国有会社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 09:55 UTC 版)
「国有会社 (チェコ、スロバキア)」の記事における「国有会社」の解説
1980年代後半の社会主義圏における「ペレストロイカ」を受けた経済改革の一環として、チェコスロバキア社会主義共和国時代の1988年1月7日に施行された国有会社設立法(チェコスロバキア連邦議会1988年法律第88号)で創設された。社会主義経済の効率化と国民の生活水準向上をうたい、チェコスロバキア共産党による国家計画の下という一定の制限を設けながらも企業側の経営権を認め、労働者および企業が自ら選出した理事による自主的な企業統治を求めた。 のち民主化後の1990年5月1日に、社会主義に関する規定を削除した改正法(チェコスロバキア連邦議会1990年法律第111号)が施行され、スロバキアは現在も同法が現行法である。チェコではさらに商法上の会社に準じて商業登記を義務づけるなどした再改正法(1997年法律第77号)が現行法である。現制度における国有会社は日本における公社に近い企業形態で、公益事業に限って政府省庁または政府の地方機関が設立することができ、企業資産は政府が保有するものの、経営権は企業が持つ。予算は国または国の地方機関の承認を必要とする。 国有会社の政府出資株式会社への転換、さらに株式の民間売却による民営化も進められているが、現在も交通・エネルギー・軍事関連事業、林野事業、研究開発機関などの分野において国有会社が運営されている。 また公団(státní organizace)も、国有会社設立法の規定を準用した国有会社に準じた企業体である。この法人格を取る企業体は、1989年7月にチェコスロバキア国家鉄道国営会社から転換した旧・チェコスロバキア国家鉄道公団(Československé státní dráhy, s.o.)、1993年1月にチェコスロバキア国鉄公団のチェコ共和国における事業を承継した旧・チェコ鉄道公団(České dráhy, s.o.)、およびチェコ鉄道公団分割および列車運行事業体の株式会社化に伴い2003年1月に発足した鉄道輸送路線管理公団(Správa železniční dopravní cesty, s.o.)、2020年1月に同公団が改称した鉄道管理公団(Správa železnic, s.o.)の各企業体のみである。 また1993年1月にチェコスロバキア国家鉄道公団のスロバキア共和国における事業を承継したスロバキア共和国鉄道国有会社(Železnice Slovenskej republiky, š.p.)は、1994年1月1日にスロバキア共和国鉄道法(スロバキア共和国国民議会1993年法律258号)に基づき商業登記された特殊法人に転換されている。
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