IoT
「IoT」とは・「IoT」の意味
「IoT」(Internet of Things/モノのインターネット)とは、「さまざまな物がインターネットに接続されて、インターネットから物を制御する仕組み」「物がインターネットを経由して、相互に情報交換をする仕組み」のこと。IoTと表記されることもある。実用化が進んでいる先端テクノロジーで、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI,ビックデータなどと並ぶ注目されている技術の1つ。大量のデータを共有、分析することができ、インターネットで相互の情報伝達が可能となるため、社会インフラやビジネス、人々の日常生活にも大きな変化を与えていると言われている。IoT技術が普及する前にも「M2M」(Machine to Machine)という物同士を接続する技術が存在していたが、あくまでも「機械同士がセンサーネットワークなどを利用して情報をやり取り」していただけであり、インターネットに接続している「IoT」とは別の技術である。「IoT」によって物に通信機能を持たせることが可能となったため、携帯電話(スマートフォン)やタブレット等を利用して遠くから対象の物を制御したり、物通しで通信することが可能になった。そのため日常生活のみならず、さまざまな分野での活躍が期待されている。総務省はIoT機器など日常的に使用する電波利用システムを正しく利用できるICT(Information and Communication Technology/情報通信技術)を持つ人材育成に力を入れている。
身近な例
・離れた場所にいたとしても、フードサーバーを利用してペットに餌を上げる
・帰宅する頃になると、風呂が沸くように設定する
・留守の間に家に侵入者が入った場合、スマートフォンに通知が来るようにする
・使用者の体温、心拍数、呼吸、脈拍、血圧などの数値に異常が確認された場合、アラートを出す
・室内の温度、室温を適温になるように調節する
・留守宅時の窃盗や侵入防止に利用している
日常の何気ない動作を遠隔、または自動で行うようにする事例が存在する。
仕組み
「IoT」の対象となる物にはセンサーやカメラ、無線通信が搭載されており、遠隔でデータを取得することが可能となる。その入手したデータはインターネットを介し、別の物に伝送したり、持ち主が観覧したりすることができる。「IoT」を構成する要素として「デバイス」(センサー/アクチュエーター)、「ネットワーク」、「クラウド」(アプリ/ストレージ)などがある。
IoTデバイスからデータを取得、ネットワークを介してクラウドに送信する。クラウド内にはデータを備蓄する「ストレージ」があり、使用者が後から観覧したり、アプリケーションによって可視化、分析、予測をすることができる。他にもアプリケーションによるデータの結果を元にしてアクチュエーターを制御したり、他の機器やサービスなどと連携したりと多様な使用法がある。第5世代移動通信システムを意味する5Gは通信速度が従来よりも非常に優れているため、「IoTシステム」の構築にも欠かせないネットワークであり、この技術によって高速通信が可能となる。
「IoT」の読み方
「IoT」の読み方はアイオーティである。「IoT」の熟語・言い回し
ioT家電とは
[IoT家電」とは
インターネットに繋がっている家電のことを指す。それにより、「機能を後から増やす」「遠隔操作が可能になる」「問題が発生した場合、スマートフォンに通知が来るようにする」など、多くの点において人の日常生活をサポートすることができるようになる。また、利便性のみならず、使用者に最適な生活を送れるように働くため、無駄なエネルギー資源の使用を控えるようにできるため、省エネに対する貢献もあるとされている。
IoTの問題点
家具をインターネットに接続するということは、それだけのリスクを伴う技術でもある。外部から制御できるということは、セキュリティを解せば他者からでも操作が可能になるということでもあるため、攻撃されるリスクを抱えることとなる。つまり病院の遠隔医療や工場設備に導入されたIoTが攻撃されるとなると、その場にいる人が危険にさらされることとなる。また、「IoT」を使用者の個人情報が流出する恐れもある。
「IoT」を使用するには電力が必要となる。もし途中で電力が途絶えてしまうと十分にデータを取得できず、データ処理に問題エラーが発生する可能性が懸念される。それにより「IoT」を使用する製品そのものが使えなくなる可能性があり、十分に注意が必要である。その問題を解決する方法として、周りの環境から微小なエネルギーを得て電力に変換する技術である「エネルギーハーべスティング」という技術が注目されている。「IoT」の技術を使用した製品となると、それ相応の知識が必要となるため使用法を誤ったり、購入したとしても本来の性能を満足に使いきれない可能性がある。
IoTネットワークとは
「IoT」が接続するネットワークにはいくつかの種類が存在し、使用目的に応じて選ぶことができる。山奥や離島など、電気が通っていないような場所からでもIoTネットワークを利用できる「LPWA」(Low Power Wide Area)という無線通信システムが存在する。また、ネットワークの相互干渉や混雑具合によりデータ送信速度が著しく低下するという問題が起こることもあるため、使用する際にはその点を考慮する必要である。
IoT社会とは
「IoT」を利用している「社会」のことを指す。インターネットを使用することによるサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を融合させることによって、社会課題の解決が実現されると期待されている。
IoT化とは
「IoT化」とは、日常生活・医療・交通・物流・農業・製造業などで「IoT」を使用するようになることである。普段使用する家具が[IoT技術」のある家具に変わった場合にも「IoT化した」ということができる。
医療分野では、「ウェアラブルデバイス」という身体の一部に装着できるコンピュータデバイスを用いることで健康管理をしたり、患者のオンライン診療をしたりなど、いままでその場に居なくてはできなかったことが遠隔から行えるようになる。また、温度逸脱を防ぐことができるようになるため取り入れられている。
交通分野では、タクシーや公共交通機関の利便性を向上させている。これにより利用するバスの現在地を知ることができたり、バスや電車の遅延、接近情報を知ることができる。また道路、交通事業者から交通データを取得することで渋滞解決に活用することもできる。
物流分野では、「IoT」、「AI」、「ビックデータ」などの最新技術を活用し「ロジスティクス4.0」が実現しつつある。これにより省人化が期待される。また、「IoT」を活用して倉庫作業の自動化、省人化が進んでおり、ピッキング業務の効率化に成功している。
農業分野では、労働力不足と新規参入者に伸び悩んでおり、「IoT」の導入を積極的に進めている。「大気温度、湿度」「土壌温度」「水分量」「日照量」などのデータを「IoT」を使用して収集し、農業支援システムに使用している。「ビニールハウスをセンサー管理する」「自動運転トラクターを導入する」など。
農林水産省は次世代型農業である「スマート農業」(スマートアグリ)を推進しており、2019年からスマート農業実証プロジェクトを実施している。
製造分野では、「インダストリー4.0」(第4次産業革命)が進められている。それによりシステム異常や故障の検知に使用し、製造ラインの緊急停止などを行うことでトラブルを回避することが可能となる。
センサーデバイスを活用し、稼働監視や品質管理、「MES」(Manufacturing Execution System/製造実行システム)の導入により生産ラインの最適化などを行い、スマート工場の実現に向けて使用されている。
IoT技術とは
「IoT技術」とは、「IoT」を使用する「技術」のこと。
アイ‐オー‐ティー【IoT】
読み方:あいおーてぃー
《Internet of Things》あらゆる物がインターネットを通じてつながることによって実現する新たなサービス、ビジネスモデル、またはそれを可能とする要素技術の総称。従来のパソコン、サーバー、携帯電話、スマートホンのほか、ICタグ、ユビキタス、組み込みシステム、各種センサーや送受信装置などが相互に情報をやりとりできるようになり、新たなネットワーク社会が実現すると期待されている。物のインターネット。インターネットオブシングス。
アイ‐オー‐ティー【IOT】
読み方:あいおーてぃー
IoT
IoT
別名:モノのインターネット,インターネットオブシングス
IoTとは、あらゆるモノがインターネットを通じて接続され、モニタリングやコントロールを可能にするといった概念・コンセプトのことである。
身の回りのあらゆる物にコンピュータが組み込まれ、ネットワークで接続される、といった考え方は、これまでにも「ユビキタス」等のキーワードで提唱されてきた。IoTとユビキタスとで共通する点は多いが、IoTはより幅広いモノを対象に含み、より幅広い活用法が想定され、かつ、より現実的(実現可能)な技術として想定されている、といった点に違いが見出される。
ユビキタスは基本的には家電などの物体にコンピュータが組み込まれ、人がそれを利用する、といったことが想定されていた。IoTでは衣服(ウェアラブルデバイス)や自動車(スマートカー)、家屋(スマートハウス)などあらゆるものがスマート化され、かつ、必ずしも人を介さず端末同士、モノ同士が自律連携することが想定されている。機器間で通信し連携するというコンセプトである「M2M」は、この意味でIoTの一形態に含むことができる。用途もモニタリング、センシング、人間生活の管理サポートなど、幅広い。
ユビキタスは1980年代に提唱されたとされており、1990年代にはIT社会の将来像としてしばしば言及された。2010年代に入り、スマートデバイス、モバイル通信、M2Mなどの技術の実現・普及が進みはじめており、IoTが現実可能となりつつある。
IoTの推進を提唱している企業のひとつであるIntelは、2014年1月に開かれたSECで「Intel Edison」と呼ばれるSDメモリーカード大のコンピュータ端末を発表し、体温管理機能などが可能な乳児服を披露している。
IOT
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/01/06 14:12 UTC 版)
IOT
- イギリス領インド洋地域(Indian Ocean Territory)のISO 3166-1国名コード。
- ものつくり大学(Institute of Technologists)
- Ι, ι(iota)
- 相互互換テスト(inter operability testing)
- inductive output tube
- 軌道上試験(in orbit test)
- タナトエロス光明結社(Illuminates of Thanateros)
- インターネット・オブ・シングス(Internet of Things)の略。モノのインターネットと訳される。
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IoT
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 02:59 UTC 版)
2017年1月からはIoT関連サービスポートフォリオ「SAP Leonardo」(レオナルド)の提供を開始し、企業のIoT導入を支援するソフトウェア群とコンサルティングサービスを提供している。 2017年7月にはコマツ、NTTドコモ、オプティムの3社と組み、建設業務に関係するあらゆるモノをつなぐ、IoT基盤プラットフォーム「LANDLOG」(ランドログ)の提供開始を発表するなど、IoT分野への取り組みも強化している。
※この「IoT」の解説は、「SAPジャパン」の解説の一部です。
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