茨城県
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 17:31 UTC 版)
忘れられた被災地
2011年(平成23年)3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災では、岩手・宮城・福島3県の被害が甚大だったが、茨城県が被った被害も大きく県内多くの地域で最大震度6強の揺れを観測した。さらに午後3時15分には、茨城県沖を震源とするM7.4の地震も発生し(鉾田市で震度6強)、県内の被害が拡大した。この結果、死者・行方不明者は66名、住宅の全半壊・一部破損は20万軒以上に上った[123]。また多くの市町村で、液状化現象も認められた。
県内の太平洋沿岸地域は大きな津波を受け、北茨城市の名勝である五浦六角堂が流されて消失した。東海村の日本原子力発電・東海第二原発も最大5.4メートルの津波に襲われた。しかし、6.1mの新防護壁が辛うじて全電源喪失を防ぎ冷温停止にこぎつけた[124]。
こうした甚大な被害を受けた被災県であるにもかかわらず、神栖市では3月14日に計画停電が実施された。当時の茨城県知事 橋本昌が、首相 及び 東京電力に対して強く抗議を申し入れたことで、翌日から計画停電エリアからはようやく除外されたが、茨城県は被災地として忘れられているのではないか、という想いが県民の間に広がった[125]。このため茨城県は、忘れられた被災地とも言われている[126][127]。
なお、これは茨城県のみならず、千葉県についても該当している。
文化・スポーツ
方言
茨城県は常陸国と下総国北西部によって形成され、歴史的には東関東方言地域に属する。県南地域の一部・県西地域の大部分は旧・下総国で、明治時代に千葉県より移管された経緯があるが、現在の茨城県内で使われる東関東方言を総称して茨城弁と呼ぶことがある。現在では、関東地方に多く見られる流れとして共通語化が進み、南部を中心に伝統的な方言が衰退し、主に首都圏方言が使われている[128]。また、東京都心からの距離の割に茨城弁が標準語とは大きく異なる方言であることから、近年では伝統的な方言を解さない住民も多い。
食文化
- 郷土料理
伝統工芸
- 伝統工芸品
スポーツ
- 鹿島アントラーズ(J1)(鹿嶋市・潮来市・神栖市・行方市・鉾田市)
- 水戸ホーリーホック(J2)(水戸市・日立市・ひたちなか市・那珂市・笠間市・小美玉市・常陸太田市・北茨城市・常陸大宮市・高萩市・茨城町・大洗町・城里町・大子町・東海村)
- 茨城ゴールデンゴールズ(稲敷市)
- 日本製鉄鹿島硬式野球部(鹿嶋市)
- 日立製作所硬式野球部(日立市)
- つくばユナイテッドSun GAIA(男子、つくば市)
- 日立リヴァーレ(女子、ひたちなか市)
- 常陸プロレス
観光
茨城県は、民間シンクタンクのブランド総合研究所の調査による全国47都道府県の魅力度ランキングで、2013年以来 7年連続で最下位となっている。当該調査は、アンケート回答者の多くが大都市に偏在しており、その回答内容もあくまでも個人の主観によるものであって、各種統計データなどの客観的な数値や指標に基づかない単なるイメージ調査に過ぎないとする向きはあるものの、この結果を受けて県庁は対策として、観光客誘致だけでなく県産品の拡販も兼ねてブランド向上に力を入れており、2018年度に「営業戦略部」を設立している。前後して、都内にあるアンテナショップを改装、公認バーチャルYouTuber「茨ひより」の展開などに取り組んでいる[129]。
一方で、当該ランキングを巡っては、2019年に、令和元年東日本台風(台風19号)による被災に追い打ちをかけるタイミングで魅力度調査 7年連続最下位という結果が判明した際、人的・物的被害が出た中で復旧復興に努める県民感情に鑑みて遺憾であり、調査結果についても県のイメージを著しく毀損するとして知事の大井川和彦が不快感を顕わにし[130]、調査会社側が謝罪する事態も生じている[131]。
旧跡・歴史施設など
- 偕楽園(水戸市)
- 弘道館(水戸市)
- 水戸市水道低区配水塔(水戸市)
- 六角堂(北茨城市)
- 石岡第一発電所施設(高萩市・北茨城市)
- 那珂湊反射炉跡(ひたちなか市)
- 西光院(石岡市)
- 小田城跡(つくば市)
- 土浦城跡(土浦市)
- 水戸城跡(水戸市)
- 常磐神社(水戸市)
- 笠間稲荷神社(笠間市)
- 鹿島神宮(鹿嶋市)
- 筑波山神社(つくば市)
- 西山荘(常陸太田市)
- 長勝寺(潮来市)
- 牛久大仏(牛久市)
- シャトーカミヤ旧醸造場施設(牛久市)
- 猿島坂東三十三観音霊場(境町)
- 板橋不動尊(つくばみらい市)
- 横利根閘門(稲敷市)
- 牛久成田山真浄寺(牛久市) - 不動明王を本尊とする。境内に「縁切り稲荷」がある。
自然景勝
- 五浦海岸(北茨城市)
- 霞ヶ浦(土浦市・かすみがうら市・潮来市・行方市・鉾田市・石岡市)
- 加波山(桜川市)
- 峰寺山(石岡市)
- 水郷(潮来市)
- 筑波山(つくば市・土浦市・桜川市・石岡市)
- 花園花貫県立自然公園(日立市・高萩市・北茨城市)
- 袋田の滝(大子町)
- 竜神峡(常陸太田市)
公園
- 赤塚公園(つくば市)
- 茨城県笠間芸術の森公園(笠間市)
- 茨城県県西総合公園(筑西市)
- 茨城県水郷県民の森(潮来市)
- 茨城県フラワーパーク・ふれあいの森(石岡市)
- 港公園(神栖市)
- 科学万博記念公園(つくば市)
- 国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)
- 常総運動公園(守谷市)
- 千波公園(水戸市)
- 涸沼自然公園(茨城町)
- 洞峰公園(つくば市)
- 日立市かみね公園(日立市)
- こもれび森のイバライド(稲敷市)
- 水郷潮来あやめ園(潮来市)
- 霞ヶ浦総合公園(土浦市)
博物館・美術館など
- 茨城県近代美術館(水戸市)
- 茨城県立図書館(水戸市)
- 茨城県立点字図書館(水戸市)
- 茨城県立歴史館(水戸市)
- 水戸芸術館(水戸市)
- アクアワールド・大洗(大洗町)
- 茨城県天心記念五浦美術館(北茨城市)
- 吉田正音楽記念館(日立市)
- 日立市郷土博物館(日立市)
- 日立シビックセンター科学館(日立市)
- カシマサッカーミュージアム(鹿嶋市)
- 霞ヶ浦ふれあいランド(行方市)
- 茨城県陶芸美術館(笠間市)
- 笠間日動美術館(笠間市)
- 板谷波山記念館(筑西市)
- しもだて美術館 [1](筑西市)
- 地図と測量の科学館(つくば市)
- つくばエキスポセンター(つくば市)
- 茨城県つくば美術館(つくば市)
- アーカススタジオ(守谷市)
- ミュージアムパーク茨城県自然博物館(坂東市)
ホール・コンベンション施設
- 日立シビックセンター(日立市)
- 茨城県立県民文化センター(水戸市)
- 水戸市民会館(水戸市)
- つくばカピオ(つくば市)
- つくば国際会議場(つくば市)
- つくば文化会館アルス(つくば市)
- ノバホール(つくば市)
- 土浦市民会館(土浦市)
- 鹿嶋勤労文化会館(鹿嶋市)
大型スポーツ施設
- 茨城県立カシマサッカースタジアム(鹿嶋市) - 鹿島アントラーズのホーム
- ケーズデンキスタジアム水戸(水戸市) - 水戸ホーリーホックのホーム
- 水戸市民球場
- ひたちなか市民球場
- 笠松運動公園(ひたちなか市・那珂市・東海村)
- ひたちなか市総合運動公園(ひたちなか市)
- 日立市民運動公園(日立市市民運動公園)(日立市)
- 筑波サーキット(下妻市)
- 取手競輪場(取手市)
- 日本中央競馬会 美浦トレーニングセンター(美浦村)
イベント
- 金砂神社磯出大祭礼(常陸太田市) - 72年に1回行われる。前回は2003年。次回は2075年の予定。
- 筑波山梅まつり(2月中旬〜3月下旬 つくば市)
- 水戸の梅まつり(2月中旬〜3月下旬 水戸市・偕楽園)
- 大洗春祭り 海楽フェスタ(3月中旬 大洗町)
- 古河桃まつり (3月下旬~4月上旬 古河市)
- 日立風流物(4月中旬 日立市)
- 笠間の陶炎祭(4月下旬〜5月上旬 笠間市)
- 水郷潮来あやめまつり(5月下旬〜6月下旬 潮来市・水郷潮来あやめ園)
- ひぬまあじさいまつり(6月中旬〜7月中旬 茨城町・涸沼自然公園)
- 小鶴祇園祭(7月中旬 茨城町)
- 下館祇園祭(7月下旬 筑西市) - 日本一の大神輿渡行
- うしくカッパまつり(7月下旬 牛久市)
- 土浦キララまつり(8月上旬 土浦市)
- 潮来祇園祭禮(8月上旬 潮来市)
- 水戸黄門まつり(8月上旬 水戸市)
- ROCK IN JAPAN FESTIVAL(8月上旬 ひたちなか市・国営ひたち海浜公園)
- まつりつくば(8月下旬 つくば市)
- 常陸國總社宮大祭(9月中旬 石岡市) - 関東三大祭の一つ
- 土浦全国花火競技大会(10月上旬 土浦市) - 日本三大花火大会の一つ
- 水戸まちなかフェスティバル(10月下旬 水戸市)
- 筑波山もみじ祭り(11月 つくば市)
- いばらきまつり(11月上旬 茨城町)
- 将門まつり(11月中旬 坂東市)
- 大洗あんこう祭(11月中旬 大洗町)
- やまがた宿芋煮会(11月下旬 常陸大宮市) - 関東一の芋煮会
- 大飯祭り(12月上旬 12月15日を超えない直前の日曜日 桜川市下泉地区)
- 悪態まつり(12月中旬 笠間市)
- 百段階段でひなまつり(3月3日又はその直前の土日 大子町)
注釈
- ^ ただし、「愛媛県」の「媛」は1990年の人名用漢字の前は旧字体であった。
- ^ 宮城県は「宮(みや)」に濁音が含まれていないため連濁により「城」が「ぎ」と濁り、茨城県は「茨(いばら)」には既に濁音が含まれているため連濁せず「城」が「き」となる、という差異が生じる。
- ^ 可住地面積は、県の面積から林野と湖沼の面積を差し引いたもの[6]。
- ^ 現在は国道461号が通過。
- ^ 「西浦」単独でも、北浦・外浪逆浦などを加えた総称でも、いずれの場合でも霞ヶ浦は琵琶湖に次いで日本で2番めに大きな湖である。
- ^ 実際の乗車時間については、途中駅での特急列車の待避などにより列車によって差異がある。また、当該乗車時間は、普通列車のみを利用し、途中で特急(ひたち・ときわ)に乗り継がない場合のものである。取手駅から東京駅へは、上野東京ライン直通列車利用での時間で、乗り換えなしで行った場合での計算である。普通列車と同じく運賃のみで乗車でき、途中の停車駅が少ない特別快速列車の場合は、取手駅から東京駅まで40分程度となる。
- ^ この時、県庁が茨城郡水戸に置かれたので、茨城県と命名された。
- ^ 当初は印旛郡佐倉に県庁を置く予定であったが、実際は加村の旧・葛飾県庁舎を県庁とした。
- ^ 水戸市の人口・つくば市(常住人口・世帯)
- ^ 日立市、ひたちなか市、古河市、土浦市、取手市
- ^ 東京都区部を一つの自治体とみなした場合。なおこの場合、1位は東京都(23区)、2位は京都府(京都市)である。
- ^ ラッキョウを軟白栽培したもので「エシャレット」は日本独自の商品名である。フランス料理などに使用される本物のエシャロットとは別物。
- ^ 大宮駅(埼玉県) - 小山駅(栃木県)間で猿島郡五霞町および古河市内を約10 kmに渡り通過する。中川浩一は1981年の「茨城県鉄道発達史」において、新幹線が茨城県にただ騒音のみをもたらすことを危惧していたが、状況はその後も変わっていない。
- ^ 県内では古河駅のみ。
- ^ a b 利根川の千葉・茨城県境から取手駅までの900 mのみ。
- ^ 2011年4月12日開始。当初は茨城県内のみ。2011年5月16日から翌年3月31日までは「radiko復興支援プロジェクト」として、期間限定で全国配信をしていた。
- ^ 『ちい散歩』→『若大将のゆうゆう散歩』→『じゅん散歩』
出典
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