空気力学とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 自然科学 > 物理学 > 力学 > 空気力学の意味・解説 

くうき‐りきがく【空気力学】

読み方:くうきりきがく

流体力学一部門。空気流れと、その中で運動する物体との間の力学的相互作用研究する学問航空機との関係が深く航空力学ともいう。


空気力学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/19 19:49 UTC 版)

空気力学(くうきりきがく、英語: aerodynamics)とは、流体力学の一種で、空気(または他の気体)の運動作用や、空気中を運動する物体への影響を扱う。空力(くうりき)とも略される。航空分野においては航空力学と関係している。

物体への影響

物体空気中で運動する時、必ず空気抵抗を受け物体の運動へ影響を与える。

自動車への影響

  • 抵抗軽減
    自動車史において空力は航空分野からの知識を導入する形で発展したが、最近では巨大な資本を投入し極めて活発な研究がされている。
    高速で走行する自動車は速度が上がる程強く空気の抵抗を受けるため、効率良く空気を後方へ流すように配慮されている。
    近年の市販車は燃費の向上を狙って空気抵抗を低減させるように空力を強く意識したデザインになっている。
    気流の剥離を抑えるボルテックスジェネレーター、整流の為のスポイラーなども用いられる。これらは渦の発生を制御するために用いられ、空力性能を補助できる。
    空気導入と排出の開口等も全体の空力に大きく影響する。
  • ダウンフォース
    ダウンフォースはタイヤの摩擦力を高めるために用いられる。高速走行時に車体形状により発生した揚力を打ち消したり、旋回性能を高める働きがある。
    モータースポーツにおいて走行性能を向上させるためにより小さな空気抵抗で大きなダウンフォースを得ることが大事な設計課題になっている。

地面効果

自動車に対しての地面効果=グラウンドエフェクトは一般的には揚力を発生させるが、車体底部を整形し空気の流速を高めて負圧を生じることにより小さな空気抵抗で強力なダウンフォースが得られる。

ダウンフォース量よりも空気抵抗減を重視する最高速度記録挑戦車は地面効果を避ける、利用する形状両方有り、主催者の安全規制や出走車の設計意図が現れる。

飛行機への影響

空気中を飛行する飛行機にとって、飛行機のに強く空気の影響を受ける。翼に当たる空気を利用し、揚力を得たり、方向転換や減速方法の一つとしても空気を利用している。例として、大気圏内に入る前に燃料を捨てるスペースシャトルにおいて、大気圏内に入ったスペースシャトルの主な減速方法は空気抵抗である。

鉄道車両への影響

蒸気機関車において、煙突の両側面の除煙板による上昇気流で排煙を客車から遠ざける配慮がみられる。 鉄道車両は重量が大きい為、走行性能に与える空力の効果は表れにくい。

1930年代に世界的に流線型が流行り、日本でも国鉄52系電車国鉄C55形蒸気機関車国鉄EF55形電気機関車国鉄C53形蒸気機関車国鉄キハ43000形気動車に流線型が採用された。しかし、最高速度が95Km/hに制限されていた当時では、実用上効果がほとんどなく、カバーに覆われているため整備点検が困難等の理由で整備の現場からは嫌われ、カバー付きの車両はカバーを外されることになる。本格的に空力学的効果があったのは、新幹線0系電車以降の新幹線電車のみである。

その他

建築物、交通機関各種に設置される換気装置(ベンチレーター)のうち、吸い出し式に大別されるものは負圧を利用している。

参考文献

  • 加藤寛一郎『航空力学入門』東京大学出版会、1982年。ISBN 4130610430 
  • 飯野明『よくわかる航空力学の基本』秀和システム、2005年。ISBN 4798010200 

関連項目


空気力学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 03:37 UTC 版)

ソーラーカー」の記事における「空気力学」の解説

空気抵抗ソーラーカー主な走行抵抗原因である。車両空気抵抗は、空気抵抗係数×前方投影面積CDAであり、大半ソーラーカー前方投影面積0.75 から1.3 m2である。CD値は、トップレベルデータで0.10が報告されているが、実際的には0.13程度のものが多い。中級者作ったソーラーカーでは0.15〜0.2程度になる場合もある。

※この「空気力学」の解説は、「ソーラーカー」の解説の一部です。
「空気力学」を含む「ソーラーカー」の記事については、「ソーラーカー」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「空気力学」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

空気力学

出典:『Wiktionary』 (2021/12/03 05:22 UTC 版)

名詞

空気力学 (くうきりきがく)

  1. (力学) 空気挙動を扱う力学

参照

翻訳


「空気力学」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



空気力学と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「空気力学」の関連用語

空気力学のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



空気力学のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの空気力学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのソーラーカー (改訂履歴)、圧縮性流れ (改訂履歴)、スキーフライング (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの空気力学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS