同一説とは? わかりやすく解説

同一説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 03:31 UTC 版)

同一説(どういつせつ、: Identity theory)は、心身問題に関する立場の一つで、心の状態や思考プロセスとは、脳の状態やプロセスそのもののことだ、という考え方のこと(英語圏では一般に "Mind is Brain" といった形で、be動詞を強調することによって同一説の持つ考えを提示する)。心脳同一説とも呼ばれる。心の哲学という分野において、物理主義(物的一元論)の一種として、二元論一般と対立する文脈で語られる。




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同一説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/12 08:42 UTC 版)

心の哲学」の記事における「同一説」の解説

詳細は「タイプ物理主義」を参照 タイプ物理主義(ないしタイプ同一性説)はJ.J.C.スマート (J.J.C. Smart) とアリン・プレイス (Ullin Place) によって行動主義失敗対す直接反応として展開されたものである。これらの哲学者は、もし心的状態が物質的なものであって、しかもそれが行動ではないのなら、おそらく脳の内的態と同一ではないか推論した。非常に単純化し言い方をすれば「心的状態Mは脳状態Bにすぎないということである。たとえば、「コーヒー一杯ほしいという欲求」は「脳のある領域のあるニューロン発火以外の何者でもないということになる。 同一性説はちょっと見たところはもっともらしく見えるが、強力な反論がある。それはヒラリー・パトナム最初に定式化した多重実現可能性テーゼの形での反論である。人間だけでなく、いろいろなことなった種の動物が、たとえば痛み感じるというのは明白である。しかし、同じ痛み経験しているこれだけ多様な有機体が同じ同一の脳状態にあるとは非常にありそうになく思える。そしてもし彼らが同一の脳状態にないのだとしたら、痛み特定の脳状態と同一だということはありえない。こうして、同一性説は経験的な根拠持たないということになる。 他方、これをすべて認めたとしても、あらゆる種類同一性理論放棄しなくてはならないということにはならない。「トークン同一性理論によれば、ある脳状態がある人のただ一つの「心的」状態と結びついているという事実は、必ずしも、心的状態の「タイプ」と脳状態の「タイプ」の間に絶対的な相関があるということ意味しない。「タイプとトークンの区別」は簡単な例を使って説明できる。「いろいろ」という言葉においては二つタイプひらがな「い」と「ろ」)が使われているが、「い」というタイプの字も「ろ」というタイプの字もそれぞれ回生起している(つまりそれぞれ二つトークンを持つ)。 「トークン同一性」というのは、心的出来事特定の生起」(トークン)は物理的出来事特定の生起」(トークン)と同一というだけでそれ以上ではないという考え方である。非法則的一元論(以下を参照)と、その他の大半の「非還元物理主義」の諸理論トークン同一性理論である。 これらの問題にもかかわらず、主にジェグォン・キム影響おかげでタイプ同一性理論対す関心最近再び高まっている。

※この「同一説」の解説は、「心の哲学」の解説の一部です。
「同一説」を含む「心の哲学」の記事については、「心の哲学」の概要を参照ください。

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