意識のハード・プロブレム
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意識のハード・プロブレム(いしきのハード・プロブレム、英:Hard problem of consciousness)とは、物質および電気的・化学的反応の集合体である脳から、どのようにして主観的な意識体験(現象意識、クオリア)というものが生まれるのかという問題のこと。意識のむずかしい問題、意識の難問とも訳される。オーストラリアの哲学者デイヴィド・チャーマーズによって、これからの科学が正面から立ち向かわなければならない問題として提起された[1]。対置される概念は、脳における情報処理の物理的過程を扱う意識のイージープロブレム(Easy Problem of Consciousness)である。
- ^ Chalmers, David J. (1995) "Facing Up to the Problem of Consciousness(PDF)". Journal of Consciousness Studies 2(3):pp. 200-219.
- ^ この節の最後は、具体的には次のようにして終えられている。『閣下、わたしは、不用意に広大な海に乗りだしてしまって、港に帰還できなくなりたくはありません。また、一つの疑問を解こうとして、100の疑問を生じさせるような種子をまきたくありません。わたしは、岸から離れるようになることを恐れます。ですから、わたしは、このことは、もっと別の部分のよい機会にゆずろうと思います』『偽金鑑識官』 pp.364-365 より
- ^ 『偽金鑑識官』 p.365 の訳注より
- ^ SEPにあるジョン・ロックの記事より "Locke knew all of these men and their work. Locke, Boyle and Newton were all founding or early members of the English Royal Society. It is from Boyle that Locke learned about atomism (or the corpuscular hypothesis) and it is from Boyle's book The Origin of Forms and Qualities that Locke took the language of primary and secondary qualities. " Uzgalis, William, "John Locke", The Stanford Encyclopedia of Philosophy (Winter 2010 Edition), Edward N. Zalta (ed.), URL = http://plato.stanford.edu/archives/win2010/entries/locke/.
- ^ Schnaiter David, Kofler Walter (2008) "The Ignorabimus-Paradigm and Its Relevance for Contemporary Science" Electronic periodical “Herald of the International Academy of Sciences. Russian Section”, Issue #1: 59—64(オンライン・ペーパー)
- ^ 三浦俊彦 「「意識の超難問」の論理分析(PDF)」 科学哲学, Vol. 35 (2002) No. 2 pp.69-81
- ^ 榛葉 豊 「多世界論と「わたくし」の謎(PDF)」 最終閲覧日 2011年3月21日
- ^ Roberts, Tim S "The even harder problem of consciousness(PDF)", NeuroQuantology, vol. 5, no. 2, (2007) pp. 214-221.
- ^ Ned Block "The Harder Problem of Consciousness(PDF)" The Journal of Philosophy,. XCIX, 8, (2002) pp.391-425.
- 1 意識のハード・プロブレムとは
- 2 意識のハード・プロブレムの概要
- 3 批判
- 4 関連項目
意識のハード・プロブレム
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「哲学上の未解決問題」の記事における「意識のハード・プロブレム」の解説
詳細は「意識のハード・プロブレム」を参照 意識のハード・プロブレムとは、人はどのように、なぜ何かを意識するのかという、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}哲学的ゾンビと対照的な問題である。[要出典]「ハード」とは、意識のメカニズムを説明しようとする意識の「イージー」・プロブレムと対置しての形容、すなわち意識経験というものが生物の神経学的構成などの自然科学的なアプローチで解決が難しい問題であるということを意味する。一方で、意識経験の実在性を否認する立場や、自然科学の有効性を信頼する立場からは、このような問題の存在そのものを否定する意見も多い。
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意識のハード・プロブレム
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「デイヴィッド・チャーマーズ」の記事における「意識のハード・プロブレム」の解説
詳細は「意識のハード・プロブレム」を参照 とはいえチャーマーズはゾンビ論法の結論、つまり唯物論の否定、を前提に話を進めていく。そして難しい問題に直面する。それは内面的な経験(現象的意識やクオリアと呼ばれるもの)とは一体何なのか、という問題である。この問題をチャーマーズは意識のハード・プロブレムと名づける。意識のハード・プロブレムはチャーマーズが提唱した概念の中でも、最も有名なもののひとつとなっている、チャーマーズが初めてハード・プロブレムについて言及したのは1994年のツーソン会議での発表時である。その後 論文と著書 "The Conscious Mind" (1996)において更に議論を精錬されたものとしている。 1994年当時まだ28歳の駆け出しの研究者に過ぎなかったチャーマーズであったが、ハードプロブレムについての議論は大きい反響を呼び、ノーベル賞受賞者を含む多くの研究者から25もの論文が返答として寄せられた。この中にはダニエル・デネット、コリン・マッギン、フランシスコ・バレーラ、フランシス・クリック、ロジャー・ペンローズなどがおり、辛辣な意見も多かった。しかしチャーマーズはこれら著名な研究者らの指摘に対し、全て答えていくという形で、新しい論文を執筆する。これら一連のやり取りは現在一冊の論文集にまとめられている。 意識のハード・プロブレムという言葉はこれら一連の論文やりとりを通じて、研究者の間に広く知られるようになり、それとともにチャーマーズ自身もハード・プロブレムという言葉の提唱者として業界で名を知られるようになった。
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