異端とは? わかりやすく解説

い‐たん【異端】

読み方:いたん

正統から外れていること。また、その時代に多数から正統認められているものに対して例外的に少数信じられている宗教・学説など。「—の説」


いたん 【異端】

正統でないとみなされる少数者思想・信仰学説また、その人異端者)。一三世紀以降南欧カトリック教会で、異端排除宗教裁判が行われ、異端審問inquisition独)と呼ぶ。審問官は教皇任命仏教では他宗教を外道外法といい、自説異なる説や信仰を異解・異学異安心などという。→ 異安心

異端

作者星新一

収載図書ありふれた手法
出版社新潮社
刊行年月1990.11
シリーズ名新潮文庫

収載図書星新一ショートショートセレクション 8 夜の山道
出版社理論社
刊行年月2002.11


異端

作者新堂奈槻

収載図書異端―フェイタル・エラー 2
出版社新書館
刊行年月1996.11
シリーズ名ウィングス・ノヴェルス

収載図書異端―FATAL ERROR 2
出版社新書館
刊行年月1999.9
シリーズ名ウィングス文庫


異端

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/29 08:56 UTC 版)

異端(いたん、: heresy)とは、正統との対比で生ずる概念である。


注釈

  1. ^ 注. これを現代的な用語では「近接作用論」と言う。デカルトの渦動論も近接作用論である。これに対してアイザック・ニュートンが唱えた万有引力は現代的な用語では「遠隔作用論」に分類される。
  2. ^ フランス(つまり大陸側)の人間であるヴォルテールが、イギリスに滞在した折、重力について(宇宙について)大陸側とイギリス側で全然異なった説明が行われていることを見出して、その感想を語った書簡が残されている。
  3. ^ 18世紀の半ばすぎでも、学問のほとんどは、「philosophy of ...」のように、あくまでフィロソフィアを冠して呼ばれていた。
  4. ^ このような科学者の社会的地位の状況の変遷などに関する歴史的事実は、村上陽一郎の一連の著作で解説されている。
  5. ^ 端的には、フランソワ・マジャンディーの1833年の文献などが指摘されている。それ以前にも若干あった、との指摘もある。
  6. ^ 注 - こうしたことに関する指摘は数々の科学者によって記述されている。例えば日本の一例を挙げると、大槻義彦などが、科学の世界での異端排斥の空気を自著で語っている。大槻はオカルト批判者としてしばしば知られている学者ではあるが、彼自身が自著で語るところによると、本当は少年時からあくまで火の玉に興味があってそれの研究をしたくて物理学を専攻として選ぶことになったが、本当に興味のあることを正直に明かすと科学の世界で生きてゆくこともできそうもなかったので、本当の目的は伏せて仮面をかぶって過ごし、週末に独りで毎週のように火の玉研究のために出けたが、そうした活動をしていることを同窓生・教師などに少しでも知られてしまうとあまりに危険なので、学内のどんなに親しい友人にも一切知らせなかったという。また研究者となっても「オカルト」などのレッテルを貼られてしまうと、猛烈なバッシングにあい、公的な研究助成金も止められ科学者生命が絶たれてしまうことを、その実例なども見て知っており、自分の研究のテーマは(表向き)科学界に受け入れられるものを選ぶなど、苦労に苦労を重ねてアカデミーの世界でなんとか今日まで生き延びてきた、という。(大槻義彦『江原スピリチュアルの大嘘を暴く』鉄人社 2008、後半の章に生々しく語られている)。
  7. ^ 著書『「心理テスト」はウソでした。受けたみんなが馬鹿を見た』で知られる村上宣寛なども、もともとロールシャハテストなどの心理テストに関する(肯定的な)研究などを行っていたが、ある時学会で他の学者から、研究内容を「疑似科学」と非難されるという、学者生命が絶たれそうな危機的な出来事があり、心理テストの間違いなどを指摘するようになった、と著作などに書いている。村上宣寛の場合は、自説をすばやく放棄し、自身の過去の研究の間違いを正しただけでなく、他の学者の説を疑似科学的な要素の排斥を行う書物をさかんに書くようになったことで生き残りを果たしたが、通常は村上のようにはうまく立ち回れず、自己弁護や論争をしているうちに学会で葬り去られてしまうパターンが多い。

出典

  1. ^ a b c 広辞苑 第五版 p.152【異端】
  2. ^ a b デジタル大辞泉
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n 東京大学出版会『宗教学辞典』pp.26-27【異端】
  4. ^ a b c d 東京大学出版会『宗教学辞典』pp.485-486【正統と異端】
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 『岩波 哲学思想事典』 pp.921-922【正統と異端】
  6. ^ 正統は原初のものを「正しく受け継ぐ系統」を意味する[要出典][誰?]異端の指摘をされる場合は、受け継がれる系統接続に齟齬があったり原初の解釈に主観的な差が生じたりなどで、客観性が保てなくなった主張が複数ある状態だ[要出典][いつ?] 武芸学問においては、それぞれの主義や主張を排他的に捉えないことが多く、流派、学派などと呼ばれる。[要出典]人を律するための法律や法典、特に成文法では、文字化により明確にすることで本来疑義は生じず異端が生まれる余地はない[要出典]。」 文字に表されたものはどのようなものであれ、初学者には極めて明瞭なもののように思えても、千変万化の具体的事象に適用するに当たっては、すべて不可避的に解釈という問題を生む(→「解釈」を参照)。経典類の解釈も同様である。
  7. ^ 注. 決して「異端が全て宗教改革になる」という意味ではない。宗教改革にならない異端もある。あくまで、「宗教改革を行う人はしばしば当初は異端と見なされる」という意味。 「宗教改革に寄与したのは異端の存在ではなく、異端とされた主張が支持を得て、ある程度の客観性[要出典]を得たからだ。[要検証]
  8. ^ 『フランス・プロテスタント-苦難と栄光の歩み』
  9. ^ 島薗進『何のための「宗教」か?―現代宗教の抑圧と自由』青弓社 1994年
  10. ^ 井門富二夫『カルトの諸相 キリスト教の場合』岩波書店1997年
  11. ^ a b 「三大異端」に言及。- 八木谷涼子『なんでもわかるキリスト教大事典』p184,朝日新聞出版,2012年
  12. ^ 白取春彦『この一冊で「キリスト教」がわかる!―誕生・発展の歴史から世界に与えた影響まで』 三笠書房1999年
  13. ^ 「三大異端」に言及。- 伊藤正孝、市雄貴『血を拒む「エホバの証人」--異端の輝きと悲惨』朝日ジャーナル:第27巻第27号(1985),p22.朝日新聞社
  14. ^ 新カトリック大事典編纂委員会編『新カトリック大事典』1996年
  15. ^ 小野静雄『日本プロテスタント教会史』下 聖恵授産所 p.243
  16. ^ 尾山令仁『聖書の教理』羊群社。
  17. ^ 岡田稔『岡田稔著作集』いのちのことば社
  18. ^ 宇田進『福音主義キリスト教と福音派』
  19. ^ 中村敏『日本キリスト教宣教史』
  20. ^ 小野静雄『日本プロテスタント教会史』上
  21. ^ クラス・ルーニア『現代の宗教改革』小峯書店
  22. ^ 尾山令仁『聖書の教理』羊群社
  23. ^ マーティン・ロイドジョンズ『教会とは何か』いのちのことば社
  24. ^ 岡田稔『キリストの教会』「異端排撃論」p.47-65 小峯書店
  25. ^ 日本伝道会議『京都宣言-解説と注解-』いのちのことば社
  26. ^ 水草修治『ニューエイジの罠』CLC出版
  27. ^ ジョン・ストットローザンヌ誓約-解説と注釈』
  28. ^ 『キリストの教会』p.51
  29. ^ ジョン・グレッサム・メイチェンキリスト教とは何か-リベラリズムとの対決』いのちのことば社。
  30. ^ Witnesses of Hope in an Ecumenical and Inter-religious Surrounding- ローマ教皇庁による2008年4月の公式見解。エホバの証人をプロテスタントのセクト(異端)としている。
  31. ^ ローマ教皇庁教理省 (Congregation for the Doctrine of the Faith)による2001年6月5日の公式見解-全世界のカトリック教会を統率する組織であるローマ教皇庁の教理省は、モルモン教のバプテスマについて、キリストが制定したバプテスマではないことを表明している。
  32. ^ 『JMR調査レポート(2017年4月)』-東京基督教大学 国際宣教センター・日本宣教リサーチの『JMR調査レポート(2017年4月)』では「教義上あるいは信仰の実践上、キリスト教もしくはプロテスタントの一派と見なすことが困難とされるグループや教会」を挙げている。
  33. ^ 『海外の宗教事情に関する調査報告書』p125,平成24年3月,文化庁 -同報告書で、ロシア正教会主教会議による「偽キリスト教セクト、新異教主義、オカルティズムについて」(1994年12月)において取り上げた新宗教について報告している。
  34. ^ The Orthodox Christian and the Heretic- アメリカ正教会「正教会のキリスト教徒と異端者」
  35. ^ 『The Heresy of JEHOVAH'S WITNESSES』H.H. POPE SHENOUDA III, Baramous.Monastery Press, 1993.-シェヌーダ3世 (コプト正教会アレクサンドリア総主教)は「異端・エホバの証人」という書籍を著している。
  36. ^ a b 『岩波 哲学思想事典』 pp.921-922【正統と異端】【イスラーム】 中村廣治郎 執筆
  37. ^ 翻訳本:エルンスト・マッハ『マッハ力学―力学の批判的発展史』講談社 1969 ISBN 4061236512
  38. ^ 『改定版 物理学辞典』 培風館【力】ISBN 456302094X
  39. ^ a b 『ボルツマンの原子―理論物理学の夜明け』青土社、2003、ISBN 4791760166
  40. ^ a b c 出典:平凡社『世界大百科事典』【科学者】村上陽一郎 執筆。また村上陽一郎の一連の著作などで、そのあたりの事実は記述されている。



異端

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 03:54 UTC 版)

ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の記事における「異端」の解説

クルト・ルドルフ 著、大貫隆 ほか訳『グノーシス 古代末期一宗教の歴史本質岩波書店2001年。 甚野尚 著『世界史リブレット20 中世異端者たち』山川出版社1996年。 D・クリスティ・マレイ 著、野村美紀子 訳『異端の歴史教文館1997年。 ルネ・ネッリ 著、柴田和雄 訳『異端カタリ派哲学法政大学出版局1996年原田武 著『異端カタリ派転生人文書院1991年西川杉子 著『ヴァルド派の谷へ』山川出版社2003年

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異端

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:19 UTC 版)

ミーム」の記事における「異端」の解説

ある宗教教え反す信仰異端の教義として識別するミーム。この異端識別ミームは、異端の教え排除しようとする。信者達がそれぞれ違った教義好き勝手に信仰してしまえば、やがてその宗教消滅してしまう。

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異端

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 20:20 UTC 版)

キリストの幕屋」の記事における「異端」の解説

上述特徴から、「幕屋」は異端であると見なされている。フリーライター島崎愛が書いた小文によれば、「幕屋」が、他のキリスト教教団の説かない「原始福音」なる概念重要視すること、新約聖書よりも旧約聖書重視する傾向があること、ユダヤ教教義寛容であること、きわめて政治的に右派的な主張展開することから、一般的なキリスト教からは異端とされている。一方組織神学キリスト論である「キリストとは誰か」の問い答えれば旧新約聖書土台にしており正統である。[要出典] 初期幕屋はまだカリスマ運動のはじめであり、内村鑑三後継者たち(矢内原忠雄高橋三郎ら)からは「幕屋」は異端と言われていた。現在、カリスマ運動否定するキリスト教会少ない。[要出典] 上杉聰は、キリストの幕屋について宗教右派属するとしている。

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異端(ヒアティ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 03:16 UTC 版)

断章のグリム」の記事における「異端(ヒアティ)」の解説

潜有者〉が〈悪夢の泡〉がもたらす悲劇、異常現象などによって、自我保てなくなり発狂した状態。正気失った潜有者〉は無尽蔵に泡禍〉を撒き散らす門と化し、また正気立ち返った前例絶無のため、〈異端〉化した潜有者に対して殺害措置しか選択されない。

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異端

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 19:47 UTC 版)

ペラギウス」の記事における「異端」の解説

しかしこの教会会議には、ペラギウス主義正統からはずれた教義解釈認定するだけの権威がなかった[要出典]。そこでアウグスティヌス司教たちは、ペラギウスとケレスティウスの出席なしにペラギウス主義を再び弾劾インノケンティウス1世 (ローマ教皇)文書送り彼の教義解釈を異端とするよう上申し、それに成功する。 それでもペラギウス自身行動間違った信仰による罪とは定められなかった。ペラギウス教皇ゾシムスに書を送り自分まったき正統信仰持っている主張、さらに自分主張以前から矛盾したものではないとはっきり態度明らかにした。教皇ペラギウスの書に感銘を受け彼を無罪とした。 いまだもってペラギウス主義が異端とされないことにアウグスティヌスは驚くが、418年カルタゴ会議でははっきりとペラギウス主義否定される。すなわち原罪幼児洗礼、そして神の恩寵についての教義明確に定義され、これが教会全体基準として確立した。これによりペラギウス主義イタリアから消えることとなった。[要出典]

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異端

出典:『Wiktionary』 (2021/10/17 01:06 UTC 版)

名詞

(いたん)

  1. 学説宗教的な考え方正統なものから外れていること。

「異端」の例文・使い方・用例・文例

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