まる‐なげ【丸投げ】
丸投げ(まるなげ)
道路工事や施設の建設といった仕事を請け負いながら、自分では何もせず、他の業者に発注すること。建設業法で禁止されている。一括下請け(いっかつ・したうけ)ともいう。
工事を丸投げした建設業者は、下請け業者から手数料をピンハネする形で利益を得る。下請け業者は、入札資格がなかったり、随意契約が取れなかったりする小規模なところが多いので、丸投げされた工事を喜んで引き受ける面がある。丸投げによって、両者とも得をする仕組みになっているわけだ。
しかし、競争入札によって落札した工事については、ピンハネした元請け業者の利益は、もとをたどれば国民や住民の税金から出たもの。工事価格が不当につり上げられるだけでなく、適正水準を下回る価格で受けた下請け業者によって、工事が手抜きになってしまう心配もある。
もし、工事を下請けに出すとしたら、現場に管理技術者を派遣して、工事全般の統括をさせなければならない。建設現場では、形だけの管理技術者を置いて、行政の監視から逃れている実態もあるという。
▲関連キーワード「競争入札」
▲関連キーワード「安値落札」
▲関連キーワード「入札妨害」
(2002.02.20更新)
まるなげ 丸投げ
丸投げ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/22 07:19 UTC 版)
丸投げ(まるなげ)とは、土木建設業界で、発注者から仕事を請け負った元受けが、下請から手数料などを取って仕事をそっくり譲ること[1]。あるいは、本来なら担当すべき業務をそっくり他人に任せること[2]。
概要
OEMに代表されるように一括請負契約は契約の常態化している形態の一つであり、いわゆる丸投げそのものが違法・不法な契約形態と認識されているわけではない。たとえば商社は多くは企画営業に特化しており、商品の製造や流通は外部の資本関係のない企業に「丸投げ」することが固定化している。この契約が違法とされることはない(アウトソーシング)。
建設業界は戦前からの業界の発展の経緯から、この慣習に乗じて支配的な立場にある大手の建設業者(大手ゼネコン)がマージンを稼ぐため、立場の弱い下請業者に「丸投げ」を常用してきた経緯があり、一括下請負は建設業法制定の当初から原則禁止されている。建設業と丸投げの問題は戦後すぐの第二回衆議院予算委員会[3]ですでに取上げられており、独占禁止法との関係(優越的な地位の乱用)から議論が深められ1949年(昭和24年)の立法に反映されることとなった。この議論は職業安定法における間接雇用(いわゆる派遣)の禁止とともに労働者の権利保護の観点を含んでいた[4]。
実際に業務を行う企業が自ら顧客を集められるのであれば、バックマージンを取られる丸投げを受注する必要はない。しかし、受託側の企業等は、自ら業務を受注してくる営業能力が不足していることが多く、また、商慣行上必ず「丸投げ」を受けないと受注できない仕組みになっていることが問題視されることもある。
ソフトウェア業界では多重下請や丸投げの問題が指摘されており、公正取引委員会は令和4年6月に実態調査報告書を公表し、立ち入り検査の強化や取引改善を後押しする方針を示した[5][6]。
丸投げの問題点
- 優越的地位の濫用
- 公益法人を経由することによる天下りや脱税の発生
- 丸投げ(スルー取引)による売上高粉飾の余地の発生(循環取引)
- 談合の温床として利用されがちである
- 品質問題・・・構造計算書偽造問題以降、いわゆるデベロッパーとコンストラクターとの不適切な関係が注目され、建設業法の一部が改正された[7]。
- 正社員より立場の弱い非正規雇用の労働者(アルバイト・パート)や、請負社員への責任の転嫁
- 業務の丸投げにより、委託者が不当に責任を逃れることがある
脚注
- ^ 小学館デジタル大辞泉「丸投げ」用例1[1]
- ^ 小学館デジタル大辞泉「丸投げ」用例2[2]
- ^ 昭和23年06月17日田中松月
- ^ 第2回衆議院決算委員会20号昭和23年06月24日竹谷源太郎
- ^ 共同通信「システム開発で6次の下請けも 公取委調査、是正を提言」(2022.6.29)[3]
- ^ 公正取引員会「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」(令和4年6月)
- ^ 「構造計算書偽装問題に対応した建築基準法等の一部改正について」キカンシネット[4]
文献情報
- 「建設工事における一括下請負(丸投げ)の禁止について」栃木県鹿沼市による行政資料[5]
関連項目
- 下請代金支払遅延等防止法(下請法)
- 企業倫理
- ピンハネ
- 中間搾取
- 自動車産業
- ゼネコン - ITゼネコン
- 企業コンプライアンス
- 番組制作会社
丸投げ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 17:44 UTC 版)
同トンネルの工事に際し、一般競争入札の結果17億円で落札した堀田建設(本社・八幡浜市)は発注者である愛媛県に変更届を出さないまま西田興産(本社・大洲市)に14億円で「丸投げ」、西田興産はさらに若築建設に11億円で丸投げした。談合をはじめとする入札の形骸化、公共事業のずさんな執行ぶりや元請-下請け-孫請けの関係が明るみに出た。公共工事に関する3億円ものサヤ抜きであり、世間の耳目を集めた。なお、下請けの西田興産は西田司代議士(元自治大臣)が実質的なオーナーの地場有力建設会社である。 この結果、入札方法の改善や一定以上の下請の際の届出・承認制度など再発防止措置が強化されるなど、一定の意義はあった。 この項目は、道路に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:道路/プロジェクト:道の駅/Portal:道路)。
※この「丸投げ」の解説は、「須田トンネル」の解説の一部です。
「丸投げ」を含む「須田トンネル」の記事については、「須田トンネル」の概要を参照ください。
「丸投げ」の例文・使い方・用例・文例
- あの砲丸投げの選手は金メダルの最有力候補だ。
- 砲丸投げに使用する、重い金属の球からなるスポーツ用品
- 砲丸投げを競う運動選手
- 砲丸投げ用の金属製のたま
- 陸上競技で砲丸投げという種目
- 埼玉県富(ふ)士(じ)見(み)市にある家族経営の工場で,砲丸,つまり砲丸投げ選手に使用される金属球を作る。
- アトランタ,シドニーの両大会では,男子砲丸投げの金,銀,銅メダリストが辻谷さんの砲丸を使用した。
- 砲丸投げの選手には,一定の基準を満たした砲丸が供給されます。
- しかし,砲丸投げでは,異なる国々の,違った製造会社によって作られたいくつかの砲丸から,選手が自分の好きな砲丸を選びます。
- 丸投げのページへのリンク