入札妨害(にゅうさつぼうがい)
国や地方自治体が発注する工事の競争入札において、偽計または威力を使って入札価格の適正な形成を妨害する行為を指す。刑法に定められた犯罪のひとつ。
なるべく安く発注したい行政側と、できるだけ高い値段で受注して利益を上げたい業者側は、競争入札制度にある価格形成の市場原理を通じて、最終的には適正な価格で工事の契約ができると考えられる。
刑法は、行政の利益(すなわち納税者の利益)を保護する観点から、このような価格形成の適正化を妨害する行為を公務の執行を妨害する類の犯罪として処罰することを定めている。裁判所などの競売を妨害する犯罪行為と合わせた競売入札妨害罪は、2年以下の懲役または250万円以下の罰金だ。
入札に参加する複数の業者が事前に入札価格を打ち合わせて、本命業者をあらかじめ決めておく「談合」も処罰の対象となる。
茨城県石岡市における水道事業の入札妨害事件では、工事の受注業者に入札情報を漏らしたとして、東京地検特捜部は現職市長を含む関係者7人を逮捕した。市長の漏らした予定価格が落札業者を決める「天の声」だった疑いで捜査を進めている。
(2002.01.18更新)
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