minority
「minority」とは・「minority」の意味
「minority」とは、少数派や少数民族を意味する英単語である。一般的には、ある集団の中で数が少ない部分を指す。政治や社会問題においては、意見や権力が多数派に対して少ないグループを指すことが多い。また、民族や文化的な背景から、ある国や地域において人口の少ないグループを指す場合もある。「minority」の発音・読み方
「minority」の発音は、/maɪˈnɒrɪti/であり、IPAのカタカナ読みでは「マイナリティ」となる。日本人が発音するカタカナ英語では「マイノリティ」と読む。「minority」の定義を英語で解説
A minority is a group of people that is smaller in number compared to the majority of a population. In politics and social issues, it often refers to a group with less power or influence compared to the majority. In terms of ethnicity or cultural background, it can also refer to a group with a smaller population within a country or region.「minority」の類語
「minority」の類語には、以下のようなものがある。 1.少数派:minority group, minority faction 2.少数民族:ethnic minority, minority community「minority」に関連する用語・表現
「minority」に関連する用語や表現には、以下のようなものがある。 1.多数派:majority 2.マイノリティリーダー:minority leader 3.マイノリティの権利:minority rights「minority」の例文
1. The minority of people voted against the proposal.(少数派の人々が提案に反対票を投じた。) 2. Ethnic minorities often face discrimination in society.(少数民族はしばしば社会で差別に直面する。) 3. The minority opinion was not taken into account.(少数派の意見は考慮されなかった。) 4. The government should protect the rights of minorities.(政府は少数派の権利を保護すべきである。) 5. The minority party has little influence on policy decisions.(少数派の政党は政策決定にほとんど影響を与えられない。) 6. The majority and minority should work together for the common good.(多数派と少数派は共通の利益のために協力すべきである。) 7. The minority shareholders expressed their concerns about the company's direction.(少数株主は会社の方向性に関して懸念を表明した。) 8. The rights of religious minorities must be respected.(宗教的少数派の権利は尊重されなければならない。) 9. The minority report offered a different perspective on the issue.(少数派の報告書は問題に対して異なる視点を提供した。) 10. The school has a diverse student population, including various ethnic minorities.(その学校は多様な学生人口を持っており、さまざまな少数民族が含まれている。)マイノリティ
マイノリティとは、社会の中で数が少なく、主流から外れた立場にある集団や個人を指す言葉である。一般的には、人口や権力、文化的な側面で多数派に比べて不利な立場に置かれている集団を意味する。マイノリティは、民族、宗教、性別、年齢、障害、性的指向など、さまざまな要素によって形成される。
マイノリティの概念は、多様性の尊重や差別の解消を目指す社会的な取り組みにおいて重要な役割を果たしている。例えば、マイノリティの権利擁護や、差別や偏見に対する啓発活動が行われている。また、法律や制度によってマイノリティの保護が図られており、国際的な人権規約や国内法においても、マイノリティの権利が認められている。
マイノリティの存在は、社会の多様性を示す一方で、多数派との間に摩擦や対立が生じることがある。これは、文化的な違いや価値観の相違、権力の不均衡などが原因となることが多い。そのため、マイノリティの理解や受け入れを促す取り組みが求められている。
マイノリティに対する認識や扱いは、時代や地域によって異なることがある。歴史的には、マイノリティが迫害や差別の対象となることが多かったが、現代社会では、多様性の尊重や差別の解消が求められるようになっている。また、グローバル化の進展に伴い、異なる文化や価値観が交流し、マイノリティの認識や受け入れが進んでいる。
マイノリティの概念は、社会学や人権学、政治学などの学問分野でも研究対象とされている。これらの研究を通じて、マイノリティの立場や権利、多数派との関係性などが明らかにされており、社会の理解や対応が進められている。
マイノリティ
英語:minority
「マイノリティ」とは・「マイノリティ」の意味
「マイノリティ」または「マイノリティー」は、「少数者」「少数派」などを意味する言葉である。英語の「minority」に由来する語。特に「社会的少数者」を指す意味で用いられることが多い言い方。なお英語圏では「少数グループ(単に人数が少ない集団)」を「minority group(マイノリティーグループ)」と言ったりする。minorityの「o」は英語の発音では「オー」であり、「ァ」や「エア」ではない。したがって日本語でマイナリティーと表記されることは少ない。マイノリティーの対義語として「マジョリティー」がある。英語の「majority」に由来し、「多数者」「多数派」などを意味する。
マイノリティーの例としては、子どもや高齢者、障がい者、外国人、性的少数者などがある。社会の仕組みや設備などは多数者によって多数者向けに作られていることが多い。マイノリティーが抱える問題を社会問題として取り上げ、現在ではユニバーサルデザインの考え方の元、誰でも使いやすいことを目指した設備が増えている。ただし、マイノリティーが持つ事情はそれぞれ異なることもあり、設備を変えるだけで全ての問題を解決することは難しく、ソフト面でも意識を変えていく必要がある。
「マイノリティー」の熟語・言い回し
マイノリティな人とは
マイノリティとは社会的少数者のことを指す。したがって、子どもは全人口に対する割合からいってマイノリティであるといえる。また左利きの人は右利きの人に比べてマイノリティであり、障がいを持つ人をマイノリティと呼ぶこともある。これらのマイノリティに共通するのは、生活に不便を感じる場合があることである。幼い子どもにとっては高すぎる階段、左利きの人には使いづらい駅の改札、車椅子に乗っている人には通りづらい舗装していない道路。多数派にとっては不便なく生活できる部分が、マイノリティにとっては障壁となっていることがある。
自分のマイノリティとは
同一人物であっても、どの視点から見るのかによって、マイノリティになることもあれば、マジョリティになることもある。また、自分が属しているグループが変われば、マイノリティからマジョリティになることもあり、逆もしかりである。マイノリティやマジョリティは人を定義するものではなく、その人の一面であるにすぎず、流動的なものである。
マイノリティリポートとは
2002年に公開されたアメリカのSF映画で、監督はスティーブン・スピルバーグ、主演はトム・クルーズである。舞台は未来。殺人を予知できるシステムが開発され、そのシステムにより殺人事件の発生率は0%となる。トム・クルーズ演じる主人公のジョンは、犯罪予防局の一員として任務を遂行するが、ある日、予知システムによりジョンが殺人を犯すと予知されてしまう。「そんなはずはない」とジョンは犯罪予防局から逃げ出し、予知システムに問題があるのではないかと考える。その中で、マイノリティリポートの存在を知る。予知システムでは3人の予知能力者の波長を合わせて予知を行うが、3人の意見が合わないことがある。その際に、システムの完璧さをアピールしたい運営側は少数意見を却下しており、これがマイノリティリポートであった。
見た目マイノリティとは
病気やケガなどで、外見が人とは異なる場合がある。顔や手足など、目に見える部分に症状が出ている場合、好奇の目にさらされてしまうことも少なくない。2017年公開のアメリカ映画「ワンダー 君は太陽」では、トリーチャーコリンズ症候群により顔の骨の形が変形して生まれた男の子が描かれている。日本でも、同じ病気がテレビ番組で取り上げられるなど、見た目マイノリティを人々が知る機会が増えてきている。
「マイノリティー」の使い方・例文
海外に住めば、誰でもマイノリティーな存在となる。マイノリティーな人々の意見を商品開発に活かす。
マイノリティーについて理解を広げる展示会を催す。
同性愛者はセクシャルマイノリティーの一つである。
SNSの普及で、マイノリティーの意見が世に出やすくなっている。
マイノリティーの意見を、正しく世に伝えることが今後の課題である。
私は、ある視点ではマイノリティーであるし、ある視点ではマジョリティーである。
様々なマイノリティーが存在する。
マイノリティーの問題を解決するには、マジョリティーがその存在を知り、理解することが必要だ。
少数であっても社会的立場が強い場合は、ドミナントマイノリティーと呼ぶ。
マイノリティ
英語:minority
「マイノリティ」とは、主に高齢者・障がい者・外国人などの「社会的少数者」およびLGBTなどの「性的少数者」を指す意味で用いられる表現である。社会的少数者は「マイノリティグループ」ともいい、性的少数者は「セクシャルマイノリティ」ともいう。
いわゆる少数民族は「民族的少数者」あるいは「エスニックマイノリティ(ethnic minority)」ともいう。少数民族も社会的少数者の一種である。
マイノリティの語源
「マイノリティ」は、英語の minority をカタカナ表記した外来語である。基本的な意味は「少数」や「少数派」であり、「少ない方」を指す意味で幅広い場面で使われる語である。英語の minority は、形容詞 minor(少ない)を接尾辞 -ity で抽象名詞化した語であり、「少数-という性質」という意味である。
英語の minority は幅広い意味用法で用いられるが、日本語でカタカナ語として用いられる「マイノリティ」は、たいていは「社会的少数者」や「性的少数者」を指す意味で用いられる。そして、「社会的弱者」「多数派と比べて公平に扱われていない集団」という意味・ニュアンスを少なからず含む言葉として用いられる向きが色濃い。
マイノリティの対義語
マイノリティに対する語は「マジョリティ(majority)」である。少数派に対する「多数派」。形容詞 major(多い)+ ity からなる抽象名詞である。マイノリティの用法
社会におけるマイノリティは「少数民族」を指す語でもある。いわゆるLGBTやLGBTIは「セクシャルマイノリティ」(性的少数者)呼ぶことがある。いずれも「大多数の人とは異なる性質を備えた人々」という意味を含み、マジョリティの存在との対比が前提されている。社会的マイノリティは「弱者」の立場にある集団として位置づけられやすい。(少数派であってもマジョリティより不利な境遇へ追いやられているわけではない人々はマイノリティとは呼ばれにくい)。マジョリティから見れば(相対的に)異質であり異端と捉えられる、そのため差別、迫害、あるいは日常生活を送る上での不平等などが生じやすい。
近年ではマイノリティの声をマジョリティに埋もれさせてしまわず、しっかり尊重しよう、と捉える機運が世界的に高まってきているといえる。
「社会的に立場の弱いマイノリティを尊重するべきだ」という道義的要求を盾にとって自らの主張や要求を声高に訴えるような連中を「ノイジーマイノリティ」という。
社会的少数者
(マイノリティ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/24 07:15 UTC 版)
社会的少数者(しゃかいてきしょうすうしゃ)とは、その社会の力関係によって、少数者、少数派もしくは弱者の立場に属する者やその集団を指す。また、そのグループに属することによって社会的な偏見や差別の対象になったり、少数者の事情を考慮していない社会制度の不備から損失や被害を受けることを前提とした呼称。社会的弱者に似た概念。また単に数として少数に属する者や集団を指す。「マイノリティグループ」(英語: minority group)の意味、日本語では「マイノリティ」と略されて呼ばれることが多い。社会的マイノリティ、社会的少数派とも言う[1][2]。
概要
社会的少数者は欧米の「マイノリティグループ」(英語: minority group)の考え方を輸入したものである[要出典]。日本語では省略をして「マイノリティ」と呼ばれることもある。英語のminorityは、形容minorを接尾辞ityで抽象名詞化したもので「少数」「少数派」などの相対的な数を意味を示す。マイノリティグループは直訳通り本来は単に数的に少数のグループを指していたが、現代では社会的弱者などを意味することが多い。日本では単にマイノリティと呼ばれることも多く、伝えたいものが力関係に対するものか、単に数に対するものか定かではない場合もある。
国によりマイノリティの含む意味が違い、ドイツ、ロシア・ソ連、中国などでは、ナショナル、エスニックグループ(民族)、宗教、言語の4つにおいて多数派と違う少数派のことを指す。日本、アメリカ、韓国はナショナル、エスニックグループ、宗教、言語の4つを重視せずに、障害者や女性、ホームレス状態の人々などを含めた「弱者」のことを指す[1]。
対義語は社会的多数派またはマジョリティであり、これは多数派に位置する為には強い立場にいる集団を意味しており、統めて世論を形成しやすい群というふうにも言える。
留意点として、社会的少数者は単に少数というだけで決まるのではなく、力関係によって変わる場合もある。数としては少数でなくても、差別や構造により社会的に弱い立場の集団を「社会的少数者(マイノリティ)」と定義する。たとえば数の面では人口の半数近くを占める女性や、人口では多数派である南アフリカの黒人や20世紀初頭のアメリカ合衆国南部の黒人のように、人口の割に社会における機会が著しく制限された層をマイノリティとする[3]。
逆に少数者、少数派でも発言力が強く、社会的影響力の大きいなど、その集団が強い立場にある場合には「社会的少数者(マイノリティ)」と呼ばず、ドミナントマイノリティ(英語: dominant minority、支配的少数者)という事もある。これの例としては、「一握りの大富豪」と呼ばれる富裕層や、ラテンアメリカ諸国における白人層、アパルトヘイト時代の南アフリカ共和国における白人層などを挙げることができる。日本においては、これらのドミナントマイノリティは、むしろ広義的な意味でマジョリティの一部とされることも多い。
また、マイノリティとマジョリティの数が時代の経過などの要因により、逆転する場合もある、しかし一度マイノリティと位置付けられたものが、マジョリティと呼ばれるようになる例は少ない[4]。
また、社会的問題を含まない意味で、趣味などの少数派にマイノリティを使うことがある。
少数者とは
少数者には色々な考え方があり明確な条件付けは難しい。 しかし、条件付けの例として、海外の論文に次の四つの条件が掲げられている[5]。
- 識別可能性[注釈 1]
- ある身体的、文化的な特徴によってほかの集団と区別される著しい違いが現れることを意味する。よって、このような少数者たちは差別を避けるため、こんな「違い」を隠そうとする。
- 権力の差[注釈 2]
- 権力の差とは、経済力、社会的な地位、政治権力など、いろんな部分で実質的な差があるか、もしくはいろんな資源を動員できる能力の差が出ることを意味する。
- 差別的かつ軽蔑的な待遇の存在[注釈 3]
- 少数派への差別はある個人がただその集団の一員という理由だけで社会的に差別されるという状況を招来する。
- 少数派としての集団意識[注釈 4]
- こんな差別は、彼らが差別されていて、彼らの集団のある本質的な資質より多数の評価によっていることを悟らせる。このような集団意識はたった数人の思いから始まるが、差別の繰り返しによって全体的な連帯意識に拡張される。
- しかし、すべてのマイノリティが連帯意識をもっているのではない。多くの少数派[注釈 5] の場合、成員としての資格にかかわる規則や文化的な特異性をもつ集団として定義されるが、現実のマイノリティ[注釈 6] の中では(たとえばホームレス、HIV患者などの場合)集団としての規則や特異性をもつより、劣悪な地位、もしくは羞恥心によって個別的に分散されていることが多い。それにもかかわらず、このようなマイノリティには共通的な特徴があるが、彼らが社会の主流の成員によって明示的に、もしくは暗黙的に差別されると感じるということである[6]。これがここでいう「集団意識」である。
- メタ分析によれば、社会的少数派民族が自分の民族グループに対して抱く感情には、個人にとって多くの利点がある[7]。
国際人権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)の第27条に於いては国内の少数派とりわけ「宗教的、人種的、言語的少数民族」の権利の保護を掲げている。
少数派の種類
- 日本ではアイヌがこれにあたる。アパルトヘイト体制下の南アフリカ共和国では、少数派である白人が、多数派、それも人口の8割を占める圧倒的多数派である黒人を支配していたという事情があるが、この場合白人は数としては少数ではあっても、社会的少数者には当たらない[3]。
- 多くの人々は異性愛者であり[注釈 7]、家族制度は異性愛を前提として構成されている。強制的異性愛という言葉もある。また多くの人々は性自認と身体的性別が一致しており、そうでない人々(トランスジェンダーやインターセックスなど)がいることを理解できず、或いは受容できない場合が多い。そのため、こうした人々は深刻な人権蹂躙を被ってもその救済が困難な状況に置かれる(ジョグジャカルタ原則の項目を参照)。
- 障害者・病人
- 障害者権利条約も参照。
- 子ども・高齢者
- 外国人・混血・移民・帰国者
- 貧困層
- 被差別地域
- 宗教的少数派
- 黒人・黄色人種
- かつての南アフリカのように、圧倒的な多数派を占める場合であっても、権力の差や差別的待遇がある場合は、社会的少数派に分類されうる[3]。
- 女性
- 男女の人口比はほぼ同じであるが、権力の差や差別的待遇がある場合は、社会的少数派に分類されうる[3]。
世界
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文化多元主義
民族集団が多用な地域においては、多民族国家における少数派の文化的団結と共存、すなわち文化多元主義が強調される。アメリカ黒人の公民権運動の一環として注目され、かつて黒人などを拉致し、その後も移民多く受け入れたアメリカ合衆国ではこの概念が急速に広まった。こうした地域では、単なる個人の経済的あるいは社会的地位の向上だけではなく、多民族・多人種・多宗教国家における、それぞれの集団の尊厳と地位の平等化が強く意識される。
また宗教も民族同様の大きな問題となる。例として、アメリカ合衆国ではこれまで年末の挨拶として、当り前のように「メリー・クリスマス」が使われてきたが、近年はこれが政治家だけでなく一般人の間でもポリティカル・コレクトネスに配慮する必要性から「ハッピー・ホリデーズ」に言い換えられることが少なくない。クリスマスはキリスト教の宗教行事であるため、これを無頓着に使うことはキリスト教、つまり多数派の価値観の押し付けとされる。
一方でメキシコ出身のアメリカ人がアメリカ合衆国の国歌を、スペイン語に改訳[注釈 8] して歌ったときは保守派から大きな反発が起こった[8] [9]。
同化主義
フランスやタイでは、少数派のアイデンティティを守るというよりも、みなを同じに扱うという同化主義の考え方を採っている。つまり、黒人であっても少数民族であっても「その国民であること」を問題とする。即ち、アメリカのように国家における主流派を権威を認めた上で少数派を尊重するというよりも、同じ国民である以上は出身地や宗教といった点が異なっても「同じ国民ならば同じ扱いを受けるべきだ」とする考え方である。
こういった考え方を採用する例は、一定の宗教や民族が圧倒的な大多数ではない国に多い。例えば、フランスではカトリックとプロテスタントが同じ程度存在していたり、太古から「フランス人」が存在していたわけではないという事情が一つあるのと、抱え込んだ植民地を統率する目的で、(「宗教的」に対する)「世俗性」と「フランス語の使用」を絶対条件にしており、この2点については絶対に譲らない。
フランスは宗教色を抑制した結果、無神論者も相当数存在する一方で、伝統的なキリスト教文化を完全に消去するような動きには抵抗感が強く、例えば、イスラム教徒の女学生が頭部を隠すことを法律で禁止したり、トルコのEU加盟に執拗に反対したりするといった強い行動に出る。多文化主義の観点からはフランスの一元主義に対する批判が多く存在する。移民のフランス文化に対する同化を国家政策として奨励しているが、移民社会、特に一部の二世の間では不評である。タイの場合は、王室への忠誠心があれば、個人間の差異が特に重要視されないという特殊な事情がある。
日本の例
日本人の社会的弱者集団の代表である被差別部落民に対する政策は、同一民族内の差別であったことや対応策が同化であったことなどの理由により、欧米のような異文化の地位的平等を求める運動ではなく「同胞融和」の問題とされていた。
珍しい問題として、日本では血液型性格分類に基づいた偏見・差別問題が存在する。
欧米でのマイノリティ問題において(文化的)同化[注釈 9] と、社会的な統合[注釈 10] の問題は非常に活発に議論されているが、日本では外国人の少なさゆえ、文化という要素はこれまでほとんど見られなかった(一方で「日本人の平均的な期待よりも外国人の割合は多い」とする説もある[10]。
少数派の亀裂
「声高な少数派」のノイジー・マイノリティ(英: noisy minority)が「静かな大衆」サイレント・マジョリティ(英: silent majority)の意見の声をかき消して問題になる事もある[11]。また、アファーマティブ・アクションやポリティカル・コレクトネスの対象の偏りの結果、マジョリティ内で底辺に位置する弱者からは、政府やインテリは移民や女性やLGBT等ばかりを優遇し自らをないがしろにしているという反発意識が強くなることがある[12]。顕著な例がアメリカ合衆国であり、アファーマティブアクションなどには白人の貧困階級が含まれないなどの軋轢から[13]、多くの白人底辺層の労働者がトランプ大統領の支持に流れた[12]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b 岩間 暁子、ユ ヒョヂョン「『マイノリティとは何か-概念と政策の比較社会学』への中原洪二郎氏の「書評」に答える」『理論と方法』第25巻第1号、数理社会学会、2010年、161-164頁、doi:10.11218/ojjams.25.161 。
- ^ “2019年度「東大院生によるミニレクチャプログラム 第12回」社会的マイノリティとは何か”. 主催:東京大学大学総合教育研究センター / 東京大学附属図書館 企画・協力:附属図書館学生ボランティア Academic Commons Supporter (ACS)講師二羽泰子. 2021年3月24日閲覧。
- ^ a b c d “What is a Minority Group? What is a Minority Group?”. Richard T. Schaefer. 2021年3月25日閲覧。
- ^ 宮丸裕二「集団の持つ数と力 -実態におけるマジョリティ/マイノリティとその認識の間にある相関性」『マジョリティとマイノリティ 「専門演習」論文集』、中央大学法学部、2010年。
- ^ Dworkin and Dworkin, 1999: 17∼24
- ^ 全永評、「マイノリティのアイデンティティ、タイプ、そしてマイノリティ政策研究観点」、『政府学研究』 第13巻第2号、高麗大学校政府学研究所。2007, p. 108.
- ^ Rivas-Drake, Deborah; Syed, Moin; Umaña-Taylor, Adriana; Markstrom, Carol; French, Sabine; Schwartz, Seth J.; Lee, Richard; Ethnic and Racial Identity in the 21st Century Study Group (2014-01). “Feeling Good, Happy, and Proud: A Meta-Analysis of Positive Ethnic-Racial Affect and Adjustment” (英語). Child Development 85 (1): 77–102. doi:10.1111/cdev.12175 .
- ^ Holusha, John (2006年4月28日). “Bush Says Anthem Should Be in English — New York Times”. The New York Times 2006年4月28日閲覧。
- ^ “Bush: Sing 'Star-Spangled Banner' in English — CNN.com”. オリジナルの2006年5月4日時点におけるアーカイブ。 2006年4月28日閲覧。
- ^ ニューズウィーク誌 2006年9月第二号
- ^ “ノイジー・マイノリティ”. 西野法律事務所. 2021年3月25日閲覧。
- ^ a b 「白人」対「白人」ーイデオロギー的分極化の一側面ー | 日米グループ-SPFアメリカ現状モニター | 笹川平和財団 - THE SASAKAWA PEACE FOUNDATION
- ^ Cultural Whiplash: Unforeseen Consequences of America's Crusade Against Racial Discrimination / Patrick Garry (2006) ISBN 1-58182-569-2
関連項目
- マイノリティの権利
- 集団主義
- アウティング
- マジョリティ
- ルイス・ワース
- 少数言語
- メンシェヴィキ - 原義はロシア語で少数派という意味。
- 国際人権規約
- ジョグジャカルタ原則
- モントリオール宣言
- 障害のある人の権利に関する条約
- 当事者団体
- LGBT
- LGBTコミュニティ
- 多数決
- 少数決
- サイレント・マジョリティ
- ノイジー・マイノリティ
外部リンク
マイノリティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 07:04 UTC 版)
人種や意見など、何らかの類別を行った際に、人口に対する割合の少ない集団のこと。少数派。設定上では、ミド・アウリエルなどが人種的マイノリティとされている。
※この「マイノリティ」の解説は、「アーマード・コア4」の解説の一部です。
「マイノリティ」を含む「アーマード・コア4」の記事については、「アーマード・コア4」の概要を参照ください。
マイノリティ
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