計算のパラダイムとして, 述語論理, ニューラルネットワーク, 遺伝的アルゴリズム, プロダクションシステム等がある.
詳説
人工知能 (artificial intelligence)とは, 人間(あるいは広く生物)の知的活動の機能を人工的に実現するための, 主としてコンピュータを中心とする人工物を指す. そして, 人工知能を実現するための研究が人工知能研究である. 人工知能実現のためには, 知的活動の本質的原理を明確にするための分析的科学的アプローチと, 知的活動の機能をモデル化し, それを実現することによって, 知的活動の本質に迫る構成的工学的アプローチの両面からの研究が必要である.
人工知能研究は, 大きく分けると以下の3つの分野から研究が進められている. 人工知能の実現にはこれら3つの分野から総合的に研究を進めることが必要であるとの認識がなされている.
人工知能における研究は多岐にわたるが, 情報工学分野における基本的研究課題として, 以下の5つがあげられる.
人工知能の研究を計算パラダイムから見ると, 論理計算パラダイムとシミュレーション計算パラダイムに分けられる. 論理計算パラダイムは, 知能や知識や推論を論理で表現し, アルゴリズムを駆使して人工知能の機能を実現するパラダイムである. 一方, シミュレーション計算パラダイムは, モデルを与え, シミュレーションを基礎に問題解決をはかる計算パラダイムである. 人工知能研究の歴史では, この2つのパラダイムが交互に盛んになっている. 人工知能研究の歩みに沿って, 主要な研究成果を概観する.
人工知能の発展からみると, この時期にはアルゴリズム, 論理, シミュレーションの計算パラダイムが混然として誕生した. 特筆すべきことは, 黎明期と言うべきこの時期にすでに, 現在の人工知能に関するほとんどの基本的概念が議論されていたことである. ニューラルネットワーク, パーセプトロン, サイバネティックス, チューリングマシン, リスト処理言語Lisp等が提案された. J. McCarthy(マッカーシー)による人工知能と言う名前が合意されたのは, 1956年に開催されたダートマス会議でのことであった.
この時期は, 論理型計算パラダイムが中心となった時期である. また, 認知心理学的アプローチも盛んになるなど, 人工知能研究が盛んになった時期であった. E. A. Feigenbaum(ファイゲンバウム)が実用的問題に対する挑戦として知識工学を提唱した. 知識に関する基本的課題として, 知識表現 (knowledge representation), 知識獲得, 知識利用が明確にされた.
- 知識利用 問題解決に知識を利用する. プロダクションシステム (production system), エキスパートシステムがある.
意味ネットワークやプロダクションシステムによる推論型知識表現と医療診断エキスパートシステムMYCIN(マイシン)等の実用人工知能を目指すエキスパートシステムが開発された. アルゴリズムとして, 幅優先探索法, 深さ優先探索法, 発見的探索 (heuristic search) 法が普及した. 論理型知識の代表として, J. A. Robinsonによる一階述語論理における導出原理 (resolution principle) を応用した論理型プログラミング言語Prologの開発が行われた. また, 日本の第5世代コンピュータ計画(1982-1991)もPrologをベースに行われた.
これまでの研究で, 人間の直感, 感性等は, 論理型計算パラダイムでは, 実現が難しいとの認識がなされた. また, エキスパートシステムは知識獲得が決定的なボトルネックとなることも判明した. 代わって, 盛んになってきたのが, シミュレーションを基本とする分散計算パラダイムである. ニューラルネットワークが復活し,逆伝播学習アルゴリズム (error back propagation learning)による学習とパターン認識への応用, 包摂アーキテクチャ (subsumption architecture)のロボット工学への応用, 遺伝的アルゴリズムによる人工生命の研究等が行われている.
さらに, これらの計算機構を取り入れたマルチエージェント計算は, 個々のエージェントの自律的行動とエージェント間のコミュニケーションにより, システム全体の目的にとって, 最適な行動の創発を期待する計算パラダイムである.
以上の工学的アプローチに対して, 大脳生理学や脳科学の立場から脳機能の解明を目指す脳研究が盛んになりつつある. 脳機能の解明は, 人工知能のモデルを構築するために必要なものとして, 人工知能研究からもその成果が期待されている.
[1] 白井良明, 辻井潤一, 『人工知能』, 岩波書店, 1984.
[2] S. Russell and P. Norvig, Artificial Intelligence - A Modern Approach, Prentice-Hall, 1995. 古川康一監訳, 『エージェントアプローチ人工知能』, 共立出版, 1997.
人工知能
(Artificial Intelligence から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/27 15:59 UTC 版)
人工知能(英: artificial intelligence)、AI(エーアイ)とは、「『計算(computation)』という概念と『コンピュータ(computer)』という道具を用いて『知能』を研究する計算機科学(computer science)の一分野」を指す語[1]。「言語の理解や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術」[2]、または、「計算機(コンピュータ)による知的な情報処理システムの設計や実現に関する研究分野」ともされる[3]。大学でAI教育研究は、情報工学科[4][5][6]や情報理工学科コンピュータ科学専攻などの組織で行われている[4][7](工学〔エンジニアリング〕とは、数学・化学・物理学などの基礎科学を工業生産に応用する学問[8][注釈 1])。
アーティフィシャル・インテリジェンス
(Artificial Intelligence から転送)
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アーティフィシャル・インテリジェンス (英語: Artificial Intelligence)
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