トム・デマルコ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/27 13:18 UTC 版)
Tom DeMarco
トム・デマルコ |
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居住 | ![]() |
研究分野 | ソフトウェア工学、電気工学 |
出身校 | コーネル大学、コロンビア大学、パリ大学[3][4] |
主な受賞歴 | Warnier Prize、Stevens Award |
プロジェクト:人物伝 |
トム・デマルコ(Tom DeMarco)は、アメリカ合衆国のソフトウェア工学者である。
ソフトウェア開発プロセスの標準化や成熟度モデルの策定等、現在のIT業界が直面する問題に古くから取り組んでおり、その業績に対して1986年にワーニエ賞(Warnier Prize)[2][3]、1999年にスティーブン賞(Stevens Award)が与えられた。
現在はコンサルティング会社であるアトランティック・システムズ・ギルドの会長兼パートナー、及びCutterコンソーシアムのフェローを務める。訴訟に関するコンサルティングを専門としており、American Arbitration Association(AAA、米国仲裁協会)に参画している[1][2]。
経歴
コーネル大学でBSEE(電気工学学士号)、コロンビア大学でMS(理学修士号)を取得[3]。1963年にベル研究所でESSI(世界初のプログラムが内蔵された電話交換機)の開発プロジェクトに配属された[4]。
1978年にアトランティック・システムズ・ギルドを設立、代表を務める。翌1979年には『Structured Analysis and SystemSpecification(邦題:構造化分析とシステム仕様)』を執筆、構造化手法の分野で名を成した。1986年には、コンピューター分野への長年の功績に対してワーニエ賞(Warnier Prize)が贈られた[2][3]。
1986年に『Peopleware: Productive Projects and Teams』を発表した。この著書はピープルウェアの概念を広めるのに大きな影響を与えた。1999年には、システム開発手法に関する文献・実践への貢献に対してスティーブン賞(Stevens Award)が贈られた。
2004年には、著書『Waltzing with Bear(邦題:熊とワルツを)』に、Dr. Dobb's Journalからその年の最も優れた著書としてJolt Awardが贈られた[5]
同2004年に来日し、Developers Summit 2004とJaSST'04にて講演を行った[6]。日経XTECHのインタビューでは、IT分野のリスク・マネジメントについて語っている[7]。
著作
- 『ピープルウェア(第3版)』(2013年、日経BP社、ISBN 4822285243)第1版:1994年、第2版:2001年
- 『アドレナリンジャンキー』(2009年、日経BP社、ISBN 4822284018)
- 『熊とワルツを』(2003年、日経BP社、ISBN 4822281868)
- 『ゆとりの法則』(2001年、日経BP社、ISBN 4822281116)
- 『デッドライン』(1999年、日経BP社、ISBN 4822280535)
- 『デマルコ大いに語る』(1998年、日科技連出版社、ISBN 4817160578)
- 『構造化分析とシステム仕様<新装版>』(1994年、日経BP出版センター、ISBN 4822710041)第1版:1986年
- 『品質と生産性を重視したソフトウェア開発プロジェクト技法』(1987年、近代科学社、ISBN 4764901331)
関連項目
脚注
- ^ a b https://systemsguild.eu/about-the-guild
- ^ a b c d 『熊とワルツを』238頁
- ^ a b c d 『構造化分析とシステム仕様』395頁
- ^ a b Structured Analysis: Beginnings of a New Discipline at the Wayback Machine (archived 2004-03-03)
- ^ “IEEE Software: Jolt Awards go to 57 products”. IEEE Computer Society. 2025年3月11日閲覧。
- ^ “特別企画トム・デマルコ氏来日決定!!”. CodeZine. 2025年3月11日閲覧。
- ^ “トム・デマルコ氏インタビュー(完全版)”. 日経XTECH. 2025年3月11日閲覧。
外部リンク
- トム・デマルコのページへのリンク