俘虜記とは? わかりやすく解説

ふりょき【俘虜記】

読み方:ふりょき

大岡昇平小説太平洋戦争中ミンドロ島米軍捕虜となった経験をもとに書かれたもの。昭和23年1948発表短編小説にはじまる数点の連作をまとめ、昭和27年1952)に「合本俘虜記」として刊行第1回横光利一賞を受賞


俘虜記

作者大岡昇平

収載図書昭和文学全集 第16巻
出版社小学館
刊行年月1987.3

収載図書大岡昇平全集 2
出版社筑摩書房
刊行年月1994.10

収載図書小説 1
出版社文英堂
刊行年月1995.3
シリーズ名近代名作

収載図書高校生におくる近代名作館 3 小説1を読んでませんか 新装版
出版社文英堂
刊行年月1998.9

収載図書証言としての文学 新装版
出版社學藝書林
刊行年月2004.4
シリーズ名全集 現代文学発見


俘虜記

読み方:フリョキ(furyoki)

作者 大岡昇平

初出 昭和27年

ジャンル 小説


俘虜記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/13 02:37 UTC 版)

俘虜記』(ふりょき)は大岡昇平が発表した連作小説。

概要

1948年創元社で刊行された。あとがきには「俘虜収容所の事実を藉りて、占領下の社会を諷刺するのが、意図であった。5年にわたって書き継いだ為、その間情勢と私の考えに変化があり、一本調子ではない」とある。内容は大きく二つに分かれ、前半が俘虜になる前、後半が俘虜となった後の生活を描いたもの。成城高校時代のかつての家庭教師小林秀雄に「何でもいいから書きなせえ、書きなせえ。あんたの魂の事を書くんだよ。描写するんじゃねぇぞ。」と、勧められて書き始めた作品。米兵について言及した箇所があるため、敗戦1年後ではすぐに発表することが躊躇われ、1948年に「捉まるまで」の章を発表した。

戦争文学」とはいうものの、通常の戦争文学(戦場文学)とは異なる。

  1. 「米兵を何故撃たなかったか」という命題を明晰な文体で省察した点。
  2. 収容所という「社会」を悲痛に、ユーモラスに描いた点。特に、人間のエゴや堕落を洞察し、細かく分析して描写した点。

当時の評価

「捉まるまで」の章を発表した当時、懐疑的な批評もあったが、おおむね好評であり、特に小林秀雄は賞賛した。「パロの陽」まで4章を含めて刊行された『俘虜記』(刊行版では全13章)は翌1949年に第1回横光利一賞を受賞し、文壇での地位を固めた。

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