IoT
別名:モノのインターネット,インターネットオブシングス
IoTとは、あらゆるモノがインターネットを通じて接続され、モニタリングやコントロールを可能にするといった概念・コンセプトのことである。
身の回りのあらゆる物にコンピュータが組み込まれ、ネットワークで接続される、といった考え方は、これまでにも「ユビキタス」等のキーワードで提唱されてきた。IoTとユビキタスとで共通する点は多いが、IoTはより幅広いモノを対象に含み、より幅広い活用法が想定され、かつ、より現実的(実現可能)な技術として想定されている、といった点に違いが見出される。
ユビキタスは基本的には家電などの物体にコンピュータが組み込まれ、人がそれを利用する、といったことが想定されていた。IoTでは衣服(ウェアラブルデバイス)や自動車(スマートカー)、家屋(スマートハウス)などあらゆるものがスマート化され、かつ、必ずしも人を介さず端末同士、モノ同士が自律連携することが想定されている。機器間で通信し連携するというコンセプトである「M2M」は、この意味でIoTの一形態に含むことができる。用途もモニタリング、センシング、人間生活の管理サポートなど、幅広い。
ユビキタスは1980年代に提唱されたとされており、1990年代にはIT社会の将来像としてしばしば言及された。2010年代に入り、スマートデバイス、モバイル通信、M2Mなどの技術の実現・普及が進みはじめており、IoTが現実可能となりつつある。
IoTの推進を提唱している企業のひとつであるIntelは、2014年1月に開かれたSECで「Intel Edison」と呼ばれるSDメモリーカード大のコンピュータ端末を発表し、体温管理機能などが可能な乳児服を披露している。
モノのインターネット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/04 17:33 UTC 版)
モノのインターネット(物のインターネット[1][2]、英: Internet of Things、IoT)とは、様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され(単に繋がるだけではなく、モノがインターネットのように繋がる[3])、情報交換することにより相互に制御する仕組みである[4][5]。それによるデジタル社会(クロステック)の実現を指す[6][7][8]。現在の市場価値は800億ドルと予測されている[9]。経済産業省が推進するコネクテッドインダストリーズやソサエティー5.0との関連でも注目を集めている[10]。
注釈
出典
- ^ 落合秀也、江崎浩『インプレス標準教科書シリーズ スマートグリッド対応IEEE1888プロトコル教科書』インプレスジャパン、2012年。viiページ。
- ^ デジタル大辞泉における「物のインターネット」。
- ^ 世界初!「物流xオープンデータ」の活用の未来
- ^ IoT 【 Internet of Things 】 モノのインターネット
- ^ モノのインターネット (Internet of Things: IoT) とは
- ^ テクノロジーが自律的に拡張する時代に、いかにビジネスの勝機を捉えるか (1/2)
- ^ 生物がミトコンドリアを内蔵して進化したようにビジネスはITを組み込んで進化する (1/2)
- ^ IoTはこれからのビジネスをどう変える?
- ^ Toptal - Home Smart Home: Domesticating the Internet of Things
- ^ “中小企業だからこそできる!IoTで始めるコネクテッドインダストリーズの第一歩”. 株式会社エクス. 2018年5月11日閲覧。
- ^ Stallings, William,. Foundations of modern networking: SDN, NFV, QoE, IoT, and Cloud. Agboma, Florence, Jelassi, Sofiene,. Indianapolis, Indiana. ISBN 978-0-13-417547-8. OCLC 927715441
- ^ Kevin Ashton: That 'Internet of Things' Thing. In: RFID Journal, 22 July 2009. Retrieved 8 April 2011.
- ^ 村井純氏が語るIoTの衝撃、デジタルファブリケーションは社会に何をもたらすか
- ^ 「モノのインターネット」--定義はどこまで拡散するのか
- ^ 国内IoT市場におけるソフトウェア/サービス向け支出割合は2020年に6割に――IDCが予測
- ^ NTTPCコミュニケーションズ 代表取締役社長 前沢孝夫氏(前編):人はIoTツールが欲しいのではない、目的が達成できることが不可欠だ
- ^ NTTPCコミュニケーションズ 代表取締役社長 前沢孝夫氏(後編):量が質に転化するIoTのパラダイムシフトで、企業の力が試される
- ^ 国立研究開発法人情報通信研究機構法及び特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する等の法律(平成28年法律第32号)
- ^ “The "Only" Coke Machine on the Internet”. Carnegie Mellon University. 2014年11月10日閲覧。
- ^ “Internet of Things Done Wrong Stifles Innovation”. InformationWeek. (7 July 2014) 2014年11月10日閲覧。.
- ^ Mattern, Friedemann; Floerkemeier, Christian (2010). “From the Internet of Computers to the Internet of Things”. Informatik-Spektrum 33 (2): 107–121. doi:10.1007/s00287-010-0417-7 2014年2月3日閲覧。.
- ^ Weiser, Mark (1991). “The Computer for the 21st Century”. Scientific American 265 (3): 94–104. Bibcode: 1991SciAm.265c..94W. doi:10.1038/scientificamerican0991-94 2014年11月5日閲覧。.
- ^ Raji, RS (1994年6月). “Smart networks for control”. IEEE Spectrum
- ^ Pontin, Jason (29 September 2005). “ETC: Bill Joy's Six Webs”. MIT Technology Review 2013年11月17日閲覧。.
- ^ Analyst Anish Gaddam interviewed by Sue Bushell in Computerworld, on 24 July 2000 ("M-commerce key to ubiquitous internet")
- ^ Wood, Alex (2015年3月31日). “The internet of things is revolutionizing our lives, but standards are a must”. The Guardian
- ^ 2015年5月28日、NHK放送『クローズアップ現代』「新・産業革命?“モノのインターネット”の行方」
- ^ GEデジタルとSAP、産業IoT(IIoT)分野で提携
- ^ 独シーメンス、IoTで米IBM「ワトソン」と連携
- ^ SAPの壮大なIoT戦略--センサからERP、そしてビジネスネットワークまで
- ^ 重工各社、IoTやAI活用のサービス対応急ぐ GEなど海外勢との受注競争で不可欠に
- ^ IoTプラットフォーム「Lumada」は日立の最終兵器になるか
- ^ 日経新聞電子版 派遣エンジニア、外国人を大量採用 人材各社 IoT普及で需要拡大 2017/6/1付
- ^ ミライ・ハジメ・サトリ…、IoTウイルスはなぜ増えるのか
- ^ 正義のハッカー? Miraiに乗っ取られる前に脆弱なIoT機器を潰すBrickerBot、塞ぐHajime
- ^ 【第1回】ブロックチェーン技術の基礎知識
- ^ 日本のGDPは2030年、今の「約2倍」になる カギを握るのは全産業デジタル化
- ^ 三つの要因が重なり起きたAIブームのパーフェクトストーム ─DLLAB DAY 2018 基調講演
- ^ Project Connected Home over IP (公式サイト)(英語)
- ^ “アップル、アマゾン、グーグルらが連携--スマートホーム関連の新規格策定へ”. CNET News (2019年12月19日). 2019年12月21日閲覧。
- ^ 結局「IoT」で何ができるようになるのか
- ^ ITU marks 150th anniversary with global celebrations, Newsroom, ITU, 2015-05-18.
- ^ 特別インタビュー 坂村 健氏/東京大学大学院 情報学環教授
- ^ “ネットのようにモノをつなぐ”「オープンIoTの時代」がやって来る ――CEATEC JAPAN 2016『DIAMOND online forum 2016』講演報告
- ^ IoTのオープン化をけん引する「坂村2.0」
- ^ IoTの未来とは? 坂村健・東大教授に聞く
- ^ 9の事例から読み解く、「豊かさ」のためのビッグデータ
- ^ 津田建二の技術解説コラム【入門編】:半導体の基礎知識(4)――IoTを定義しよう
- ^ IoTは「サービスのモノ化」と考えたほうがわかりやすい
- ^ 日本では中々理解されないモノのインターネット(IOT)の本質
- ^ 「循環型経済モデル」がビジネスの新しい地平を切り拓く
- ^ AIによる「社会を自動運転」可能 フィンテックがSFを現実にする 東京大学教授・坂村健
- ^ すべてを支配するチップ?IoT、そしてハードウェアの偉大な新時代
- ^ IoTはバズワードである
- ^ iPhone Xの深層学習コア「Neural Engine」の方向性
- ^ モノとインターネットの融合で新しい製品やサービスが出現
- ^ モノのインターネットで何がどう変わるのか 「IoT」とは何か、今さら聞けない基本中の基本
- ^ スマートメーターは“IoTの起爆剤”になれる? ―電力自由化で進む、新たな未来―
- ^ IoTスペシャリストを目指そう(1)
- ^ IoEが拓く未来 “あらゆるモノ”の解析が生む新しい価値
- ^ IoT導入を支援するコンサルティングサービスを発表
- ^ IoTのアイデアをすぐに具現化--SAPがIoT製品群の短期導入プログラム
- ^ 「IoTプラットフォーム」の覇権競争 – その分類と注目プレイヤー10選
- ^ a b 世界最強メーカーGEのIoTプラットフォーム「Predix」
- ^ “IoT基盤「MindSphere」は後発でも着実に成長”. ZDNet. 2021年3月28日閲覧。
- ^ 日立はLumadaの実力を世界に示せるか
- ^ “東芝、産業向けIoTサービスの全社横断型マーケティングプレースを開設”. MONOist. 2021年3月28日閲覧。
- ^ コマツとNTTドコモ、SAPジャパン、オプティムの4社が建設業向けIoTで協業
- ^ ITインフラとオペレーションに影響を与える10大技術トレンド
- ^ Stallings, William (2016). Foundations of modern networking : SDN, NFV, QoE, IoT, and Cloud. Florence Agboma, Sofiene Jelassi. Indianapolis, Indiana. ISBN 978-0-13-417547-8. OCLC 927715441
- ^ ネットに接続、放置の機器 サイバーデブリIoT普及の壁/犯罪の温床、官民で対策『日本経済新聞』朝刊2018年1月21日(総合4面)2018年5月1日閲覧。
- ^ 暗号化してもIoTからプライバシー漏洩 米が警鐘/フィル・キーズ(米インタートラストテクノロジーズ マネジャー)『日本経済新聞』ニュースサイト・コラム(2017年2月24日)2018年5月1日閲覧。
- ^ ゲストライター「IoTの普及によるプライバシー侵害の脅威 | TechCrunch Japan」『TechCrunch Japan』。2018年11月22日閲覧。
- ^ 共同通信「監視カメラ90台がハッキング被害 北海道から沖縄まで IoTセキュリティー「穴だらけ」 - 共同通信 | This kiji is」『共同通信』。2018年11月22日閲覧。
- ^ Lab, Kaspersky「つながるほど危険度アップ:IoTの脆弱性調査」『』。2018年11月22日閲覧。
- ^ 「ネットワークカメラをハッキングした男が赤ちゃんに「起きろ!」と叫びまくる事案が発生」『GIGAZINE』。2018年11月22日閲覧。
- ^ “「ヒトのインターネット」で未来の働き方をこう変える”. 2018年8月12日閲覧。
- ^ 究極のテレビジョンは能力の放送へ。暦本純一氏が語る放送の未来
- 1 モノのインターネットとは
- 2 モノのインターネットの概要
- 3 IoTデバイス
- 4 問題点
- モノのインターネットのページへのリンク