少数言語とは? わかりやすく解説

少数言語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/29 07:39 UTC 版)

少数言語(しょうすうげんご、英語: minority language)とは、ある地域で話者の少ない言語。その言語話者のことは、言語的少数派と呼ぶ。

国際的な取り組み

国際的に承認された193の国家2008年現在)[1]とおよそ5000から7000と見積もられる世界で話されている言語の内、大多数の言語がその言語が話されているすべての国において少数言語である。

ヨーロッパや世界の他のいくつかの地域、例えばカナダのような国では、少数言語は法律憲法で定義されていることが多く、何らかの形で公的な支援が行われている。

この少数言語という言葉は、例えば、人権自由のカナダ憲章の第23項の上の表題に出てきていて、この項では、少数言語で教育を受ける権利を保証している。

いくつかの少数言語はアイルランドゲール語のように、同時に公用語でもある。同様に国籍のない民族の国語の場合、国語が少数言語という場合がある。

国際法における定義

ヨーロッパ地方言語・少数言語憲章によると

地方言語・少数言語とは
  1. その国の人口の残りよりも人口が少ないグループによってその国の特定の場所で伝統的に用いられており、
  2. その国の公用語と異なるもの。

を指す。

論争

少数言語は時に多くの理由により、軽んじられることがある。これらの言語には話者が少なかったり、話者が減っていたりしているものもあり、主要言語と比べて教養がない、原始的だ、あるいは単なる方言だと考えられることもある。また時に脅威として見られるものもあり、例えば最近のケルト諸語アイルランド語マン島語スコットランド・ゲール語ウェールズ語コーンウォール語ブルトン語)の再起分離主義を後押しするもの、つまり政治体制への脅威と見る人もいる[2]。この、脅威とされているものは多数言語の側による排除の概念に基づくものである。しばしば、これらの言語で支援(たとえば教育や治安維持)を受けられない政治体制によってさらに排除される。

国による多数話者を代表する公用語の保護が少数言語の人権を犯しているのかそうでないのかについての見方には意見の相違がある。たとえば、スロバキアではハンガリー人コミュニティーは、一般的には1995年に制定された「言語法」を差別的でヨーロッパ地方言語・少数言語憲章と矛盾すると考えているが、多数のスロバキア人は少数言語話者の権利はヨーロッパ地方言語・少数言語憲章に基づいて保証されており、スロバキア語を優位にすることで差別してはいないと考えている。言語法はスロバキア語をスロバキア領内において話されている他の言語より優位性を与えていて、2009年の改正案の結果、スロバキア語の優位を守る規制への軽罪に対して5000ユーロ以下の罰金が科せられる可能性がある。

例えば店や会社の名前が看板の最初に少数言語で書かれていて、その後にスロバキア語で書かれている場合、2言語使用のテキストで少数言語の部分が同じ部分のスロバキア語より大きな文字の場合、またはモニュメントにおいて2言語使用のテキストで少数言語からスロバキア語訳があるのに、その反対がない、公務員医師が少数言語の話者の割合が2割以下のコミュニティーで少数言語話者の市民と少数言語で話すなどの場合である。

手話は多くの研究で支持されたとしても、本当の自然言語とは考えられないことが普通である。

補助語も認められるのは難しい、おそらく主に第2言語として用いられ、母語話者がほとんどいないためである。

日本における少数言語

日本にはアイヌ語琉球諸語八丈語という少数言語(日本語以外の日本の言語)が存在する。現在いずれも消滅寸前であり、明治政府やこれらの言語を日本語の方言とみなす者から辱めを受けてきた。現在でも日本で少数言語があることを認知してる人は少ない[3]

主要な少数言語

  • 国語の地位にある言語で、多数派によって話されている国があるが、重要な少数言語コミュニティーがある国で認められていないものは以下の通り。

関連項目

外部リンク

脚注


少数言語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/31 22:31 UTC 版)

ケニアの言語」の記事における「少数言語」の解説

国内少数民族話されている言語以下の通りアフロ・アジア語族クシ語派レンディーレ語 ソマリ語 240 (2009年) セム語派アラビア語 インド・ヨーロッパ語族インド・イラン語派ヒンドゥスターニー語 ゲルマン語派英語

※この「少数言語」の解説は、「ケニアの言語」の解説の一部です。
「少数言語」を含む「ケニアの言語」の記事については、「ケニアの言語」の概要を参照ください。

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