本人として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 16:30 UTC 版)
しかしデボラ・カーが、自身の吹き替えをニクソンが行ったとインタビューで暴露したことから、彼女の存在が初めて浮かび上がることとなった。 その後はミュージカル映画が斜陽となったこともあり、彼女のゴーストシンガーとしての仕事は終わった。 1965年の『サウンド・オブ・ミュージック』では、ファンの声がスタジオを動かし、ニクソンは初めて修道女役の一人にキャスティングされて、晴れて銀幕でその歌声を本人の姿とともに披露することになった。 この『サウンド・オブ・ミュージック』の撮影現場で、ニクソンに初めて会った主演のジュリー・アンドリュースは、ニクソンが彼女に遠慮してやりにくくなるようなことがないよう気遣い、自らニクソンのもとに歩み寄り、力強い握手をしながら、「いつも素晴らしいお仕事をしていらっしゃいますね」と親しく話しかけている。『マイ・フェア・レディ』でニクソンが吹き替えたイライザ役のナンバーは、アンドリュースがブロードウェイのオリジナルキャストとしてそのスタイルを確立したものだった。しかも映画化にあたっては、ワーナー・ブラザースはハリウッドでは無名のアンドリュースに替えて、オードリー・ヘプバーンを主役に起用している。かわりにアンドリュースはディズニーの『メリー・ポピンズ』(1964) に主演して翌年のアカデミー主演女優賞を受賞、一方『マイ・フェア・レディ』に主演したヘプバーンは吹替えが祟って同年のアカデミー賞ではノミネートもされないという、複雑な経緯があったからだ。 ところがニクソンは、アンドリュースとは実は以前にも協演していた。『メリー・ポピンズ』のナンバーのひとつ「楽しい休日 (Jolly Holiday)」で、アニメ化されたガチョウ数羽の歌声を担当したのも彼女だったのである。 ニクソンはまさに「ハリウッドの声」であった。 2016年にWOWOWのオリジナルドキュメンタリー番組「ノンフィクションW」枠にて、「ハリウッドを救った歌声 〜史上最強のゴーストシンガーと呼ばれた女〜」としてその生涯が日本にも紹介された。この記事の項目は、この番組におけるニクソン本人のインタビューを参考にしたものである。 2016年7月24日、ニューヨークのマンハッタンで逝去。86歳没。
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