交流電化
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交流電化(こうりゅうでんか)は、鉄道の電化方式の一つで、交流電源を用いる方式。
注釈
- ^ 日本の電化線路の例で変電所の間隔は、1500 Vの直流饋電方式の5 - 10 kmに対して20000 Vの交流電化はBT饋電方式・AT饋電方式30 - 50 kmと、直流電化の数倍になる。
- ^ 架線を流れる交流と同期した周波数の異なる交流を用いるため、位相合わせ用の高圧線は不要となる。
- ^ 安全を確保するために確保すべき間隙のこと。
- ^ 鉄道車両1編成を走行させる際に必要な電流(A)は「出力(W)÷電圧(V)」で算出できる。例として、16両編成のN700系電車(定格出力:17080 kW)を交流25 kVで走らせる際に必要な電流は683 Aであるが、仮に直流1.5 kVでこれを走らせようとすると11387 Aもの電流が必要となる。
- ^ PWMコンバーターにおいては高周波で電源をスイッチングするためリアクトルは比較的小さいもので済む。
- ^ 外国の例では交流区間での出力をもとにし、直流区間での出力を部分出力とした例がある(TGV Duplexほか)。
- ^ M相とT相と呼ばれている。電圧は、在来線の場合は20 kV、新幹線の場合は25 kVまで降圧される。
- ^ AT饋電方式で採用される饋電線で、一定区間ごとに設置される単巻変圧器に対し給電する饋電線。架線とは逆位相であるため線間電圧は対地電圧の2倍になる。
- ^ 大地は直流に対しては土壌中のイオンにより大地と接する金属と反応を起こすことで金属表面の性状が変化し抵抗値が増大する(成極作用)。しかし交流に対しては正負が激しく入れ替わるためイオンと金属との反応が起きにくくなる。したがって交流に対して大地はかなり良い導電体となることから行きは架線、帰りは大地となるケースも生じやすくなる。この電流が電車線と変電所、走行車両とで一巻きコイルを作ることになり通信線等に誘導電圧を生じさせる[4]。
- ^ ただし、ドイツが電化を精力的に進めるのは1920年代以降である。
- ^ 新高田SP - 糸魚川駅 - 新糸魚川SP間。
- ^ 200系・E2系・E4系の一部編成とE7系・W7系の全編成
- ^ 電気設備に関する技術基準を定める省令 第43条 直流の電線路、電車線路及び帰線は、地球磁気観測所又は地球電気観測所に対して観測上の障害を及ぼさないように施設しなければならない。
- ^ 動力の種類によって動力車操縦者の免許、整備資格、配置区(主に一般形と急行形の気動車は機関区に、電車は電車区に配置される)が異なる。動力方式の切り替えや新形車の導入のたび、リストラ(職場や人員の整理)を推進したい本社や各鉄道管理局と、それによって雇用が脅かされるとする労働組合が対立し、折衝に多大な時間と労力を要するようになっていた。
- ^ 国鉄時代は函館本線小樽 - 小樽築港 - 札幌貨物ターミナル - 旭川駅の貨物列車にもED76形電気機関車が使われていた。
- ^ なお、JR九州は2020年秋から787系を改造したD&S列車「36ぷらす3」を運行開始し同線も経由するため、路線転換後初となる電車による旅客列車が運行される。
出典
- ^ 曽根悟「インバータ制御電車の実用」『鉄道ピクトリアル』465号、10-17頁。
- ^ 原勝司「国鉄電気機関車発達史」『電気車の科学』1962年6月号、53頁。
- ^ 「ルーフ・デルタ結線変圧器」(pdf)『RRR』第70巻、鉄道総合技術研究所、2013年12月、32頁、2017年11月7日閲覧。
- ^ 電磁誘導障害と静電誘導障害 大島輝夫 公益社団法人日本電気技術者協会 参照
- ^ a b c 久保敏・宗行満男「誘導電動機式車両のあゆみ VVVF車両に至るまでの90年のチャレンジ2」『鉄道ファン』1987年3月号(NO.311)、100-103頁。
- ^ 「交流電化への初の実験 国鉄仙山線 一日から二か月間」『日本経済新聞』昭和30年1月20日11面
- ^ “東北本線黒磯駅電気設備改良切換工事に伴う列車運休及びバス代行輸送計画についてのお知らせ” (PDF). 東日本旅客鉄道 (2017年11月24日). 2018年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月13日閲覧。
- ^ 赤星国夫「一般(東海道新幹線車両の構造と性能)」『日本機械学會誌』第67巻第550号、日本機械学会、1964年11月、pp.1724 - 1727、2010年6月27日閲覧。
- ^ 加藤一郎「東海道新幹線計画の概要」『日本機械学會誌』第67巻第550号、日本機械学会、1964年11月、pp.1710 - 1723、2010年6月27日閲覧。
- ^ a b 新垣恒夫「動力近代化と交流電化」『JREA』第7巻第4号、1964年4月、2-7頁。
- ^ 石原米彦「山陽・鹿児島本線の電化方式について」『交通技術』第13巻第10号、交通協力会、1958年。
- ^ 「1960年代前半の国鉄車両計画/動力近代化計画」久保田博 (「鉄道ピクトリアル・臨時増刊号 車両研究 1960年代の鉄道車両」2003年12月増刊
- ^ 2017年10月ダイヤ改正について
- ^ “東北本線の黒磯以北は交直流電車と気動車に…JR東日本、10月14日ダイヤ改正”. レスポンス (2017年7月7日). 2017年7月7日閲覧。
- ^ JR長崎線の並行在来線、肥前浜まで電化区間延伸 管理費はJR九州負担 - 西日本新聞me 2021年6月15日
- ^ 新幹線開業で主役交代、在来線「長崎本線」の現状(3ページ目) - 東洋経済オンライン(鉄道ジャーナル編集部)2021年8月24日
- ^ JR九州、肥前浜~長崎間を非電化区間に - 上下分離区間にキハ47形 - マイナビニュース 2022年6月10日
- ^ 杉山淳一 (2017年12月1日). “電化路線から架線が消える日”. ITMedia ビジネス. p. 2. 2018年2月22日閲覧。
- ^ その後、車両老朽化と北陸線との車両運用共通化の兼ね合いから2020年秋より521系電車に順次置き換わっている
- ^ “【独自】東北福祉大「鉄道ステーション」閉館へ 関係者、資料の散逸懸念”. 河北新報オンラインニュース (2021年11月6日). 2021年11月8日閲覧。
交流電化
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鉄道用モーターは回転速度や負荷の大きな変化に対応する必要があるため、直流モーターが適している。そこで鉄道で使用する電気は、電圧600 V - 1,500 Vの直流が採用されていた。 しかし一般の発電所から供給される電気は数万 - 数十万Vの交流であるため、鉄道会社は一定区間毎に変電所を設置して電圧を下げ、直流に変換して使用している。電気の性質として、交流は電圧の変更が非常に容易であること、電気を送る際には電圧が高いほど大きな電力を送ることができること、送電の際の電力ロスは高電圧ほど少ないことがある。すなわち架線に高電圧の交流を流し、車上で使用電圧まで下げて使うことができれば、所要の変電所の数を減らすことが可能になる。交流電化は第二次世界大戦中にドイツで検討され、戦後その技術がフランスに引き継がれて実用化された。日本の国鉄でも将来の電化方式として交流電化を採用する方針が採られ、1955年から仙山線の北仙台駅と作並駅の間の実験線で試作電気機関車を使った実験を行った。この実験は成功し、1957年から始まった北陸本線の電化は交流60 Hz2万 Vが採用され、電気機関車ED70形が生産された。この機関車は、車内で電圧を下げた後、整流器で直流に変換し、直流モーターを駆動させる方式であった。この後の国鉄は北海道、東北、北陸、九州地区を交流で電化し、新幹線も交流電化とした。
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