模倣ゲームvs標準チューリングテスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 01:17 UTC 版)
「チューリング・テスト」の記事における「模倣ゲームvs標準チューリングテスト」の解説
どの解釈がチューリングの意図したものなのかについては議論があった。スターレットは、チューリングの1950年の論文にある二つのテストは、チューリング自身の発言とは逆に、同値ではないとしている。パーティーゲームを用いて正解頻度を比べるテストは「原型模倣ゲームテスト(Original Imitation Game Test)」と呼ばれ、一方で人間および機械と会話して、人間が(会話相手が機械かどうか)裁定するテストは「標準チューリングテスト(Standard Turing Test)」と呼ばれる。スターレットは、これを模倣ゲームの第二バージョンではなく「標準解釈(standard interpretation)」であると述べている。標準チューリングテストには、批判者も指摘する問題がいくつかあるが、定義上の原型模倣ゲームテストは標準チューリングテストと決定的な違いがあるため、それらの問題の多くに免疫があるという。原型模倣ゲームテストは判断基準を設定するために人間のふるまいを使用するけれども、人間のふるまいを真似できるかは判断基準にしていないのである。人間(男)が原型模倣ゲームテストに落ちることもありうるが、落ちることによって臨機応変の才に欠けた人が分かる、ということは知性のテストとして望ましいというのがスターレットの主張である。つまり原型模倣ゲームテストでは「会話の振る舞いのシミュレーション」ではなく、知性が伴う臨機応変の才が必要になる、ということだ。この原型模倣ゲームテストの基本構造は、非言語の模倣ゲームにも使える。 他の著作家 もチューリングは模倣ゲーム自体をテストであると主張していたと解釈しているが、パーティーゲームとしての模倣ゲームを使ってチューリングが提案したテスト(スターレットの言う原型模倣ゲームテスト)に関して、ゲーム1ラウンドあたりの成功数ではなく、(パーティーゲームとしての)模倣ゲームとの成功頻度の比較を判断基準に据える、というチューリングの言説をどう考えるかは特定できていない。
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