伊奈氏とは? わかりやすく解説

伊奈氏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/31 08:04 UTC 版)

伊奈氏
左頭二つ巴 ひだりあたまふたつともえ
剣梅鉢 けんうめばち
本姓 清和源氏満快流
同じく足利氏流吉良氏
藤原朝臣?
家祖 伊奈忠基
種別 武家
出身地 信濃国伊那郡
主な根拠地 信濃国
三河国
著名な人物 伊奈忠次
支流、分家 松本氏(武家) など
凡例 / Category:日本の氏族

伊奈氏(いなし)は、日本氏族伊那氏井奈氏とも呼ばれる。

その出自

伊奈氏は清和源氏源朝臣足利氏庶流と見るのが通説であるが、『寛政重修諸家譜』には藤原朝臣系統と記載されている。また、おなじく清和源氏満快流(満快の曾孫為公の子孫)の系統とする説もある。

概要

通常の伊奈氏は上記のように清和源氏満快流または、足利氏の支流である吉良氏とも戸崎氏の分家ともいわれ、初め荒川氏を称していたが、荒川詮頼の曾孫荒川易氏(やすうじ)のときに将軍足利義尚から信濃国伊那郡の一部を与えられ、易氏の孫の易次(やすつぐ)の代に伊奈熊蔵と号したといわれる。

その易次は叔父の易正(やすまさ)との所領争いに敗れて居城を奪われたため、三河国に移り松平氏家臣となり、その子伊奈忠基(ただもと)は松平広忠徳川家康父子に仕えて三河国小島城(現在の愛知県西尾市)を居城としたという。

忠基の嫡男伊奈貞政(さだまさ)の系統は伊奈昭綱(あきつな)のときに起こった福島正則家臣と昭綱家臣の揉め事に激怒した正則が昭綱に切腹を強要、家康も一時は庇ったものの、最終的には昭綱に切腹を命じたことから継嗣なく絶家した。

もう一人の子の伊奈忠家(ただいえ)の系統は伊奈忠次徳川家康に仕え、家康の武蔵国江戸入国に従って代官頭(関東郡代の前身)となり、徳川氏の関東領国支配の中心的役割を担った。忠次はその後譜代大名として武蔵小室藩の初代藩主となり、長男伊奈忠政が2代藩主となったが、3代伊奈忠勝の代で無嗣除封となった。忠次の次男伊奈忠治の系統は旗本となり関東郡代を世襲した(ただし、近年では伊奈氏が就いたのは関東代官であり、関東郡代は伊奈氏の自称に過ぎなかったとする説がある)。

系図

太線は実子、二重線は養子。

忠基
 ┣━━━━━┓
貞政    忠家
 ┃     ┃
昭忠    忠次
 ┣━━┓  ┣━━━━━━━━┳━━┳━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━┓
昭応 昭綱 忠政       忠治 忠武       忠公             忠雪
       ┣━━┓     ┣━━┳━━┓     ┣━━━━━━━━┳━━┓  ┣━━┓
      忠勝 忠隆    忠克 治詣 忠重    忠易       忠往 忠利 忠直 忠泰
          ┃     ┃     ┣━━┓  ┣━━┳━━┓  ┃     ┃  ┃
         宗英    忠常    忠則 忠長 忠知 忠房 忠真 忠嗣    忠有 忠永
          ┃     ┣━━┓  ┃  ┃     ┃  ∥           ∥━━┓
         貞長    忠篤 忠順 忠盛 忠義    忠諠 忠富          忠英 忠居
          ┣━━━━━┓  ┃  ┃  ∥     ┃  ∥           ┃
         忠義    忠逵 忠辰 忠衡 忠正    忠幸 忠貞          忠寄
          ┣━━┓  ┣━━━━━┓                       ∥
         忠豊 忠賢 忠宥    忠侯                      忠明
          ┃  ∥  ∥     ┃
         忠孚 忠寛 忠敬    忠利
                ∥━━┓  ┣━━┓
               忠尊 忠善 忠盈 惟忠

関連項目


伊奈氏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 15:54 UTC 版)

勝願寺 (鴻巣市本町)」の記事における「伊奈氏」の解説

徳川家譜代家臣関東郡代。伊奈氏は徳川家康から当寺檀那になるように命じられており、墓所西側には伊奈忠治夫妻および伊奈忠次夫妻の4基の宝篋印塔建立されている。

※この「伊奈氏」の解説は、「勝願寺 (鴻巣市本町)」の解説の一部です。
「伊奈氏」を含む「勝願寺 (鴻巣市本町)」の記事については、「勝願寺 (鴻巣市本町)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「伊奈氏」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「伊奈氏」の関連用語

伊奈氏のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



伊奈氏のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの伊奈氏 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの勝願寺 (鴻巣市本町) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS