機械翻訳
【英】mechanical translation system
機械翻訳とは、コンピュータを使って翻訳作業を自動化したり、支援したりするシステムのことである。
機械翻訳のプロセスには、構文解析、意味解析、訳文生成操作などがあり、訳文を生成するまでに必要な変換操作の複雑度により、ピボット方式とトランスファ方式がある。
ピボット方式には、特定の言語に依存しない記号表現によって、あらゆる言語に対応可能な柔軟性がある。また、トランスファ方式では、原文の表現をある程度保ちつつ、中間的な変換操作を介して、最終的な訳文を生成する。現在の機械翻訳の多くは、後者の方式を採用している。
なお、市販されている専用機やパソコン用翻訳ソフトによる翻訳結果には、語訳のぎこちなさや、不適正さがつきものなので、人間が読みやすいように手直しをする作業が不可欠となっている。
参照リンク
Tsujii Lab Enshu3 - (Tsujii Laboratory)
機械翻訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/15 06:16 UTC 版)
機械翻訳(きかいほんやく、英: machine translation)とは、ある自然言語を別の自然言語に翻訳する変換を、コンピュータを利用して全て(ないし、可能な限り全て)自動的に行おうとするものである。
注釈
- ^ 日本語には、初出版と書籍版は同題に訳されるのだが、原題では A Mathematical Theory of Communication と The Mathematical Theory of Communication という僅かだが深遠な違いがある。
訳注
- ^ または作者
出典
- ^ たとえばCuuturat; Leau. Histoire de la langue universelle; Guérard. A Short History; Cohen. On the Project of a Universal Characterを参照。
- ^ 浜口, 稔 (1993-4-30). 英仏普遍言語計画. 工作舎. p. 70-71. ISBN 4-87502-214-X. "普遍的文字の構築という初期の試みに言及するときは、1629年11月デカルトがメルセンヌに宛てた手紙から始まる、というのが通り相場となっている。[1]しかし、この問題への関心を最初に誘発した多くの要因を吟味してみると、ある種の共通の書字という着想は明らかに、ずっと以前から比較的なじみ深いものになっていたようである。…フランシス・ベイコンは、1605年出版の学問の進歩についてのなかで、そのような真正の文字の体系は便利であると述べていた", Knowlson, James. UNIVERSAL LANGUAGE SCHEMES IN ENGLAND AND FRANCE 1600-1800より翻訳。
- ^ http://museum.ipsj.or.jp/heritage/KT-1.html
- ^ http://museum.ipsj.or.jp/computer/dawn/0027.html
- ^ a b c 中澤敏明、「機械翻訳の新しいパラダイム:ニューラル機械翻訳の原理」『情報管理』 2017-2018年 60巻 5号 p.299-306, doi:10.1241/johokanri.60.299, 科学技術振興機構
- ^ 日本経済新聞 2021.1.11朝刊9面
- ^ a b 株式会社インプレス (2021年4月14日). “NVIDIA ジェンスン・フアンCEO、対話型AIサービス「Jarvis」で「じゃんがらラーメン」を探すデモ”. Car Watch. 2021年4月15日閲覧。
- ^ https://gendai.media/articles/-/55237
- ^ https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx
- ^ https://gendai.media/articles/-/55237?page=2
- ^ 3-F ニューラル機械翻訳は翻訳プロセスをどう変えていくか-最近の機械翻訳技術と利用に関する動向- | JTFジャーナルWeb版 | 一般社団法人日本翻訳連盟 機関誌
- ^ S. Ravi and K. Knight (2011). “Deciphering Foreign Language”. Proc. ACL.
- ^ “著作権審議会第9小委員会(コンピュータ創作物関係)報告書 | 著作権審議会/文化審議会分科会報告 | 著作権データベース | 公益社団法人著作権情報センター CRIC”. www.cric.or.jp. 2020年7月28日閲覧。 “機械翻訳とは、人間の援助の下で、コンピュータが行う翻訳である。なお、電子辞書をコンピュータに備え、辞書引きをコンピュータに行わせつつ、人間が行う翻訳は、コンピュータ支援翻訳といわれ、機械翻訳とは区別される。”
- ^ 成田一『パソコン翻訳の世界』1997年
- ^ エキサイト翻訳がサービス終了へ、22年間の歴史にネット「一つの時代が終わった」 | マイナビニュース
- ^ 「DeepL」の驚くほど自然な翻訳に迫る。失敗しない使い方 - Impress Watch
- ^ Google翻訳を超えた? 新しい翻訳サービス「DeepL」がその精度の高さで話題に【やじうまWatch】 - INTERNET Watch
- ^ 無料で“Google 翻訳”より高精度! “みらい翻訳”のお試し翻訳が便利 - やじうまの杜 - 窓の杜
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- ^ “Machine Translation: No Copyright On The Result?”. SEO Translator, citing Zimbabwe Independent. 2012年11月24日閲覧。
機械翻訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 09:10 UTC 版)
機械翻訳の精度が特定言語間ではかなり向上しており、英仏、日韓自動翻訳などではほぼ実用化の域に達している。とはいえ、完全な機械化は不可能で、両言語に精通した翻訳者の修正が不可欠である。現状では翻訳のスピードアップのために用いられることが多い。なお、日本語と英語のように言語間の関係が遠い場合、自動翻訳は実用化の域には程遠い状態にある。
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機械翻訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 11:38 UTC 版)
統計的機械翻訳(英語版)は言語Aから言語Bへの翻訳に言語A・Bのパラレルコーパス(英語版)を利用するが、パラレルコーパスは任意言語の全ての対には存在しないため任意言語翻訳では使えない。中間言語Pは2つの言語を繋ぎ、言語A・Bと中間言語Pのパラレルコーパスを使うことで任意言語翻訳を実現する。中間言語を用いた翻訳は、異なるコーパスへ転記するため厳密な情報保存において問題を抱えることがある。AからBへ翻訳に用いる2つのパラレルコーパス(A-P・P-B)は必然的に言語情報の欠損が起きる。ルールベース機械翻訳(英語版)は統計情報に依存せず、情報欠損の削減に助力する。ルールベース機械翻訳はA-P翻訳とP-B翻訳を一定のルールに従って翻訳する。 機械翻訳では3つの基礎的な手法を翻訳に利用される。1つはトライアングレーション、A-P・P-Bのフレーズの相関性に焦点を当てる。1つはトランスファー(英語版)、全てのセンテンスをAからPに翻訳、PからBに翻訳する。1つはシンセシス、翻訳システムのコーパスを構築する。トライアングレーション手法は、A-Bのフレーズテーブルを構築するためのA-P・P-Bの相対と語彙の重みを計算する。トランスファー手法は、トライアングレーションのような重み計算なくAからP、PからBへの単純な直意翻訳をする。シンセシス手法は、既存のAコーパスを使って、自身のシステムの改善するためのコーパスの構築に役立てる。統計的機械翻訳においてトライアングレーション手法とトランスファー手法を単純比較すると、トライアングレーション手法はトランスファー手法より適切な翻訳結果が得られると見なされている。 3つの中間言語の翻訳手法は統計的機械翻訳に役立つが、シンセシス手法はルールベース機械翻訳では適切ではなく、期待通りの性能を発揮しない。統計的機械翻訳とルールベース機械翻訳は一長一短であり、両翻訳システムのハイブリッド翻訳はどちらかのみを使用した翻訳システムより良い翻訳結果を得られる。
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機械翻訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 04:14 UTC 版)
「ウォーレン・ウィーバー」の記事における「機械翻訳」の解説
人間の使う言語から言語へコンピュータを使って文書を翻訳する可能性について言及したのはウィーバーが世界初と言われている。それは、1947年3月、サイバネティックスの先駆者ノーバート・ウィーナーへの手紙の中でのことである。その後2年間、ロックフェラー財団の同僚たちとそのアイデアの詳細化を進めた。その成果をニューメキシコ州カールズバッドで1949年7月に書いた覚え書きにまとめ、そのタイトルは単純に "Translation" とした。 これは機械翻訳の初期の最重要な出版物と言われ、多くの人々がコンピュータに何ができるのか全く考えていない時代に目標と手法を定式化し、アメリカでの研究が始まる直接的な端緒を開き、さらにそれが世界中での研究に広がっていった。ウィーバーの覚え書きの影響の大きさは、その中の数学やコンピュータについての専門知識の深さだけにあるのではなく、ウィーバーがアメリカの政府機関の政策決定者らと近い立場にあったことが関係している。 ウィーバーの覚え書きは、限界のある単純な逐語的手法ではなく、より有益な手法を示唆していた。彼は4つの提案をしている。それは、同義語の問題は前後の文脈を調べることで解決できるかもしれないということ、言語には論理的要素があると見なせること、暗号学的手法が適用可能かもしれないこと、言語普遍性が存在するかもしれないこと、である。 覚え書きの最後で、ウィーバーは4番目の提案の一部として機械翻訳の文書としては最も有名なメタファーで自身の信念を表明している。 共通の基礎の上にそれぞれ別個の高い塔が複数あり、それぞれに人が住んでいるとしよう。彼らが互いに対話しようとする場合、それぞれの塔から周囲に向かって声を張り上げるだろう。しかし音では最も近い塔に届くのも難しく、対話は遅々として進まない。しかし、塔から降りて外に出れば、大きな基礎があり、全ての塔がその基礎の上にあることがわかる。こうして彼は同じように塔から降りてきた人々と有意義な対話を簡単にできるようになる。
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機械翻訳
出典:『Wiktionary』 (2021/06/20 04:19 UTC 版)
名詞
語源
関連語
翻訳
- 英語: machine translation (en)
- エスペラント: maŝintradukado
- オランダ語: machinevertaling 女性, computervertaling 女性
- クロアチア語: strojno prevođenje 中性
- スウェーデン語: maskinöversättning 通性
- スペイン語: traducción automática 女性
- チェコ語: strojový překlad 男性
- 中国語: (繁): 機器翻譯/ (簡): 机器翻译 (jīqi fānyì), (繁): 機械器翻譯/ (簡): 机械器翻译 (jīxiè fānyì)
- 朝鮮語: 기계번역 (gigebeonyeok), 기계 번역 (gige beonyeok)
- タイ語: การแปลภาษาอัตโนมัติ (gaan bplae paasăa àtdtànōmát)
- テルグ語: యాంత్రిక అనువాదం (yaamtrika anuvaadam)
- デンマーク語: maskinoversættelse 通性
- ドイツ語: maschinelle Übersetzung 女性
- トルコ語: otomatik çeviri (tr), otomatik tercüme (tr)
- ノルウェー語: maskinoversettelse 男性
- バスク語: itzulpengintza automatikoa
- ハンガリー語: gépi fordítás
- フィンランド語: konekääntäminen (1), koneellinen kääntäminen (1), konekielelle kääntäminen (2)
- フランス語: traduction automatique 女性
- ブルガリア語: компютърен превод (kompjútǎren prevód) 男性
- ヘブライ語: תרגום מכונה (tirgúm mekóna) 男性
- ペルシア語: ترجمه ماشینی (tarjeme mašini)
- ポーランド語: tłumaczenie maszynowe 中性
- ポルトガル語: tradução automática 女性
- マレー語: terjemahan mesin
- ルーマニア語: traducere automată 女性
- ロシア語: машинный перевод (mašínnyj perevód) 男性
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