反転チューリングテストとCAPTCHA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 01:17 UTC 版)
「チューリング・テスト」の記事における「反転チューリングテストとCAPTCHA」の解説
対象者や、それぞれの役目における機械・人間を反転させたチューリングテストは、反転チューリングテストと呼ばれる。これには精神分析学者のウィルフレッド・バイオン(英語版)の著作 で触れられた例がある。バイオンは特に、心と別の心の出会いが生む「嵐(storm)」に注目していた。ロバート・D・ヒンシェルウッド(R. D. Hinshelwood)はこの考えを進めて、心は「装置(apparatus)を認識する心」であるとし、このことがチューリングテストのある種の「補足」になりうると述べている。この場合の課題は、「関わっている相手が人間か別のコンピュータなのか、コンピュータ自身が判断できるか」になる。これはチューリングが試みた問題の拡張であり、人間らしく見えるように「考える」機械を見つけ出すためには、より高い水準の機械が必要となるであろう。 CAPTCHAは反転チューリングテストの一種である。ウェブサイト上で何らかの行動をする許可を得る前に、ユーザーはねじれた画像上の文字列を見せられ、その文字列を入力するように求められる。これは自動システムによるサイトへの嫌がらせを防ぐことを目的としている。歪んだ画像を読み込んで再処理するほどの進んだソフトが存在しない(少なくとも通常のユーザーには利用できない)ため、このような処理ができるシステムは人間だけである、ということがCAPTCHAの原理になっている。つまり裏を返せば、(おそらくだが)人工知能がいまだ完成されていないということになる。
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