その他暗部関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 08:01 UTC 版)
「とある魔術の禁書目録の登場人物」の記事における「その他暗部関係者」の解説
人材派遣(マネジメント) 声 - 野上翔 学園都市で人数が必要な犯罪行為を行うとき、補充人員を紹介して仲介料を稼ぐ業者。犯罪用の道具の売買も行なう。軽薄そうな大学生くらいの男で、首から複数の携帯電話をぶら下げている。 「スクール」にスナイパーとして砂皿を紹介したが、取り引きを嗅ぎ付けた土御門に事務所を襲撃され、腹部を銃撃されて重傷を負う。詳細な情報を得るため生かされたまま「グループ」下部組織に護送されているところ、口封じに来た誉望により両手を潰されたうえで殺害される。 雑貨稼業(デパート) 声 - 本橋大輔 学園都市で逃走、潜伏に必要な物品や施設を商品として扱う裏の調達屋。第15学区に建つ巨大統合ビルの最上階に住むが、金を出せば自宅でも商品の隠れ家として提供する。人身売買も行なっており、自らも700万円で購入した少女をサンドバッグ代わりにして殴るのを趣味としている。 依頼を受け「グループ」から派遣された一方通行に始末され、息を吸って吐くだけの肉塊にされて「グループ」下部組織に回収されるという末路を辿った。 ヘルメットの女 声 - 渡部紗弓 学園都市の暗部に所属する女性。「電話の女」と呼ばれている女性の部下であり、命令系統は「アイテム」と同じ。第三次世界大戦終盤、上からの指示で滝壺を回収するため部下を連れてロシアに向かい、「アイテム」の面々を包囲するが、逆に近くの集落から駆け付けたディグルヴたちに拘束されてしまい、浜面の拷問で「素養格付」の情報を引き出される。 恋査(れんさ) 統括理事・薬味の側近である女性のサイボーグ。 普段は薬味と同じ病院で看護師として働いている。製造及び維持に学園都市の予算の一角を使うまでの多額の費用を投じられており、人の脳の最小単位である視床下部以外は全て機械で構成されている。この視床下部は恋査というサイボーグを動かすための部品の一つでしかなく、消耗する度に取り替えられている。#040まで視床下部のストックがあり、作中では#028と#029が恋査に搭載された。 戦闘能力は極めて高く、超能力者全員が一斉に反抗した時に対する備えとして、背部に展開する「編み棒」の数値制御によりAIM拡散力場を介して削板以外の全超能力者及び半径200m以内の任意の能力者の能力の「噴出点」を自らの脳構造、身体構造を作り変えて生成し、使用することが可能。 上条、垣根との戦闘により、機械の心臓部が完全に破壊された。#028 淡々とした性格ながら毒舌。高火力の飛び道具を使い、「噴出点」を多用する傾向が強い。 白いカブトムシに干渉してフレメアを誘導、黒夜の能力を使用してフレメア殺害を図り、黒夜と浜面を撃破する。駆けつけた上条を肉弾戦で圧倒するが、「幻想殺し」を引き出そうとしたことでマシントラブルを起こし機能停止した。 #029 テンションの高い性格。「噴出点」よりも第一位の能力を使用した肉弾戦に重きを置き、五感よりも演算の結果を重視する。薬味は自身の恩人であり、自らの意思でこの姿になった。 「避雷針」で上条を襲撃、制御を取り戻した垣根とも交戦する。2対1の劣勢の中、「黒い翼」を発現し逆に2人を追い詰めたが、フレメアの干渉でAIM思考体となった薬味を機体に叩き込まれ能力の制御を失う。全身が崩壊しながらも薬味を守ろうとし、ついには「白い翼」をも発現させることに成功したが上条に撃破される。 蜜蟻 愛愉(みつあり あゆ) 声 - 花守ゆみり 食蜂を憎む少女。強能力者(レベル3)。 「才人工房」第3研究室「内部進化」の出身。精神系能力者の頂点に立つ素養を持っていたが、食蜂のスレーブとして時間割りから切り捨てられた存在。研究室では年長者であり、予算が足りないという名目で1人だけ能力開発の実験から外されると説明を受け、自ら外れることを願い出る。その実験が失敗した時は、遠峰を犠牲にしつつも暴走する悠里を能力で鎮めた。 能力開発が行き詰まったことに悩み、本編1年前の8月に入水自殺を図った。本来ならば上条が救出に向かっていたが、彼が偶然食蜂と接触したことで間に合わなかった。その後一命を取り留めるも、暗部に身を落とす。 10月、協力者の北条兄妹と共に、「学園都市伝説」を経験できる「インディアンポーカー」によって、一種のインターネットミーム化した悠里を「AIM拡散力場」と紐付けて力の受信機とし、「内部進化」では失敗した「理想の能力」を実現しようとした。しかし、電子戦のエキスパートである初春により、興醒めする情報を流した上でより強力な話題でマウントを取られ、さらには工作用アカウントを全て凍結されて打つ手がなくなり計画は頓挫。その後、静護を倒した削板により崩落寸前の旧・才人工房ビルから救助され、静護の最期を看取る。 11月には蠢動からファイブオーバーOSとファイブオーバーを貸与されて、食蜂の精神を破壊しようと暗躍する。戦闘の末、食蜂を拘束することに成功したが、その場に駆けつけた上条と交戦。その後は今まで利用していた暗部組織などによる報復から守るため、少年院に送られた。 能力はレベル3の「心理穿孔(メンタルスティンガー)」。「心理掌握」と同様に脳内の水分を顕微鏡レベルで制御して精神制御を行うが、こちらはカメラと指先で標的を設定する。怒りなどで感情が高ぶると、空気中の水分の圧搾と対象内部からの水分子の抜出により、フリーズドライに似た肉眼で確認できる現象を起こすことも可能。マスターである食蜂と同じ能力開発を受ければ超能力者に達する可能性もあるとされている。 蠢動 俊三(しゅんどう としぞう) 学園都市上層部の思惑を無視する大人達の一人。 かつては「才人工房」の「内部進化」において中心となっていた研究者だった。統括理事会メンバーをパトロンにつけ、「AIM拡散力場」を解析し、その核となる「自分だけの現実」を抽出して操ることができれば、能力者とその能力を自在に操れるのではないかと仮説を立て、夾雑物にまみれた「自分だけの現実」を記録した他の能力者へ学習させ、意図した方向へと能力へと変化させることを繰り返し、望む「理想の能力(アイデアル)」を創り上げるという計画を立案、悠里の「幽体連理」をカードに記録し子供たちに学習させ、成果をフィードバックし、最終的には「自分だけの現実」を変質させる上に洗脳効果まで持ったカードを学園都市中にばらまこうとした。最初の実験が大事故に発展し、脳幹から厳重注意を受けてもなお悠里が無事なら計画を続行できると考えていたが、同時に食蜂の全てを横取りしようと企み洗脳した異分子を使って彼女の側の研究にも干渉していたことを気付かれ、食蜂の密告を受けたパトロンから出資を打ち切られ、「内部進化」を解体されることになる。 「心理掌握」に執着し、1年前にはデッドロックを追い詰めると同時に彼らに「簒奪の槍」を与えて食蜂を襲撃させたが、上条の介入により失敗。この時、上条はデッドロックの攻撃を受けて食蜂に能力を使った応急処置を施されるものの、食蜂を認識できない記憶障害を脳に負ってしまう。彼女を犠牲にしてでも能力のメカニズムを知ろうとしたため、アレイスタ―の指示を受けた脳幹により文字通り肉体を粉砕される。爆破された後も生き延び、自らの脳をシャチの脳に接続して復活、1年後に蜜蟻を陰で操り再び食蜂を襲撃させたが、最終的にこれも上条が阻止。食蜂と、アレイスターのプランに必要な上条に2度も手を出し、そのことを察し自らの前に再び現れた脳幹を30基の「鋼の臼歯」を以て迎撃しようとしたが、己の理解が及ばない圧倒的火力(対魔術式駆動鎧)の前に敗北する。 舞殿 星見(まいどの ほしみ) 「暗部」に属する15、6歳の少女。根丘の尖兵。上記の名前は上条に名乗った偽名で、本名は不明。 学校では「何でもできる委員長」的な立ち位置にいるが、両手の人差し指に全神経を集中させる「能力の最適化」を何の断りもなく施され、シグナルスライド法で情報の上書き操作を繰り返された結果、片手で箸を持つ機能を復旧不能にされており、そのことが強烈なコンプレックスになっている。学友との食事や外食を気兼ねなく楽しむことを願うも、「暗部」に身を浸すことで「できない」ことへの羞恥から自分を守っていた。 「暗部」一掃に抵抗し、根丘の指示で新統括理事長の弱みである打ち止めの拉致を目論む。「一番目立つ事で、人の印象から消える」目的で、計画当日の12月24日はミニスカサンタのコスプレと長い金髪のウィッグを纏って行動していた。打ち止めが向かったダーツバーを両断し、一緒に居た上条の脇腹を刺して誘拐を成功させ、追ってきた美琴とインデックスを倒壊させたビルに閉じ込める。だが、御坂妹に治療されて駆けつけた上条が、15年分の記憶を失っているという自分より重いハンデを背負っていることを知って精神的に圧倒され、接近戦に持ち込まれて殴り飛ばされ敗北する。その後は意識を失ったまま拘束され、根丘の関与の証拠として御坂妹の手で警備員の秘匿取調室へ連行された。 事件後は裁判が始まるまで犯罪容疑者として鉄格子のついた病室に閉じ込められていたが、アンナ=シュプレンゲルの侵攻の非常事態に乗じて監視を逃れ、上条に借りを返そうとしたが、逆に彼から「暗部」絡みは辞めると自分の意思で決めた以上はその通りに生きるべきだと諭されて、協力するのを諦める。 能力は「念動能力(テレキネシス)」。上述の最適化を受けた結果、純粋に「物を動かす力」の一点だけなら美琴でも綱引きにならないほど強力で、50階建ての高層ビルを根こそぎへし折り、道路を地盤ごと持ち上げ、水道管やガス管を自由自在に引き千切り、10万t以上の原子力空母を動かすという圧倒的な出力を発揮する。さらに「ベクトルの加工」まで可能としており、左右の人差し指で1つの標的を指定し、千切って破断する、圧縮する、回転運動に結び付けるなど応用が利く。また、「摑む」ことができるのは固体限定ではなく、空気の塊を上空から叩きつけて暴風を起こすことも可能。だが、人間そのものを振り回すことはできないという制限があるため、人体に影響を与える場合は対象の周囲にある物を利用する必要がある。純粋に「ゼロから力を生み出す」出力だけで言えば学園都市最強であるが、あまりにも殺しと破壊に特化されすぎて応用性が足りず経済的価値が見出されないという理由から、超能力とは認定されていない。 碧海 華麗(あおうみ かれい) 「ペットブリーダー」の通称で呼ばれる「暗部」の女性。年齢は大学生くらいで派手な露出の黒光りするボンデージを着ている。 秘密裏に訓練された害虫や害獣のような危険なペットをけしかけ、事故に見せかけて狙った人物を攻撃する専門職。単純な脅迫から著名人のリタイア、暗殺まで傷の大きさや感染症の度合いは多岐に渡るという。本拠地の廃ビルは一種のビオトープとなっており、現場周辺で発見されたヒアリやカミツキガメが保健所に捕獲された程度の証拠しか残さず、事件化はされていない。本性はコストカット要員の偽装職で、浅い層にグロテスクな底を作って分かりやすい恐怖を演出するだけで、様々な仕事を請け負うが実際には暗殺はほとんど使わない。また、様々な動物を扱う関係で、bC-96/Rといった人間用の治療薬も融通している。 オペレーションネーム・ハンドカフスの際、黒子と楽丘によって本拠地に踏み込まれる。殺傷能力を落としたイナゴやガラガラヘビの群れで2人を攻撃するが、楽丘の突進によってデンキウナギが入れられた池に転落、忌避剤が通じず感電死した。 花露姉妹 「暗部」でも嫌普性に分類される双子の研究者。どちらも白衣とガスマスクを装備した10歳くらいの長い黒髪の少女で、年齢や背丈の割に胸が大きい。無能力者(レベル0)。 有害物質や微生物を昆虫や小動物に載せて指定の通りに拡散させ、狙った個人やエリアを正確に攻撃するエキスパート。高位能力者ではないが、動物を操作するための人工フェロモンや合成蜜と、動物に載せて使う毒性の高い化学薬品や微生物が揃えば、手に負えない脅威となる。おおよそ都市型の害虫や害獣であれば何でも操る事ができるため、街中なら半永久的に武器の補給を受けられる状態にある。 誘引物質を散布することでそれらの生物を単に集めるだけにとどまらず、ネズミの大群を銃弾を遮る肉壁にする、羽虫の群れの羽ばたきで銃弾の軌道が逸れるほどの強風を発生させる、トンボやスカシバガのように透明な羽を持つ虫で光の屈折を操作して立体映像を作る、蜘蛛の体組織のタンパク質を溶解させ胃のポンプで吸い出す性質を利用した顔面の整形や体格変更、ガリオネラ属の鉄バクテリアで電流を流すアースを作る、数万匹のコオロギに一斉合唱させて高音でダメージを与える、というように複雑にコントロールすることも可能。また、ある種の虫が宿主の体の一部を大きく膨らませる「寄生肥大」を利用して、巨大化させたカラスやゴキブリを背中に貼り付けて空を飛ぶ。まず使うことはないが、傷口をマゴットセラピーで消毒、ハチの針と蜘蛛の糸で縫合し、医療ビルで鎮痛を行うなど、医療行為の用途としての技能も持つ。花露 過愛(はなつゆ かあい) 花露姉妹の片割れで、「分解者」の通称で呼ばれる、食物連鎖のピラミッドを循環させるために不可欠な存在である、ハエ、ゴキブリ、ネズミ、ダニなど都市の残飯喰らいの研究者。 命と命のやりとりに遊びや気紛れを挟んでパフォーマンスを繰り返す。一方的な吸い上げによって先細りと硬化を招く世界の秩序を嫌い、大きな街の汚れをかき集めて体の中で浄化したいと思っている。その一環で自分の全裸を衆目に晒そうとする悪癖があり、妖宴からはやめるよう何度も文句を言われているが、一向に気に留めていない。その関係で、上条のような熱血で潔癖な正義の押し売りをする男性原理の権化を最も嫌う。また本心では、1人で何でもできることから妖宴の存在を窮屈に感じており、双子の絆も自分自身も「何もかも分解したい」という独立心を抱えている。 「分解者」としての本領は、カビ、薬品、細菌といった目には見えない分解要因を伝達させることであり、激症型の殺人バクテリアで人間の細胞膜を崩壊させ、強化ガラスや鉄筋コンクリートの壁を食い破る。 オペレーションネーム・ハンドカフスへの制裁として警備員の留置場を襲撃し、人間を生きたまま腐らせて、発生したメタンガスに火を付けて爆発を起こす。続いて、第18学区の警備員化学分析センターを襲撃し、「自分でも何やってるか分からない」ほどの破損を引き起こす。そして黒子を戦いの中で激症型の殺人バクテリアに感染させるが、「風通し」を良くしてマーブル模様の迷路を崩されたことで操っていたネズミの群れから攻撃を受け、自らの骨を溶かしてステンレスシンクの排水溝から逃走、結果として薬味久子と同種の永遠に死ねない存在となって下水道を漂うことになる。しかし3日間で下水の環境にも慣れてしまい、意識を持つ肉と同じクリーム色の液体として復活を遂げる。29日には地下で楽丘に追われながら移動し、最低で最悪な花露妖宴の姿を見たいと第10学区のゴミ焼却施設に現れ、妖宴とペアで鉄装達と戦い、戦闘後は妖宴と一緒に逮捕される。 花露 妖宴(はなつゆ ようえん) 花露姉妹の片割れで、「媒介者」の通称で呼ばれる研究者で、あらゆる病原菌を効果的に運搬するために小動物を使う。 容姿が酷似しているだけに、過愛の特殊性癖に巻き込まれて自分まで恥をかく経験を幾度もしており、何度言っても態度を改めない彼女には手を焼いている。一方で防犯ブザーを過愛の腹部に縫って埋め込むなど、彼女とは対照的に縛り付けてでも永遠にべったりしたいという考えを持つ。双子の片方と向き合ってタイムアタックをひたすら極める事以外に興味が薄いため、明白な目的がない限りは機能と効率を重視する。ぐいぐい推しの一手で来られるとつい流されてしまう性格。 オペレーションネーム・ハンドカフス中は過愛と共に警備員に対する報復行動を行う。しかし、分析センター襲撃時に過愛が汚水に溶けて拡散したことを知って取り乱し、「ニコラウスの金貨」で地面を割って汚水を地上に噴出させ、「生物濃縮」によって希釈された過愛を自分に取り込もうと汚水を飲むという常軌を逸した行動を取る。しかし「ニコラウスの金貨」の力でも過愛を元通りにはできないと分かって絶望し、汚水によって歯が溶けた状態で意識を失い拘束される。しかし、肉体の破壊という最後の一撃によって警備員の中に無秩序に破滅を媒介し、良心に押し潰されて自滅する警備員を大量に生産することに成功した。12月29日、護送中の「オーバーハンディング」の事故に乗じて脱走し、3億円の懸賞金を掛けられる。溶けた口腔は飛行機のボディに使われる非金属系のインプラントに置換して、鋼管を歯で破れるようになっている。第10学区のゴミ焼却施設に潜伏して、死んだふりで追跡を逃れるべく30万人以上の死人を出そうかとも計画していたが、自分と競い合ってくれる過愛を失った事でモチベーションが低下していた。そこを鉄装に襲撃されるが、妙に馴れ馴れしい上条に助けられ、楽丘豊富を助けるのを手伝ってほしいと懇願され、汚水の中から復活した過愛と共に鉄装と戦った。戦闘後は過愛と一緒ならどこでもいいとあっさり逮捕され、カキキエ隧道へ向かう上条の銃創を無毒なカビで簡単に塞いで送り出す。 レディバード 木原端数が作ったアンドロイド。外から見れば人間と全く見分けがつかないクオリティで、外見年齢は13、4歳くらい、鮮やかな真紅のロングヘアに、オレンジと黒の競泳水着に似た装束を纏っている。対人関係が皆無で世界が狭く、精神的に未熟である。 「暗部」のゲテモノを素材とした骨格や筋肉は、その気になればV12エンジンの最高回転数とでも張り合えるとされ、40kgはあるだろう女性を片手で振り回す怪力を発揮する。その力で、劣化ウランの65倍の金属結合の強さを持つ超重量の人工元素であるセインティウムから作られた、刃渡り60cmはある分厚い山刀状の刃物「防御の剣(レフトアーム)」を武器とし、艦砲クラスの装甲貫徹弾くらいまでなら問題なく受け止める。常温超電導液体を利用して余剰エネルギーを安全に逃し、同時に各部の摩擦消耗を抑える放電機械油を定期的に使用する必要があり、衣類も機体の放熱性能を助けることが最大の役割。また、精密に作られ過ぎているせいで、内部に煙が入ると活動に異常をきたす。「脳が体を着る」サイボーグの恋査とは逆に、「体が脳を取り込む」というアプローチによって、脳神経より細く精密な炭素系素材のセルロースナノファイバーを配線とすることで、強能力程度の「念動能力(テレキネシス)」や「発火能力」を切り替えて使うことができる。ただ、配線を活動状態で放置すると際限なく自己増殖し無理に折り畳んでスペースを確保しようとするので、脳を決められた頭蓋の範囲に収めるために「異物」として人間の脳を「背中の口」から取り込む必要がある。機体の名称はテントウムシに由来し、ユーモラスで人に好まれる配色をしているが貪欲な肉食性昆虫でもあるという側面を反映している。 オペレーションネーム・ハンドカフスでは、端数の指示で警備員達と激戦を繰り広げる。その中で浜面達と何度も戦い、第6学区の遊園地ではフリルサンド#Gの、第11学区のコンテナラボではヴィヴァーナの乱入によって撤退する。カキキエ隧道での最後の戦いにおいて、自分が人間の脳を捕食する存在であると教えられて狂乱し、それでも本能に従って「置き去り」を襲うが、浜面が煙幕でセンサーを誤作動させたことで体操服を着せられたドラム缶を取り込んでしてしまい、それに銃弾を浴びせられて内部から爆発して粉砕された。機能停止した残骸はカキキエ隧道に放置されていたが、29日にメルザベスの知恵を借りた上条が配線を直し、ロジスティクスホーネットの光ニューロコンピュータと頭脳を同期する事で再起動を果たし、能力を使えなくなった代わりに人の脳を捕食する必要もなくなり、悪趣味から子供達を守るという理念に目覚めて、創造主の手からリサコを救うために奮闘する。 フリルサンド#G ドレンチャー=木原=レパトリによって科学的に作られた人造ゴースト。外見はツインテールにした長い金髪に薄い青のふわふわしたシルエット、ボディラインのくっきりしたドレスの上に薄布を重ねた、洋風の人形のようなグラマラスな20歳くらいの女性。名前のGはゴーストを意味する。「まずは身近な子供を守る子育て幽霊であって、そのためならば外敵と戦う事も辞さない」恐るべき善性の幽霊である。 「ハイボルテージ=カッティング法」と呼ばれる、ある種の高エネルギーを放射し続けると、自分自身の中で互いに干渉し合ってイレギュラーな波形や像を作り出すという原理を利用した、要は「高エネルギーの塊」。ここで言うエネルギーとは、二酸化炭素や窒素酸化物が空気中の水分と結合した酸性雨と、電極となる街中の銅や亜鉛からなる、街一つ以上に大きな規模の「文明電池」を指す。そして、安定したエネルギーの中に「ノイズ」が多い突出した一点を設けることで姿を現すので、人がいて文明がある場所ならどこでも自分を保つことが可能。災いをもたらす心霊写真の呪いような致死性まで組み込まれ、その際、大勢の中から正確にターゲットを選ぶため、「置き去り」達がつけた「幽霊の実験器具」であるモーションセンサーを利用している。「顔が見えている」だけで攻撃は終わっているので、視界の隅に立つだけで気づかれずに継続ダメージを与えることも、圧倒的な破壊力ですり潰すこともでき、単体戦闘能力であれば第2位以上とされる。また、怪異の目撃談の最初に機械の異常が生じることから、カメラやセンサーなどの「機械的な五感」に誤作動を起こす機能も備わっている。ものに触れられない代わりにどんな壁や柱でもすり抜ける事ができ、銃弾などの普通の武器は通用しない。オカルトではない科学的に説明できる幽霊なので、「幻想殺し」で触れても消滅せず、攻撃を打ち消す事もできない。アリスの「処刑人」による魔術攻撃は当たるが、「切断の条件」が合わないために頸部に刃を何度振り下ろされても切り離されず、首が90度折れ曲がったまま攻撃し続ける。しかし莫大な電気に支えられて存在する不安定なエネルギーである以上、塩水、静電気、マイクロ波、電磁パルスといった様々な電磁的要因で安定性を欠くという弱点を抱えており、家庭のキッチンでも電子レンジだけは避ける。 オペレーションネーム・ハンドカフスの際、一度は第6学区の遊園地でレディバードから浜面達を助けたが、カキキエ隧道で殿の役目を任された時は次々と現れる「暗部」を1人で圧倒する。そして、浜面と滝壺を始末しようとするが、戦場となった隧道が巨大なAIM拡散力場の塊であったことから、端数がエネルギーの安定を崩したことで誤作動を起こし、ピンホールカメラ中に吸い込まれる。事件後、カキキエ隧道の微弱な力の集まりを吸い込んで存在を取り戻し、レパトリの死体を目の当たりにして本物の怨霊へと膨れ上がる。29日には暴走して度々上条達の前に現れて致命的な攻撃を行うが、子育て幽霊の本質からカキキエ隧道で端数に憑依されてしまったリサコを救うために行動し、相性の悪さから再び敗北して端数の制御下にある「禁忌」の中で迷子になってしまったものの、上条や浜面に助けを求めてカキキエ隧道へと導く。 ヴィヴァーナ=オニグマ 「暗部」の和風拷問マニア。長くてクセの強い銀髪に袴姿の女子学生で、滝壺には劣るが巨乳。「暗部」としては良心的で、好普性に分類されている。自分で線を引いて真摯に科学と向き合う専門家で、悪人に対しても非殺傷を選択し、見知らぬ子供を救済するために自分の命を投げ出せるという、無駄を楽しむ浪漫の心を持っている人物。 日本で鼻つまみにされていた研究資料を集め、消えゆく歴史や文化を次世代へ伝えて人の役に立ちたいと考え、和風の拷問や処刑の研究者となる。だが、その研究分野が教育関係者から白い眼を向けられた関係で、いつしか「暗部」にまで身を落とす羽目になっている。情報を聞き出す前にうっかり死なせないようにするための「荷重の分散」の技術に長け、矢来や縄で相手の動きを封じ、逆に荷重の一極集中で鋼管さえ容易くへし折る。許容上限を超える痛みを与えて相手を一撃で失神させる、香辛料を燻した煙幕で鼻粘膜を刺激するといった技術も使う。研究分野の関係で、鍼灸や漢方などの治療行為にも精通している。 オペレーションネーム・ハンドカフスの際には、偽書を掴まされて大損した過去をネタに「工場否定」から偽装パスポートを手に入れようと遊園地に現れたが、職人は直前に殺害されていたため、成り行きで知り合った滝壺を治療した後で浜面たちと一緒に「学園都市最大の禁忌」を目指して行動する。しかし道中で2人と逸れて下水道に迷い込み、リサコを守るために錯乱する楽丘を撃破するが、この戦闘で内臓に致命的なダメージを負う。その後、第23学区で再会した浜面達をレディバードから救ったが、連戦で肉体が限界を迎え浜面に看取られながら絶命した。 ベニゾメ=ゼリーフィッシュ 「暗部」狙いのパパラッチをしている女性。20代前半くらいのグラマラスな美女で、黒髪おかっぱ、クラゲの飾りを付けたド派手なテンガロンハット、真っ赤なチャイナドレスという和洋中揃い踏みの奇抜な格好をしている。「やめてよね」が口癖。 人の人生を転落させるスリルに耽溺するブラックジャーナリズムの常習者。特別なスクープを撮るためなら撮影対象を銃撃して混乱を見舞わせるくらいは当たり前、目的のためには殺人すらも厭わない、というモラルハザードを起こした報道人で、その性質から自分から罪を犯す事はないが、すでにある犯罪行為を引っ掻き回して被害を倍加させていく。「暗部」の世界をあまりにも知り過ぎていたために、優れた撮影技術やスクープ写真のコンスタントな提供能力があっても出版社のお抱えになることはできず、「暗部」での生き方を覚えていくうちに自らも「暗部」と呼ばれるようになった。だが、本人としては正義のまま「暗部」を追っているつもりである。ペンの強さに取り憑かれた人物で、「正義」のこだわりとして動画サイトやSNSが発達した時代でも紙の週刊誌を重視している。 大量の銃火器を銀色のケースに入れて携行し、電子線やテラヘルツ波など特殊な撮影機材を使って布越しでも標的を正確に狙うことができる。また、アナログフィルムの製造メーカーが開発しているハイパワーのマシン系だけを問答無用で腐食させる薬液なども所持し、ストロボや測距用レーザーなどによる目潰しも使うので近距離戦闘でも隙がない。スナイパーとしての資質も高いが、1発の弾丸より1枚の写真の方が世界は震えると考えているので、パパラッチという仕事にこだわっている。 オペレーションネーム・ハンドカフスの時には、「工場否定」の元へ集まってくるだろう「暗部」の大物を撮影するため、第6学区の遊園地で待機していた。レディバードの襲撃を受けて滝壺を囮に一時撤退したが、再び舞い戻って「工場否定」を射殺、そのまま浜面と滝壺の悲劇を撮影しようとするが駆け付けた黒子に妨害される。周囲に設置した撮影装置や銃器を駆使して黒子を追い詰めるが、土壁をぶち破って突進してきた楽丘によって跳ね飛ばされ、瀕死の重傷で戦闘不能になる。12月29日、護送中の「オーバーハンディング」の事故に乗じて脱走し、1億5000万円の懸賞金を掛けられる。鉄装とのどかに敗れて「舌禍抜取」を装着させられ、狙撃で協力を強いられたが、裏で黄泉川へ情報提供して彼女を現場の第10学区まで導いた。その後は駆けつけた黒子によって雑に確保され、警備員の手で移送される。 硬俵 総太(こうたわら そうた) 「工場否定(パーフェクトフィルム)」の通称で呼ばれる、完璧な身分証を作る技術を持つ腕のいい偽造職人。見た目は岩石のような頑固オヤジ。第6学区のシークレットレジデンスを拠点とし、ド派手な洋館の脇に立てたいくつかのテントを住居やラボなどとして利用している。「本物よりも出来の良いパスポート」なら相場は500万円。 レパトリとの交渉を浜面に邪魔され、その間にベニゾメによって射殺された。 警策 看取(こうざく みとり) 声 - 富田美憂 食蜂操祈の協力者でドリーのお目付け役。詳細は「とある科学の超電磁砲#警策看取」を参照
※この「その他暗部関係者」の解説は、「とある魔術の禁書目録の登場人物」の解説の一部です。
「その他暗部関係者」を含む「とある魔術の禁書目録の登場人物」の記事については、「とある魔術の禁書目録の登場人物」の概要を参照ください。
- その他暗部関係者のページへのリンク