旺盛な好奇心とは? わかりやすく解説

旺盛な好奇心

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:06 UTC 版)

大岡昇平」の記事における「旺盛な好奇心」の解説

今日では『俘虜記』『レイテ戦記』といった戦争ものが最もよく知られるが、創作バックボーンであった仏文学とどまらず幅広い分野強い関心抱き続け文壇代表するディレッタントだった。手がけた作品ジャンル多様である。 推理小説愛読者でもあり、1950年代には海外推理小説赤毛のレッドメーン』(イーデン・フィルポッツ作)や『すねた娘』(E・S・ガードナー作)を翻訳、自らも推理小説執筆してとりわけ若草物語』の題で連載し、後に『事件』改題した作品日本推理作家協会賞受賞し映画テレビドラマになるなど、高い評価受けている。 『武蔵野夫人』は『ボヴァリー夫人』に倣って書いた姦通小説で、ベストセラーとなったが、1980年代ポルノ小説にこの題が使われたため抗議したまた、河上徹太郎小林秀雄らの愛人で、白洲正子友人だった坂本睦子8年あまり自らも愛人とし、妻の自殺未遂騒ぎ何度経たのちに睦子別れたが、その翌年睦子自殺その後、彼女をモデルに『花影』を書き新潮社文学賞毎日出版文化賞受賞した。しかし高見順は、肝心大岡自身苦悩描かれていない批判白洲正子睦子描かれていない大岡死後批判している。この小説睦子救えなかった青山二郎指弾するものではないかという解釈があるが、大岡自身は、限定版花影』のあとがきにおいて「ヒロインはその生れ性情の自然の結果として自殺するのですが、そのきっかけは、彼女の保護者で、父代わりである高島黄瀬戸の盃を二重売りして、彼女を裏切ったためでした。(中略)あとは私が作った物語ですが、もし高島モデルがあるなら、私の想像その人を傷つけることになるでしょう」と述べているだけで、大岡自身青山二郎指弾する目的書いた言及しているわけではない後述のように歴史小説巡って多く論争引き起こしたが、自身でも『将門記』『天誅組』などの歴史小説書いた。これらは、事実に対して強いこだわり持っていた大岡らしく、小説というより史伝に近いものであるまた、若い頃から演劇にも関心示し続け舞台赤と黒」の台本書いたりした。しかしこの際演出菊田一夫対立し初演愛知での「レイテ同生会」への出席理由欠席した。また後年仲代達矢演じる「ハムレット」には、「未熟」との厳し評価下している。 好奇心対象芸術の外にも及び、50歳を過ぎて本格的に始めたゴルフにのめりこんだ挙句、『アマチュアゴルフ』なるゴルフ指南書出版したほどである。なお、腕前ハンディ22囲碁についても趣味としており、アマチュア有段者腕前で、昭和30年代文壇本因坊戦参加していた。 旺盛な好奇心は晩年になって変わらず1980年昭和55年)から『文学界』に約5年間『成城だより』を、二回の中断をはさみ連載この中では、記号論不完全性定理、さらに漫画萩尾望都高野文子、「じゃりン子チエ」など)、ロック村八分ザ・クラッシュジミ・ヘンドリックスドアーズなど)、ポップス中島みゆきアバなど。当人は「残念ながら音楽洋楽種の方がいいようなり」と述べている)、映画フィリピンロケ地とした地獄の黙示録など)などに言及した。これらのセレクトには、長男の貞一の影響大きい。またYMO坂本龍一自分担当編集者であった坂本一亀息子であることを知り、「『げっ』と驚くのはこっちなり」とも述べるまでの若々しい関心を示す様が、カリスマ的人気呼んだ

※この「旺盛な好奇心」の解説は、「大岡昇平」の解説の一部です。
「旺盛な好奇心」を含む「大岡昇平」の記事については、「大岡昇平」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「旺盛な好奇心」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「旺盛な好奇心」の関連用語

旺盛な好奇心のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



旺盛な好奇心のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの大岡昇平 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS