模倣ゲーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 01:17 UTC 版)
「チューリング・テスト」の記事における「模倣ゲーム」の解説
先述したように、チューリングは3人のプレイヤーからなるただのパーティーゲームについて書いている。プレイヤーAは男性、プレイヤーBは女性、プレイヤーC(質問者)の性別はどちらでもよい。模倣ゲームの中で、プレイヤーCはプレイヤーA・Bのどちらも見ることができず、文字の書かれたメモを通してしかコミュニケーションできない。プレイヤーAとBにいくつか質問することで、プレイヤーCはどちらが男性でどちらが女性かの判断を試みる。プレイヤーAの役は、質問者を騙して間違わせるのが役目で、一方プレイヤーBは質問者を手助けして正しく答えさせるのが役目である。 チューリングはコンピュータがプレイヤーAの役をするのはどうかと提案した。これがスーザン・G・スターレットが「原型模倣ゲームテスト(Original Imitation Game Test)」 と呼ぶテストである。したがってコンピュータの役目は、女性になりきって質問者を騙し、間違った答えを出させることである。コンピュータが成功したかどうかは、プレイヤーAがコンピュータの場合の結果とプレイヤーAが男性だった場合を比較して判断する。チューリングが述べたところでは、もし「男性と女性でゲームを行ったときと同じくらいの頻度で、(対コンピュータのゲームで)間違った判断をする」 ならば、そのコンピュータには知性があると言える可能性がある。 チューリングの1950年の論文で第二のバージョンが発表された。原型模倣ゲームテストと同様に、プレイヤーAの役はコンピュータが演じるが、プレイヤーBの役が女性ではなくman(男性、人間)になっている点が異なる。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}「特別なデジタルコンピュータCに注目しよう。このコンピュータに十分な記憶容量を持たせて、実行速度を相当に強化し、適切なプログラムを入れたとする。man(男性、人間)がBの役をやっている中、Cは模倣ゲームにおけるAの役を十分にこなすことができるだろうか? —Turing 1950, p. 442 このバージョンでは、プレイヤーA(コンピュータ)とプレイヤーBはどちらも質問者を騙して間違った答えを出させようとしている。
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