教育権の所在とは? わかりやすく解説

教育権の所在

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 15:40 UTC 版)

教育権」の記事における「教育権の所在」の解説

詳細は「旭川学テ事件」を参照 教育権について争われている重要な問題は、その権能が誰にあるかである。大きく二つ立場主張された。 国家教育権:国が国民信託を受け、教育内容について関与決定する権限を持つ。 国民教育権:国は、教育諸条件整備確立行い教育直接実施は、国でない主体保護者教師が行う。 以上のどちらか一方のみに立つことは難しい。例え前者の「国家教育権」の観点は、その時々の政治的多数派支配される議会国会によって教育左右されよいのかという問題や,子どもの個性応じた全人格的な教育を行うには必ずしも適さないなどの問題を導く。公立学校における国旗・国歌問題前者最たる例であり、内心の自由政治的多数派によって脅かされるという問題呈している。 後者の「国民教育権」もまた十分ではなく例えば,全国的な教育機会均等をはかる要請には十分に答えられないまた、国民」が積極的に教育権行使することは考えにくいことから、「国民教育権」という思想は(戦前に「天皇統帥権があり統帥事項については内閣議会関与受けない」として軍部独走したように)教育直接実施に当たる教師議会内閣制御から離れて独走する危険性もある。 よって現在、「教育権は、国と国民両者存する」とする両者折衷説が有力である。旭川学力テスト事件において最高裁判所は、折衷説をとることを示し学説においても折衷説は多数となっている。

※この「教育権の所在」の解説は、「教育権」の解説の一部です。
「教育権の所在」を含む「教育権」の記事については、「教育権」の概要を参照ください。

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