小貝川とは? わかりやすく解説

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こかい‐がわ〔こかひがは〕【小貝川】


小貝川

人にやさしく生きもの息づく川辺
小貝川は、栃木県那須郡南那須村赤根山地に源を発し南下して五行川及び大谷川(おおやがわ)を合わせ茨城県水海道市地先流向南東変え茨城県北相馬郡利根町押付新田地先において、利根川合流する利根川の主要支川である。本川流路延長は112km、流域面積1,043km2で、その86%は平地である。

茨城県取手市と伊奈町の堺を流れる小貝川(新岡堰を望む)
茨城県取手市伊奈町の堺を流れる小貝川
新岡堰を望む)

河川概要
水系利根川水系
河川名小貝川
幹川流路延長112km
流域面積1,043km2
流域内人55万人
流域関係都県栃木県茨城県

小貝川流域図
○拡大図
1.小貝川の歴史
"小貝川には、中下流部に関東三大堰として有名な福岡堰、岡堰、豊田堰があり、約1万ha農地うるおしています。"

特有の歴史先人の知恵活用

流域図
流域
小貝川は、栃木県那須郡南那須町赤根山地に源を発し南下して五行川および大谷川合わせ茨城県水海道地先流向南東変えて茨城県北相馬郡利根町押付新田地先利根川合流する利根川の主要支川で、その本流路延長は112km、全流域面積は1,043km2です。

福岡堰
福岡堰
江戸幕府利根川東遷事業一環として行われた鬼怒川と小貝川の完全分離新河掘削によって鬼怒小貝両川氾濫源であった谷原領、大生一帯新田開発が可能となりました。小貝川では、伊奈氏によって、福岡堰、岡堰、豊田堰が設けられ、「谷原三万石」「相馬領二万石」などと呼ばれる新田地が誕生しました。これら三堰は、その規模とこの時代代表する溜井方式の堰として関東有数のものです。また、伊奈氏治水・利水工法関東流とも呼ばれ江戸時代代表する土木技術です。

S61出水時S61出水
母子島遊水地
母子島遊水地
小貝川は、流域86%が平野であり、河川勾配が緩いため、洪水継続時間長く氾濫時の出水が引きにくい、利根川本川からの逆流影響広く受けてしまうという特徴有してます。利根川本川影響受けた最たるもの昭和56年洪水であり、小貝川単独での出水小さかったものの、利根川本川からの逆流により龍ヶ崎市高須地先において堤防破堤し、浸水面積3,396ha、浸水家屋5,847戸の甚大な被害受けましたまた、河川勾配の緩いことが最も影響したのが、昭和61年8月洪水です。台風10号による集中豪雨24時間雨量300mmという記録的な集中豪雨見舞われた小貝川が破堤至ったのは、台風一過快晴という天気の下でした。上がった安堵感つかっている人々目の前で、小貝川の水位留まる気配見せず上昇しついには明野町赤浜地先溢水し、氾濫流域襲いました。無堤地区からも濁流流れ込み下館市の約1/4が浸水しました。さらに下流石下町において漏水から堤防決壊するに至り被害は4,300ha、浸水家屋4,500戸に及びました。
この災害契機に、被害大きかった母子島(はこじま)地区遊水地造成するとともに、その地区内に点在していた5集落集団移転させ、遊水地内に新しい町をつくるという全国でも例のない改修事業行いました
2.地域の中の小貝川
"流域人々郷土河川対す愛着が一層深まるよう、地元ボランティア等と一体となってフラワーベルトを整備することにより、人々ふれあいの場を創出してます。"

地域社会とのつながり

 藤代フラワーカナル
藤代フラワーカナル
小貝川は平野部田園地帯流れる川であり、河道勾配が緩いことや無堤部が残ることなどから昭和に入ってからも幾度となく氾濫繰り返し地元もとよりマスコミにも魔の川と呼ばれてきました。しかしその流域一大穀倉地帯であるとともに下流域研究学園都市として知られるつくば市があり、常磐新線つくばエクスプレス開業控えめざましい発展期待される地域となってます。そんな川を「親しまれる川」に、また「川を介した人と人、まちとまちとの交流の場にしよう」と、昭和63年に沿川23市町村栃木茨城両県と下館河川事務所によって、「小貝川リフレッシュコミッティ」が発足しました平成3年に、同会は「ふるさと鬼怒川考え懇談会」と一つとなり「鬼怒川・小貝川サミット会議」として現在に続いてます。

サミット会議では、河川流域全体会場とした”鬼怒川・小貝川博覧会”を開催してます。その中で下妻市ふれあい公園藤代町のフラワーカナルなど地域自治体、ボランティアグループ等が連携した事業河川根付いてきましたまた、福岡堰や岡堰などを中心とした水辺プラザ構想進行してます。
福岡水辺プラザ
福岡水辺プラザ
鬼怒川・小貝川流域において、川に係わる100余ものイベント実施され、約80万人人々参加してます。
3.小貝川の自然環境
"小貝川は、フジバカマキタミソウ絶滅危惧種はじめとして多く希少種生育する自然の宝庫です。"


 オオムラサキ
小貝川の源流は、栃木県那須郡南那須町にその碑を見ることができますが、小貝川は、鬼怒川山地からの流れなのに対して水田水の集まりからなってます。たがって、小貝川の河川敷には豊かな土壌堆積し生育する植物層は鬼怒川砂礫河原比べてずっと豊富です。小貝川の特徴的な樹木群としてカラコギカエデ群落国蝶オオムラサキ食草となるクヌギエノキ群落、それに混じってゴマキ点在してます。草本類では、ノウルシヒメアマナ、ヒノキカサ、希少種指定されているフジバカマ、そして平成13年初め確認されキタミソウ大群落が見られます。全国的に激減しつつある植物生育している貴重な空間となってます。

 小貝川流域に生息する植物
植物では、上流域砂礫河原カワラと名に付くもの「カワラハハコ」「カワラサイコ」「カワラヨモギ」「カワラネデシコ」、そして「カワラノギク」が確認されています。その他「ハリセンジュ」「ミクリ」など貴重な植物生育してます。
中下流部では、「コナラ」「タチヤナギ」などの樹木群が繁茂し、「チョウサギ」等の格好営巣地となってます。近年中流域まで「カワウ」の生息域拡大し問題となってます。
4.小貝川の主な災害
"昭和13年台風に伴う豪雨により茨城県内5箇所溢水越流破堤発生
昭和56年利根川本川からの逆流により龍ヶ崎市破堤
昭和61年台風に伴う豪雨により茨城県内2箇所越流漏水破堤発生内水氾濫相まって甚大な被害与えました。"



発生発生原因被災市町村被害状況
昭和2年9月台風による豪雨茨城県水海道市床上浸水 289
昭和10年9月 台風による豪雨茨城県北相馬郡高須村倒壊家屋 109
床上浸水 2,950棟
昭和13年7月 台風による前線豪雨栃木県真岡市
茨城県協和町下館市明野町関城町下妻市石下町豊里町水海道市谷田部町谷和原村
死者行方不明 9名
倒壊家屋  68
床上浸水 5,787
床下浸水 (2,863棟)
()不明含み
昭和13年9月 台風による豪雨茨城県関城町明野町倒壊家屋 9棟
床上床下浸水 416棟
昭和25年8月 熱帯低気圧による豪雨茨城県取手市藤代町死者行方不明 3名
倒壊家屋 1,874
床上床下浸水 5,468
昭和56年8月 台風による豪雨茨城県龍ヶ崎市藤代町利根町河内村新利根村床上浸水 1,580棟
床下浸水 3.960棟
昭和61年10月 台風10号茨城県下館市明野町下妻市筑波町大穂町豊里町石下町水海道市床上浸水 1,240
床下浸水 3,230

(注:この情報2008年2月現在のものです)

小貝川

読み方:コカイガワ(kokaigawa)

所在 栃木県

水系 利根川水系

等級 1級


小貝川

読み方:コガイガワ(kogaigawa)

所在 高知県

水系 渡川水系

等級 1級


小貝川

作者荒川雄而

収載図書小貝川
出版社東洋出版
刊行年月1999.11


小貝川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/27 09:26 UTC 版)

小貝川
つくばみらい市・谷原大橋より小貝川橋方面
水系 一級水系 利根川
種別 一級河川
延長 111.8[1] km
平均流量 -- m3/s
流域面積 1,043.1[1] km2
水源 栃木県那須烏山市
水源の標高 155 m
河口・合流先 利根川(利根町/取手市
流域 栃木県茨城県

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TX小貝川橋梁付近(2009年9月5日撮影)
文巻橋(取手市)より上流方向 (2007年8月29日撮影)

小貝川(こかいがわ)は、関東平野を北から南へと流れる一級河川利根川水系利根川の支流である。全長111.8kmで、利根川の支流中で第2位の長さを誇る。

概要

古くは小飼川、蚕養川と表記され、前井川、幸田川の別名を持つ。下流はかつて下総国常陸国(廃藩置県後の千葉県茨城県。後に千葉県の利根川以北は茨城県に編入)の境となっていた。

頻繁に洪水を起こす「暴れ川」として知られる。また、かつての河道が蛇行を繰り返していたことから、流域には三日月湖が点在している[2]

下流部は小貝川低地と呼ばれる低地で、筑波・稲敷台地(常陸台地)の末端の湾入部には牛久沼がある[3]

川の美化活動も活発で、国土交通省関東地方整備局下館河川事務所主催により毎年7月第2土曜日に「小貝川クリーン大作戦」が開催され流域市町村では一斉に清掃活動が行われる。バス釣りのポイントとしても有名で、釣り雑誌などでよく取り上げられる。

語源

語源については諸説がある[4]

  • 流域の貝塚があり、小貝がたくさん採れたことから呼ばれる。
  • 常陸下総国境を流れていたので、国境(こっかい)がいつか「こかい」になった。

地理

栃木県那須烏山市曲畑(そりはた)の小貝ヶ池に源を発し南へ流れる。五行川、大谷川等の支流を合わせ、茨城県取手市北相馬郡利根町千葉県我孫子市の境で利根川合流英語版する。

流域自治体

歴史

縄文海進時には下妻付近まで入り江が湾入し、古鬼怒湾(香取海)を形成した。その後、鬼怒川・小貝川の土砂が堆積し古鬼怒湾は後退し、また河道の変化も激しく、その跡は広大な氾濫原となった。また小貝川が堰き止められ騰波の江があった。江戸時代寛永期頃は、小貝川は現在のつくばみらい市寺畑(旧・谷和原村)付近で鬼怒川に合流していた。

その後、鬼怒川は瀬替え工事が行われ、板戸井を開削し常陸川に合流させたので、小貝川と合流しなくなった。

また戸田井・羽根野を開削し小貝川を南流させ常陸川の狭窄部に合流させた。

1938年の水害の後、建設省は布川町布佐町の間の狭窄部に原因があるとして、北文間村から東文間村の利根川に向けて小貝川の流路変更する計画を立てた。この計画には多数の耕地が潰れるものであったことから、地域住民らは強烈な反対運動を展開、一時は内務省役人を竹槍で殺害する計画まで立てられた。第二次世界大戦後も、建設省は1949年(昭和24年)度、1950(昭和25年)度と続けて耕地買収予算を計上していたが、地元の反対は強く買収は進まなかった。1950年(昭和25年)の水害の直前にも茨城県議会議員と地元住民らが、建設省に建設反対の陳情に訪れていた[5]

水害の歴史

狭隘な河川のため、下流部の龍ケ崎市取手市(旧・藤代町)周辺において幾度となく堤防からの溢水、堤防の破堤を繰り返してきた歴史がある。

特に、1986年(昭和61年)の台風10号による豪雨では、堤防が決壊し、大きな洪水被害を出した。この洪水被害を契機に、筑西市の大谷川との合流部に母子島遊水池が建設された。

支流

  • 大川
  • 大羽川
  • 五行川(勤行川)
  • 大谷川
  • 糸繰川
  • 谷田川
  • 北浦川
  • 中通川(茨城県)

橋梁

なお小貝川には沈下橋(潜水橋)が複数存在している(2004年現在、木造の「流れ橋」も存在する)。

脚注

  1. ^ a b 鬼怒川・小貝川の紹介 - 国土交通省 関東地方整備局(下館河川事務所)
  2. ^ 吉野公園観光いばらき 2020年8月6日閲覧
  3. ^ 磯部一洋「茨城県牛久沼の生い立ちとその周辺の自然を探る」『地質ニュース 1986年4月号 No.380』、産業技術総合研究所地質調査総合センター、1986年。 
  4. ^ 茨城県. “いばらきの川紹介_川の名前の由来(第3回)”. 茨城県. 2019年9月5日閲覧。
  5. ^ 「地元民、流路変更に反対 十年来の禍根」『日本経済新聞』昭和25年8月8日3面
  6. ^ 利根川堤防ずたずた、水郷地帯沈没『東京朝日新聞』昭和10年9月27日(『昭和ニュース事典第5巻 昭和10年-昭和11年』本編p213 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  7. ^ 「小貝川決壊 七町村湖と化す」『日本経済新聞』昭和25年8月8日3面

関連項目

外部リンク




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