二次的著作物の著作権との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:16 UTC 版)
「著作権の保護期間」の記事における「二次的著作物の著作権との関係」の解説
著作物を翻訳、編曲、変形、翻案して創作された二次的著作物の著作権の保護期間は、原著作物の著作権の保護期間とは独立して認められる。すなわち、創作(翻訳、編曲、変形、翻案)のときに著作権が発生し、著作者(翻訳、編曲、変形、翻案した者)の死亡時期、その二次的著作物の公表時期、あるいは創作時期を起算時として著作権の消滅時期が決定される。 したがって、原著作物の著作権が保護期間満了等の事由により消滅していても、二次的著作物の著作権が消滅しているとは限らない。 たとえば、アメリカ民謡『My Grandfather's Clock』(邦題『大きな古時計』)の作詞者であるヘンリー・クレイ・ワークは1884年に死去したから、歌詞の著作権は存在しない。一方、保富康午(1984年9月19日没)による著名な日本語訳詞の著作権は今後保護期間を変更する著作権法改正がないものと仮定すれば、2054年12月31日まで存続する。したがって、2006年現在、英語による原歌詞は自由に利用可能であるが、保富康午の日本語歌詞を利用するには、著作権法で定められた例外を除いて著作権者(2006年6月現在、日本音楽著作権協会)の許諾が必要である。 逆に、保護期間の相違などから、原著作物の著作権が存続したままの状態で、二次的著作物の著作権が先に消滅する場合もある。この場合、当該二次的著作物を利用するには当該原著作物の著作権者の許諾が必要であり、原著作物の著作権が消滅するまでは、二次的著作物を自由に利用することはできない(28条)。ただし、映画の著作物の利用については、次節のような特別な規定が存在する。
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