教育権とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 教育権の意味・解説 

きょういく‐けん〔ケウイク‐〕【教育権】

読み方:きょういくけん

教育に関して公に認められ権利国民とりわけ子供教育を受ける権利と、教育実施する者が教育の内容方法決定する権利分けられるが、後者については、その担い手が親・教師・国のいずれであるか、見解分かれている。


教育権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 15:40 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

教育権(きょういくけん)とは、教育の方法を決定し、教育を実施する権利である[1]基本的人権である教育を受ける権利、学習権とは区別される[要出典]

概要

子どもの有する教育を受ける権利に対応して、親権者、教師、または国のいずれかまたはすべての者には、子どもに教育を受けさせる責務が伴う。

教育権は、この、子どもに教育を受けさせる責務を果たすため、教育を受ける権利から生じる権能、権限である。

教育権じたいは、国家が個人の領域に対して介入することを排除する自由権、国家に対し弱者保護のため積極的な作為を求める社会権のいずれでもなく、人権ではない。国もその主体となりうる。

教育権の所在

教育権について争われている重要な問題は、その権能が誰にあるかである。大きく二つの立場が主張された。

  • 国家の教育権:国民の信託を受け、教育内容について関与・決定する権限を持つ。
  • 国民の教育権:国は、教育の諸条件の整備確立を行い、教育の直接の実施は、国でない主体(保護者や教師)が行う。

以上のどちらか一方のみに立つことは難しい。例えば前者の「国家の教育権」の観点は、その時々の政治的多数派に支配される議会、国会によって教育が左右されてよいのかという問題や,子どもの個性に応じた全人格的な教育を行うには必ずしも適さないなどの問題を導く。公立学校における国旗・国歌問題は前者の最たる例であり、内心の自由が政治的多数派によって脅かされるという問題を呈している。

後者の「国民の教育権」もまた十分ではなく、例えば,全国的な教育の機会均等をはかる要請には十分に答えられない。また、「国民」が積極的に教育権を行使することは考えにくいことから、「国民の教育権」という思想は(戦前に「天皇統帥権があり統帥事項については内閣・議会の関与を受けない」として軍部が独走したように)教育の直接の実施に当たる教師が議会・内閣の制御から離れて独走する危険性もある。

よって現在、「教育権は、国と国民の両者に存する」とする両者の折衷説が有力である。旭川学力テスト事件において最高裁判所は、折衷説をとることを示し、学説においても折衷説は多数説となっている。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 日本国語大辞典, デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,世界大百科事典 第2版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “教育権とは” (日本語). コトバンク. 2020年12月13日閲覧。

参考文献

関連項目


「教育権」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「教育権」の関連用語

教育権のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



教育権のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの教育権 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS