422部隊(通称 ネームレス)
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「戦場のヴァルキュリアシリーズの登場人物」の記事における「422部隊(通称 ネームレス)」の解説
ガリア公国における懲罰部隊である422部隊は、軍規違反者や刑事犯および個人的な事情により自ら志願した者で構成される。隊員は全員氏名を剥奪され番号で呼称される他、戦闘部隊だが諜報部直轄部隊で、戦闘服は黒を基調としたものとなっており、共通して青を基調とするガリア正規軍やガリア義勇軍とは一見して異なっている。また隊員それぞれ軍服のデザインは異なる(その理由はカリサ参照)。隊員の番号は入隊時に空いている物から適宜埋められるが、No.1(エース)だけは文字通りエースにのみ与えられるナンバー。歩兵の兵種は変更が可能であるため、以下の記述においては兵種は記載しない。 ガリア義勇軍に所属するウェルキンが主人公の『1』でもガリア正規軍の実態や腐敗ぶりは義勇軍のウェルキンやバーロットを悩ませていたが、本来存在が許されず存在する筈がないネームレスはガリア正規軍から「手柄は横取りされ、失態の尻拭いはさせられ、謂われもなく罵倒される」など悪し様に扱われるのみならず、「公国の方針上許されない行為」や「国際条約にも明確に反する不法行為」など、ガリア正規軍上層部の意向による理不尽な命令が「命令違反は即銃殺」という脅迫に近い形で押しつけられる。隊員たちの個人情報は軍の機密事項に相当し、戦闘記録は一切残されない。 クルトの就任前までは数多くの戦死者を出しており、「ネームレス送り」は体のいい厄介払いだった。また寄せ集め集団で個々の能力は高いがチームワークはほぼ皆無だった。しかし、クルトとグスルグが隊の在り方を改革し、それぞれが誇りに目覚め、クルトを中心に纏まったことでガリア軍最強部隊への道を歩みだすことになる。 ネームレスの戦果は戦史上は存在しないが「名前も名乗らぬ黒衣黒髪の隊長率いるガリア軍部隊」が大戦下のガリア各地で目撃され、度重なる被災者救済活動や帝国の圧政に苦しむ人々の解放という形で「歴史上は無名にも等しいガリアの民」から深い感謝の念を抱かれるに至る。歴史に名を残すことこそないが大戦後の後世においてその担い手たち に明白な影響を残した。 クルト・アーヴィング (Kurt Irving) 声 - 中村悠一 『3』の主人公。ネームレスの隊長で、No.7。階級は少尉。20歳。 ランシール王立士官学校を首席かつ、歴代最高成績で卒業したエリート 士官。黒髪。ガリア正規軍において将来を嘱望されていたが、身に覚えのない国家反逆罪によりネームレス送りとなる。422部隊の隊長となり、訳ありの隊員達をまとめあげて過酷な任務をこなしていく。「表舞台における大戦の英雄」として戦争報道を通じて市井の誰もがその名を知るウェルキン・ギュンターに対し、「限られた関係者以外は誰もその名を知らぬ大戦の舞台裏における“無名” の英雄」として両者の功績を知るクロウ中佐から引き合いにされる。そのウェルキン本人とも隊務を通じた共同作戦を経て互いに親愛や友情の念を抱いたが、当初は前述通り本名を名乗れず、再会後のウェルキンから強いて頼まれようやく名乗る次第となった。一方、再会時にウェルキンとアリシアの上官と部下という関係だけとは思えぬ親密ぶりに嫉妬混じりの印象を抱いたリエラに対しては「自分たち二人だって負けていない」との本音を覗かせている。 性格は生真面目かつ厳格。決断力に富み、迷いや躊躇は滅多なことでは見せない。基本的には頭でっかちの理屈屋で迷信や俗説、神仏の類いは一顧だにしない極端な現実主義者。「日頃お世話になっている人へのお返し」と称し、その実好意を持つ相手にプレゼントを贈る「精霊節」の風習ですら真っ向から否定しまい、プレゼントを渡そうとしたセルジュを凍り付かせ、「女の子相手にそれはダメ」とヴァレリーから釘を刺される。 指揮官として優秀ではあるものの、他者とのコミュニケーションは苦手。しかしリエラやイムカなどネームレス隊員たちと接する中で他者との関わり方を学んでいった。 ランシール士官学校在籍時は「不効率の天才」と陰口されており、入学時は平凡な成績ながら「98点で満足せず残り2点のために寝る間も惜しむ」不断の努力と弱点克服、広範囲な知識習得により最終的には首席で卒業した。かわりに遊びもせず、一切友人を作ることもなく、軍での出世に必要な人脈形成も行わなかったため、同窓生からは変人として侮蔑の対象となっており、恩師たちからは呆れられている。初陣からして非凡な才能を発揮し、帝国軍との遭遇に及び腰になって本隊への報告を口実に隊の指揮をクルトに丸投げした隊長にかわって士気や実戦経験で大きく劣るガリア正規軍部隊の指揮を担い、勝利して初陣を飾る。 実家は雑貨屋 で貴族の子弟たちが貴族のつとめの一環として在籍するランシール士官学校においても庶民出身という異色の存在。想定外の事態に遭遇すると飴を噛んでボリボリ食う癖がある。趣味は料理。特にカレーのスパイス作りにこだわりがある。ただ、味には煩いが料理が冷めていようがその実お構いなしという本性も垣間見せ、ジュリオに呆れられている。 物語ではカラミティ・レーヴェンの指揮官ダハウ大尉に何度も遅れを取ったことで、彼を宿敵と考えるようになり、徐々に彼に認められていった(15章におけるカラミティ・レーヴェンとの戦いでダハウに「軍人としてはこれからは私が追う立場だな」と言わしめ、完全に認められた)。17章にて、アイスラーから管轄部隊の叛乱を口実に自宅謹慎に追い込まれていたクロウ中佐をアイスラー子飼いのガリア正規軍部隊による妨害に遭いながらもランドグリーズまで保護移送し、軍法会議に出席させることに成功。クルトを無実の罪で陥れ、422部隊の予想外の活躍ぶりから条約に反する毒ガス兵器使用を口実に葬り去ることを画策し、グスルグの命令違反により頓挫すると彼の逃亡罪を口実に造反部隊としてガリア正規軍による粛正を目論見、その実帝国や連邦と密かに通じ、ダハウ同様にユグド教枢機卿ボルジアとも相通じて「大戦の長期化とガリア焦土化」、「帝国を早期に勝利させかねない指揮官マクシミリアン暗殺」、「ヴァルキュリア思想をその実像と異なる永久不滅の信仰対象にする陰謀成就」、「単一宗教による大陸統一」と大戦の陰で数々の謀略を目論み、ボルジアの引き立てにあやかろうとしていたアイスラー少将を間接的にではあるが失脚に追い込んだ。このことにより、晴れて422部隊は恩赦により過去の罪が赦免された上でガリア正規軍に編入された。19章にて、ネームレスの手の内を知り尽くすグスルグ、グスルグに協力して足止め役に徹していたリディアをそれぞれランドグリーズ市街地と郊外で撃破する。遺恨もあったがクルトにとっては無二の親友でもあったグスルグについて叛乱罪を問われぬよう取り計らった上で隊員たちと共に弔った。ランドグリーズの度重なる危機を鮮やかに救い、アイスラー少将、マクシミリアン皇太子、ボルジア枢機卿と次々に有力な後ろ盾を喪って凋落の一途を辿り、理想の実現から遠のくカラミティ・レーヴェンを「帝国の粛正対象」へと追い詰めていく。大戦末期にガリア軍諜報部により帝国領内で発見が報告された「古代遺跡」についてその脅威を知るや制圧のため再びネームレスに戻る決断を下し、ガリアと帝国の停戦交渉が行われる微妙な情勢を加味した上で作戦に参加する全隊員のガリア国籍放棄と軍籍除名 をクロウ中佐に申し入れ、再度、帝国領内に侵入。国境付近で「万が一にもガリア領内から侵入してくる部隊」への警戒のため布陣中のジグ率いる部隊と交戦して撃破し、ランドグリーズへの威力攻撃実施とそれを事実とした大陸各国への脅迫により、「大罪人」の汚名と引き替えにダルクス人新国家建国を目論んだダハウの野望をカラミティ・レーヴェン残党と共に粉砕。その後、既に発射態勢に入っていた長距離弾道兵器(ヴァルキュリアの鉄槌)によるランドグリーズ殲滅を阻止し、発射角を変えて大陸への落下・被弾を防いだ。最後の命令として、ネームレス部隊を解散させた。その後、大戦を通じて愛を育んだ最愛の女性 と結ばれた。422部隊を名実ともにガリア軍最強部隊に育て上げたと臆面も無く自負する。「最後の作戦後は軍務から離れる」と宣言した通りになり、部下からは「ガリアのみならず大陸全土にその名を轟かせるだけの非凡な軍才」を惜しまれている。 同社のゲーム「初音ミク -Project DIVA- extend」では、鏡音レン用のモジュールが用意されている。 バンダイナムコゲームスのクロスオーバー作品『PROJECT X ZONE』では味方キャラクターとして登場。リエラとペアを組む。 リエラ・マルセリス (Riela Marcellus) 声 - 遠藤綾 / 水樹奈々(戦国大戦) 『3』のヒロイン。No.13。階級は二等兵。21歳。 開戦後に志願して義勇軍に入隊したが、配属された部隊が5回も全滅し、彼女だけが常に生き残ったため、周囲から「死神」と呼ばれて忌み嫌われた末にネームレス送りとなった。ネームレス内でもはじめは孤立していたが、クルトのおかげで他の隊員たちにも受け入れられるようになり、クルトに好意を抱くようになった。陰気で物憂げで孤立がちとみられていたがクルトの隊長就任以降は生来の明るさや溌剌さに加えて、極度の負けず嫌いや人の間に漂う空気は一切読まないという本性も露わにしていく。 捨て子であり、老夫婦に拾われて育てられた。赤い眼、赤と銀の髪という外見のせいで子供のころから苛められたが、祖父母からは愛され、それが彼女の優しさや他者への献身の源泉となっている。義勇軍に志願した元々の理由は、祖父に続いて祖母も死んで村に居場所がなくなったためで、常に自分の居場所を求めて生きてきた。そのためネームレスが自分にとって最後の居場所だと考え、そこに居続けることに執着している。 好物は牛乳。祖母に「牛乳を飲むと強い子になる」と言われて飲み続けるようになったという。 彼女が常に携帯し、初対面で背後から近付いたクルトの喉元につきつけたナイフは祖父の形見の品であるが、実は度重なる部隊全滅で彼女だけが生き残った原因でもあり、重大な秘密が隠されている。それを形見として彼女に残していたことから、自身の出生の秘密について養父母が知っていたことも悟る。 9章にて自身がヴァルキュリア人の血を引くことを知る。ただ、その力はヴァルキュリアの槍と盾を提供したクレメンティアの口から「覚醒と再眠を繰り返した結果、不完全な失敗例」と断じられている。ヴァルキュリアの力を行使すると極度の疲労によりその後、一定期間の静養を必要とするほど憔悴する。その後はヴァルキュリアの力について、マクシミリアン暗殺実行のためギルランダイオ要塞に乗り込んだ際にヴァルキュリアとして立ちはだかったセルベリアの脅威を目の当たりにした仲間たちに知られて恐怖され、隊を追われ居場所をなくすことを恐れるようになる。11章にてネームレス部隊の窮地をしのぐため、仲間たちの前でヴァルキュリアの力を解放する。彼女自身が忌み嫌い恐れた力は一度は諦めざるを得なかった苦渋の場面においてクルトに異なる選択肢を与え、クルトとグスルグの人としての格の違い を証明する結果にもなった。 リエラ選択時のエンディングではイムカとグスルグ(の替わりに参列したお馴染みのネームレス戦車)も含めた仲間たちに祝福されてクルトと結婚し、夫婦となっている。年齢はリエラの方が1つ上であるため、いわゆる姉さん女房となる。断章『力の秘密』では周囲の空気や雑音など一切おかまいなしで常日頃から自分たちだけの世界に浸り、イムカが断念させられるほど余人の立ち入る隙が全くない似たもの同士の「バカップル」だと他の隊員たちに呆れられている。 フィギュアはグッドスマイルカンパニーのねんどろいど、ボークスの1/8フィギュア がある。 『戦国大戦 -1600 関ヶ原 序の布石、葵打つ-』にてSS白井局のモデルとして登場。 バンダイナムコゲームスのクロスオーバー作品『PROJECT X ZONE』では味方キャラクターとして登場。クルトとペアを組む。 イムカ (Imca) 声 - 浅野真澄 『3』のもう一人のヒロイン。ダルクス人。No.1。階級は一等兵。17歳。 ネームレス最古参の隊員で部隊最強のエース。ネームレスにスカウトされて入隊した唯一の隊員。2年前にヴァルキュリア人であるセルベリア・ブレスによって故郷のティルカ村を滅ぼされ、後に判明した仇への復讐の機会を伺う。放浪中に寒さで行き倒れていた所をクロウ中佐に拾われた。寒さが苦手であり、クルトに好意を抱いた契機も寒さに震えるイムカに自身の毛布を差し出したことによる。 ライフルや対戦車槍などの機能を持ち、また白兵戦用の剣も装着している自作の専用武器「ヴァール」を使用する。この武器の発想元となったのは、故郷で使っていたナタと弓が一体となった狩猟具。同じダルクス人で作戦上共闘した義勇軍第7小隊の戦車操縦士イサラ・ギュンターのアドバイスを得て未完成だったヴァールを完成させる。完成した真のヴァールは彼女の特殊能力「武装開放」に不可欠なマルチロックオン機能を備えた多段式誘導ミサイル兵器。ヴァールを他人に触られるのは極端に嫌がっており、好意でヴァールに触れたコゼットにも激怒している。再会後にイサラの戦死を伏せようとした彼女の義兄ウェルキンの言葉を嘘だと断じた上で、イサラへの追悼のためヴァールを空に向けて撃っている。 言葉数が少なく、「~ない」と、話し言葉の最後を否定語で〆る癖がある。無愛想で復讐以外何も考えずに生きてきた為、他者とのコミュニケーション能力が著しく欠落している。上官の命令も一切聞かないが、エースナンバーのNo.1を背負うだけの突出した戦果を挙げている。しかしクルトが赴任してくると彼の交換条件を受け入れてその指揮権を認めた。その後、徐々にクルトと打ち解けて心を開くようになったが、後述の出来事まではクルトの本名を一切呼んでおらずNo.7で通している。 リエラとの関係は当初は他の隊員同様、無関係だったが、11章でヴァルキュリア人の力を解放したリエラの姿を見て錯乱し、襲いかかった(しかしそれが打ち解ける契機ともなった)。ヴァルキュリア人は強烈なトラウマで恐怖で足が竦むなど取り乱す。そのトラウマを乗り越えてギルランダイオ要塞に単身乗り込み、要塞の守将であるセルベリアに一騎討ちを挑む。だが、イムカの人間離れした実力に「能力を棄てる」という誓いを曲げ、ヴァルキュリア人の能力を解放したセルベリアに完敗。意識を失って捕虜となるが「ネームレス撤退」を条件にクルトとセルベリアの間で直接交渉が行われ、セルベリアの手でクルトに返還された。その際、セルベリアとの会話で初めてクルトの名を口にしたことが本人に知られてしまい、要塞陥落後に虜囚となったセルベリアが壮絶な爆死を遂げたこと、彼女からの事実上の遺言で「敗者は生き残れ」と伝言されたことを病床を見舞ったクルトから告げられる。アイデンティティーの喪失と追い求めた仇から「生き残れ」と命じられたことに苦悩するが、かわりにクルトへの思慕を自覚するようになる。 かなりの偏食家で、キノコ類、ミルク、コーヒーなどを嫌う。これは放浪生活での教訓によるもので、今では安全だと判っていても口に出来なくなっている。特にキノコはクルトから「食わせる」と脅されると渋々従うなど大の苦手。 イムカを選ぶエンディングではクルトと結ばれ、帝国領内の自分の故郷だったティルカ村へ連れて行く。その後、両親を殺されたダルクス人の少女と出会ったことで、戦争で孤児となった子供達の新しい故郷を作ることを決める。その後、孤児院を開き、クルトと共に孤児達と暮らしている。また、口調も女性らしい優しい口調になっている。 フィギュアはグッドスマイルカンパニーのねんどろいど、ボークスの1/8フィギュア が発売されている。 同社のゲーム「初音ミク -Project DIVA- extend」では、鏡音リン用のモジュールが用意されている。 バンダイナムコゲームスのクロスオーバー作品『PROJECT X ZONE』では味方キャラクターとして登場。 グスルグ (Gusurg) 声 - 桐本琢也 ネームレスの戦車長を務めるダルクス人。No.6。戦車長。階級は曹長。25歳。 ダルクス人としては裕福な家庭の生まれ。開戦とともに義勇軍に入隊したが、以前からダルクス人の人権保護運動に熱心だったため、危険思想の持ち主と看做されてネームレス送りにされた。姉が一人いる。 人望に恵まれ、他のネームレス隊員たちの信頼が厚く、前隊長亡き後は彼を隊長に推す者が多かったほど。着任したばかりのクルトとすぐに打ち解け、彼を隊長に相応しい人物として推薦する。クルトの指揮を拒絶した隊員たちが職務放棄。クルト、リエラ、イムカ、グスルグの僅か4人という状況でもクルトが作戦を見事に成功させたことに誰よりも感激する。周囲からはリーダーシップを発揮していると思われているが、自らはリーダーに向かないタイプだと断じている。 物語序盤ではクルトの親友かつ頼りになる副官として部隊とクルトを支え、他人との交流が苦手なクルトと他の隊員たちを繋ぐパイプ役ともなる。だが、カラミティ・レーヴェンとの交戦を経てその指揮官として理想を追うダハウの思想に共感を覚え始める。物語の折り返し地点ではダルクス人を虐待する帝国軍に対するガリアもまたダルクス人を容赦なく虐待している事実に不満を募らせていき、ついにはガリアの上層部が、彼自身に新兵器と称して渡した条約違反兵器の毒ガス弾を同胞であるダルクス人に向けて撃たせようとした事が決定的原因となって決別を決意。戦車砲を破壊して使用不能にした挙げ句、敵前逃亡の重罪を犯す。このため、予定していた戦車による支援砲撃が得られなくなった影響でネームレス部隊および共同作戦を担うガッセラール兄妹らガリア正規軍部隊は敵の反撃を許す深刻な苦戦に陥った。さらに、アイスラーの画策でグスルグの離反が原因でネームレスはガリア正規軍に排除されそうになっている。また、クルトの弁明と報告を受け、オドレイ自身が毒ガス弾頭を確認したことや、命令系統など事実関係を詳細に調査し、アイスラーにねじ込んだガッセラール兄妹はガリア軍上層部の腐敗と愚劣さに憤りの念を強くし、大戦後ガリア革命軍を決起する動機の一つとしている。 離反後は、ネームレスの宿敵で、ダルクス人独立の為に戦うカラミティ・レーヴェンの一員に志願。ネームレス隊員の個人情報をダハウからの信頼を得るための道具に利用。また、クルトに対してヴァルキュリア人であるリエラ殺害が目的だと口にした上で別働隊を率いてネームレスを執拗に追撃する。クルトの手の内と思考パターンを熟知するため、元来神出鬼没でしかもガリア正規軍から逃亡中のネームレスを正確に追跡するなど情け容赦のない行動に出る。しかし、スパイを疑うリディアの一存で半端な戦力でしか追撃することができず、クルトからは愚弄と受け取られる。在籍時よりも団結力や予測以上の成長を発揮するネームレスに連戦連敗し、作戦参加を申し出たジグは自らの目でネームレスの強さを目の当たりにして、元仲間相手に一切手を抜いていないグスルグへの信頼を深くする。 ガリア軍主力のファウゼン攻略作戦中という状況下におけるグスルグ率いる別働隊がダハウら本隊の企図するランドグリーズ襲撃の陽動目的だとクルトに看破され、ネームレスが防衛に向かう結果となった。もともと首都陥落が目的ではなく、襲撃はガリア正規軍部隊に撃退されて失敗に終わる手はずになっていたが、ダハウは作戦を挫かれた格好になり、やがては歯車が狂い出す。リディアからは長らくスパイと疑われていたが、戦いを通じて徐々に信頼されるようになり、ボルジアの口封じから彼女を助けながら「俺の手で殺されるか全滅必至の作戦に参加するか選べ」と脅迫し、自分の同類で悪党だとみなされ親密になる。最期は首都ランドグリーズ破壊作戦でネームレスによって作戦が阻止され、リディア共々戦死を遂げた。前述の通りクルトによって反乱罪の事実を隠蔽された上で密かに弔われる。 彼自身に「同胞殺し」を犯させようと目論んだ張本人であるアイスラーと間接的に共闘する部隊にその後身を置き、アイスラーの目的に合致した「ネームレス抹殺」を彼自身を事ある事に痛めつけてきたガリア正規軍との共同作戦により執拗に実施し、帝国軍人を同胞とは思えず撤退に失敗した帝国軍部隊を見殺しにした事実を離反後も彼を慕うネームレス隊員たちに目撃され、因縁の相手である筈のアイスラーを口封じで殺害するため、ランドグリーズに住まうダルクス人の同胞や自らの命と引き替えにしてまで成そうと目論み、理想家であるダハウの手を汚させまいとして敢えて買って出た汚れ役をグスルグ自身とそれに協力したリディアの戦死が引き金となることで「大罪人」に堕ちる苦渋の決断をダハウにさせてしまう結果になるなどと悉く裏目に出ている。 DLC「空」では、姉(声 - 鈴木麻里子)が登場し、グスルグは名誉の戦死ではなく、帝国のダルクス人部隊(カラミティ・レーヴェン)に所属し、ガリア公国に対する反逆者として死んだのでここに来た人間として名を残すべきではないとイムカに止められた。クルト、リエラ、イムカと対面し、離反後にグスルグが家族に宛てて、手紙を送っていたことを明らかにした。その内容はクルトと出会い、運命に感謝した事、ガリア軍と決別することを決意できたのもクルトのおかげである事、理想を実現したら必ず家族の下へ帰るというものであった。この手紙と姉の「弟のことを覚えていて欲しい」という言葉によって、クルトはグスルグのことを一生忘れないと誓い、空を仰ぎ見、涙を流した。 リエラのエンディングでは故人となった彼に替わり、彼のナンバーが貼られた愛用の戦車が親友の晴れの舞台を祝った。 レイラ・ピエローニ (Leila Peron) 声 - 庄司宇芽香 「大陸の女王」を自称する、ホーマー・ピエローニの姉。20歳。No.23。 ドSの女王様で常に乗馬用の鞭を携帯し、男たちを「教育!」と制裁して歩いている。特に教育されやすいのは口数が多いお調子者のアルフォンス。この行動が必然的に隊内の風紀を取り締まることになったため、ネームレスの鬼軍曹と恐れられる。ただし女性隊員には優しく教育は行わない。面倒見の良さからアニカやエイミーからは尊敬されている。 小さい頃からおこなっていたホーマーへの躾がエスカレートして、世の中のダメ男を躾けることに悦びを感じている。それが祟り、若い女性隊員にセクハラを行っていた軍の中佐を教育してネームレスに送られた。ホーマーのことはかわいい弟として愛している が彼の人格形成に重大な影響を与えたのはホーマーの項目にある通り、紛れもない事実である。ただし劇中で弟の名は口にしない。 彼女は自分が女王になり男を全て従えれば戦争は無くなって世の中が平和になると本気で考えており、敵軍である帝国軍を前に演説をぶって唖然とさせている。大陸中のダメ男達(マクシミリアンも含む)を教育したいと思っている。ただその考えの根底は性根の優しさから来ており、悲しみしか生まない戦争を嫌ってなんとかしたいという願いが彼女なりの形となったもの。 解散後は、世界平和のためにと、ダメ男を教育する旅へと旅立った。その際、職業を調教師と自称している。 アルフォンスと共に 『戦場のヴァルキュリア3』の公式サイトの「陣中日誌」 のMCを務める。 アルフォンス・オークレール (Alfons Auclair) 声 - 松本考平 No.11。「ガリアの隼」を自称する丸顔肥満体型の隊員。23歳。 顔や体型と、キザでダンディな言動行動が一致しない人物。「話さなければ格好良いのに」と言われることが多い世のイケメン男性に対し、それとは逆で「話せば話すほど格好良い男にみえる」と仲間たちからみられており、特にアニカからは心酔されている。明るく気配り屋でネームレスのムードメーカーだが前述通りお調子者。根っからのフェミニストで女性に対しては相手がエイミーのような子供や、グロリアのような老婆でも差別せず紳士的に振る舞うが、モテることはない。元は探偵だったため情報収集が趣味で偵察兵・スパイとして優秀な働きをしている。422部隊が神出鬼没でガリア軍最速部隊を誇るのも彼がもたらす正確な情報の賜物である。 貴族出身だったが、陰謀渦巻く貴族社会を嫌い、家を捨てて探偵稼業を始めた。開戦後、義勇軍に入隊していたが、趣味が高じ過ぎて個人情報の不正取得で捕まり、ネームレスに送られた。 やや斜に構えているが正義感が強く、悪徳貴族や役人の不正を見逃せない。ネームレス送りになった理由もその辺りの事情が関係しているらしい。帝国に情報を売っていた売国奴の悪徳貴族に友人を殺されたことがあり、その復讐のため彼の事をずっと調べ続け、最終的に監獄送りにした。 レイラに対してジュリオら隊の男性陣が制裁を恐れて避ける中、半ば彼女をわざと「女王様」に振る舞わせる恐れ知らずの言動をとり続けるため、彼女の実弟ホーマー同様の“なにか”に目覚めてしまいそうなほどに教育を受けまくっている。教育され過ぎて途中で失神してしまうほど。 解散後は探偵業に戻った模様。断章『NAMELESS、再集合』では、クルトとリエラの結婚式にセドリック以外の全員に連絡をして招待していた。 セルジュ・リーベルト (Serge Liebert) 声 - 河本啓佑 病弱で影が薄い隊員。年中咳をしている。18歳。No.45。 正規軍兵士だったが、不治の病で余命幾許もないことが判明したため軍を除隊させられた。しかしどうせ死ぬのであればせめて軍人として名誉ある戦死を遂げたいと考えて自分から志願してネームレスへとやってきた。 死に場所を求めるかのような無茶な行動が目立ったが、ある作戦で命令違反を犯して自らを危険に晒したことをクルトに激怒され、「自分の隊に居る限り名誉の戦死など許さない。今度命令違反で自ら命を投げ出すような真似をしたら即刻除隊させて病院に強制入院させる」と宣言され、クルトからセルジュ自身が考えている以上の信頼を置かれていると理解し一筋の希望を貰ったと改心。考えを変え、残りの命を精一杯生きる事を決意する。公私共にクルトを慕うようになるが、前述の通り「精霊節」では可哀想な目に遭っている。無愛想で極度の無口により隊内で孤立しているシンとは共感するところがあって親しくなり、シンの宥め役も買って出るようにもなる。 解散後は、クルトの命令を守り続け、高原の羊飼いの元で余生を過ごしている。 ダイト (Deit) 声 - 橋詰知久 悲観主義的で周囲に心を閉ざすダルクス人隊員。27歳。No.56。 唯一の肉親である妹ダイナを守るため義勇軍に志願して入隊した。しかし長身で目立つことからダルクス人差別の対象になりやすく、いわれない暴力や理不尽な扱いを受け続け軍規違反をでっち上げられてネームレス送りにされた。罪もなくネームレス送りにされたことに失望し、揃いも揃って訳あり他の隊員と関わりを持ちたがらず、同胞のグスルグだけは信頼していたが、グスルグが離脱すると隊内で完全に孤立した存在になってしまう。 一度は軍務に嫌気がさし、故郷近くでの作戦中に正規軍の緩い監視をかいくぐり脱走してダイナの元へ向かおうとしたが、それ以前から様子がおかしいことに気づいて止めようと同行したエイミーが逃亡罪を告発せず、更には『奇襲攻撃』という隊務をでっちあげて成功させたクルトの尽力により罪を逃れる。作戦後にクルトからダイナが戦火に巻き込まれて亡くなったと聞かされる。一時は自暴自棄に陥り、死地を求めようと必要以上に軍務に身を入れ、心身共にボロボロの状態に陥る。しかし、またしてもエイミーに気づかれた上で「貴方が死んだら私が泣きます」と励まされて自分を取り戻した。エイミーの口調がダイナに似ていることから本名を彼女にだけ明かし、それ以降は彼女には頭が上がらなくなり、照れ屋なだけで根は心優しい人物だと見抜かれている。 認めた相手には名前を名乗るのがネームレスの流儀だが、彼はエイミー以外には誰にも名乗っていない。エンディングでも他の隊員たちが解散に際して本名を名乗っているが彼だけはNo.56を自称している。 解散後は、得意だった針金細工で収入を得ながら各国を放浪し、そこに住む同胞達の元を訪れている。同胞達に触れ合っているうちに、自身のルーツを知りたいと思い始め、断章『NAMELESS、再集合』でヴァレリーにダルクス人の歴史研究の協力を懇願する。 ヴァレリー・エインズレイ (Valerie Aynsley) 声 - 佐々木愛 No.12。28歳。眼鏡に赤毛のボブカットという隊きっての才媛。作戦立案時には作戦参謀役としてクルトからも信頼を寄せられる。ただ、戦場でも旺盛な好奇心が災いして軍務がそっちのけになる悪い癖がある。元大学助教授という歴史学者だったが、ランドグリーズ城の蔵書庫に無断侵入して捕まり、ネームレス送りとなった。本人は自らを「政治犯」だと主張しているのだが、後にネームレス送りの経緯を聞いた隊員たちから単に「非常識な不法侵入犯」だと呆れられている。それ以前から遺跡への無断侵入などが多かったという。研究のためには手段を選ばない上に、夢中になると周りが見えなくなる。幸いにして最終戦でもヴァルキュリア人の古代遺跡と超兵器「ヴァルキュリアの鉄槌」に夢中になった彼女が弾道計算を誤るような事が起きなかったため最悪の事態には陥らずに済んだ。 ヴァルキュリア人について調べる事で「ダルクスの災厄」の真実を解き明かせるのではないかと考え、真相を明らかにすることが迫害され続けるダルクス人の地位向上にもなると考えているが、ダイトことNo.56からは迫害されているのは「ダルクスの災厄」が原因ではなく、差別対象への優越意識を持ちたい者たちの歪んだ意識にあると断じられている。ランドグリーズ家の書庫に侵入したのもダルクス人遺跡の調査でランドグリーズ家とダルクス人の関わりを確信し、その仮説を立証するためだった。砂漠遺跡調査の提案はクルトに即刻却下されたが、それを調査していた帝国軍の遺物についての調査は許され満足している。 彼女が長年抱き続けた仮説は、再びネームレスとなり国籍を棄てて帝国領内に侵入する間にコーデリア姫自身が自らダルクス人の末裔であることを国民に公表したことで正しかったことが立証されたが、ガリア国民の一人としてヴァレリーが耳にする機会は永遠に失われた。 解散後は、今まで築いていた歴史学者としてのキャリアと研究を失うが、親交のある他国の研究者を頼り、一から歴史学者を出直している。 フェリクス・カウリー (Felix Cowley) 声 - 松原大典 No.21。21歳。元々は正規軍に所属していたが、上官への具申が過ぎて疎まれネームレス送りとなった。 仲間思いの性格だが、過剰なまでに仲間を心配するため、周囲からは暑苦しい奴と鬱陶しがられている。とりわけウェットな関係を嫌うジゼルからは辛辣な表現で嫌われている。仲間を過剰に心配するのは過去に家族を全て失った経験からで、仲間達は自分にとって家族同然だと考えているため。 最大限の戦果を求めるクルトに対して仲間を危険に晒すなとしばしば対立した。しかしクルトの元で戦う内に、クルトの指揮能力を認め、クルトも彼の思いを汲むようになっていった。グスルグ離脱後は隊の士気を高めるリーダー補佐役として手腕を発揮する。 女性の気持ちを察するのが苦手で、いつも余計な一言をポロっと漏らすため全く女性にモテない。支援兵として平時も熱意を燃やすクラリッサの身を案じて彼女を休ませるように取り計らい、彼女が軽蔑されると頑なに口にしなかったネームレス送りの経緯を聞き出すなどしていい雰囲気になりかけたが、偶然にも戦場で負傷兵となっていた帝国軍人の恋人を発見し、自ら身を退くような形で二人の間を取り持った。役得として彼の胸の中でクラリッサが号泣した。 解散後は、傭兵となり帝国軍と戦い続けている。そこで高い信頼を得ているが、相変わらず女性にモテない。 ジュリオ・ロッソ (Giulio Rosso) 声 - 会一太郎 No.32。「料理は人を幸せにする」がモットーの生粋の料理人。マルギット分隊隊員。30歳。料理を通じて人は分かりあえるという考えを持っており、そのためなら労を惜しまない。ガリア義勇軍に所属していたが、軍の備蓄食料の無断使用が原因でネームレス送りになった。 料理人としてのスタンスは、創作料理を得意とするクルトに対して伝統の調理法を重視する傾向にある。 両親を亡くして貧しかった頃に一人のシェフのスープによって救われて料理人になることを決心し、様々な味を知ろうとガリア各地を旅して料理の修行するようになったという設定。ダルクス人のみが知る食材「コハクダケ」とその調理法も習得している。ダルクス人を蔑視して何も理解しようとしないガリア正規軍の兵士達に対し、あえてダルクス料理を振舞うことでその目を覚まさせたこともある。 ネームレスの中では一番の常識人であり、ツッコミ担当のような存在になっている。缶詰は兵站を担うカリサへの取引に出されているが、それでも私用のロッカーは不味い缶詰で埋まっているという。不味いモノを食わされるのは人間にとって不幸せというポリシーを持つが、それすら食べられない人間も世の中には存在するとカリサから真っ向否定される。 解散後は、流浪の料理人として各国を渡り歩き、味の探求に励んでいる。 アニカ・オルコット (Annika Alcott) 声 - 丸山未沙希 貪欲に強さを追い求め続ける少女。17歳。No.24。 町で絡んできたチンピラを手酷く撃退したとして、過剰防衛の罪でネームレス送りになった。明るく元気溌剌で、正義感に溢れている。常に自己の強さを高める事を考えて鍛錬を欠かさない。考えるより体を動かすほうが得意で、難しい話や計算が苦手。 10年前に自分を助けてくれた軍人が野菜好きだった影響で自分も野菜好きになり、いつか憧れの恩人に認めてもらうために強さを求め続けていた。しばし「野菜万歳!」という恩人に纏わる台詞を口にする。DLCにより「恩人」本人との共闘も可能。 しかし正しい強さというものをちゃんと理解できていなかったため、身につけた腕っ節の強さはただの暴力と化しつつあり、道を踏み外しかけていた。その間違いをグロリアに指摘され、心の強さも兼ね備えた「本当の強さ」を目指して心身を鍛え直す決意をした。自己鍛錬に熱心なイムカにも挑みかかるなどしたが、結果的には彼女に自分の存在を認めさせている。 解散後は、世界を巡る武者修行へと旅立った。その後もグロリアに修行の成果を知らせる手紙を送っている。 エイミー・アップル (Amy Apple) 声 - 津田美波 しっかり者で世話焼きが過ぎてややお節介な少女。15歳でネームレス最年少の隊員。No.15。 父は売れない画家で父に仕送りをするために義勇軍に志願した。義勇軍よりも給料が良い部隊だと騙されてネームレスに志願した。経緯はともかくとして真面目に軍務をこなして仕送りと父親への手紙は欠かしていない。そんなけなげな様子をグロリアからは「駄目な大人に関わってしまった不幸な子供」として「いずれ駄目な男に捕まる」とその将来を案じられてもいる。まっすぐな性格で歳のわりにしっかりしており、仲間たちからは妹のように可愛がられている。 敬虔なユグド教徒であり、ボルジア枢機卿を尊敬していた。 背が低く、実際の年齢よりも子供扱いされる事が多い。そのため身長を1cmサバを読んで150cmだと主張している。その体格ゆえに敵の銃弾から当たりにくく、「前線を単独で駆け回る兵種」に向いていながら寂しがり屋でひとりぼっちだと落ち込むという矛盾した個性をもっている。また、エイミーが隊にいるためなのか、「なんで子供がいるんだ」という通信ボイスがランダムで発生する。 過酷な戦いを続けている娘からの手紙に父親からの返事はないが、父親を理解して信じるエイミーは父を批判されると反発する。そんな父親にどことなく似ている雰囲気を持つダイトの事を部隊内の誰よりも気にかけており、脱走しようとする彼を止めたこともある。妹ダイナが死んでから荒れるダイトを支える中で、次第に心を通わせるようになっていった。彼の弱みを握ってダイトをしっかり尻に敷いている。 解散後は、ダイトに付いて行こうとしたが置いてかれてしまい、仕方なくグロリアのコネで下宿の管理人の仕事をしている。 グロリア・ダレル (Gloria Durrell) 声 - 池田千草 No.3。ネームレスの最年長者。マルギット分隊隊員。62歳。多くの犯罪歴を持ち、重量級の兵器も軽く扱うワイルドな老女。腕力体力健脚は達者で孫にも相当する若い隊員たちにも負けていないが腰だけは年齢相応の深刻な持病を抱え持つ。 裏社会の顔役で、彼女の声一つで動く裏組織はいくつもある。武器の密輸入容疑で逮捕されてから彼女自身の希望でずっとネームレスにいる。ネームレスには2年間在籍しており、イムカに次ぐ古株。面倒見がよく、最年長者として若い隊員達から相談を受ける事も多い。 本職は娼館の女将であり、リエラやエイミーにも仕事を紹介しようとしたことがある。 昔から裏社会で生きて来ており、政治家や貴族達の後ろ暗い出来事の尻拭いもしてきたため、彼らの本当の姿を良く知っている。そのため宰相ボルグが売国奴である事、自分の保身のためだけに連邦と通じて暗躍している事を誰よりも良く理解していた。裏社会で生きる者ではあるが、彼女なりの正義感というものがあり、祖国ガリアを想う気持ちは他の者にも負けていない。「犯罪王」セドリックの過去の所行の数々を本人と彼を追い回してきた元刑事のエイダに次いで精通しており、セドリックの真意については図りかねている。また、過去はフレデリカのように女の色香を使い数々の悪事を働いてきたと自身の口から語られており、同類だとみなされた彼女から帝国の皇太子マクシミリアンの出生に纏わる秘密など、裏設定に相当する重大な事実を明かされてもいる。 解散後は、裏社会へと戻って行く。そこで表社会から流れてくる若者達にエイミーやアニカのことを語って人の道を説いている。 アントニオ・ホセ・ロドリゲス (Antonio Jose Rodriguez) 声 - 岸野幸正 No.100。訓練場で教官として部隊の訓練を行う。48歳。実戦は全く駄目だが、指導訓練の腕は確かでそこを評価されている。ネームレスに送られた理由は不明。またネームレスでありながら戦闘に参加しなくてよいという謎の多い人物。 実戦に出ていないにもかかわらず造反部隊の一員にされ抹殺されかけたことに激怒し、ネームレスと運命を共にする覚悟を決めた。 容姿はカレルヴォ・ロドリゲスと酷似しているが、彼との関係は不明。 解散後は、妻子を呼び寄せてカリサのコネで某国の武器商で検品係の職を得る。
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