職業能力開発短期大学校とは? わかりやすく解説

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職業能力開発短期大学校

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/24 19:03 UTC 版)

職業能力開発短期大学校(しょくぎょうのうりょくかいはつたんきだいがっこう)は、都道府県、及び認定を受けた事業主が行う高度職業訓練のうち、長期間の訓練(専門課程)及び短期間の訓練(専門短期課程)を行う職業訓練施設をいう。普通職業訓練のうち、短期課程を行うこともできる。高度技能者の養成を目的とする厚生労働省所管の省庁大学校である。

職業能力開発短期大学校は、職業能力開発促進法で規定されている。

設置形態

公共職業能力開発施設として、国が職業能力開発短期大学校を設置するが、厚生労働大臣の同意があれば都道府県も設置することができる。また、厚生労働省令で定める基準に適合すると都道府県から認定された事業主等は、認定職業訓練による職業訓練施設として、職業能力開発短期大学校を設置することができる。

国(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)による設置

職業能力開発促進法第16条第1項により、国は職業能力開発短期大学校を設置すると規定されているが、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構法の第14条第1項第7号により、国に代わって独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が設置及び運営を行っている。同機構が運営する職業能力開発短期大学校に対しては、ポリテクカレッジという愛称が用いられ、英称はPolytechnic Collegeとされている。

長期間の訓練として専門課程を実施する。専門課程(修業年限2年)は、主に高等学校の卒業者を対象とし、技術革新に対応できる高度な知識と技能・技術を兼ね備えた実践技能者の育成を目的とする。専門課程卒業者は、人事院規則により学校教育法による短大(2年制)卒と同格と格付けされている。卒業後は、職業能力開発大学校応用課程に進学することができる。

普通職業訓練の短期課程(訓練期間6ヶ月)はアビリティーコースと呼ばれ、専門短期課程(訓練期間6ヶ月以下)は能力開発セミナーと呼ばれる。これらは、施設や年度により、実施されるかどうかが異なる。

港湾職業能力開発短期大学校

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営するものは、港湾職業能力開発短期大学校の1校である[1]

職業能力開発大学校附属の職業能力開発短期大学校

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する職業能力開発大学校に附属する職業能力開発短期大学校は、12校ある[2]。かつては独立した職業能力開発短期大学校であったが、1999年から2001年にかけて順次、職業能力開発大学校8校の各附属校となった。

かつて存在した施設

職業能力開発大学校への移行

かつて存在した職業能力開発短期大学校のうちの10校(職業能力開発大学校#一覧を参照)は、1999年(平成11年)から2001年(平成13年)にかけて順次、応用課程を新設して職業能力開発大学校に移行した。

職業能力開発総合大学校への統合

東京職業能力開発短期大学校は、応用課程を新設した上で1999年に職業能力開発総合大学校に統合され、職業能力開発総合大学校東京校となった。東京校は職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校のいずれにも分類されず、職業能力開発大学校と同様の役割を持っていたが、東京校の専門課程は平成23年度入学者の卒業をもって廃止され、東京校の応用課程は平成25年度入学者の卒業をもって廃止される。

閉校となった施設

茨城職業能力開発短期大学校は、関東職業能力開発大学校水戸短期校となった後に、2004年3月で業務廃止となった。跡地は茨城県職業人材育成センターが利用している。

群馬職業能力開発短期大学校は廃止となり、群馬職業能力開発促進センターに転換された。

独立行政法人雇用・能力開発機構の廃止

「雇用・能力開発機構の廃止について」(平成20年12月24日閣議決定)において、独立行政法人雇用・能力開発機構は廃止し、職業能力開発業務は、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構に移管、その他の業務は、廃止又は独立行政法人勤労者退職金共済機構等へ移管することが明記された。その中で職業能力短期大学校及び職業能力開発大学校については、「財源(雇用保険料)及び人員を含め、各都道府県等の受け入れやすい条件を整備する。都道府県等の移管希望を具体的に把握する。希望する都道府県等への移管に当たっては、ブロックごとに水準を維持して運営・実施できることを前提とする。」とされた[3]

都道府県による設置

2021年(令和3年)4月現在、都道府県による設置は、以下の15校である。

なお、2003年(平成 15 年)11月に長野県と熊本県が、2009年(平成21年)に山形県がそれぞれ国へ「職業能力開発促進法に基づく職業能力開発短期大学校から大学への編入学を認める構造改革特区メニューの創設」を提案して以降、長らく文部科学省内のワーキンググループ内で導入の是非について議論がされてきた[4]。その結果、改正構造改革特区法が2022年(令和4年)5月25日にの参議院本会議で可決、成立した。これにより、各自治体が国に区域計画を申請して認可を受けた場合、当該特区内の職能短大で2年間の専門課程を修了後、同特区内の4年制大学に編入できる道が新たに拓かれた[5]

2025年(令和7年)1月現在、以下の県立短期大学校のうち、長野県[6]、熊本県[7]、山形県[8]、神奈川県[9]が構造改革特別区域の認定を受けて、同特区内の4年制大学への編入学試験の受験が可能になっている。また大分県が現在新たに特区申請中である[10]

認定職業訓練のための施設

職業訓練法人による設置

株式会社による設置

関連項目

脚注

  1. ^ 横浜校、神戸校の2校があるが、厚生労働白書における統計上では、1となっている。
  2. ^ この12校は職業能力開発短期大学校であるが、厚生労働白書における統計上は、附属校であるために職業能力開発短期大学校の校数に含まれていない。また、職業能力開発短期大学校の校数は13校であるが、関東職業能力開発大学校附属千葉職業能力開発短期大学校成田校は関東職業能力開発大学校附属千葉職業能力開発短期大学校に含まれるために校数にカウントされない。
  3. ^ 雇用・能力開発機構の廃止について(平成20年12月24日閣議決定)
  4. ^ 中央教育審議会大学分科会高等教育局大学振興課 (2021年10月12日). “職業能力開発短期大学校から大学への編入学について”. 文部科学省. 2025年2月21日閲覧。
  5. ^ 改正構造改革特区法が成立 職能短大から大学編入可能に”. 日本経済新聞社 (2022年5月25日). 2025年2月21日閲覧。
  6. ^ 工科短期大学校から4年制大学への編入学が可能となる 構造改革特別区域計画が内閣総理大臣から認定されました”. 長野県 (2023年1月5日). 2025年2月21日閲覧。
  7. ^ 県立技術短期大学校から熊本大学への編入学を可能とするための 構造改革特別区域計画が認定されました”. 熊本県立技術短期大学校 (2023年1月6日). 2025年2月21日閲覧。
  8. ^ 山形大学工学部への編入学が可能になりました”. 山形県立産業技術短期大学校 (2023年5月15日). 2025年2月21日閲覧。
  9. ^ 県立産業技術短期大学校から4年制大学への編入学が可能となる構造改革特別区域計画が認定されました”. 神奈川県 (2023年12月22日). 2025年2月21日閲覧。
  10. ^ 大分県立工科短期大学校から大分大学へ「編入学を可能に」…構造改革特区の認定を県が国に申請”. 読売新聞社 (2025年1月23日). 2025年2月21日閲覧。
  11. ^ 学校概要”. 2025年2月25日閲覧。
  12. ^ a b c d e 国家資格の基本情報技術者試験(FE)の午前科目免除制度の認定校となっている。
  13. ^ IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:情報処理技術者試験:午前試験免除 基本情報技術者試験(FE)
  14. ^ 認定免除対象講座の一覧(PDF)”. 独立行政法人 情報処理推進機構. 2021年7月28日閲覧。
  15. ^ 静岡キャンパス | 静岡県立工科短期大学校”. 2025年2月25日閲覧。
  16. ^ 沼津キャンパス | 静岡県立工科短期大学校”. 2025年2月25日閲覧。
  17. ^ パナソニック電工工科短期大学校が認定を受けた職業能力開発短期大学校であるかどうかは、2009年5月現在、確認できない。

外部リンク



職業能力開発短期大学校

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 19:46 UTC 版)

日本の短期大学一覧」の記事における「職業能力開発短期大学校」の解説

厚生労働省所管省庁大学校1つ。 「職業能力開発短期大学校」も参照

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「職業能力開発短期大学校」を含む「日本の短期大学一覧」の記事については、「日本の短期大学一覧」の概要を参照ください。

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