ディープ・ソートとは? わかりやすく解説

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ディープ・ソート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 13:30 UTC 版)

ディープ・ソート(Deep Thought)は、アメリカ合衆国で開発されたチェスコンピュータである。

カーネギー・メロン大学許峰雄らにより開発され[1]、許らが大学卒業後にIBMに入社したのに伴い、IBMで開発が継続された[1]。許がChipTest英語版に続いて開発した2つ目のチェスコンピュータであり、後にディープ・ソートを元にして「ディープ・ブルー」が開発された。ディープ・ソートの開発チームには、許の他にトーマス・アナンサラマン英語版、マイク・ブラウン、マレー・キャンベル英語版、アンドレアス・ノワティクらがいる[2]

「ディープ・ソート」という名前は、ダグラス・アダムスのSFシリーズ『銀河ヒッチハイク・ガイド』に登場するコンピュータ「ディープ・ソート」から名付けられた。この命名法は、後継の「ディープ・ブルー」にも受け継がれているほか、他のコンピュータチェスソフトでも、これらに倣って「ディープ」を名前に冠する物が多くなっている(ディープ・フリッツなど)。

1988年にトーナメント戦でグランドマスターベント・ラーセンを破り、世界で初めてグランドマスターに勝ったコンピュータとなった[2]。しかし、1989年のチェスの世界チャンピオンガルリ・カスパロフとの2ゲームマッチには敗れ、マイケル・ヴァルヴォ英語版との通信チェスでの対戦にも敗れた。

ディープ・ソートは、1988年の北米コンピュータチェス選手権英語版、1989年の世界コンピュータチェス選手権英語版で優勝した。アメリカ合衆国チェス連盟(USCF)によるディープ・ソートのレーティングは2551だった[2]。1994年、改良版のディープ・ソート2が北米コンピュータチェス選手権で5度目(ディープ・ソートからの通算)の優勝を果たした。ディープ・ソート2のレーティングは2600程度と推定される。この大会はIBMが後援していた。

ディープ・ソートのアルゴリズムは非常に単純な評価関数であるが、1ムーブあたり5億通りの手を読むことができ、複雑な局面であっても10~11手先を読むのに十分な性能を持っていた。

脚注

  1. ^ a b History of deep blue”. IBM. 2016年2月27日閲覧。
  2. ^ a b c Hans Berliner (1989年). “Deep Thought wins the $10,000 Fredkin Prize” (PDF). AI Magazine Volume 10 Number 2. 2016年2月27日閲覧。

関連項目

参考文献

外部リンク


ディープ・ソート (Deep Thought)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 09:27 UTC 版)

銀河ヒッチハイク・ガイド」の記事における「ディープ・ソート (Deep Thought)」の解説

『この宇宙時空二番目すぐれたスーパーコンピューター。『生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え』を750万年かけて計算する。「ディープ・ソート」という名前は「ディープ・スロート」をもじった駄洒落ではあるが、それが有名なポルノ映画のものであるか、ウォーターゲート事件のものであるかは筆者明らかにていない

※この「ディープ・ソート (Deep Thought)」の解説は、「銀河ヒッチハイク・ガイド」の解説の一部です。
「ディープ・ソート (Deep Thought)」を含む「銀河ヒッチハイク・ガイド」の記事については、「銀河ヒッチハイク・ガイド」の概要を参照ください。

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