ニューロコンピュータ
【英】neuro computer, neural computer
ニューロコンピュータとは、脳の基本素子である神経細胞(ニューロン)や、それらが結合した神経回路網(ニューラルネット)の構造や情報処理メカニズムを基礎とし、脳の持つ情報処理能力を人工的に実現させることを目的としたコンピュータのことである。ニューラルコンピュータと呼ばれることもある。
ニューロコンピュータは、脳神経系の構成要素を参考にして設計され、神経細胞に対する情報処理要素と、情報処理要素間のシナプス結合を介した相互作用、および入力線から構成される。ちなみに、シナプス結合とは、興奮(電気信号)が伝達されることで、神経細胞同士や運動神経と筋細胞との間のつなぎ目部分が互いに結合されることを指す。
ニューロコンピュータのアーキテクチャは、ニューロコンピュータ間の相互作用の変化法則(学習法則)により決定される。
現在は多層ニューラルネットを持ち、逆伝播学習則(バックプロパゲーションラーニング)を用いたものが一般的である。
ニューロコンピュータは並列分散情報処理能力を持つため、音声や画像のパターン認識、意思決定などの最適化問題への適用、ロボットや複雑なシステムの最適制御などへの応用が注目されている。また、市場動向の予測にニューロコンピュータを利用した事例もある。
ニューロコンピュータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/11 18:42 UTC 版)
ニューロコンピュータとは、脳を構成する神経細胞が神経回線網を張り巡らせることで情報処理を司るという動作を基本原理とするコンピュータである。非ノイマン型方式。
ニューラルネットワーク制御(知的制御の1つ、システムの入出力信号をもとにしてニューラルネットによって非線形な入出力関係を再現し、それを制御対象とする制御手法)を基礎理論とする。
第五世代コンピュータに続く、第六世代コンピュータとされる場合がある。
歴史
2021年12月3日に発表された脳オルガノイドを培養したDishBrainがコンピュータゲームのPONGをプレイする研究に基づき。バルセロナで開催されていたMobile World Congress(MWC)で、2025年3月2日にオーストラリアメルボルンのベンチャー企業であるCortical Labsが、世界初の商業化されたBiological ComputerであるCL1を発表し、バルセロナ大学のes:Sandra Acosta(wikidata:Q61080757)に電気生理学研究における長期研究の門戸を開いた事とその安定性を評価された。2025年6月までに1ユニット当たり35,000ドル(約5,200,000円)から販売、リモートでアクセス可能なWaaS (Wetware-as-a-Service) サービス等が展開される予定。[1][2][3] [4][5][6][7][8][9]
出典
- ^ In vitro neurons learn and exhibit sentience when embodied in a simulated game-world | bioRxiv
- ^ 実験室内で培養した人の「ミニ脳」にゲームをプレイさせることに成功、AIよりも速いわずか5分で習得 - GIGAZINE
- ^ 脳細胞から作る「バイオコンピュータ」でNVIDIAを目指す35歳 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
- ^ Cortical Labs
- ^ Cortical - CL1
- ^ Cortical Labs | MWC Barcelona
- ^ Cortical Labs Debuts World’s First Commercial Biological Computer
- ^ 人間の脳細胞を使った「世界初の商用バイオコンピューター」が登場 - GIGAZINE
- ^ 人間の脳細胞が計算する「生物学的AI」が世界初の商用化を実現 | XenoSpectrum
関連項目
ニューロコンピュータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/24 14:43 UTC 版)
「非在来型計算機」の記事における「ニューロコンピュータ」の解説
詳細は「ニューロコンピュータ」を参照 神経細胞を模した構造のコンピュータ。
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