二次的著作物とは? わかりやすく解説

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にじてき‐ちょさくぶつ【二次的著作物】

読み方:にじてきちょさくぶつ

既存著作物翻訳編曲変形脚色映画化など翻案することによって創作され著作物著作権法規定。→二次創作


二次的著作物(にじてきちょさくぶつ)


ある著作物翻訳または翻案し創作され著作物をいう。たとえば、ある小説のストーリー元にしたできたプログラムキャラクター商品登場人物登場するゲームソフトなどがある。二次的著作物については、その著作物作成した者は当然著作権有するが、さらに原著権者もその著作物について著作権有する


二次的著作物

読み方にじてきちょさくぶつ
【英】 derivative work, secondary work

広義には原著作物基礎として創作される新たな著作物のことをいう。わが国著作権法においては,二次的著作物は「著作物翻訳し編曲し若しくは変形し,又は脚色し映画化し,その他翻案することにより創作した著作物をいう」(著2条1項11号)と定義されている。二次的著作物を作成するに際して原著作物著作()者の許諾要しないが,その利用には許諾が必要となる(著11条,27条)。第三者が二次的著作物を利用する場合には,二次的著作物の著作()者の許諾のみならず原著作物著作()者の許諾をも必要とされる(著28条)。

(注:この情報2007年11月現在のものです)

二次的著作物

ある外国小説日本語に「翻訳」した場合のように、一つ著作物を「原作」とし、新たな創作性加えて創られたものは、原作となった著作物とは別の著作物として保護されます(「翻訳」などをした人が著作者)。このような著作物は、「二次的著作物」と呼ばれてます。小説を「映画化したもの既存楽曲を「編曲したものなども、このような二次的著作物です(第2条第1項第11号第11条)。この権利を、一般に二次的著作物の創作権第27条)と呼んでいますが、具体的に翻訳権編曲権変形権例え平面的な著作物立体的な著作物にする)、翻案権脚色映画化等)からなります。

なお、この二次的著作物を利用する場合は、二次的著作物の創作者である翻訳者編曲者等の了解を得る必要があることはいうまでもありませんが、原作著作者について了解が必要で、一般にこれを二次的著作物の利用権(第28条)と呼んでます。

二次的著作物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/26 21:15 UTC 版)

著作権法における二次的著作物(にじてきちょさくぶつ、: derivative work)とは、先に創作された第一の著作物 (原著作物) から著作権の発生する主要な要素を取り込んだ創作的表現のことである。二次的著作物は第一の著作物から独立した、第二の別の著作物となる。二次的著作物が創作的でありそれゆえ著作権で保護されるためには、著作物の変形、改変、または翻案が相当に含まれ、著作者の個性が十分に発揮されなければならない。翻訳映画化、及び編曲は二次的著作物の典型的な種類である。


  1. ^ 米国では、17 U.S.C. § 106(2) が二次的著作物を保護する。英国についてはUK Copyright Service, "Fact Sheet P-22: Derivative works" (Last updated: 10 December 2012) を参照。フランス法は二次的著作物を "œuvres composites" または "une œuvre dérivée." として保護する。フランス知的所有権法典のArticle L. 112–13 (CODE DE LA PROPRIÉTÉ INTELLECTUELLE, Art. L.112–13) を参照。ドイツ著作権法、UrhGの、sec. 3, 23、及び69c No. 2が、protects 翻訳 (Übersetzungen) 及びその他の翻案 (andere Bearbeitungen)、並びに脚色、編曲、及び新しい版の著作物など、その他の種類の合成を保護する。スペインでは、Art.11 TRLPIが翻訳、翻案、改版、編曲、及び文学的、美術的、又は科学的著作物のあらゆる変形などの二次的著作物の保護を与える。イタリア著作権法のArt. 4は他言語への翻訳、文学的又は美術的形態から他の形態への変形、原著作物の大幅な再作成を構成する改変及び追加、翻案、(保護された著作物の短縮版を意図した) "削減"、抄録、及び原著作物を構成しない変化などの、著作物の創作的な工夫への保護を提供する。オランダでは、オランダ著作権法のArticle 10-2が、翻訳、編曲、翻案、及びその他の改変のような、文学的、科学的、又は美術的著作物の改変された形態の複製は、一時的著作物を侵害することなく原著作物と同様に保護されると述べている。 ベルヌ条約のArt. 2, § 3 は、「文学的又は美術的著作物の翻訳、翻案、編曲及びその他の改変は、原著作物の著作権を侵害することなく原著作物と同様に保護されなければならない」と述べている。この規定はTRIPS協定に組み込まれている。 二次的著作物の保護に関する各国の体制の比較については、Daniel Gervais, The Derivative Right, or Why Copyright Law Protects Foxes Better than Hedgehogs, 15 VANDERBILT J. OF ENT. AND TECH. LAW 785 2013; Institute Archived 27 December 2016 at the Wayback Machine. for Information Law, Univ. of Amsterdam, The digitisation of cultural heritage: originality, derivative works, and (non) original photographsを参照
  2. ^ Berne Convention for the Protection of Literary and Artistic Works, Paris Act of July 24, 1971, as amended on September 28, 1979 Article 2, paragraph 3. Accessed 25 October 2013
  3. ^ 条約、各国著作権法における関係規定等”. 公益社団法人著作権情報センター. 2022年12月13日閲覧。
  4. ^ Code de la Propriété Intellectuelle, Book I, Title I, Chapter III, Article L 113-2
  5. ^ Bellefonds (2002:147,148)
  6. ^ CURIA - Documents”. curia.europa.eu. 2022年11月18日閲覧。
  7. ^ CURIA - Documents”. curia.europa.eu. 2022年11月18日閲覧。
  8. ^ Supreme Court of Canada - Decisions - Théberge v. Galerie d'Art du Petit Champlain inc.”. 2008年4月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年5月24日閲覧。 “examples of what might be called derivative works [are] listed in s. 3(1)(a) to (e) of our Act”
  9. ^ Creative Commons Attribution 2.5 Canada Legal Code”. 2008年5月24日閲覧。 “Derivative works include: ...”
  10. ^ 著作権法 - e-Gov法令検索
  11. ^ 参考: キャンディ・キャンディ事件
  12. ^ 「ポパイ」著作権侵害第3事件:東京地昭和59年(ワ)10103号平成2年2月19日判(一部認容)(1)、東京高平成2年(ネ)734号平成4年5月14日判(棄却)(2)、最高平成4年(オ)1443号平成9年7月17日判(上告認容)(3)
  13. ^ Scotchmer, Suzanne (March 1991). “Standing on the Shoulders of Giants: Cumulative Research and the Patent Law” (英語). Journal of Economic Perspectives 5 (1): 29–41. doi:10.1257/jep.5.1.29. ISSN 0895-3309. https://www.aeaweb.org/articles?id=10.1257/jep.5.1.29. 
  14. ^ Grassmuck, Volker (2011). “Towards a New Social Contract”. In Guibault, Lucie; Angelopoulos, Christina. Towards a New Social Contract: Free-Licensing into the Knowledge Commons. From Theory to Practice. Amsterdam University Press. pp. 21–50. ISBN 978-90-8964-307-0. JSTOR j.ctt46mtjh.4. https://www.jstor.org/stable/j.ctt46mtjh.4 2020年11月21日閲覧。 
  15. ^ “I Borrow, You Steal: Plagiarism through centuries and across art forms” (英語). Logos 22 (4): 29–40. (2011-01-01). doi:10.1163/095796512X625436. ISSN 0957-9656. https://brill.com/view/journals/logo/22/4/article-p29_5.xml. 
  16. ^ Dariusz Jemielniak; Aleksandra Przegalinska (18 February 2020). Collaborative Society. MIT Press. ISBN 978-0-262-35645-9. https://books.google.com/books?id=yLDMDwAAQBAJ 


「二次的著作物」の続きの解説一覧

二次的著作物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 06:19 UTC 版)

著作物」の記事における「二次的著作物」の解説

二次的著作物とは「著作物翻訳し編曲し若しくは変形し、又は脚色し映画化し、その他翻案することにより創作した著作物」である(2条1項11号)。すなわち二次的著作物とは、原著作物に基づき依拠性新たに思想又は感情創作的に表現したのである例えば以下が二次的著作物である。 漫画続編原著作物: 漫画第1シーズン映画化作品原著作物: 原作小説アレンジ曲原著作物: 原曲原作者つき漫画原著作物: 原作者文章原稿一般的な言葉言えば、二次的著作物とは派生作品スピンオフ)に類似した概念である。 二次的著作物を創作する権利は、原著作物権利者専有する翻案権: 27条)。また意に沿わない原著作物改変(二次的著作物の創作)は同一性保持権でも保護されている。財産権である翻案権譲渡が可能であり、例え他人アレンジ曲作成許可編曲許諾)をおこなうことができる。またライセンスガイドラインといった形で非独占的に二次的著作物の創作許諾される場合もある(参考: 二次創作ガイドライン)。 二次的著作物に対す著作権法保護は、原著作物著作者の権利影響及ぼさない11条)。二次的著作物の原著作物著作者は、当該二次的著作物の利用関し著作者財産権当該二次的著作物の著作者有するものと同一種類権利有する28条)。「この規定によれば原著作物著作権者は、結果として、二次的著作物の利用に関して、二次的著作物の著作者と同じ内容権利有することになることが明らかである」(キャンディ・キャンディ事件控訴審判決平成12年3月30日東京高裁判決)。なお原審は、平成11年2月25日東京地裁判決)。 「二次的著作物は、その性質上、ある面からみれば、原著作物創作性依拠しそれを引き継ぐ要素部分)と、二次的著作物の著作者の独自の創作性のみが発揮されている要素部分)との双方を常に有するのであることは、当然のことというべきであるにもかかわらず著作権法上記のように上記要素部分)を区別することなく規定しているのは、一つには、上記両者区別することが現実には困難又は不可能なことが多く、この区別要求することになれば権利関係著しく不安定にならざるを得ないこと、一つには、二次的著作物である以上、厳格にいえば、それを形成する要素部分)で原著作物創作性依拠しないものはあり得ないとみることも可能であることから、両者区別しないで、いずれも原著作物創作性依拠しているものとみなすことにしたもの考えるのが合理的である」(同控訴審判決)。 この規定は、必ずしも不合理な結果生まない。「まず、〔原著作物著作者〕と〔二次的著作物の著作者〕とは、互いに協力し合う者同士として、当該〔二次的著作物〕の利用につきそれぞれ単独なし得るところを事前に契約によって定めることが可能である。明示契約成立してない場合であっても当該〔二次的著作物〕の利用中には、その性質上、一方単独行い得ることが、両者間で黙示的合意されていると解することの許されるものも存在するであろう次に契約によって解決することができない場合であっても著作権法65条は、共有著作権の行使につき、共有者全員合意によらなければ行使できないとしつつ(二項)、各共有者は、正当な理由がない限り合意成立妨げることができない(三項)とも定めており、この法意は、〔二次的著作物〕の〔原著作物著作者〕と〔二次的著作物の著作者〕との関係についても当てまるものというべきであるから、その活用により妥当な解決求めることも可能であろう。」(同控訴審判決)。 一話完結形式連載漫画においては、後続漫画先行する漫画の二次的著作物として扱われ、「二次的著作物の著作権は、二次的著作物において新たに付与され創作的部分のみについて生じ原著作物共通しその実質を同じくする部分には生じない解するのが相当」とされている(「ポパイ著作権侵害第3事件(最高平4年(オ)1443号平成9年7月17日判))。

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二次的著作物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:45 UTC 版)

GNU General Public License」の記事における「二次的著作物」の解説

セクション"リンクと派生物"の通り、GPLで保護されコード由来する二次的著作物はGPLでなければならない、と明白に要求されているが、GPLのライブラリ動的にリンクしプログラムが、二次的著作物と見なせるかどうかは、議論分かれている。これに対しFSFその他の人々見解異なることが新たな論争の種となっている。この点に関し著作権法が二次的著作物をどう定義するかが問題になると述べたが、著作権支分権具体的内容についての問題提起されている。アメリカ合衆国著作権法収録した合衆国法典第17編の第101条 (各種用語の定義) によれば著作物改変翻案を例にあげたうえで「既存著作物基礎とする」ことが二次的著作物の要素となっているため、動的リンク場合でも既存著作物基礎としているのかが問題なり得る。これに対し日本国著作権法第二条によれば、二次的著作物は原著作物の「翻案」を要素としているため、GPLのライブラリとGPLでないプログラム動的にリンクするプログラム作って頒布したところで、二次的著作物を作成したことにはならずプログラム実行したときに必然的に生じメモリへの複製段階初め問題になるに過ぎない。しかし、日本国著作権法ではプログラム実行することそれ自体(これを使用権という)は著作権支分権としては認められていないちなみにGPLv3では"derivative work"という語が姿を消し代わりに改変されバージョン」や「元プログラムに基づく作品となっている。これらは「二次的著作物」を指している。 また、アメリカ合衆国著作権法においても、日本国著作権法においても、原著作物著作権者は、二次的著作物に対して著作権行使をすることができるのは当然の前提なのだが、ソフトウェア著作権の対象となるように法制度確立する前は、改変したプログラム対す権利範囲等が不明確であったこともあり、法の建前前提として議論がされていない側面がある。 いずれにせよ当該著作物が二次的著作物であるかの判断は、ライセンス如何問題ではなく最終的に法廷個々著作物毎に判断することとなる。しかし、現時点では明確な線引き行った著作権法上の条文判例存在せず、その他法源となるものもない。ガルーブ対任天堂英語版訴訟においても二次的著作物の範囲明確に定められなかったのは前述通りである。

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二次的著作物

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 01:17 UTC 版)

名詞

二次的著作物にじてきちょさくぶつ

  1. ある著作物改変して作成した新たな著作物で、元の著作物表現依拠していることと改変によって新たな創作性加えられていることが、改変後の表現から感得できる著作物

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