連続殺人とは? わかりやすく解説

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シリアルキラー

(連続殺人 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/20 05:23 UTC 版)

イギリスの連続殺人犯ウイリアム・バークがマーガレット・ドチャーティ(別名マーガレット・キャンベル)を殺害する様子を描いたイラスト
切り裂きジャックの正体に関する憶測: パック誌1889年9月21日号の表紙。イラスト/ウィリアム・メチャム

シリアルキラー: serial killer)とは、一般的に異常な心理的欲求のもと、1か月以上にわたって一定の冷却期間をおきながら複数の殺人を繰り返す連続殺人犯に対して使われる言葉である[1][2]

ほとんどの連続殺人は心理的な欲求を満たすためのもので、被害者との性的な接触も行われるが、動機は必ずしもそれに限らない[1]猟奇殺人快楽殺人を繰り返す犯人を指す場合もある。自らの犯行であることを示す手口やなんらかの固有のサインを残すこともあり、その被害者たちの外見や職業、性別などに何らかの共通点が見られる場合もある[3]

概要・定義

テッド・バンディ。シリアルキラーという言葉は彼を表現するために考え出された。

「シリアルキラー」という英単語は、元FBI捜査官ロバート・K・レスラーが、テッド・バンディ(Theodore Robert Bundy、米国で36人以上の女性を殺害した連続殺人犯、1989年死刑執行)を表すために1984年9月に提唱したとされている。同様の意味を持つシリアルマーダラー (serial murderer)、シリアルホミサイド (serial homicide) などは以前から使用されてきた。

シリアルキラーの定義は複数あるが、FBIのレポートによると[1]、下記の共通項にまとめられる。

  • 1人、稀に複数人による犯行
  • 2人以上の殺人の被害者がいること
  • 殺人事件が、それぞれ別個のものであり、別の時に起きていること
  • 犯行が一定の間隔を置いて行われることが大量殺人 (mass murder) と連続殺人 (serial murder) を区別する

シリアルキラーは、複数の殺人を一定の期間(冷却期間)を置いて淡々と(シリアルに)繰り返すのが特徴である。一度に多数の人間を殺害する場合(FBIの定義では1日以内に4人以上)は大量殺人に分類され、その犯人を大量殺人犯、大量殺人者 (Mass murderer) という。さらに、短時間内に2か所以上の場所で殺人を犯した者はスプリー・キラーと呼ばれ、これも区別される。

被害者の人数については、少なくとも3人以上の殺人の被害者がいることをもってシリアルキラーとしての定義を満たすと、専門家によって広く考えられている[4]。法的にも、1998年に米国議会で制定された、H.R.3494 - Protection of Children From Sexual Predators Act of 1998[5]の中で、「ここでいう連続殺人 (serial killings) とは、連続した3件以上の殺人で、そのすべてが米国内で行われ、犯行が同一の犯人または犯人たちによって行われたと合理的に推察されるもの」としている。

2005年、FBIはテキサス州サンアントニオで学際的シンポジウムを開催した[要出典]。これは、連続殺人に関する知識の共通点を特定する目的で、さまざまな分野から135人の連続殺人専門家を集めたものである。同グループはまた、FBI捜査官がその標準として広く受け入れている連続殺人の定義についても「別々の事件における同じ犯罪者による2人以上の犠牲者の不法殺害」とまとめた[要出典]。しかし、この定義は殺害の動機を考慮に入れておらず、冷却期間を定義していない。

動機

FBIのリポートによれば、シリアルキラーの殺害の動機は多くの場合、異常心理に基づく欲望を満たす為の一種の快楽殺人である。ただ、その直接の動機は性的なものだけに限らず、怒り、営利、スリルや注目を浴びるため、といったものも含まれるという[1]。FBI行動科学部のロバート・R・ヘイゼルウッドは、シリアルキラーの動機を「自尊欲求の充足」としている。つまり他者に対する「権力欲求や憤慨欲求、コントロールへの欲求」に基づき自らの力を被害者に投射し、誇示することによって自らの欲望を満たすもので、その犯罪行為(「自尊犯罪」)の一環として強姦や遺体損壊などが伴う場合があるということである[6]。そのため多くの場合、被害者が身に着けていた装飾品や遺体の一部を「トロフィー(記念品・戦利品)」として保管していることがある。

シリアルキラーの動機は一般的に言って以下の4つのカテゴリーに分けられるという[7]。個々のシリアルキラーの動機はそれぞれオーバラップすることがある。

ビジョナリー(幻想)

ビジョナリーのタイプは、しばしば精神病的な症状を示し、現実から外れており、別の人格を主張したり、別の何かだったり悪魔だったり[8]に唆された、許可された、と主張したりする[9]テレパシーで通信したハーバート・マリンがそのタイプで、社会に溶け込めていない人格の持ち主。
溶け込める様、促す社会が成り立ってない国に現れやすい。[10]

ミッション系(使命感)

ミッションのタイプは、一般的に「望ましくない」と規定する一定のタイプの人々を排除するためといって自己の行為を正当化する。その被害者は、ホームレス前科者、同性愛者、薬物中毒者、売春婦、または特定の人種または宗教に属する人々などである。このタイプは特に精神病的な気質を示さない[11]。一部のものは自分が社会を変える、社会の病を治すのだと思っている[12]

快楽主義者

このタイプのシリアルキラーは、殺人によってスリル快感を得、人を単なるその手段・対象としか見ない。法心理学者は、"性欲"、"スリル"、"快適な生活のため(営利)"の三つの子タイプに分けている[13]

性欲

このタイプはセックスが主要な動機で、被害者が死んでいようがこだわらない。自らのファンタジーが重要な役割を果たす。性的シリアルキラーは被害者に対する絶対的なコントロール、支配、権力を持つ心理的欲求があり、拷問など痛みを与えつつ死に至らしめる欲求がある[14]。通常、被害者との密の接触を要するナイフや手を使って犯行に及ぶ。犯行が続くにつれて、通常、殺人の間隔が短くなるか、さらなる刺激を必要とするようになる、またはその両方の場合がある[15]

スリル

このタイプのスリル殺人は、被害者たちに痛みや恐怖を与える事で刺激や興奮を得る。スリル殺人では通常、性的コンタクトは発生せず、被害者はランダムに選ばれる。このタイプのシリアルキラーは長期間、殺人を控えることも出来る。犯行を重ねるごとに手口が向上し、完全犯罪を目指し自分は捕まらないと考える[16]ロバート・ハンセンがそのタイプである[17]ゾディアック事件でも、「殺人はセックスよりもよい。もっともスリルを与えてくれる」と書いた手紙を新聞社に送っている[18]カール・ユージン・ワッツはその被害者から「楽しんで興奮していた」と証言されている[19][20]

快適な生活のため(営利)

物質的な営利、または快適な生活を求めるが故の動機。通常、被害者は家族や親しい知り合いである。疑われないように、殺人の間隔をあけて疑いが晴れるのを待つ。しばしば毒殺という方法をとる。女性のシリアルキラーはしばしばこのタイプである。全員が、とは限らない[21]

力の誇示・コントロール

このタイプのシリアルキラーの主な目的は、被害者に対する権力の投射・誇示である。このタイプのシリアルキラーは幼少期に虐待されていることがあり、大人になって無力感や物足りなさを感じている場合がある。この権力・コントロール系のシリアルキラーの多くは性的虐待を加えるが、その強姦は(性欲タイプのシリアルキラーと異なり)性欲に基づくものではなく支配することの形態の一つであるという違いがある[22]テッド・バンディがこのタイプのシリアルキラーであると言える[23]

犯人像

大多数のシリアルキラーは、一見したところ普通の人で、仕事や家庭・子供を持ち、通常の社会の一員として暮らしている。また、特定の人種に偏りはなく、その国の人種構成に比例する。多くの場合、さまざまな程度の精神障害精神病質を患っており(いわゆるサイコパス)、それが殺人行動に寄与している可能性がある[1][24]。家族による精神的身体的性的虐待を経験しており、不安定な家庭の出身者も多い[3]。また、少年青年時代に頻繁にいじめに遭い、社会的な隔離を受けていることもある。動物虐待していた者も見られる。詐欺窃盗、破壊行為などの犯罪に関与している者もいる[25]

類型

FBIの「犯罪分類マニュアル」によると、シリアルキラーは以下の3つのカテゴリーに分かれる[26]

  • オーガナイズド型
  • ディスオーガナイズド型
  • 混合型

オーガナイズド型のシリアルキラーは、自らの犯行を綿密に計画する。例えば被害者を誘拐し、殺害したのち、別の場所に遺棄する。しばしば被害者の同情心に訴えるような手を使い被害者を誘い込む。または、他人に自主的についていくのが職業である売春婦を狙う。このようなシリアルキラーは犯罪現場についてもしっかりと証拠隠滅を図る。法科学についての知識もあり、遺体を埋めたり、重石をつけて川に沈めたりする。メディアで報道される自らの犯罪について注意深く把握し、しばしば自らの誇りにする。オーガナイズド型のシリアルキラーは社会スキルや人間関係を維持する能力が高く、友人や恋愛関係、結婚し家庭を築き、子供もいる。このタイプのシリアルキラーが、逮捕後に周囲から「親切でまさか人を傷つけるような人には見えなかった」などと言われるタイプである。テッド・バンディジョン・ゲイシーがこのオーガナイズド型に分類される[27]。一般的に言ってこのタイプのIQは全体平均(94.7)前後である[28]

殺人ピエロ
ジョン・ゲイシー

ディスオーガナイズド型のシリアルキラーは、通常はるかに衝動的である。しばしば、その場にあるものを使い殺害に及ぶ。大抵、遺体を隠そうともしない。無職だったり一匹オオカミタイプで友人も少なかったりする。しばしば精神障害があったり、その犯行のきまった手口はないのが手口といった具合でしばしば過剰な暴力と、ときに屍姦や性的暴行を伴う[29]。ディスオーガナイズド型のシリアルキラーは、オーガナイズド型より、わずかに低いIQ92.8である[28]

混合型は、上記2種の混合で、オーガナイズド型がディスオーガナイズド型に変化する場合もありうる。

医療従事者

『死の天使』型といい、医療従事者による連続殺人は、世界的に多くの事例がある。もともと看護業界に多く、弱者に対しケアを提供する強い立場と医療の知識を悪用して犯行に及ぶ。

女性

女性シリアルキラー
アイリーン・ウォーノス

女性のシリアルキラーは男性のそれと比べて稀である[30][31][32][33]。女性のシリアルキラーは、アメリカでは1800年から2004年の間に6人の連続殺人犯に1人以下(416名の既知女性犯罪者のうち64名)、アメリカの連続殺人犯のうち15%が女性で被害者総数は427人から612人の間とされる[34][35][36]。女性の連続殺人犯についての本「Lethal Ladies」の著者アマンダ・L・ファレル、ロバート・D・ケッペル、ヴィクトリア・B・ティンティントンは、「司法省は、前世紀の間に36人の女性連続殺人犯が活動していると指摘している」と書いている[36]The Journal of Forensic Psychiatry & Psychologyは、すべての連続殺人犯のうち16%が女性であるという証拠を示している[37]

歴史

歴史犯罪学者は、中世にもシリアルキラーが存在したと示唆している。 また狼男バンパイア(吸血鬼)などの怪人の伝説は中世のシリアルキラーをモデルに作られたとされている。世界最古のシリアルキラーとされている人物は紀元前144年から116年にかけて殺人を繰り返した前漢(現:中国)の劉彭離という王子とされている[38]。9世紀にはアッバース朝の「バグダッドの絞殺魔」と言う無数の女性を絞殺した氏名不詳の男が逮捕された[39]

世界最古のシリアルキラーである劉彭離
古代ローマの悪名高き毒殺者ロクスタ英語版ネロの前で毒を被害者で試すロクスタを描いた絵画
数え切れない程の少年を殺害したフランスの貴族のジル・ド・レ
狼男伝説の始まりとして知られているペーター・シュトゥンプの斬首刑の執行を描いた木版画
数百人の召使いの少女を拷問して殺害したハンガリーの貴族のエリザベート・バートリー
白井権八として知られ、17世紀の日本(徳川幕府)にて強盗殺人を繰り返し130人から185人を超える人々を殺害した江戸時代の侍の平井権八
ポルトガル史上最悪のシリアルキラー、ディオゴ・アルヴェス英語版、処刑後に研究目的で頭部がホルマリン漬けにされ現在もリスボンの医療博物館に展示されている
19世紀フィンランドにて5週間の間に12人を殺害したジュハニ・アタミンポイカ英語版、フィンランド初のシリアルキラーとして知られている
日本で初めてピストルを犯罪に使用した近代日本初のシリアルキラーとされる清水定吉

有名なシリアルキラー

以下、50音順に述べる。

日本

日本以外

シリアルキラー関連の事件

日本(事件)

日本以外(事件)

シリアルキラー関連キャラクターおよび関連作品

シリアルキラーを題材とした作品

脚注

注釈

  1. ^ 1997年12月に最高裁上告棄却判決を受け、第一審・控訴審で言い渡された死刑確定[41]。その直前(1997年11月)に改姓届を出し、結婚前の姓に戻している[41]

出典

  1. ^ a b c d e Serial Murder FBI
  2. ^ Burkhalter Chmelir 2003, p. 1.
  3. ^ a b Scott, Shirley Lynn. “What Makes Serial Killers Tick?”. truTV. 2010年7月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月9日閲覧。
  4. ^ A serial killer is most commonly defined as a person who kills three or more people for psychological gratification; reliable sources over the years agree.
  5. ^ H.R.3494 - 105th Congress (1997-1998): Protection of Children From Sexual Predators Act of 1998 | Congress.gov | Library of Congress
  6. ^ 【座間9人遺体】**容疑者、遺体切断で強烈な「自尊欲求」を満たす”. Business Journal. 2019年5月10日閲覧。
  7. ^ Holmes & Holmes 1998, pp. 43–44, Bartol & Bartol 2004, p. 284
  8. ^ Holmes & Holmes 1998, p. 62.
  9. ^ Bartol & Bartol 2004, p. 145.
  10. ^ Ressler & Schachtman 1993, p. 146.
  11. ^ Holmes & Holmes 1998, p. 43.
  12. ^ Holmes & Holmes 2002, p. 112.
  13. ^ Bartol & Bartol 2004, p. 146.
  14. ^ Myers et al. 1993, pp. 435–451.
  15. ^ Bartol & Bartol 2004, p. 146, Holmes & Holmes 2001, p. 163, Dobbert 2004, pp. 10–11
  16. ^ Bartol & Bartol 2004, p. 146, Howard & Smith 2004, p. 4
  17. ^ Howard & Smith 2004, p. 4.
  18. ^ Graysmith 2007, pp. 54–55.
  19. ^ “A Deal With the Devil?”. 60 Minutes. (2004年10月14日). http://www.cbsnews.com/stories/2004/10/14/60minutes/main649363.shtml 2008年6月28日閲覧。 
  20. ^ Mitchell 2006, pp. 207–208.
  21. ^ Bartol & Bartol 2004, p. 146 Schlesinger 2000, p. 276, Holmes & Holmes 2000, p. 41
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  40. ^ 早川紀代秀井上嘉浩新実智光土谷正実中川智正遠藤誠一岡崎一明横山真人端本悟林泰男豊田亨広瀬健一 主犯格は麻原彰晃こと松本智津夫
  41. ^ a b 毎日新聞』1997年12月20日東京朝刊第14版第一社会面31頁「警官ら連続殺害 元巡査部長の死刑確定 最高裁が上告棄却」(毎日新聞東京本社) - 『毎日新聞』縮刷版 1997年(平成9年)12月号793頁
  42. ^ 廣田雅晴(大阪拘置所)「毎日を先陣としたマスコミ報道陣は「赤報隊」に射殺されよ!」『噂の眞相』第14巻第1号、株式会社噂の真相、1992年1月、94-97頁。  - 通巻:第155号(1992年1月号:毎月10日発売)。京都・大阪連続強盗殺人事件の加害者本人(1997年12月の最高裁判決によって死刑が確定)による手記。

関連項目


連続殺人

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古谷惣吉連続殺人事件」の記事における「連続殺人」の解説

古谷熊本刑務所仮出所すると、更生保護会「熊本自営会」(熊本県熊本市)で土木作業携わるようになった。惣吉の父親や、彼と同居していた甥夫婦は惣吉への感情極めて悪く姉婿身元引き受け意思がなかったため、熊本自営会がその身元引き受けることになったのである古谷熊本自営会に帰住した際、「二度と刑務所に)入所するようなことはしない」との決意示し将来職業として経験のある溶接洋裁をしたいが、土工でもなんでもして働きたい」という意欲示していた。 熊本自営会にいた当時古谷はあまり外泊せず、門限守り新聞をよく読んで身だしなみ気を使うなど、真面目に生活していた。このころ古谷雑記帳に以下のような手記書いている。 「人を殺した云う事は悪いかも知れぬ併し殺さねばならぬという必然の上に立った行動にはいささかも悔ゆる処は無いのである如何に前科重ねた凶悪な囚人でも、ものに感じ気持人一倍持っている。私は今日の刑ム官に牢番番犬になってらいたく無い」 — 古谷惣吉「罪の是非」、 また、古谷このころ、「旅愁」と題した詩で「旅人よ何をそんなに急ぐんだ。明日へ希望持て」などと歌っていた。一方古谷日記に「天狗の鼻をへし折ってみたい」という反権力主義吐露し文章や、「人間刺身喰いたい」という一文記していたが、事件後にはマスコミによって「イダ殺人魔」「連続殺人に狂う」「まれにみる逃走名人」などといった論調取り上げられることはあっても、後者言葉取り上げられることはなかった。石田郁夫 (1979) は、後者言葉について「これらの片言隻句から、彼の残忍性、冷血凶暴をあかし立てものたちもいるわけだが、うっぷんを紙の上晴らして自制していたにすぎまい。」と述べている。 同年11月12日古谷保護観察所長に対し、「本籍地父親実際同年2月4日死去していた)を見舞いたい」と旅行許可求めた保護観察所長は、古谷長期間在監生活を送っていたことや、父親高齢であること、また12月から就職するよう斡旋していた事情から、20日間の旅行許可古谷予定通り同年11月29日旅行から帰ってきたが、その旅行中11月17日には、鳥取県米子市廃品回収業者殺害される事件古谷関与疑われたが、立件されなかった。後述)が発生している。 同年12月1日古谷熊本市内の水道配管工事従事し更生保護委員会から通勤するようになった1965年1月8日には、保護観察所主任官との面接で、本人希望もあって雇主の家への住み込み認められ同年2月20日には担当保護司が、熊本自営会の主幹仮出所直後からの担当者)から別の人物交代している。しかし、古谷同月28日、雇主との喧嘩きっかけで、雇主への暴力沙汰起こした。この時は雇主の配慮もあって、当事者間解決され担当保護司保護観察所への報告見送っていたが、古谷はこの事件きっかけ水道配管工退職し3月・4月適職がなかったため、更生保護会の庭園工事の手伝いをしていた。また、配管工辞めてから前後8回にわたり、元雇主の仕事現場現れ脅迫し20,000円を脅し取る事件起こしているが、この事実逮捕後に元雇主が保護観察所報告するまで明るみにならなかった。 古谷同年5月1日熊本自営会の主幹から小遣いとして2,000円を借りたが、4日まで無断外泊したまま帰らなかった。同月5日朝、いったん熊本自営会に帰ってきたが、それ以降行方不明になり、同月27日には担当者から主任官に対しその旨報告されるこのため、翌28日には熊本保護観察所長が、長崎保護観察所長宛に地古谷所在調査依頼したが、同所長は29日、「古谷父方本籍地)に居住しておらず、立ち寄った形跡もない」と報告した。そのため、熊本保護観察所長は同日九州地方委員会対し所在不明による保護観察停止申請手続行い同年6月1日九州地方委員会保護観察停止することを決定した同月6日、同決定効力発生したことで保護観察停止され残り刑期進行停止したが、最終的に本人一連の事件逮捕され所在判明したことを受け、同年12月18日近畿地方委員会保護観察停止解除決定し刑期満了日同年12月22日変更された。同日熊本保護観察所長からの申請を受け、九州地方委員会古谷仮出獄取り消すことを決定した自営会を出て以降古谷1965年昭和40年8月 - 12月にかけて福岡県兵庫県滋賀県・京都府大阪府の2府3県で、強盗殺人7件(被害者8人)・強盗1件・強盗未遂1件の犯行繰り返した太字強盗殺人事件、および死亡した被害者)。 一連の事件共通点としては以下のような点が見い出されている。 犯行現場 - 一軒家もしくは他と独立した掘立小屋風の建物被害者 - いずれも人家から離れた場所で身寄りもあまりなく、毎日をどうにかやりくりしながらひっそり暮らしていた老人か、1人留守中の老人。主にバタ屋廃品回収業)の者だった。 犯行態様 - 古谷自身強力な腕力により、年老いて抵抗ままならない被害者たちの鳩尾胸部先制一撃見舞い両手首を後手縛った上で絞殺するか、持っていた凶器殺害した。そして殺害後に金品強取し、死体の上布団などを掛けて隠蔽図り逃走時には入り口錠前掛け犯罪発覚遅らせた動機 - 古谷被害者たちとの間に面識はなく、人を殺害しなければならないほどの特段動機はなかった。高槻事件(F事件)の取り調べの際、古谷は「被害者Fに『飯を食わせてくれ』と頼んだが、『大きなことを言うな』と言われ立腹し絞殺した」と供述している。 各事件経緯事件名事件発生日時事件発生地罪状被害者括弧内は当時年齢被害備考X事件 8月19日11時ごろ 福岡県福岡市大字松崎宇美川堤防バラック 強盗 男性X(69歳廃品回収業 X所有金品現金20,000円・定預金証書残高10万円)1通・利付興業債券保護預帳(額面合計48万円)1通・印鑑1個 垂水事件A事件10月30日ごろ 兵庫県神戸市垂水区海岸通7番16号小屋 強盗殺人 男性A57歳没)廃品回収業 A所有金品現金500円男物腕時計1個・男物ズボン2本・白メリヤスパッチ1枚・白メリヤス丸首シャツ1枚 同年11月29日福岡事件捜査中に発覚後述)。 大津事件B事件11月1日ごろ21時ごろ 滋賀県大津市錦織町琵琶湖畔)「柳が崎水泳場」の掘立小屋 男性B(59歳没)米菓子加工業水泳場管理人 B所有金品現金170円・腕時計1個・白メリヤス肌着2枚 同年11月9日発覚。 Y事件 11月17日ごろ18時30分ごろ 福岡県福岡市箱崎原田町一丁目原田橋」東詰下の小屋 強盗未遂 男性Y(39歳廃品回収業 何も持ち去らず逃走下記参照福岡事件C事件11月22日正午ごろ 福岡県粕屋郡新宮町上の雲雀ヶ丘1592番地の1の小屋 強盗殺人 男性C(54歳没)英語塾講師 Cおよび家族所有金品現金5,000円・トランジスタラジオ1台・腕時計バンド各1個・ズボン1本・長袖シャツ1枚 黒皮手袋1双(Cの家族所有伏見事件 (1)D事件12月3日ごろ21時ごろ 京都府京都市伏見区中島河原田町「京川」下の小屋 男性D67歳没)廃品回収業 D所有金品男物腕時計1個・ジャンパー1着 12月11日独居者調査中の警察官京都府警)が遺体発見し事件発覚伏見事件 (2)E事件12月5日ごろ21時ごろ 京都府京都市伏見区中島流作町鴨川」下の小屋 男性E(60歳没)廃品回収業 何も持ち去らず逃走下記参照高槻事件(F事件12月7日ごろ20時ごろ 大阪府高槻市南芥川町2315号「高槻」下の小屋 男性F(53歳没)土建手伝い 古谷逮捕後に自供発覚西宮事件 12月12日 兵庫県西宮市大浜町6番地海岸防潮堤外側小屋 廃品回収業・男性2人男性G(51歳没) 男性H(69歳没) 事件直後現行犯逮捕後述)。 X事件 - バラック訪れ警察官装って所持する金品について尋問をしたりしながらその場にあったタオルでXの首を絞め失神させて金品奪った。X事件翌日8月20日)、古谷はXから奪った証書換金して得た現金58万円を手に故郷対馬帰郷し8月22日 - 26日まで対馬滞在その後、東は伊豆半島から西は四国まで(日本海側含めて無目的観光旅行続けた垂水事件 - 各地旅行し所持金尽きたところでAの小屋訪れ、「泊めてくれ」と頼んだが、「泊まりたければ旅館警察行け」と断られAを殺害して金品を奪うことを決意やにわに拳でAの鳩尾殴りつけてうつぶせ押さえつけ、右腕で首を絞め上げ小屋にあった紐(昭和42年押第235号の25)でAの首を絞めて窒息死させ、金品奪った。またAが調理していたうどんをその場食べ、外から施錠して逃走したその後舞子海岸建物泊まり翌日10月31日)朝5時ごろに起き垂水発って東方歩き同日21時ごろに山崎一泊した大津事件 - Bを殺害して金品強取するため、やにわにBの右腕逆手にとって後方にねじ上げ小屋にあった紐(昭和42年押第235号の28)でBの両手首を後ろ手縛り上げた。そして自身右上でBの首を絞めて失神させ、小屋にあったタオル昭和42年押第23527)で首を絞めて殺害し金品奪った当時現金がほとんどなかったため、B宅を素手でかなり物色したが、これが原因指紋現場に6個残し、うち砂糖壺に残され指紋身柄特定のきっかけになった。 Y事件 - の下で掘立小屋1人住んでいた男性Yに刃渡り30 cm刺身包丁突き付け、所携のネクタイ昭和42年押第235号の1)でYの両手首を縛り上げ抵抗抑圧その上でYの上着・ズボンポケット内を物色したが、偶然Y宅を訪れた男性2人発見されたため金品奪えず、そのまま逃走した福岡事件 - 男性C宅(海岸面する松林中に建っていた一軒家)に侵入し、Cを殺害して金品強取しようと決意。Cに刺身包丁刃渡り30 cm)を擬して取っ組み合いとなったが、包丁左前胸部・右腋窩部などを突き刺して失血死させ、金品奪った。そして、この時まで古谷垂水事件被害者Aから奪ったズボン穿いていたが、このズボンほころび気付いたために脱ぎ捨て、Cから奪ったズボン穿き替えた本事件でも遺留品給料袋)に古谷指紋残されていた。唯一家族居住被害者だったが、妻子留守中の犯行だったため、家屋立地条件なども含め、他の事件類似と見なされた事件前被害者C宅やその周辺西鉄新宮駅など)で40歳代 - 50歳代不審な男(地下足袋姿)が複数近隣住民目撃されていた。事件の約2日前には、C宅を「営林署の岡」と名乗る40歳前後の男が訪れ在宅していたCに対し付近盗伐する者がいる」と言っていたが、当時福岡営林署に「岡」という職員はおらず同署職員現場付近巡回した事実もなかった。 11月末には、古谷身元引受人担当していた「熊本自営会」の会主男性宛に、福岡県大牟田市内在住の女性から「9月末に香川県琴平山旅行した際に古谷さんから親切にしていただきました」という礼状加え古谷女性とその同僚2人とともに4人で映った記念写真届いたため、福岡県警特捜本部この女性から当時古谷行動について事情聴取した。 伏見事件D事件E事件) - 京都市伏見区内(鴨川河畔)で相次いで発生D事件 - 小屋の中でやにわにDの胸部鳩尾を拳で強打し、Dが後方転倒したところ、両手逆手に取って後方にねじ上げた。そして小屋にあった電気コード昭和42年押第235号の29)でDの首を絞めて窒息死させ、金品強取。Dのバラック施錠し上で堤防上り、やや東方を走る京阪国道国道1号)を500 mほど下った工事現場小屋の中で就寝した同事翌日12月4日)、古谷はDから奪ったジャンパーと、福岡事件被害者Cから奪ったトランジスタラジオ腕時計第三者売却したE事件 - 小屋の中でいきなり拳でEの胸部一発殴り、Eの両手逆手に取って後方にねじ上げ、Eをうつぶせ押さえつけた。そして右腕でEの首を絞めて失神させ、小屋にあった毛糸首巻で首を絞めて窒息死させた。しかし小屋物色していたところ、最も嫌悪していた抜け殻見たため、何も持ち去らず逃走高槻事件 - 伏見事件2件の直後大阪府高槻市移動。Fの小屋格闘の末、拳でFの鳩尾強打して転倒させ、馬乗りになって右手で首を絞めて失神させ、小屋にあったシャツ昭和42年押第235号の41)の袖で首を絞めて窒息死させた。犯行後、壁にかかっていた上着ズボンなどを物色したが、目ぼしいものを発見できず、何も持ち去らず逃走。またこの時、現場それまで持ち歩いていた青写真設計図遺留している。 西宮事件 - 金品強取するため、同じ小屋の中で寝ていた2人被害者G・被害者H)の頭部をいきなりハンマー昭和42年押第235号の30)で滅多打ちにし、脳挫傷により死亡させた。 一連の事件のさなか、古谷新聞ラジオ報道に気を配ることも、旅館宿泊するともなく長距離徒歩移動していたが、この行動故に急行列車旅館などを対象とした警察一斉検索にはかからず、かえって警察意表を突く結果となった

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