ミンドロ島とは? わかりやすく解説

ミンドロ‐とう〔‐タウ〕【ミンドロ島】


ミンドロ島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/29 08:31 UTC 版)

ミンドロ島(朱記)の位置

ミンドロ島(ミンドロとう、Mindoro)はフィリピンで7番目に大きなであり、面積は9,735 km2

地理

ミンドロ島の海岸

ルソン島とはベルデ島水路をはさみ南西に位置し、パラワン島とはミンドロ海峡をはさみ北東に、パナイ島とはセミララ諸島をはさんで北西に位置し、西は南シナ海、東に内海・シブヤン海がある。

歴史

古代中国の商人にはマイ英語版(Ma-IまたはMait、摩逸)と呼ばれていた。スペイン人にはミナ・デ・オーロ( Mina de Oro、意味は鉱)と呼ばれ、これが現在の名前のもとになった。

太平洋戦争中は日本軍が占領していたが、1944年12月15日アメリカ軍はルソン島奪回の足がかりにミンドロ島へ上陸を敢行、島は戦場と化した。海軍は上陸した米軍に打撃を与えるべく礼号作戦を実施、マンガリン湾に7隻の挺身部隊を突入させ米軍に被害を与え離脱した。これは太平洋戦争における日本軍最後の勝利となったが、戦況に大きな影響はなく、ミンドロ島の日本軍は山岳部に敗走し、飢餓と疫病、地元ゲリラとの戦闘で多くが死亡した。大岡昇平はミンドロ島で捕虜となり後にこの島を舞台とした数々の戦記小説を書いているほか、1956年になってもミンドロ島からは4人の残留日本兵が帰国している。

2022年中華人民共和国が打ち上げた宇宙ステーション運搬ロケット長征5号B の残骸(約100 kg)が島の沖合に落下。漁業者により発見されている[1]

行政区分

以前(1921年から1950年)は全島がひとつの州であった。現在はオクシデンタル・ミンドロ州オリエンタル・ミンドロ州の二つの州に分けられている。二つの州を分けているのは、標高2,500 mを超える山脈であり、島は全体に山がちであり特に西部のオクシデンタル・ミンドロの交通は不便である。島の北西沖にはカラヴィテ水路をはさんでルバング島など幾つかの島からなるルバング諸島が点在する。

経済

ミンドロ島の経済の多くは農業に依存している。米・トウモロコシなどの穀物栽培、シトラスバナナランサランブータンなど非常に多い種類の果物栽培、ココナツを中心にサトウキビピーナツなどのプランテーションなどである。また養魚場(ナマズサバヒーティラピア)、牧畜家禽などの育成もある。林業や、大理石の採掘も盛んである。

観光業も利益の大きな産業であり、アポ・リーフ国立公園、ルバング島、東海岸のビーチリゾートプエルト・ガレラ、サバン・ビーチ、ハルコン山などが観光地である。

住民

住民

en:Tagalog people。中央山岳部には八部族からなる少数民族マンギャン族英語版(Mangyan、またはマンニャンマンヤン)が住んでいる。

言語

主な言語はタガログ語であるが、ミンドロ島のタガログ語は、南に隣接するビサヤ諸島の諸語(ビサヤ語)や、中央山岳部に住む八部族からなる少数民族マンニャン族英語版の言語の影響が大きい方言である。フィリピン語タグリッシュ英語の混ざったマニラ首都圏のタガログ語)など共通語や都会語はプエルト・ガレラやカラパン市周囲で話されている。ビサヤ語やマンニャン諸語も話者が多い。ほか、ルソン島北部のイロカノ語や、いくつかの外国語(英語福建語、わずかにスペイン語)も話す人がいる。

宗教

主要な宗教はキリスト教ローマ・カトリック)である。しかし先住民であるマンニャン諸族の宗教は主にアニミズムである。

交通

その他

ミンドロ島は、カラバオ(Carabao)と呼ばれる水牛と並んでフィリピンの国民的シンボルとなっている動物の一つ、小型水牛タマラウ」のふるさとである。トヨタ自動車もフィリピンで販売するバンに「タマラウ」と名づけ、タクシー用などに好評を博していたほどである。タマラウはミンドロ島の固有種であり、水牛同様ウシ亜科に属するが絶滅の危機にある。

脚注

  1. ^ 中国ロケット残骸を公開 重さ100キロ、比ミンドロ島沖で発見”. 産経新聞 (2022年8月3日). 2022年8月8日閲覧。

外部リンク


ミンドロ島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 03:36 UTC 版)

マニラ・ベイ (護衛空母)」の記事における「ミンドロ島」の解説

マニラ・ベイマヌス島での整備が終わると、11月後半にはコッソル水道進出12月10日マニラ・ベイミンドロ島の戦いに向かう輸送船団援護する艦隊加わってコッソル水道出撃艦隊12月13日にはミンダナオ海通過午後遅くネグロス島南方スールー海入った頃、艦隊神風特別攻撃隊攻撃受けた上空戦闘機大多数神風撃墜したが、戦闘機をかいくぐった神風のうちの1機はマニラ・ベイ対空砲火撃墜され、他の1機は駆逐艦ハラデン (USS Haraden, DD-585) に命中した12月15日ミンドロ島上陸後、マニラ・ベイ航空機これまでのように地上部隊支援空中哨戒任じた上陸阻止しようと、神風空母群を狙って突入してきた。多く戦闘機撃墜されわずかに残った神風対空砲火で蹴散らされた。マニラ・ベイ対空砲火で3機を撃墜し別に戦闘機が2機撃墜した12月16日、マニラ・ベイミンドロ島の戦いでの任務終え輸送船団とともにスリガオ海峡を東に通過して12月19日コッソル水道帰投した。 マヌス島下がったマニラ・ベイは、1945年1月1日ルソン島の戦いに向かう艦隊加わり、他の護衛空母5隻とともにオルデンドルフ中将率い火力支援部隊のと、ダニエル・E・バーベイ(英語版中将のサンファビアン(英語版攻略部隊対す空中援護任務就いた

※この「ミンドロ島」の解説は、「マニラ・ベイ (護衛空母)」の解説の一部です。
「ミンドロ島」を含む「マニラ・ベイ (護衛空母)」の記事については、「マニラ・ベイ (護衛空母)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ミンドロ島」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ミンドロ島」の関連用語

1
麻逸 デジタル大辞泉
76% |||||

2
タガログ族 デジタル大辞泉
70% |||||


4
シブヤン海 デジタル大辞泉
52% |||||

5
プエルト‐ガレラ デジタル大辞泉
52% |||||



8
アニラオ デジタル大辞泉
36% |||||

9
俘虜記 デジタル大辞泉
36% |||||


ミンドロ島のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ミンドロ島のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのミンドロ島 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのマニラ・ベイ (護衛空母) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS