東室蘭駅とは? わかりやすく解説

東室蘭駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/12 09:15 UTC 版)

東室蘭駅
東口(2009年9月)
ひがしむろらん
Higashi-Muroran
所在地 北海道室蘭市東町2丁目29
駅番号 H32
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
電報略号 ヒム[1]
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 2面4線
乗車人員
-統計年度-
1,833人/日(降車客含まず)
-2019年-
開業年月日 1892年明治25年)8月1日[2]
乗入路線 2 路線
所属路線 室蘭本線(本線)
キロ程 77.2 km(長万部起点)
H33 本輪西 (4.5 km)
(1.9 km) 鷲別 H31
所属路線 室蘭本線(支線)
キロ程 0.0 km(東室蘭起点)
(2.3 km) 輪西 M33
備考
テンプレートを表示
西口(2010年6月)

東室蘭駅(ひがしむろらんえき)は、北海道室蘭市にある北海道旅客鉄道(JR北海道)・日本貨物鉄道(JR貨物)室蘭本線である。駅番号H32

JR北海道の駅は東町2丁目[1][5]、JR貨物の駅は日の出町1丁目にある。国鉄時代における事務管理コードは▲130313[5][6]

概要

長万部駅 - 岩見沢駅間を結ぶ室蘭本線の本線・当駅から室蘭駅へ向かう支線(通称:室蘭支線)の分岐駅となっており、特急北斗」「すずらん」を含めた全ての旅客列車が停車する。駅西口側には室蘭運輸所がある。

室蘭本線は当駅以東の沼ノ端駅までの区間および室蘭支線全線が交流電化されているが、当駅より長万部駅方面は非電化となっている。

歴史

1976年(昭和51年)の東室蘭駅と周囲約1 km範囲。左下の下が支線の室蘭方面、中が鷲別機関区輪西派出向け側線と新日鉄室蘭製鉄所及び日鐵セメント向け専用線、上が本線の伊達紋別方面。右上は東室蘭操車場の一端。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅名の由来

当駅が初代の「室蘭駅」であったが、1897年(明治30年)に現在の室蘭駅までの延伸に伴い「輪西」に改称。1928年昭和3年)に現在の「輪西駅」が新設されたことで「東輪西」に再度改称されたが、1931年(昭和6年)に現在の駅名に三度目の改称[11]。室蘭市の東に位置することによる命名である[11]

改称の理由として、一説には「東輪西」の発音が「ひがしわにし(東は西)」と聞こえて紛らわしいためとも言われている[1][10]

駅構造

島式ホーム2面4線・下りのみの通過線を有する橋上駅。のりばは2番から5番まであり、東側から番号が振られている。1番線は欠番。2・3番線はホームが短く、主に東室蘭駅で折り返す・優等列車を待避する普通列車が使用し、特急「すずらん」は全てこのホームを使用する。4・5番線はホーム長が長く、主に特急列車が使用する。4番のりばに函館方面の列車が発着し、5番線に札幌方面の列車が発着する。ただし普通列車はこの限りではない。車両がホームから留置線に入る際には、引き上げ線スイッチバックをする必要がある。

終日社員配置駅。みどりの窓口自動券売機指定席券売機[4]話せる券売機[4]自動改札機Kitaca非対応)を設置している。改札口は東口・西口を結ぶ自由通路に面しており、改札横に待合室がある。また、駅舎には室蘭市役所蘭東支所(えきがるセンター)やジェイアール北海道レンタリース東室蘭営業所(駅レンタカー)を併設している。駅の東西を結ぶ自由通路は2007年平成19年)に完成し、名称は公募によって「わたれーる」に決まった。エレベーターエスカレーターを設置し、通路は幅員8 mとなったほか、休憩スペースを設置した。2008年(平成20年)には北洋銀行駅ナカBANK」を設置した。

のりば

番線 路線 方向 行先
2 室蘭本線 上り 室蘭方面
3 上り 室蘭方面
下り 苫小牧札幌方面
4 上り 長万部函館方面
5 下り 苫小牧・札幌方面

(出典:JR北海道:駅の情報検索

利用状況

「室蘭市統計書」によると、近年の年度別乗車人員の推移は以下のとおりである。

年度 乗車人員
(千人)
乗車人員
(一日平均)
出典
2011年(平成23年) 775 2,117 [24]
2012年(平成24年) 767 2,101
2013年(平成25年) 716 1,962
2014年(平成26年) 654 1,792
2015年(平成27年) 668 1,825
2016年(平成28年) 702 1,923 [25]
2017年(平成29年) 708 1,940
2018年(平成30年) 708 1,940 [26]
2019年(令和元年) 669 1,833

駅弁

2017年ごろまでは、主な駅弁として下記を販売していた[27]

駅周辺

西口側の中島町、東口側の東町とも室蘭市の商業集積地区であり、西口は北海道道1081号東室蘭停車場線(東通り)の起点になっている[28]

東口

西口

バス路線

西口、東口双方にバス乗り場があり、道南バスの市内路線、郊外路線が発着する。運行拠点となっている東町ターミナルも東口から徒歩圏にある。

貨物駅

東室蘭駅
ひがしむろらん
Higashi-Muroran
東室蘭 (1.0 km)
(0.9 km) 鷲別
所在地 北海道室蘭市日の出町1丁目
所属事業者 日本貨物鉄道(JR貨物)
所属路線 室蘭本線
キロ程 78.2 km(長万部起点)
電報略号 ヒムソ
開業年月日 1892年明治25年)8月1日
備考 貨物専用駅
テンプレートを表示
1976年の東室蘭操車場と周囲約1 km範囲。左下が東室蘭駅方面。右端の水色屋根の長い建家が室蘭中央卸売市場で、操車場との間に専用線が敷かれている。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

日本貨物鉄道(JR貨物)東室蘭駅駅は、旅客駅の東側にある。通称は東室蘭操車場、東室蘭貨物駅など。1面2線のコンテナホーム(全長は約400 m)、着発線5本、仕分線数本を有する。コンテナホームの北側に接するコンテナ荷役線も着発線となっており、着発線荷役方式(E&S方式)を採用している。コンテナホームの南側に接する荷役線は側線である。また、輪西側には輪西車両所があり、東室蘭駅から線路が伸びている。構内の入換作業は、DE10形ディーゼル機関車が担当している。かつては旅客駅東口の南側に貨物設備を設置していたが、1996年平成8年)10月に旧・東室蘭操車場跡地に移転し、着発線荷役方式を導入した[14]。この際、ホーム面積が2倍になった[14]日本製鉄室蘭製鉄所への専用鉄道があり、鉄鋼製品などを輸送していた(現在は普通列車の引き上げ線として使用している)。また、日鉄セメントへも専用鉄道が伸びており、セメント発送を行っていた。その他、操車場から分岐し室蘭市中央卸売市場(現在の室蘭市公設地方卸売市場)へと続く室蘭市長が保有する専用線もあった。

取扱貨物

東室蘭駅はコンテナ貨物と臨時の車扱貨物の取扱駅である。コンテナ貨物はJR規格の12フィートコンテナのみを取り扱っている。取扱品は砂糖農産物が多い。産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の取扱許可を得ており、それらが入ったコンテナの取り扱いが可能である。

貨物列車

高速貨物列車は上り列車(長万部方面)が1日12本停車し、うち当駅終着が2本ある。行先は隅田川駅東京貨物ターミナル駅名古屋貨物ターミナル駅吹田貨物ターミナル駅百済貨物ターミナル駅などがある。上り臨時列車や当駅始発の札幌貨物ターミナル駅行き下り列車も1日1本設定されている[30]専用貨物列車の発着駅となっているが現在は当駅で荷役作業を行う貨車はなく、輪西車両所で検査を受ける貨車を回送するために設定されている。

利用状況

「室蘭市統計書」によると、貨物輸送実績の推移は以下のとおりである。

年度 年間貨物トン数
発送 到着 出典
2011年(平成23年) 99,261 46,163 [24]
2012年(平成24年) 104,341 50,681
2013年(平成25年) 101,235 57,040
2014年(平成26年) 98,670 60,845
2015年(平成27年) 94,815 65,840
2016年(平成28年) 91,921 48,007 [25]
2017年(平成29年) 87,865 47,655
2018年(平成30年) 89,316 50,410 [26]
2019年(令和元年) 87,055 48,727

隣の駅

北海道旅客鉄道(JR北海道)
室蘭本線(本線)
普通
本輪西駅 (H33) - 東室蘭駅 (H32) - (貨)東室蘭駅 - 鷲別駅 (H31)
室蘭本線(支線)
輪西駅 (M33) - 東室蘭駅 (H32) - (*本線)

脚注

注釈

  1. ^ a b c 輪西駅参照。
  2. ^ 室蘭製鐵所50年史 第8章 運輸部門 P591 によれば、御崎の船入澗から製鉄所置場まで軽便馬車軌道が敷かれており、最初の機関車は1917年(大正6年)に購入した国鉄ケ200形蒸気機関車の「ケ206」であった。
  3. ^ 当初は富士製鐵輪西製鉄所(現在の新日鐵住金室蘭製鉄所)専用鉄道に含まれていたが、後に富士セメント専用鉄道として分離した。昭和39年版全国専用線一覧にて作業距離2.1 km。

出典

  1. ^ a b c 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、85頁。ISBN 4-09-395401-1 
  2. ^ a b c d e f g h 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、851頁。 ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ a b 「JR北海道、委託8駅を直営に。」『日本経済新聞日本経済新聞社、1984年3月24日、地方経済面/北海道、1面。
  4. ^ a b c 指定席券売機/話せる券売機|駅・鉄道・旅行|JR北海道- Hokkaido Railroad Company”. 北海道旅客鉄道. 2021年1月26日閲覧。
  5. ^ a b 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、225頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  6. ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
  7. ^ 日本鉄道一覧表 明治27年6月調 1894年11月 逓信省鉄道局出版(国立国会図書館デジタルコレクション)のローマ字表記による。
  8. ^ 官報 1920年(大正9年)10月06日告示 国立国会図書館デジタルコレクション。
  9. ^ 地方鉄道軌道一覧 (社)鉄道同志会 昭和7年10月発行。
  10. ^ a b 特集 室蘭 鉄道120年の軌跡」(PDF)『広報むろらん5月号』第974号、北海道室蘭市広報課、2012年5月1日、2-6頁。 
  11. ^ a b c 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、68頁。ASIN B000J9RBUY 
  12. ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、110頁。 ISBN 978-4-10-320523-4 
  13. ^ 昭和45年版全国専用線一覧 市場線 作業距離1.4 km、総延長2.6 km。
  14. ^ a b c “東室蘭駅が移転開業”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1996年10月11日) 
  15. ^ “東室蘭新駅7日開業 JR貨物”. 北海道新聞 (北海道新聞社): p. 8. (1996年10月2日) 
  16. ^ 「JR貨物10年のあゆみ」P109
  17. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '00年版』ジェー・アール・アール、2000年7月1日、184頁。 ISBN 4-88283-121-X 
  18. ^ “みんな「わたれーる」JR東室蘭駅自由通路が開通”. 室蘭民報 (室蘭民報社). (2007年4月4日). http://www.muromin.co.jp/murominn-web/back/2007/04/04/20070404m_02.html 2015年4月11日閲覧。 
  19. ^ 東室蘭駅リニューアルオープンセレモニーを開催します!』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2008年2月22日https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2008/080222-2.pdf2017年9月28日閲覧 
  20. ^ “東室蘭駅キヨスクがリニューアルオープンへ”. 室蘭民報 (室蘭民報社). (2008年2月28日). http://www.muromin.co.jp/murominn-web/back/2008/200802/080228.htm 2017年9月28日閲覧。 
  21. ^ バリアフリー化に力 東室蘭駅が全面改装*複合店舗も併設にぎわう”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (2008年3月2日). 2017年9月28日閲覧。
  22. ^ “東室蘭駅構内の「四季彩館」がリニューアルオープン”. 室蘭民報 (室蘭民報社). (2017年8月2日). http://www.muromin.co.jp/murominn-web/back/2017/08/02/20170802m_04.html 2017年9月28日閲覧。 
  23. ^ ツインクルプラザ(JR旅行センター)2店舗の閉店について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2017年12月9日https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2017/171208-2.pdf2019年7月20日閲覧 
  24. ^ a b 9.運輸・通信” (PDF). 平成27年度版 室蘭市統計書. 室蘭市. p. 88 (2016年12月). 2020年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月24日閲覧。
  25. ^ a b 9.運輸・通信” (PDF). 平成29年度版 室蘭市統計書. 室蘭市. p. 88 (2019年3月). 2020年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月22日閲覧。
  26. ^ a b 9.運輸・通信” (PDF). 令和元年度版 室蘭市統計書. 室蘭市. p. 84 (2021年3月). 2021年12月31日閲覧。
  27. ^ 『JR時刻表 2017年3月号』交通新聞社、2017年、683頁。 
  28. ^ むろらんグルメマップ”. 室蘭観光推進連絡会議. 2023年9月6日閲覧。
  29. ^ ホテルテトラ、8日グランドオープン”. 室蘭民報 (2023年9月5日). 2023年9月6日閲覧。
  30. ^ 『貨物時刻表 平成26年3月ダイヤ改正』、鉄道貨物協会、2014年、138-139頁。 

関連項目

外部リンク


東室蘭駅(東室蘭操車場)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/26 15:13 UTC 版)

日本の貨車操車場」の記事における「東室蘭駅(東室蘭操車場)」の解説

石炭などの鉱産物鉄鋼などの工業製品輸送拠点とされた。石炭製鉄業と共に衰退1984年2月1日機能停止1996年平成8年)に跡地JR貨物東室蘭駅が移転

※この「東室蘭駅(東室蘭操車場)」の解説は、「日本の貨車操車場」の解説の一部です。
「東室蘭駅(東室蘭操車場)」を含む「日本の貨車操車場」の記事については、「日本の貨車操車場」の概要を参照ください。

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