善と悪編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 06:03 UTC 版)
赤松剛鬼の罠にはまり桐山殺しの濡れ衣を着せられた高木は、特別拘置所から関西特等少年刑務所・別名「鬼泣き島」に移送される事になった。鬼泣き島ではルパン・虫・工作という三人の囚人による三つの派閥がいつ果てるともない小競り合いを続けていた。三者のバランスを巧く崩し、ルパンに戦いを挑んだ高木はルパンの正体が剛鬼の師・金周陰である事を知る。周陰にKOされ、改心した虫が自作した傷薬の激痛を利用し幽体となった高木は天昇と再会する。生前、金周陰と因縁のあった天昇は周陰、そして剛鬼も使う「合気」の攻略法を幽体の高木に伝授。復活した高木はルパンこと周陰を見事打倒し鬼泣き島脱出を試みるのだが、そこに剛鬼が来訪する。返す刀で剛鬼をも退ける高木。人生初の敗北を知った剛鬼は復讐を誓って退却し、高木は多くの犠牲を払いつつも鬼泣き島を後にした。 鬼泣き島を脱出し大阪に戻った高木は剛鬼の手によって関五工が廃校になった事を知る。仲間達を人質に取られた高木は剛鬼の格闘技の師にして父・剛之助の金庫番である四人の護鬼達と「デス・ゲーム」と呼ばれる金持ち達の賭け試合で闘う事になった。そこで高木は、デス・ゲームの主催者であり、時の最高権力者である内閣総理大臣・赤松剛之助が自分の実父である事、そして、その息子である赤松剛鬼が腹違いの兄である事を知る。剛之助と対立する政治家であり、高木の母親・志子の夫であった天馬人道から剛之助の母への凶状を知らされた高木は宿命を感じつつデス・ゲームを勝ち進んでいく。途中、更なる力「験力」を得ようと滝行を敢行した高木は自らの煩悩と戦い、遂には神と対話するに至り生命力を倍化させる「験力」を会得する。一方剛鬼はチベットに渡り対高木の修行を行っていた。四人目の護鬼、拳王・鬼龍院茂を苦戦しつつも退けた高木はチベット修行から戻りさらに強力となった剛鬼と最終決戦を開始する。途中、剛之助と母・志子の真実と剛鬼の過去、そして高木自身の過去を交えつつ恩讐を越えた闘いに高木は勝利する。デス・ゲームを終えた高木であったが、会場の外を包囲していた警官隊によって拘束される。護送車で運ばれる高木の姿が周囲の人間の見た最後の姿となった。 最終戦争から16年後、大阪にて4年に一度の東西連合のOB会が催された。高木の仲間達は旧交を温め合うが、肝心の高木のその後を知る者は誰もいなかった。そんな時高木がアフリカにいるという情報が飛び込んでくる。無罪放免で釈放された高木は桃千代と共にアフリカの紛争地帯に渡り、ボランティア団体の一員兼護衛として力なき人々を今も守り続けていたのだった。
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善と悪編
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赤松剛鬼(あかまつ ごうき) 高木の腹違いの兄であり、「広島愚連隊・鬼(ひろしまぐれんたい・おに)」大将。桐山殺害後は集英会二代目組長に成り上がる。金周陰の陰陽拳をベースにあらゆる格闘技のエキスパート達や、生理学・生体学・性力学などのデータによって編み出された究極の格闘技・鬼道流合気柔術(きどうりゅうあいきじゅうじゅつ)の使い手で、相手の気を読むことですべての拳を中和・無効化する超柔を売りとする。この他、テクニックとパワーに優れている。性格は非情で龍天昇の宝×数兆円分の麻薬を強奪するために暗海と桐山を躊躇なく射殺し、高木や森上たちを罠にはめて少年刑務所送りないし拷問・麻薬漬けにした。その際、高木を含むメインキャラクターたちをほぼ一撃で戦闘不能にする実力を見せている。本作の事実上の最終ボスである。 歪んだ性格は仕事一辺倒の父親と志子の恨みを呟くだけの不気味な母親に育てられ、帝王学を学ぶ忙しさから友達とも遊べない不遇の幼少期を過ごしたため。しかし父からの愛を手に入れるため金周陰の「強くなれば何もかもが手に入る」の言葉をもとに強くなり、学力やスポーツでトップを手に入れ父のもとに向かう。しかし剛之助が高木を発見した一報を聞き自分に一度も見せた事のない笑顔を見せ、尚且つ跡取りにしようと聞いたことで絶望し高木を殺すことを決意、鬼となる。広島愚連隊結成後は加賀谷のスパイ工作と自身の力で数多の対抗チームを壊滅に追いやっている。かつてない程に高木を追い込むが、鬼泣き島での再戦にて自分の師である金周陰により成長した高木に人生初の敗北を喫し、命からがら退却した後は切磋琢磨の心を知り単身チベットへと向かう。その際、自ら服従させたかに見えた桃千代に恋愛感情を抱く。 チベットにてチベット密教守護のための拳法・チベット密教拳の修行後、脳波のコントロール技術や他者の寿命を感じる能力、そして高地での修行によって発達した毛細血管による優れた心肺能力からなる超時間の連打と驚異的な回復力を手に入れ、帰国直後に木村をはじめとする高木の仲間たちを撃破。「デス・ゲーム」において高木と雌雄を決する。修行で得た力と根性で験力を完全に使いこなせるようになった高木を追い詰めるも、心肺能力を急激に上げた上での長時間戦闘の影響で酸素を過度に取り込んで肉体に負荷がかかり、さらに力尽きたかに見えた高木も剛之助の自己犠牲で助かる。父の死に動揺しながらもなお覇道を突き進もうとするが、高木の大技三連発に敗れ、その際に高木の愛の籠もった「人を呼ぶ拳」に触れて改心する。エピローグでは高木に敗北した後、どさくさに紛れて国外逃亡して日本から脱出するが、中国からのチベット独立のために仲間たちと戦っている旨が語られた。技 閻魔無明脚殺(えんまむみょうきゃくさつ) 鬼道流合気柔術の技。相手の両目の間にある急所・烏兎(うと)を蹴ることで、相手の脳に鼻骨と前頭骨の破片を直撃させる。 百烈殺(ひゃくれつさつ) 鬼道流合気柔術奥義。拳の連打を繰り出す。 ・脳天地獄落とし(のうてんじごくおとし) 鬼道流合気柔術の技。相手の腕を掴んで一本背負い投げを決め、相手を脳天から地面に叩きつける。高木との最終決戦にて1回のみ使用。 曼荼羅掌(まんだらしょう) チベット密教拳の技。両手を組み合わせてすべての指を曲げつつ開き、その体勢から相手に掌底を喰らわせる。 大黒天(マハーカーラ)天地破壊蹴(-てんちはかいしゅう) チベット密教拳の最終奥義。強烈な蹴りを繰り出す。 聖脚(せいきゃく-)ヴァジュラ(金剛)大蹴(-たいしゅう) チベット密教拳の技。強烈な後ろ回し蹴りを放つ。 チャンダマ・ハーローシャナ(不動明王)剣(-けん) チベット密教拳最強活殺奥義。鋭い突きで相手の延髄を貫く。 加ヶ谷優(かがや ゆう) 広島愚連隊の一員で、ヒーロー然とした容姿をした優男。「ヒャッホホーッ!!」が口癖。当初は「赤松に恨みを持つ者」と名乗り、機動隊の囲みから桃千代一人を救い出した。しかしその正体は剛鬼の忠実な腹心で、桃千代を剛鬼に差し出しただけでなく、森上や安藤たちを罠にはめておびき寄せ、クスリ漬けにした外道。ハニーフェイスを活かした二重スパイ工作を得意とし、「だまし屋」の別名を持つ。戦闘力は余り高くないものの桃千代の一撃を防いで反撃するあたり、それなりに実力はある。デス・ゲームでは司会進行を担当し、高木たちの神経を逆撫でするマイクパフォーマンスを行った。その一方、撤収時に転倒するなどやや間が抜けている。高木が剛鬼を倒した後、工作と虫に袋叩きにあう。エピローグでは改心したらしく、その"仕切り”の旨さを活かして東西OB会の司会を担当していた。なお、その際に自身に瓜二つの二人の息子をもうけ、健康器具を販売していることを明かしている。 ルパン/金周陰(きん しゅういん) 剛鬼の師で陰陽拳(いんようけん)の創始者。鬼泣き島にて世界中の難攻不落を誇る美術館・銀行で数百億円分もの盗みを働いた末、とある代議士の隠し金を狙うも失敗し、逮捕されたマジックと窃盗の名手である年齢・性別不明の大泥棒「ルパン」と名乗ってはいたが、それは剛鬼の目から身を隠すための偽名で本名は金周陰。 鬼泣き島に君臨する三人の凶悪犯たちの一人であり、顔にピエロのようなメイクをした若い身なりのマジシャン姿をしてはいるが、正体は高木の師である黄天昇と同じ時代を生きた齢百を越す天才拳法家で、天昇をして「自分の戦った者たちの中でも最強」と言わしめる。普段は年齢を隠すために両手の関節を外し、足にギプスをはめた上で重たいマントを羽織っている。この他、彼本来のスピードで相手を翻弄し、トランプや茎が鋭利なストロー状となっており、刺さると相手の血を吸い出す造花を投擲しての攻撃や地面に仕掛けた殺虫剤を散布するなどのマジック技も使う。また、天地神明掌についても知っていた。 16歳という若さで陰陽拳を創始し、中国各地を暴れ回っていた。傲慢で不遜な性格だったが天昇に敗れ改心。以後は正しく拳を磨くためにインドに渡り、ヨーガを極めることで超柔を上回る超々柔を身につけるが、天昇はすでにこの世を去り生きる指針を失い窃盗・殺人などの犯罪に手を染めていく。その過程で剛之助に出会い剛鬼の師となり陰陽拳を伝授する。しかし剛鬼が無敗でかつての自分と同じく奢り昂っていたので敗北を教えようとするが、それが悪魔を生みだすことになると考え躊躇し、以後はルパンと名を変え鬼泣き島に身を隠す。その後高木に出会い、自身らの勧誘を蹴った彼をトランプ投擲で倒す。さらに虫を襲撃した際に助けに入った高木を痛めつけて投獄し、彼に一騎打ちを挑まれるも撃破。その目にかつて自分に唯一敗北を教え改心させた黄天昇を重ね、同時に弟子と知ることで敢えて憎まれ役を演じ高木の成長に一役買った。ルパンに扮していた際は慇懃な口調だったが、本性を現して以降は口調も老人のそれとなる。超々柔で極楽蛙鳴掌を破るも、高木に動きづらい水中に引きずり込まれて陰陽拳を封じられ、真龍天昇ダブルボンバーに敗れる。二度目の敗北に満足そうに心の中に現れた天昇と会話し、高木に「剛鬼に敗北を教えてはならん」といい遺し、倒したら必ず殺すように忠告しこの世を去った。技 閻魔無明脚殺 鬼道流合気柔術と共通の陰陽拳の技。 七日殺し(なのかごろし) 相手の内臓に強烈な一撃を叩き込み、徐々に各臓器を破壊する古武道奥義。受けた個所には解除されない限り消えない跡が残る。この技の影響で破壊された内蔵はどんな薬や医療をもってしても治癒せず、受けた相手は地獄の苦しみと共に七日後に命を落とす。使用者はこの技を解除したり、臓器破壊のスピードを調節することも可能。剛鬼は高木との再戦時、この技の応用で自身の心臓が三時間で停止するようにし、そのプレッシャーで相手の拳による死の恐怖を打ち消している。 地獄破顔掌(じごくはがんしょう) 相手の顔面に正拳を放つ。 地獄爆炎膝殺(じごくばくえんしっさつ) 陰陽拳最終最強奥義。空中高く跳躍してから高威力の膝蹴りを放つ。 極楽蛙鳴掌返し(ごくらくあめいしょうがえし) 極楽蛙鳴掌を破るために周陰がヨーガの応用で編み出した技。相手の第一打を体がくの字になるまで後ろに反らして回避すると共に力を蓄え、体勢を戻すと同時に相手に拳を喰らわせ、溜めた力を一気に爆発させる。 赤松剛之助(あかまつ ごうのすけ) 時の内閣総理大臣で、剛鬼と義志の父。いかつい顔と大柄な体躯をした老人で常時羽織袴を着ている。太平洋戦争時に少尉に任官しており、満州で終戦を迎えると旧陸軍の隠し財産を独占し、その財力を背景に赤松財閥(あかまつざいばつ)を牛耳る代議士となり権力の階段を駆け上った。その政治手腕は汚職に塗れており、強大な権力を持つものの多くの敵を持つ。 隠し財産入手のために同じ陸軍の仲間を手にかけ、多くの悪事を働いた彼だが、内心では罪悪感を抱いており、誰かが自らを倒すことを望んでいた。また、剛鬼に対しての冷酷な態度は彼に強く偉く育って欲しかったが故に取ったものであり、本質的には高木共々剛鬼を愛していた。高木によって護鬼たちを全滅させられた後は高木を自らの後継者にするべく誘うも断られ、洗脳されたかと思われた森上を高木にけしかけるも、実際は正気を保っていたため裏切られる。最期は剛鬼の密教拳奥義で止めを刺される高木をかばい、奥義を受けて胸を貫かれる。「愛するわしのもう一人の子、剛鬼を救ってやってくれ」と死に際に高木に遺言し、実質和解したあと絶命した。 剛鬼の母親 剛之助が政略結婚に娶った女性。政略結婚のため剛之助にとって愛はなかったが、彼女自身は剛之助を愛していたようで、イタコの服装をして不倫相手の志子への恨みを一日中呟いていた。息子剛鬼を愛することもしなかったため、剛鬼の人格形成に深く影響をおよぼした。剛之助が高木を発見した時も剛鬼の背後に立ち、剛鬼が鬼になる決意の原因となった。 羽根(はね) 大阪県警の男。赤松親子と結託しており、高木に桐山と暗海を殺害した濡れ衣を着せて逮捕・連行した。 集英会の幹部たち 集英会の幹部連の面々。サングラスと長髪が特徴の組長代行・サングラスと丸刈りが特徴の副組長・パンチパーマの若頭によって構成される。組長代行が新たな集英会組長として剛鬼を推薦するが、副組長がそれを気に食わず六連発の拳銃に三発弾を入れてのロシアンルーレット対決を挑む。しかし、副組長が自身の頭を打ち抜いて死亡し、剛鬼が弾の空いた分を使い切って己の強運を誇示したことで、剛鬼を組長に迎える。 小林繁(こばやし しげる) 高木が剛鬼によって入れられた関西特別拘置所にある、集英会系のヤクザを中心に拘留している666号雑居房の室長。自身も集英会系ヤクザであり、肥満体が特徴。一人称は「わし」。幼少期から何をやってもうまくいかず、気弱な性格から周囲にいじめられていた。中学時代に箔を付けようとヤクザとなることで虐げられなくなるも、本質的には気弱さは変わっておらず、自身もその現状に嫌気が指して人生に何の目的も生きる意味も見い出せず、シンナーに溺れる日々を送っていた。 逮捕されて雑居房の室長となった後、そこに入れられた高木が桐山を殺したと思い込んで他の囚人たちと共にリンチを行う。しかし高木の逆襲に遭い、その際の騒動の責任を取らされて高木共々鬼泣き島に送られる。その後は護送の船に無理やり戻ろうとして激流の海に落ち、その際自分を救おうと尽力した高木に心打たれ、三人の実力者たちによって傷ついた彼を助けるなどして協力する。虫と協力して高木を助けようとするもルパンたちに見つかり、虫と共に必死で高木を守ろうとしてルパンに重傷を負わされる。復活した高木に使命があると悟った彼は、高木に「世界中の自分のような弱者たちに夢を見せ、救ってくれ」と頼んで倒れる。回復後は剛鬼が陸上自衛隊に命じたことで鬼泣き島にナパーム弾が投下され、その際に自分たちが作った二隻の50人乗り大型木造船の片方が炎上。その際、自身が「死に場所」を探していたことに気付き、残る片方の船に高木たちを乗せるべく、10人の志願者たちと共に島に残ることを決意。当初残ろうとした工作と虫を船に乗せ、燃え盛る鬼泣き島と運命を共にした。 徳竹隆幸(とくたけ たかゆき) 鬼泣き島に君臨する三人の凶悪犯の一人で、通称「工作」。年齢:25才。優れた技術力を持つ爆弾や銃器製造の名人で、中近東でのテロに参加し無差別連続殺人に関与。後に日本で剛之助を含めた政治家大量爆殺計画を企てるも失敗、投獄された後は工作軍団を率いる。二連式拳銃や爆弾、巨大スリングショットや大砲の扱いに長ける。激流に呑まれた高木と小林を救出し、鬼泣き島の頂点に立つべく好条件で高木を仲間に引き込もうとするも交渉決裂し、高木を銃撃。後に虫軍団を襲うも、用心棒となった高木に追い詰められる。切り札として密かに作り上げていた大砲を繰り出すも、導火線に着火しようとした火を百歩神拳で消され、高木に倒される。その後は捕らえられるもルパンによって身柄を回収され、彼と同盟を結ぶ。虫を痛めつけるも、高木の逆襲に遭う。高木が周陰を倒すとその仲間となり、周陰が鬼泣き島に向かう際に使った小舟の拡大版を設計し、脱獄に貢献した。 業火に包まれる鬼泣き島からの脱出時には島に残ろうとするが、オールの修理のために高木たちと同行する道を選ぶ。デス・ゲーム第2ラウンドにて、高木にバックルからワイヤーが射出される自作の「飛び出す工作ちゃんベルト」を渡して危機を救い、さらに時限爆弾の爆発でビルから転落しそうになったリックを助けている。デス・ゲーム本戦後は憎き剛之助の資金源である金庫を破壊するべく即席で造った時限爆弾をセットするが、高木と剛鬼の戦闘中に誤爆し、その破片が高木の背中を傷付けてしまう。最終回にて自衛隊の爆弾処理班に所属したことが明かされた。 加藤雅貴(かとう まさたか) 鬼泣き島に君臨する三人の凶悪犯の一人で、通称「虫」。年齢:18才。一人称は「僕」・「僕様」で、「くれ」の発音が「くり」になっている。小柄な体格の青年で、虫軍団を束ねる。虫の生態に非常に詳しく、小学三年生の時に虐められた仕返しとして伝染菌病を持ったゴキブリを町中に発生させ、広島中に伝染病を流行させ捕まる。戦闘では虫を操る笛とハチを吸い寄せる液体の入ったボールを用いる他、虫をすり潰して作った劇物の傷薬を作ったり、虫との意志疎通も可能。非常に仲間思いで、特に虫たちには深い愛情を注いでいる。 勧誘を断った高木をハチに襲わせる。その後は傷ついた高木が小林に運ばれて自身の治める地区に現れるや、高木を治療して用心棒とし、工作軍団を壊滅させる。しかし、工作を助けたルパン軍団の襲撃を受けた挙句、元々彼らの共倒れが目的だった高木と小林に逃げられてしまい、自身も殺虫剤で虫たちを無効化された上工作の反撃で重傷を負う。しかし、彼に情がわいた高木が介入し、小林に助けられたことで高木を信用。高木の味方となると同時に鬼泣き島からの脱獄を決意し、ルパン・工作の連合軍から高木を守ろうと奮闘するもルパンに敗れる。しかし、ルパン/周陰に苦しめられる高木をハチを放って援護し、怒る周陰に痛めつけられる。鬼泣き島にナパーム弾が放たれた際は島に留まろうとするも、小林に気絶させられ船に乗せられる。その後はデス・ゲーム第2ラウンドにてロープに仕掛けられた爆弾が爆発して転落しかけた龍隆を体を張って救出し、デス・ゲーム第4ラウンドで桃千代を犯そうとする鬼龍院をハチたちに攻撃させるが、逆に気でハチを粉々にされた。エピローグでは東大の昆虫博士となり、講義・研究をしている旨を語った。 鬼泣き島の残留者たち 燃え盛る鬼泣き島から高木たちを逃がすべく、小林と共に鬼泣き島に残った者たち。山口(やまぐち)(先述の山口文太とは別人)・鈴木(すずき)・伊丹(いたみ)・西場(にしば)・斉藤(さいとう)(空手部の斉藤とは別人)・平木(ひらき)・羽根(はね)(県警の羽根とは別人)・飯田(いいだ)・下山(しもやま)に名前不明の男性一人を入れた10人。高木が炎の中から救い出した大型船に他の囚人たちと乗り込むと、小林と共に高木たちへ「自分たちの分まで生きろ」と望みを託して炎の中に消えていった。 天馬人道(てんば じんどう)/高木義孝(たかぎ よしたか) 赤松に対立する自由革命党(じゆうかくめいとう)の若き党首。本名は高木義孝。二十代で国政に進出し“永田町の荒武者”と呼ばれる。高木の法律上の父親。年齢:39歳。18年前に妻である志子が剛之助に強姦され、精神を病んだことからその復讐のため代議士となった。長年、剛之助の心臓ともいえる膨大な資金源を追っていたのだが、高木の活躍により旧陸軍の隠し財産の在り処の手がかりを掴むことに成功。剛之助の政治生命に止めを刺すべく、鞍馬山で験力の修行をさせるなど高木を応援する。 一見、正義に燃える政治家然とした人物ではあるが、その正体は妻を強姦ではなく不倫によって寝取られたという事実への嫉妬と憎悪により義理の息子である義志を孤児院に遺棄し、実父である剛之助に対して憎しみを覚えるように仕向けた、正義漢とはほど遠い人物であった。剛鬼との闘いの後、高木に「孤児院に棄ててくれたからこそ、素晴らしい仲間に会えたし、俺も成長できた。あんたや親父のせいじゃない」と諭されて号泣する。エピローグでは志子を引き取って北海道にて「きたきつねのいえ」という孤児院を経営しており、高木のような孤児を一人でも多く救いたいため、東西OB会にはまだ出られないと森上にメッセージを託した。 天道志子(てんどう ゆきこ) 天馬人道の妻で高木の母親。元は剛之助の事務所で秘書として夫の人道と一緒に働いていたが後に剛之助と両想いとなり不倫、高木を産み落とす。剛之助との不倫の際にその愛を進んで受け入れ、その後自らが犯した過ちの罪悪感に押しつぶされて精神病院の患者となる。見かけは高木の恋人桃千代と瓜二つ。後に験力を発動し悪の血に支配された高木を無意識の内に祈ったことで救い、最終回にて改心した人道に引きとられる。本作の全てのきっかけとなった女性。 僧大坊(そうだいぼう) 京都・鞍馬山にある鞍馬大寺(くらまだいじ)の住職で、天馬の知り合い。天狗を思わせる長い鼻が特徴で、ヤツデの葉状の扇を持つ。妻子持ちで、妻はアメリカ人。その影響か一人称が「ミー」であるなど、英語交じりの口調で喋る。小柄ながら修験道の奥義にして心の力である「験力(げんりき)」を引き出すことで内に秘めた野生を解放し、凄まじいパワーを発揮できる。龍天昇や生命力に関しても知っていた。なお、牛若丸も験力を習得しており、日本統一に大いに貢献したと語っている。 かなりの守銭奴で、験力伝授と引き換えに高木に布施を要求。しかし、天馬から「高木に験力を教えればデス・ゲームの賞金400億円から2割の80億円を差し上げる」と突き付けられた条件を吞み、高木に験力を伝授する。精神世界で煩悩に飲み込まれそうになった高木を間一髪で救出し、サポートした。エピローグではOB会に参加。天馬に約束の報酬支払いを反故にされたことを気にしていたが、剛鬼との決着直後に金塊を盗んでいたことが明かされた。 神(かみ) 験力体得のため、鞍馬山にある「不動明王の滝(ふどうみょうおうのたき)」で「己」を考える修行を行う高木が精神世界において遭遇した存在。巨大な釈迦のような外見をしている。何十年修行してもその姿を見ることができない者もいるといわれる中、高木は一週間でその姿を見るに至った。初対面にて高木に試練を課し、その慈悲の心を知る。その後は高木に精神力を無限に増幅させる効果を持つ金剛杵の形をした自身の力を授け、救いを求める者たちを救うように告げる。しかし、急に佐川らに起こされた高木は神の力を落としてしまう。その後、剛鬼との対決で昏睡状態となった高木の前に現れ、剛之助を許すことで高木に流れる悪の血が善の血に変わることを告げ、改めて高木に力を託す。 チビッコハウスの主人 高木が幼少期を過ごした孤児院・「チビッコハウス」の主人である女性。高木からは「マザー」と呼ばれている。神が高木に見せた幼少期の思い出の中に現れ、両親がいないことを理由に周囲からいじめられる高木に「高木は神様に選ばれた子で、日々の出来事は全て神様がいろんなことを教えてくれている証。だから、いろんな気持ちを他者に教えて欲しい」と語る。 古田秀樹(ふるた ひでき)(警視総監) 警視庁の警視総監。赤松邸での激闘を終えた高木を仲間たちが赤松邸に向かう際に行った暴走行為の首謀者と見なし、周囲を包囲した上で自首を迫る。寛大な性格で、渋りながらも抵抗する暴走族を相手取る機動隊に銃器の使用を許可しようとするも、高木が全責任を背負って自首したことで彼一人を逮捕するが、その際高木の正義感に心打たれる。後に高木は無罪となったものの、その社会的影響から彼の日本滞在を懸念し、高木に難民救済部隊の一員としてアフリカに行くよう勧めた。 ミッキー・バイソン 剛之助の親衛隊・護鬼四人衆(ごきよにんしゅう)の一人。筋骨隆々の大柄な黒人で、裏世界の賭け試合であるブラックレスリングの猛者。剛鬼にパワーとレスリングを伝授した。デス・ゲーム第1ラウンドの相手として、赤松親子によって廃校にされた関五工のプールを改造した闘場で高木と戦う。桁外れのパワーと鋼鉄の肉体を持ち、高木の打撃技が全く通用しなかった。コンクリート面を利用した戦いを得意としている。高木を苦しめるも陰陽拳を駆使した彼の超柔に攻撃を無効化され、自身の技を模倣されて敗北。エピローグではアメリカに帰国し、フロリダ州で大農園を経営していると語られた。技 デス・スキル ベアーズピロウ(死の技・熊の枕) 相手をアルゼンチン・バックブリーカーの体勢に捕らえてから跳躍し、反転して相手を地面に叩きつける。 ナームケン・尾田(ナームケン・おだ) 護鬼四人衆の一人で、タイの山岳民族に代々伝わるタイ柔術の達人。長髪と鰌髭が特徴のスマートな中年。別名「タイの鬼蜘蛛」。デス・ゲーム第2ラウンドの相手として、工事が中断されたビルを改造した地上40メートルの高所にロープを蜘蛛の巣状に張り巡らした闘場「蜘蛛の巣城(くものすじょう)」にて高木と戦う。これまでの高木の敵たちと比べ攻撃力や耐久力は劣るものの俊敏性とバランス感覚に優れ、その独特な闘技場の地の利を生かした戦い方で高木を苦しめた。高所恐怖症の高木は試合開始直後から圧倒的劣勢に立たされるものの、目隠しや福島先生の機転から高所恐怖症を克服し、高木に右足首を折られた上で組み付かれて逃げ場を無くされると、そのままベアハッグにより背骨を折られて敗北した。エピローグではタイに帰国して、タイ柔術普及のための活動を続けていると語られる。技 パーユ(風) タイ柔術秘宝と呼ばれる技。強烈な掌底で相手を吹き飛ばす。 プーカオファイ(火山) タイ柔術の技。強烈な飛び蹴りを放つ。 フォン(雨) タイ柔術の技。強烈な正拳を放つ。 ファーローン(雷) タイ柔術最高最強の激技。ロープ反動を利用して通常の何倍もの高さのジャンプを行い、そこから飛び蹴りを繰り出す。 アグルワール 護鬼四人衆の三人目。別名「インドの鬼神」。作中では、「以前にも四人衆の2人まで倒した者はいたが、3人目を突破した者はほとんどいない」と言われている。王蛇シヴァを扱うインド出身の蛇使いであり、特殊な横笛でシヴァを操る。シヴァとは恐ろしいまでの連携を見せるが、験力を発動させて悪の人格となった高木に破れ、最期は高木に自身のファイトマネーの全額約5億円を渡して見逃して貰うも、背後からSPの機関銃に撃たれて死亡。シルエット姿での初登場時には普通サイズのニシキヘビを身近に置いていた。 王蛇(おうじゃ-)シヴァ アグルワールの操るインドニシキヘビ。全長20m、胴回り3mの巨大な体で、闘牛を10秒で絞め殺すとさえ言われている。全身は高木のパンチが全く通じないほどの柔軟な筋肉に覆われていたが、筋肉ではない両目を高木に潰される。本気を出して熱を探知する舌とピット器官で高木の居場所を探り追い詰めるも、験力を発動させて悪の人格を露わにした高木に舌を引き千切られ、鋭い突きを受けて敗北。 鬼龍院茂 (きりゅういん しげる) 護鬼四人衆の最後の一人。30年前に6カ月間で260もの道場を潰し、1200人以上の死傷者を出したことで全世界の格闘技界を震撼させたという伝説の拳王で、50歳を超えてなお強さを増している超人的な格闘家。全身に無数の傷がある。若い頃、徹底的に叩きのめした酔っぱらいのヤクザの男に手加減をしたために刃物で背中を刺された経験や「最後の壁(躊躇なく人を殺すこと)」を超えた剛之助との出逢いから、どんな相手に対しても一切の容赦をしない人物に変貌した。 驚異的なパワーとスピード、格闘センスやテクニックを誇り、ボクサーのごときスピードと空手家のような破壊力を兼ね備えた突きやムエタイを思わせる鋭い切れ味の蹴り、華麗で無駄のない身のこなしからの投げ技を得意とする。加えて剛之助の下で鍛練・殺人を重ねたことによって験力や悪しき願力のエネルギー・「鬼(き)」も使用することができ、その際には鼻が尖り髪が乱れた禍々しい形相となる。 高木に対しては、彼の最大ポテンシャルである験力を引き出させるため、桃千代に乱暴を働こうとするが、目論見通りに験力を発動した高木の前に追い込まれ、20年分の生命力を費やしてまで高木を倒そうとする。しかし、全験力を賭した高木の防御に全身全霊を籠めて放った鬼溜砲を防がれ、さらに龍天昇で敗北した。完全な悪人ではなく少年の頃から「最強の男」になるべく努力し、歳を重ねてもその夢を諦めなかった真の格闘家であり、その純粋な心には高木も闘いの後に素直に敬意を表したほどである。敗北後は自身の修行不足を実感しながら果てたかと思われたが、エピローグにて生きていたことが判明。更なる力を求めて世界中を回りながら修行をしていると語られた。彼のみ、他の護鬼たちと共に初登場した際のシルエットが正式に姿を現した際のデザインと異なる。技 鬼溜砲(きりゅうほう) 鬼を両腕に蓄え、拳の連打を繰り出す。自身の全生命力を籠めて放った際には白髪となっていた。 蜆純子(しじみ じゅんこ) 東京国際マラソンに参加した少女。全くの無名だったが、努力と根性の甲斐あって日本新記録を達成した。
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