復元整備と復活運転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 07:39 UTC 版)
「スロヴェンスカー・ストレラ」の記事における「復元整備と復活運転」の解説
タトラトラックス社は2018年、現存する数百点におよぶ設計図面と写真資料を元に、地元企業や自治体の支援を受けM290.002の復元整備プロジェクトを開始した。プロジェクトは製造当初の機構と走行性能を忠実に復元して営業運転を行える状態にするもので、チェコモラヴィア鉄道検修有限責任会社(チェコ・オロモウツ県プジェロウ市)が施工。配線や車輪、車内の内装など一部は新製品に交換したものの、部品の90%は製造当初のものを再整備して使用した。 あわせてタトラトラックス社は、タトラ企業博物館に車庫を兼ねた専用の新展示室を建設した。展示室建設を含めた総工費は1億8000万チェココルナで、このうち8000万チェココルナはEUから助成された。 復元整備工事は2021年に竣工し、同年5月7日に鉄道管理公団(SŽ)プジェロウ-ザーブジェシュナモラヴィエ間で85年前の新製時と同じ最高速度130km/hの公式試運転が行われて営業運転認可を受けた。ただし営業時の130km/h運転に対して定められている現代の保安基準を構造上満たすことができないため、営業運転における認可最高速度は100km/hに抑えられている。5月13日にはタトラ企業博物館への自力回送を兼ね、ヨセフ・ソウセディークの息子トマーシュ・ソウセディークら招待客を乗せたプジェロウ発コプジブニツェ行き特別列車が運行された。 営業運転認可を前にUIC番号としてM290.0形には新規に形式「870」が割りふられ、M290.002のUIC形式番号は870.002となった。同車の車籍を持つタトラトラックス社は営業運転に関する今後の具体的な計画はないとしているが、その後もプラハ中央駅での展示など各種イベントで博物館から各地の会場までの自力回送による走行を披露している。また同社は、復元整備に協力した地域社会への還元を視野に、将来的な営業運転実施にも含みを持たせている。 復元整備中のM290.002(2020年12月、チェコモラヴィア鉄道検修有限責任会社) タトラ企業博物館に新設されたM290.002の車庫を兼ねる新展示室(2022年) M290.002展示室裏側。写真左の鋼製扉が車両出入り口(2022年) 各地で運転されている復元整備後のM290.002(2021年11月、鉄道管理公団ジュレビ-ジュレビ停留場間)
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