チューリング‐テスト【Turing test】
イミテーションゲーム
【英】imitation game
イミテーションゲームとは、コンピューターの思考能力を評価するために行なわれるゲームのことである。人工知能(AI)の開発に利用される。
コンピューターと人間に同じ質問をして、それぞれがどちらの回答であるかを隠し、第三者に提示してどちらがコンピューターの回答であるかを判定させるというものである。人間とコンピューターの区別が付かないならば、そのコンピューターは優秀である(より人間に近い)とされる。
チューリング・テスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/30 01:59 UTC 版)
チューリング・テスト(英: Turing test)は、アラン・チューリングが提案した、ある機械が「人間的」かどうかを判定するためのテストである。これが「知的であるかかどうか」とか「人工知能であるかどうか」とかのテストであるかどうかは、「知的」あるいは「(人工)知能」の定義、あるいは、人間が知的であるか、人間の能力は知能であるか、といった定義に依存する。
注釈
- ^ チューリングは元々、1950年に可能だった数少ないテキストのみの交信であるテレタイプ端末を想定していた。
- ^ チューリングは、機械は2000年までにはチューリングテストに合格できるようになるだろうと予測していた。それどころか、チューリングは、2000年までに10億ビット(約119.2メビバイト、約120メガバイト)のメモリがあれば、機械は5分間のテストで人間の審判の30%を騙せると予測していたのだ。そうなればもはや「考える機械(thinking machine)」という語は矛盾と考えられなくなるだろうし、また機械学習がすぐれた機械の構築の重要部分になりると予測しており、当時の人工知能研究者もこれを妥当であると考えていた。
- 以前の数十年にわたる技術の指数関数的な成長を根拠に、未来学者のレイ・カーツワイルは、チューリングテストに合格できるコンピュータは、2020年ごろに作られるだろうと大まかに予測していた。 Kurzweil 1990
- ロング・ベット・プロジェクトは、ミッチ・ケイパーとカーツワイルの間で交わされた、コンピュータが2029年までにチューリングテストに合格できるかについての1万ドルの賭けである。この賭けでは条件がかなり詳細に設定されている。
- ^ 性質二元論の例としてはクオリアを参照
- ^ 唯物論が人工的な心の可能性を「必然的に伴う」わけではない。二元論も同様に、「必然的に排除する」わけではない(例:性質二元論)。
- ^ 1948年、大学の先輩だったD・G・チャンパーノウン(en:David Gawen Champernowne 経済学者)との研究のかたわら、チューリングはまだ存在しなかったコンピュータのためのチェス・プログラムを書き始めた。1952年には、プログラムを実行する処理能力を持ったコンピュータはなかったが、チューリングが一手につき30分かけてプログラムを再現したゲームを行っていた。このゲームは記録されており、プログラムはチューリングの同僚のアリック・グレニーに負けた。とはいえチャンパーノウンの妻との試合には勝ったといわれている。
- ^ 『知性を持つ機械』はチューリングによって発表されたのではなく、1968年のC・R・エヴァンズ、A・D・J・ロバートソンによる『サイバネティクス:重要論文集』(Evans(1968)) で初めて発表されたものである
- ^ チューリングはmanの意味を「男」とも「人間」とも明示していない。前者の場合は、この図式は模倣ゲームに近くなる。後者の場合は、現在言われているようなチューリングテストに近くなる。
- ^ 「チューリングは、人工知能の可能性に対して考えうる反論を幅広く検討した。このなかには、彼の論文が現れてから半世紀の間出されたものが、ほとんどすべて含まれていた。」
- ^ Turing 1950"The Imitation Game"(模倣ゲーム)の見出しで、こう書いている。「このような定義を試みる代わりに、問題に緊密に関係しており、比較的厳密な言葉で表現されている新しい問題に取り替えてみよう」
出典
- ^ AFP 露スパコンに「知性」、史上初のチューリングテスト合格 2014年06月10日 10:35
- ^ Long Bets - By 2029 no computer - or "machine intelligence" - will have passed the Turing Test
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チューリングテスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 08:13 UTC 版)
「人工知能の歴史」の記事における「チューリングテスト」の解説
1950年、アラン・チューリングは記念碑的論文 Computing Machinery and Intelligence を発表し、真の知性を持った機械を創りだす可能性について論じた。彼は「知性」を定義するのは難しいとして、有名なチューリング・テストを考案した。テレタイプ端末を介した機械との対話が人間との対話と区別できない場合、その機械は「知的」だといえる。このように問題を単純化したことでチューリングは少なくとも「もっともらしい」「思考機械」の可能性を説得力のあるものとして主張でき、この論文は全ての一般的な反論に答えた。チューリング・テストは人工知能の哲学(英語版)における最初の真面目な提案となった。
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チューリング・テスト (チューリング)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 15:02 UTC 版)
「汎用人工知能」の記事における「チューリング・テスト (チューリング)」の解説
機械と人間の両方が視界を隠されて会話し、どちらが機械であるかを評価する必要がある。これは、評価者をかなりの時間だまし取ることができる場合、テストに合格する。 注:チューリングは、何がインテリジェンスとして適格であるかを規定していない。それがマシンであることを知っているだけで失格にする。
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