鉄道管理公団 (チェコ)とは? わかりやすく解説

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鉄道管理公団 (チェコ)

(鉄道施設管理公団_(チェコ) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 13:32 UTC 版)

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鉄道管理公団
Správa železnic, s.o.
種類 公団(státní organizace)
略称 SŽ、SŽCZ
本社所在地  チェコ
プラハ市ドラージュジェナー通り7番地
設立 2003年1月1日
業種 陸運業
事業内容 国鉄線施設の管理および運営事業
代表者 パヴェル・ハバルタ(総裁)
(Pavel Habarta)
外部リンク https://www.spravazeleznic.cz/
特記事項:2020年、鉄道輸送路線管理公団(SŽDC)から改称。
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鉄道管理公団プラハ中央駅
かつてチェコ鉄道職員であった駅務員などの地上職員は現在鉄道管理公団の職員である(ティーネツナッサーザヴォウ鉄道駅、2011年

鉄道管理公団(SŽ, Správa železnic, státní organizace)は、チェコ国鉄事業を所管する公団(státní organizace)である。旧称は鉄道輸送路線管理公団(SŽDC, Správa železniční dopravní cesty, s.o.)で、2020年1月1日に現名称へ変更した。

列車運行事業の民営化政策によって、チェコ鉄道公団(旧チェコ鉄道、ČD, České dráhy, s.o.)の路線を承継して2003年に発足した。国が保有する国鉄線(Celostátní dráha)および関連施設に関する保有および管理・運営事業を行っている。

概要

チェコ鉄道公団が所管していた国鉄事業の上下分離と列車運行事業の民営化政策を受けて、国鉄事業のうちチェコ鉄道株式会社(ČD, České dráhy, a.s.)に移管される列車運行事業を除く国鉄線および関連施設の保有事業の承継法人として、チェコ鉄道株式会社および鉄道輸送路線管理公団法(チェコ共和国議会2002年法律77号)に基づき、鉄道輸送路線管理公団として2003年1月1日に発足した。

法人格は政府所有の国有会社(státní podnik)と同等の公団(státní organizace)で、運輸通信省が所管する。公団は運行区間延長および列車重量、路線等級によって、チェコ鉄道株式会社をはじめとする国鉄線列車運行認可事業者から路線使用料を徴収し歳入に充てることになっている。

プラハに公団総局を置き、輸送路線局(SDC, Správa dopravní cesty)をブルノなどに13局、建設局(SS, Stavební správa)をオロモウツなどに3局置いている。また鉄道エネルギー局(SŽE, Správa železniční energetiky)をフラデツ・クラーロヴェーに、鉄道測量局(SŽG, Správa železniční geodezie)をオロモウツとプラハに置く。プラハにはこのほか施設技術本部(TÚDC, Technická ústředna dopravní cesty)と消防救急業務部(HZS, Hasičská záchranná služba)がある。

2010年代、鉄道固定資産の保有管理や地上業務など、公団発足後もチェコ鉄道が手放さなかった国鉄事業に関する列車運行事業以外の各種業務の公団への移管が段階的に進行し、発足から10年あまりを経て漸くチェコにおける国鉄事業体としての地位が確立する中、一般社会に業務内容が理解されにくい組織名称の改正がたびたび試みられた。

公団は2018年、新しい現行ロゴマークの使用を開始したのち、2020年、組織名称も鉄道管理公団に改称した。略称についてはスロベニアの国鉄事業体であるスロベニア鉄道(Slovenske železnice, SŽ)との混同の恐れが指摘され、保線車両などに標記される事業者別のVKMコードは"SŽCZ"が与えられたが、一般的な略称としては混同する恐れがある場合を除き、部内外を問わず"SŽ"が使用されている。

上下分離骨抜き問題と地上業務の完全移管

2003年の分離当初、鉄道輸送路線管理公団が行うべき保有施設の管理・運営業務については、チェコ鉄道株式会社が鉄道輸送路線管理公団からの受託名目で引き続き所管し、書類上、その委託経費を同社が公団に支払うべき国鉄線路線使用料と相殺する形を取ったため、上下分離は建前上で、実際にはチェコ鉄道が引き続き支配する状態が続いた。

これに対しチェコ鉄道株式会社以外の民間の列車運行認可事業者各社でつくる鉄道事業者協会(Sdružení železničních společností)は2005年に声明を発表し、スロバキアなど周辺諸国で完全実施されている上下分離政策がチェコでは骨抜きにされており、民間事業者に著しく不公正で、列車運行事業のオープンアクセスオペレーター化を定めた欧州指令91/440号に違反していると批判した。

このためチェコ政府は、チェコ鉄道株式会社および鉄道輸送路線管理公団法を改正し、2008年7月1日、国鉄線における国鉄事業を行う法人をチェコ鉄道から鉄道輸送路線管理公団に変更し、保線業務などの管理業務をチェコ鉄道株式会社から切り離し公団が直接所管することにした。

その後もチェコ鉄道は列車制御や指令業務などの運行関係業務を掌握していたが、これについても2010年、公団に移管することが決定された。のち駅施設などインフラストラクチャーの所有権や地上営業業務についてもチェコ鉄道から鉄道輸送路線管理公団に移されている。

保有路線

路線図(2007年現在)

詳細はチェコの鉄道路線一覧を参照。

保有する国鉄線総延長は9,479km(2009年現在)で、その内訳は次の通り。

  • 標準軌 : 9,456km
    • うち電化区間(直流3000V/交流25kV50Hz) : 3,153km
  • 狭軌 : 23km
  • 単線区間 : 7,585km
  • 複線・複々線区間 : 1,894km
  • 軌道総延長 : 15,577km

このうちヴィアモント株式会社(VIAMONT, a.s. / 27km)、OKD運輸有限責任会社(OKD, Doprava, s.r.o / 20km)が国鉄線の一部地方路線を賃借しており、それぞれ管理・運営を行っている。

関連項目

参考文献

  • "Výroční zpráva 2009"(2009年度年次報告書) 鉄道輸送路線管理公団、2010年



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