クローム・バランシェ作(故人)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 15:05 UTC 版)
「ファティマ (ファイブスター物語)」の記事における「クローム・バランシェ作(故人)」の解説
クローム・バランシェ (Clome Ballanche) はリチウム・バランスの子孫であり、4大マイトの筆頭ともいえる程の著名なマイトである。ファティマ製作能力は他のマイトを凌ぐとされ、通常ファティマ・マイトは一度に一体ずつ管理して製作するが、彼は2 - 3体を兄弟または姉妹として製作することが多く、その生涯で45体もの銘入りファティマを生み出している。バランシェの銘入りだけでも本来よりも2ランク高い評価を得、「バランシェ・ファティマ」としてブランドとなっており、実際に高い性能と自然な振る舞いを持つ。反面、精神的に不安定な者も見られる為に「銘ばかりの欠陥品」と揶揄されることもある。また、度々自らの研究の結果や実験的要素を注ぎ込むために、純粋なファティマの存在を超越した特異なファティマも数多い。 ファティマはお披露目によりパートナーを得ることになっているが、お披露目を行う前から誰をパートナーにするか決まっているファティマも多いとされている。バランシェのファティマは、育成期間から度々接し、ファティマと同じ永い命を持つこともあり生涯付き添っていくことになるであろうレディオス・ソープをアーク・マスターとして、決して敵対しないと心に決めているという。その結果、ミラージュ・マシンとの交戦をせざるを得ない状況に置かれた場合は精神障害を起こすことがある。また、ソープが名前を付けたファティマは「(名前が)やたら長くて、言いにくくなる」とバランシェに言われている。 なお、No.43-45の「運命の三女神」に関しては、バランシェ曰く「その三女神が醜い三老婆だったから」その名前にしたとのこと。 1. クーン(Queen/Khoune) 「狂花の3女神」の最初の1人。不遇時代のバランシェが独力で製作した最初の作品。「騎士を超える戦闘力を持ってはいけない」「ダムゲート・コントロールを施さなければいけない」という星団法の規制を無視した違法ファティマであり、逆に言えば星団法に対するバランシェの批判を込めたファティマでもある。自分を超える戦闘能力を持つ剣聖デイモス・ハイアラキに出会い、嫁ぐ。その後、バランシェの研究としてAD世紀の剣聖の受精卵を着床させ、ダグラス・カイエンを生む借り胎となるなど、様々な実験が行われた。 ハイアラキからカイエンにシュペルターと共に譲られる。だが成長したカイエンから求婚されたことでクーンの精神が崩壊しかける。バランシェからクーンが産みの母親であることを聞いたカイエンは怒り狂いバランシェを襲撃殺害しようとするがそれを阻止しようとしたリンスに敗北し、両腕切断の瀕死の重傷を負う。このとき、クーンとまだ少女だったアウクソーが助命を願い出た結果、「人ならざるリンスが傷つけたから」という理由でアマテラスが神の力を用いて完全な治癒を行っている。この事件のショックによりカイエンは薬物中毒で植物状態となってしまった「とされる」。クーンは晴天の詩女ボルサに預けられ150年の間休眠。ボルサによりカイエンが復活を遂げ、成人したアウクソーをパートナーにするようになった後、クーンも休眠から目覚め、騎士にしてGTMとAFのダブルガーランド、ダイアモンド・ニュートラルのパートナーとなる。クーンの劇中における会話はカタカナ。ただし霊体で出現した時には普通に喋る。 カイエンを宿した事でカイエンの持っていた能力の母体へのフィードバックが起こり、超常の力を持つ存在となる。休眠中もAFの守り手となり、京とアトロポスの戦いを見届け京に止めを思いとどまらせた。自身が悲劇的で波乱の人生を送ったことにより長い寿命を持つファティマに「おわりのとき」を願うようになる。その想いはアトロポスに受け継がれ、彼女がすえぞうに願うときに殺して欲しいと懇願する形となり、アトロポスとクローソーをはじめ「デルタベルンの戦い」に参加したファティマたちはGTMと共にライブの閃光に飲まれて消滅した。 新設定では、性別のみを変更したバランシェのコピーをアーキタイプとして元からカイエンの母体となるべくセントリー・ライブの因子を組み込まれて作られたファティマとされ、後にダイアモンド・ニュートラルに仕えたファティマ体、超常の能力を有するセントリー体の二つに分裂している。リンスとの戦いの後、カイエンはクーンとともにカステポーへと赴き、セントリー体の旅立ちを見送った。なお、この際には普通にしゃべっている。 スペック…戦闘2A・MH制御2A・演算A・耐久3A・精神B1・クリアランスVVS1・タイプM 2. パルテノ(Parthenon) 「狂花の3女神」の2番目ファティマ。突出した性能を持つがそれゆえに精神的に不安定であり、最初のパートナーとなったシャフトに精神崩壊を防ぐため薬物によってダムゲート・コントロールを破壊された結果、なんとか精神の均衡を保てるようになった。その能力は特殊なMHであるヤクト・ミラージュ(グリーン・レフト)の初期立ち上げや一分の狂いもない制御などで垣間見ることが出来る。通常はラリった言葉遣いだが、カステポーでのレディオス・ソープ救出作戦ではA.K.D.軍にバスター砲での砲撃を仕掛けたシーブル軍に冷静に対処し、シュペルターを駆るミシャル・ハ・ルンのパートナー・クラッパに同じバスター砲での対消滅を図るよう指示。さらにデータリンクなどでシュペルターの反撃をサポートしていた。シーブルを裏で操っていたボスヤスフォートによりシャフトが殺害されたことで再び精神不安定の兆候を見せる。公式には「廃棄処分済み」となっていたが後に剣聖ベルベット・ワイズメルのパートナーとなり、再びグリーン・レフトに搭乗している。魔導大戦開戦時はグリーン・レフト共々その存在を秘匿されていた模様。劇中の会話は一部を除きカタカナ。外見はアフロ・アメリカンもしくはアフロ・カリビアン風で髪型はドレッドロックスやコーンロウに近い。 スペック…戦闘3A・MH制御3A・演算3A・耐久B2・精神D・クリアランスVS2・タイプM 3. バランス バランシェが自分自身の延命用ボディとして製作したファティマで、バランシェ本人のフルコピー。クーンやパルテノに自らの脳を移植させた。 4. マージャ(Maja/Majer) 「狂花の3女神」の3番目のファティマで、初期3女神の内では最も安定している。名前は漢字表記で「魔邪」、斑鳩王子(サリオン)のパートナー。バランシェに母性という性質を与えられており、サリオンの母親代わりを務めていた。3010年のサリオンの元服により、正式なパートナーとなった。 スペック…戦闘2A・MH制御3A・演算2A・耐久A・精神2A・クリアランスVVS1・タイプS 5. チャンダナ(Chandanna) 剣聖慧茄・ダイ・グ・フィルモアをパートナーとしたことからバランシェの名前を高めることとなった。常にぼぉっとしている天然ボケであるが、フィルモア帝国で最強のファティマである。慧茄の引退により直孫であるエラニユース・ダイ・グ・フィルモア5世が新たなマスターとなる。容貌はインド人少女。MHのコントロールは一流だが、天然ボケの為に受け答えのタイミングがかなりずれており、慧茄やエラニユースのように阿吽の呼吸でやり取りが出来ないとパートナーになれない。 高性能だが不安定というバランシェ・ファティマの評判に対し、精神の安定性を徹底して追求した結果、周りで何が起きても一切気にしない性格となった。しかしマイペース過ぎて意思疎通自体が困難というレベルに達しているため、コークス博士からは師匠の設計ミス扱いされている。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算A・耐久B2・精神B1・クリアランスVVS1・タイプS-M 6. 弁天(Vin-Tin) 他に「ニーヴ」「ヴィン・ティン」などの色々な名前を持つが、日本語の弁天の各国語読み。イオタ宇宙騎士団団長ジャコー・クオン・ハッシュのパートナーとして登場。褐色のアジア人的容貌。 ジャコーをパートナーに選んだ際、ジャコーの母であるイマラ・ロウト・ジャジャスに理由を聞かれた彼女は「将来に期待します」と答えたという。 以前、ジャコーは彼女を「べんてん」と呼ぶと書かれていたが第13巻で正式に登場した際にはキチンと「ヴィン・ティン」と呼ばれている。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算A・耐久B2・精神B1・クリアランスVVS1・タイプS 7. イエッタ(Ietta/Eatta) 「白のイエッタ」「アイエッタ」とも呼ばれるフローレス・ファティマ。ミラージュ騎士団総司令官ファルク・U・ログナー専用として製作されており、公的にも彼の妻である。 ログナーはドウター・チップにより何度でも生まれ変わるが、その度にパートナーとなる。1話から登場し主役級ファティマの1人であるが、ログナーの性格やMH戦を行っていないなどで影が薄い。イエッタはログナーの母親の名であるらしい。アイエッタはジョーカー世界の御伽噺に登場する伝説の王女の名前で、「ログナー」は彼女が実在した数万年前から存在していた。タイ・フォンと並んで謎が多いファティマである。プロムナード第2話では桜子はイエッタが自己紹介したことで、自分の話していた生意気な子供(ワルツ・エンデ)がログナーだと気づいて凍り付いた。 永野護の漫画家としての処女作『フール・フォー・ザ・シティ』では「ソーニャ・カーリン」という名前で登場している。ここでもログナーのパートナーである。 下記の「Fネーム・ファティマ」の一人、聖聖~ホーリー・ホーリーの母となる。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算2A・耐久A・精神B1・クリアランスF・タイプM 8. オデット(Odetto/Odette) 同時製作されたオーロラ、ジゼルとの舞踏3姉妹の長女。バランシェは、この頃からファティマを何人かまとめて育成する方法を取り始める。2970年代にマスターであるクローター・ダンチヒの引退でバランシェ邸に戻っている。そしてバランシェ邸で次のマスター璃里・ブラウ・フィルモアと出会う。彼女の願いから親族であるジーク、茄里も同時にマスターと認識している。その際、バランシェにより「2パターンの能力と特性」をあわせもつファティマとして調整され、オディールと呼ばれるモードが存在する。通常は一般に知られている「ホワイトスワン」と呼ばれるオデットの姿だが、黒いアシリアスーツを身に纏ったときは「ブラックスワン」オディールとなる。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算A・耐久B2・精神B1・クリアランスVVS2・タイプM 9. オーロラ(Aurora) 同時製作されたオデット、ジゼルとの3姉妹の次女。バキンラカン帝国筆頭騎士ママドア・ユーゾッタのパートナーとなっている。ママドアのパートナーになる前は、ユーゾッタ家の母方の親戚に当たるクバルカン法国のサヤステ家にいた。初登場時にはロングスカートにママドアの太刀を隠して持ち歩いていた。ファティマでありながらマスターを叱咤罵倒した結果、第15巻の表紙を飾ることとなった。なんでもやってみるものである。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算A・耐久B2・精神B1・クリアランスVVS2・タイプM 10. ジゼル(Giselle) 同時製作されたオデット、オーロラとの3姉妹の三女。魔導大戦ではフィルモア帝国のノイエ・シルチス白騎士団長ナイアス・ブリュンヒルデのパートナーとして新型MH「ファントム」を駆る。 育成中にソープ´の提案で揃って街に出かけた際にははしゃぎ回ってバランシェを困らせたこともある姉妹である。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算A・耐久B2・精神B1・クリアランスVVS2・タイプM 11. バクスチュアル(Bacstual/Bashikustual) アマテラスが所有するモーターヘッド開発用ファティマ。バシクチュアルとも。巨大なヘッド・クリスタルで最大5騎のMHを同時に遠隔操作するなど、並外れた能力を持つが、その代償として人間的感情を一切カットされている。それでも第4話では落ち込むラキシスに笑顔を作って言葉をかけていた。特定のマスターも無く全ての騎士に臣従し、開発用でありながら経験蓄積のため実戦にも参加する。この実戦モードは「ザ・ブライド」と呼ばれ、撃破スコア38騎という戦果を上げている。ミラージュマシン開発終了後は封印されていたが、アマテラスの星団脱出後、ミラージュに加わった異星人ビクトリーとレディ・スペクターとのコミュニケーションにおいて重要な役割を果たした。 第二次王朝反乱発生時には、カイエンの着替えを手伝っている。 スペック…戦闘D・MH制御3A・演算3A・耐久D2・精神E・クリアランス無し・タイプM 12. 大門(Daimon) 男性型ファティマで、蘭丸とはペアで兄弟。イオタ宇宙騎士団の三条香のパートナー。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算A・耐久B2・精神B2・クリアランスVVS2・タイプM-L 13. ヴィッターシャッセ(VitterSchasse) アマテラスのファティマでMH開発用。感情をカットしたバクスチュアルの衝撃からアマテラスがバランシェから提供された胚を元に育成を行った。しかしファティマの性質は胚の段階でほぼ決まってしまうために意味がなかったという。 スペック…戦闘D・MH制御2A・演算2A・耐久C・精神A・クリアランス無し・タイプM 14. 時(Toki) 静、町、京との日本人タイプ4姉妹の長女。2989年のバランシェの死をメイドとして見取り、その直前には見舞いに来たソープに応対したり、ミース・シルバーがバランシェからMAXIMUMを託される場面に立ち会っている。その後、ジャスタカーク公国の筆頭騎士アイオ・レーンのパートナーとしてヨーン・バインツェルやバーシャに逢い、魔導大戦ではレーンと共にジャスタカーク騎士団の一員としてハスハ侵攻に関わる。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算A・耐久A・精神A・クリアランスVVS1・タイプL 15. 静(Ssizz) 時、町、京との日本人タイプ4姉妹の次女。クバルカン法国のルーン騎士アルテン・サヤステのパートナーとして初代黒騎士ツーリー・パイドルを破った戦績を持つ。魔導大戦開戦時は同じくルーン騎士ミューズ・バン・レイバックのパートナー。2989年にカステポーで起こった「壊し屋」事件では、ドラゴンの聖域たるカステポーで国家の意図を汲んだ戦闘に怒るサンダー・ドラゴンに「この騒動は自分たちで決着をつける」と誓い、真犯人であったメヨーヨ朝廷の新型MHアシュラ・テンプルを倒す。そしてサンダー・ドラゴンから誓いを守った褒美としてドラゴン・ドロップを授かった。ミューズがヨーンとバーシャをドーリーに招いた際にはバーシャに予備の自分のファティマ・スーツを譲っている。ソープによると育成中に「学校に行きたい」と駄々をこねたことがある。 『F.S.S. DESIGNS 3』によれば、アマテラスは静とアルテン(とバング)が黒騎士(とバッシュとエスト)を破った理由を、静がバングの開発にも関わったバランシェのファティマゆえにバッシュの動きを予測可能であったことと、アルテンが自騎の制御システムの新設計をバランシェに依頼出来たからだと分析している。 スペック…戦闘B1・MH制御2A・演算A・耐久A・精神B1・クリアランスVVS2・タイプS-M 16. 町(Machi) 時、静、京との日本人タイプ4姉妹の三女。パートナーだったフィルモア帝国の騎士バーバリュース・ビィの自決により、その娘クリスティンを新たなパートナーとする。その際に、ファティマがマスターを選ぶのは恋愛でも友情でもなく騎士能力との相性であると述べ、ファティマを道具(兵器)として使うよう、騎士の心得を諭している。魔導大戦にフィルモアが参戦した際には、実戦経験の無い初陣のクリスティンを助け、機関故障するも多大な戦果を挙げる。後年、フローレスファティマ「サイレン・ザ・アイス・カイゼリン ~氷壁のファティマ町」となる。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算A・耐久B1・精神B2・クリアランスVVS2・タイプS 17. 京(Kyo) 時、静、町との日本人タイプ4姉妹の四女。銘としてのバランシェ・ファティマを求める騎士達により不遇の日々を送る。ミミバ族の傭兵騎士アーレン・ブラフォードをパートナーとしてからは精神的に多少回復したが、バランシェ・ファティマ全員が「決して剣を向けない」と誓っているソープのMHのオージェと戦わざるをえなくなり薬物に頼らなければならないほどに耗弱、さらにヤクト・ミラージュとの交戦で本格的に精神のバランスを崩してしまう。しかし戦闘終了後、京の状態を即座に理解したソープがコークス博士のもとに送るよう指示、加えて主のブラフォードが正式にミラージュ騎士団に入団して安息を得たことにより京もまた安らぎの日々を得た。エンジン出力のコントロールに優れているが、性能が上昇する反面、扱いにくくなってしまうのでマスターを選ぶ傾向にある。 バランシェがヒュートランに「自己鍛錬」プログラムを入れる原因を作った様子を垣間見ていた。戦闘中ながらこの事実を令令謝にバラして彼女を戦闘不能に陥らせ、ベラ国攻防戦を終結へと導いた。また、この令令謝が犯した悪事については、ブラフォードまでもがショックを受けていた(第14巻209-211ページ)。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算A・耐久A・精神B1・クリアランスVVS2・タイプM 18. 令令謝(Lele-ist-Hotos) 超弩級ファティマ令令謝。名前の読みは「レレイス・ホト」または「レイレイシャ」。2代目黒騎士ロードス・ドラクーンの孫であるガマッシャーン共和国レイスル騎士団長ナオ・リンドー・レイスル(シュバイサー・ドラクーン)のパートナー。バランシェファティマの中でも飛び抜けた統合戦闘能力とGTM制御を誇るが、語尾に「にゃん」がついたり、マスターであるナオへの態度がなれなれしかったり、テキトー演算をしてみたりと、かなりの個性派。京には「調子こいてるあのややこしいバカ」と呼ばれている。 成人後はバキン・ラカン帝国聖帝ランダの元にいたが、後を襲ったミマスが「実戦でGTMを制御させることに問題があり、非常に危険なファティマなので預かっていてほしい」と直々に依頼し、マドラ・モイライという女騎士のもとに預けられる。だが「相性が合わない」との理由でクープ博士に預けられ、シャープス博士の「ラミアス」の開発に携わる。その後、クープ博士を後見人としてムンスターで行われた工場製・銘無しファティマが主体のお披露目に素性を隠し「レイニャ」という偽名で参加。これは騎士たちの間での血を洗う争奪戦を防ぐ、銘入りファティマとしての一般的なリスクマネジメントだけではなく、実は彼女の口が非常に悪く、目通りに来た騎士に対して「あなたは私には不釣り合いです」などと暴言を吐く(当然星団法では処分対象となる。マスターであるナオに対しても劇中で実力をけなすような発言を行っているが、これも厳密には星団法に触れる)危険性すらあるため、可能な限り安全に多くの騎士と出会う機会を設けるためにバランシェの同意の元行われた策であった。その際、休暇中にたまたま出会ったボードなる騎士に「気軽にファティマ見物するつもりで出ればいいじゃん」と背中を押されて出席したナオに対し、レイニャは仲介人を介さずファティマの方から挨拶するというルール違反を行ってまで娶られることとなる。 魔導大戦では、3032年ベラ国を包囲したGTM279騎を擁する枢軸連合軍に参加(作者によれば第5話エピソード9に登場予定だったがカットされたとのこと)。敵対するGTMの一群がアーク・マスターであるアマテラスのGTMであることを知りながらも、自らの存在意義と価値を示すため、(どこかのNo.39とは違い)懸命に戦った。 バランシェがヒュートランに「自己鍛錬」プログラムを入れざるを得なくなった原因を作った張本人である。この事を戦闘中に「鬼ババー」京にバラされ、さらに「ヒュートランに言っちゃお」とまで脅された結果、パニックになりGTMのコントロールが不安定になってしまい、ナオは撤退を決断した(第14巻209-212ページ。ただしこれはナオやアイシャも承知の上での茶番であった)。 下記の「Fネーム・ファティマ」の一人、零零~ゼロ・ゼロ~の母となる。 スペック…戦闘2A・MH制御A・演算A・耐久B1・精神B1・クリアランスVVS2・タイプS & ”ほっといて型” 18. =零零=(ZERO ZERO) バランシェ・ファティマNo.18 ゼロ・ゼロ。タイフォン型ファティマ。姉妹である=先先=(マーター・マーター)とともに行方不明。なお、零零~ゼロ・ゼロ~とは別人である。 スペック…戦闘3A・MH制御3A・演算2A・耐久2A・精神2A・クリアランスなし・タイプS 19. アンドロメーダ(Andromeda) 2974年のメガエラのお披露目でブーメラン組として出品され、メヨーヨ朝廷の王子クラーケンベールのパートナーとなった。魔導大戦ではメヨーヨのハスハ侵攻に参戦。外見はマサイ系。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算A・耐久A・精神B2・クリアランスVVS2・タイプL 20. ハスノホルテ(Hathsno-Hortes) 未登場。バランシェ邸にて休眠中という以外不明。 スペック…戦闘2A・MH制御A・演算A・耐久B2・精神B2・クリアランスVVS2・タイプS 21. ヒュートラン(Hugtlang/Emily) 通称えみりぃ。星団で最も注目されていたファティマの1人でありながら、バランシェにより能力と名前を偽装され、魔導大戦まで150年間行方不明となっていた。「弱い騎士をパートナーに強い騎士と戦い、常に経験を積む」という自己鍛錬プログラムを与えられた結果、出奔同然でフェイツ公国にやってきたA.K.D.のコーダンテ家王女ワスチャの類稀なる(へなちょこぶりの)能力を見抜きパートナーとなった。演算能力の値は2Aであり、毎秒56兆7000億回の予測演算能力を実行する。 そのため破格の能力を持ちながら戦果を伴わない、非常に「もったいない」ファティマであるが、ログナー曰く、バランシェの正真正銘の最高傑作(アマテラスのコピー体であるユーパンドラ、「運命の3女神」アトロポス・ラキシス・クローソーの3人姉妹、マキシは厳密にはファティマには含まれない)であり、これこそがバランシェを超一流のファティマ・マイトたらしめている理由だという。 魔導大戦ではthe K.O.G.(新設定、帝騎マグナパレス)を偽装したカルバリーR(ルミナス・ミラージュ)を駆り、メヨーヨの副官で天位騎士のクライマー・パイドルの先行生産型アシュラ・テンプルDD(新設定ホウライ)に挑む。えみりぃの演算を超越したワスチャのズッコケにより「すべって転んだ拍子にドラゴントゥースを叩き切り撤退させる」という戦果を挙げる。この結果をワスチャはダメダメだとボヤいていたが、クラーケンベール大帝は「敗戦」として病むほどショックを受け、ついには直接ちゃあを尋ねてくるほどであった(第13巻『プロムナード3』。その際、クラーケンベールは「なぜこんなやつに負けたのだ!!わからーん!!」とカフェのテーブルに突っ伏している)。 パルテノが事実上の専従ファティマとなっているヤクト・ミラージュ(グリーン・レフト)や、本来ラキシス以外には制御不可能なナイト・オブ・ゴールド (the K.O.G.) の制御も可能。the K.O.G.が彼女に制御されるのはMHコントロール能力がすごいのではなく、MHへの威嚇力が凄いため(つまり脅されて制御されている。実際、アマテラスから指名されたthe K.O.G.は冷や汗を流しながら震え上がっている)。 並行的外伝『プロムナード』では、ちゃあ・てぃ(=ワスチャ)がアルバイト先の貴族(=バランシェ)の屋敷で出会ったメイドの少女「エミリィ」として登場(FSS本編でもワスチャからエミリィと呼ばれている)。東欧某国の学者夫妻の娘だったが戦争孤児となり、両親の友人だった貴族に引き取られた過去を持つ。十数ヶ国語をこなし、『ネイチャー』『サイエンス』に寄稿するほどの天才だが、戦争のトラウマで対人恐怖症の傾向がある上、心を許した相手には服従願望丸出しかつストーカーまがいの行動に出るのが欠点。 自己鍛錬云々以前に人格が壊れ、単なるマゾヒストと化しており、作者からもアホの烙印を押されている。『プロムナード3(単行本第13巻)』では、ムンスターにてGTMセイラーの預かり代代わりに15年分の溜まりに溜まった経理書類を5日で片付けた。請け負ってもらったシゲルブは大喜びしていたが、この時にも通常の演算(これなら10分程度で終わる)ではなく、わざわざ「そろばん」で計算しており検算までした終了後は2日間ぶっ倒れていた。アマテラスとは犬語(A.K.D最高機密短縮言語)で会話する。前述の戦闘でもクライマー・パイドルを「この戦場で一番弱い」などとワスチャに対して躊躇なく嘘を吹き込んだ上で戦闘に入っている。嫌いなものは、豆腐。 バランシェがヒュートランに「自己鍛錬」プログラムを入れた経緯は、自分以上の妹が生まれたことに嫉妬した令令謝が沖縄産島豆腐(星団最強の比重を誇る)をヒュートランの頭にわざと250km/hでぶつけた衝撃で「あっぱらぱー」になったためと令令謝の姉の京が暴露している。緊急で「自己鍛錬」プログラムを入れた結果として「持ち直した」とも「余計におかしくなった」とも語っている。 下記のFネーム・ファティマである先先(マーター・マーター)の母となることが明かされている。動物の言葉を解し喋れる能力は彼女にも引き継がれているが、そのせいで時折厄介な事態を引き起こすと言う(後述)。 スペック…戦闘2A・MH制御3A・演算2A・耐久3A・精神3A・クリアランス????・タイプ ほっといて型 22. ソーナー(Sonor) 星団歴3031年の時点ではミース・シルバー・バランシェ預かり。機能停止したアウクソーについて話し合うべくラーン近郊のバランシェ邸に集まったモラードたちを出迎えている。 スペック…戦闘B1・MH制御2A・演算2A・耐久2A・精神B2・クリアランスVVS2・タイプS 23. マドリガル・オペレッタ(Madrigal Opeletta) 魔導大戦にて、ロッゾ帝国ヴーグラ騎士団長グレース・スドール天位騎士のパートナーとして、3032年ベラ国を包囲したGTM279騎を擁する枢軸連合軍に参加。参加する4カ国全てのファティマを束ねるアークホストAFを担当する。強力な索敵カウンター能力を持つ情報特化型。名前は単に「マドリガル」と表記されることもある。かつてはスーツマイスターのプリンチペ・シリーズ・サリアッカー・パナフランシス・シアン公爵夫人が所有。本来スーツマイスターはファティマを所有してはならないことになっているので定期的にお披露目に出しているのだが、なぜか彼女の元に戻ってきてしまうとの事だった。クロス・ジャミングを実行した。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算A・耐久2A・精神A・クリアランスVVS1・タイプM 24. ドアランデアスティルーテ(Dorarandeastirute) 未登場。トワイス・カステリ枢機卿のパートナー。 スペック…戦闘B1・MH制御2A・演算A・耐久A・精神A・クリアランスVVS2・タイプM 25. 蘭丸/オーキッド(Orchid) 大門と同時製作された兄弟の弟にあたる。未登場。プリズム・コークス預かり。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算2A・耐久A・精神2A・クリアランスVVS1・タイプS 26. 瑠璃/ラピス(Rapis) クバルカン法国の神官長ノンナ・ストラウスのパートナー。魔導大戦ではノンナとハスハに出向き、調査中にファントムとブーレイT-233に遭遇した。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算2A・耐久2A・精神A・クリアランスVVS1・タイプS 27. カナハ(Ccanahart) AP騎士団、聖宮ラーン王宮支隊「アイル・フェルノア」支隊長ドヌーブ・ガセットのパートナー。未登場。マドリガル同様、シリーズ・シアン婦人のもとに勝手に居着く悪癖がある。下記のFネーム・ファティマの織織(オリ・オリ)の母となることが明かされている。 スペック…戦闘B1・MH制御A・演算2A・耐久A・精神A・クリアランスVVS1・タイプM 28. スパリチューダ(Sparituda) ハスハ連合共和国AP(エープ)騎士団スクリティ隊隊長ロータス・バルンガのパートナー。星団最高の演算能力を持つ。しかし銘なしファティマのはずのハルペルにエミュレート合戦で敗れている。騎士と同様にファティマも実戦経験は重要だと考えられるが、それを示す一戦であった。魔導大戦ではバルンガが軍司令兼参謀長となったこともあり、戦場には出ていない。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算3A・耐久B1・精神B1・クリアランスVVS1・タイプS 29. アキレス(Achileus) 男性型ファティマで同時製作されたイカロスの兄にあたる。ミラージュ騎士ディッパ・ドロップスの男性型ファティマ。 スペック…戦闘B2・MH制御A・演算A・耐久2A・精神B2・クリアランスVVS2・タイプM-L 30. イカロス(Ikaros) 男性型ファティマで同時製作されたアキレスの弟にあたる。リィ、パナール、アラートとA.K.D.のエックス・アトワイト家に代々仕える。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算A・耐久A・精神B2・クリアランスVVS2・タイプS-M 31. ティータ(Tita) モラード・カーバイトの処女作エストに衝撃を受け、対抗するために作ったファティマで、その為に特殊な能力を持っているらしい。レオパルト、メロウ、カーレルとA.K.D.のクリサリス家に代々仕える。2989年、アトキでのハグーダとの決戦を控えたコーラス城にてお互いの運命を知らずにエストと友人となる。3960年、ティータのL.E.D.ミラージュはエストの黒騎士を倒す。 スペック…戦闘B2(2A)・MH制御2A(3A)・演算2A・耐久B2・精神B2・クリアランスVVS1・タイプM 32. クラカライン(Kurakaline) ミラージュ騎士「スパーク」ことピッキング・ハリスのパートナー。ミラージュ騎士団の「スパーク」の項を参照のこと。 スペック…戦闘B2・MH制御A・演算A・耐久B2・精神B1・クリアランスVVS2・タイプM 33. エフロシューネ(Euphrosune) ミラージュ騎士シャーリィ・ランダースのパートナー。2995年、シャーリィがコーラス王朝のトラーオ・バランカ王子との結婚に際し騎士の能力を放棄したため、バランカ王家預かりとなり現在は休眠中。 スペック…戦闘B2・MH制御A・演算A・耐久B2・精神B1・クリアランスVVS1・タイプL 34. カレ(Kale) ミラージュ騎士ステートバルロ・カイダのパートナー。バッハトマ魔法帝国のブラック3のフロート・テンプル襲撃時に、スパークのお料理教室のアシスタントで初登場。 第13巻カラーページ頭で披露したラキシスを除き、ミラージュファティマで最初にアシリア・セパレーツ姿を披露する栄誉を得る。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算A・耐久A・精神B1・クリアランスVVS2・タイプS 35. パシテア(Pasithea) 物語開始時点ではミラージュ騎士ヌー・ソード・グラファイトのパートナー。ヌー・ソードが3010年にブラック3のフロート・テンプル襲撃でデコース・ワイズメルに刺殺された後、プリズム・コークス預かりとなっていた。その後、3032年の時点でバーナー・恋ダウドのパートナーとなっており、ベラ国を包囲した枢軸連合軍に参加、クロス・ジャミングを展開するにあたり、臨界点に到達。発生したエフェクトによりナオを静かに驚嘆させた。オーハイネと同様にファティマでは希少な金髪を持つ。 スペック…戦闘B2・MH制御A・演算A・耐久A・精神B2・クリアランスVVS1・タイプL 36. アグライア(Aglaia) ミラージュ騎士キュキイ・ザンダ・リツコのパートナー。キュキィの夫アーレン・ブラフォードは、アグライアなどの癖と類似することからL.E.D.ドラゴンの幼生を連れた女性騎士が誰なのか看破したという。星団史上初めて「ストライパー」システムを実戦で使用したファティマである。 スペック…戦闘B1・MH制御A・演算A・耐久A・精神B2・クリアランスVVS1・タイプL 37. タレイア(Thaleia) ミラージュ騎士クロークル・ハーマンことハインド・キルのパートナー。アドラー駐在を終えたランドアンド・スパコーンをフロートテンプルで出迎えた際、休眠中だったティスホーンを目覚めさせるという茶目っ気を見せる。本編の展開には現在のところ関わり合いが無いが魔導大戦に参戦予定。 スペック…戦闘B1・MH制御A・演算A・耐久A・精神B2・クリアランスVVS1・タイプM 38. アウクソー(Auxo) 剣聖ダグラス・カイエンのパートナーとして当初から設計・製作されたファティマ。後年にフローレス・ファティマとなり「ガーネット・アウクソー」と呼ばれる。ミハエル・レスターの攻撃からカイエンを庇ったことで身体に重大な損傷を受け、カイエンとは旧知の仲であるプリズム・コークスにより再生されるが、通常は身体が再生しても記憶が失われる損傷でも記憶が失われなかったことにコークスは驚愕する。これはバランシェがドラゴンの研究から得た個体進化を利用したもので、2人の純血の騎士=ナッカンドラ・スバースとカイエンの情報体を持ち、1個の細胞からでも灰になっても燃焼ガスからでも再生できるという能力を持つ。その実体は星団初の4人のファティマの1人、フォーカスライト。 彼女は「純血の騎士」に仕えることに固執する。前述のクーンの事件で成人前の少女ながらリンスに敗北したカイエンの助命を行っている。 ボルサにより復活したカイエンのパートナーとなる。だが、カイエンは悪名高き「シルバーナイト」として賞金首になるなど剣聖の名を貶め、女と言えば追い回す、男とは面倒だから戦わないなど勝手気ままのためアレクトーとどっこいどっこいの苦労人。 魔導大戦開戦直前、カイエンへの狂的な恋慕からミース・シルバー・バランシェが企てた実験を承諾し、ミースの卵巣を移植しカイエンの精子を受精させた。その受精卵は再びミースに移植される。バランシェの研究であるMAXIMUMが組み込まれた卵子と、ヤーン・バッシュ王女と剣聖アッサラム・スキーンズとの息子カイエンの精子という純血の血とバランシェの研究の2つの偉大な遺産を受け継いだその子供は、後の超常の剣聖マキシマム・ハルトフォラスとなる。 魔導大戦開戦に際し、ボスヤスフォートとの戦いでの敗死を予知したカイエンにより突如パートナーを解除される。アウクソーはその後もカイエンをマスターと呼び、MH「シュペルター」を扱っていたにもかかわらず、設定変更後のGTM「デムザンバラ」との相互感応機能が停止してしまう。前例のない事態に困惑したミースは戦時にも関わらずモラード、コークス、桜子、ジンクといった星団の主立ったAFガーランドを集めて対応を検討する。彼らが揃って「壊れた」という結論を出したのに対し、門外漢ながらこの場に飛び入り参加したエルディアイは「生存本能により感応機能を休止させている」のではないかと推論。結論が出るまで様子観察をすべきという意見し、アウクソーをフローレスに推薦し星団法の裁き(廃棄処分)から護るという裏技を提案。後に天照が推薦人となり、フローレス・ファティマの称号を得た。その後も、カイエンから形見として託された懐園剣雌剣(旧設定では光剣)を携えてミースと行動を共にし、3075年のハスハント解放戦ではミースと共に城内に幽閉の身となっている。 最終的には自身(『アウクソー』としてのものと『フォーカスライト』としてのもの)をミースに託して半エトラムルファティマ「デルタ・ベルン」として再構成され、4000年代の星団解放戦争ではラベル・ジューダ(コーラス26世)のパートナーとなるとされている。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算2A・耐久3A・精神B1・クリアランスVVS2(のちF)・タイプM 39. アレクトー(Alekto/Allekto) 同時製作されたメガエラ、ティスホーンとの3姉妹の長女。ミラージュ騎士で天照家王女アイシャ・コーダンテのパートナー。彼女とは女同士の友情で結ばれている。壊し屋事件ではアイシャ不在中を衝かれて泉興京巴に拉致され、クロス・ミラージュのチェックが出来ぬまま緊急始動させられた上、自らも足首を傷つけられたことで満足な行動が取れず、結果的にアイシャの戦歴に泥を塗ってしまい、後々まで悔悟の念を持っていた。ソープ救出戦では、テロル・ミラージュのグラン・シーカーで一度近付くもののすえぞうのあかんべーに驚き逃してしまう。しかしクルマルス・バイ・オ・ラとの戦いの最中に機転によりソープを発見し、作戦達成に大いに貢献した。ベラ国攻防戦ではソープ制作のGTMであるデムザンバラを前に機体の制御をサボタージュ。結果、アイシャは単独操縦でジィッドを打ち破っている。なお、その後のハロ・ガロ戦では何事もなかったかのようにしれっと復帰し、アイシャを憤慨させた。 アイシャの死後、その妹ワスチャの子孫であるルートのパートナーとなるという。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算2A・耐久A・精神B1・クリアランスVVS1・タイプM 40. メガエラ(Megaella/Megaira) 同時製作されたアレクトー、ティスホーンとの3姉妹の二女。トラン連邦共和国大統領ミッション・ルースのパートナー。「ブルー・メガエラ」の名を持つフローレス・ファティマ。ミッションが「ボード・ビュラード」の偽名で活動する場合は「メルクラ」という偽名を使っている。ミッションの性格から、マントも羽織らず出歩いたり、人間の服を着たり、裸になったりと、星団法を無視しまくっているが、初登場時から既に拒否も抵抗もする素振りもない。 幼少時、バランシェ邸に建設中だった地下式MHサイロに落ちかけたところをボード(ミッション)に救われたことが強く記憶に残り、ボードとしてお披露目の警備に当たっていたミッションを1対1の対面でマスターに指名した。まさにビュラードが望んだ通りのメガトン級の遭遇である。メガエラがお披露目に出席した騎士を全て蹴り、公式には不在だったミッションをマスターとしたことから、外交問題化を回避すべくミッションはしばらく表舞台から消えざるを得なくなった。バランシェはメガエラとアレクトーが、共に豪放な性格の持ち主であるミッションとアイシャに連続して嫁いだ事が相当悔しかったらしく、お披露目から帰る途上のリムジンで荒れに荒れた挙句ソープへの八つ当たりを予告している。 本編での活躍はファティマとしては最も多いうちの1人。おでこが広く、ミッションやソープからは「おでこちゃん」と呼ばれていた。 4000年代のフロート・テンプル陥落時ではミラージュ騎士ウピゾナ・バーデンバーグのパートナーとなっている。ミッションの子孫であるウェイ・ルースと出会い、涙する。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算2A・耐久A・精神B1・クリアランスF・タイプM 41. ティスホーン(Tisphone) 同時製作されたアレクトー、メガエラとの3姉妹の三女。ミラージュ騎士ランドアンド・スパコーンのパートナー。魔導大戦ではミラージュを退団したランドと共にハスハ入りし、バッハトマに追われていたマグダル皇女とヘアード・グローバーを救出。その際、マグダルの昏睡が自身のダイバー・パワーによる一種のバリアによるものではないかとの見解を述べている。その後はランドと共にAP騎士団に加入し、スバース隊でバーガ・ハリ・BSコブラに搭乗している。また、ランドの休暇の真相を極めて正確に推察したものの、バランシェ・ファティマのお約束として直後にずっこけるという、ファティマにあるまじき痴態を晒している。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算2A・耐久A・精神B2・クリアランスVVS1・タイプL 42. ユーパンドラ/ユーパンドラ・ライム(Upandora/Upandla/Upandora Lime) バランシェが形見として作ったアマテラスのコピー。2989年、死期の迫るバランシェの見舞いに来たソープに託される。アトロポスと同じくライム公爵家の養子として人間の籍を与え、天照家の一員となる。アマテラスの影武者にしてフロート・テンプルの城主であり、ミラージュ騎士(戦闘力は2Aで星団暦の並の騎士以上)でもある。 アマテラスの隠居後はユーパンドラが「アマテラス」となり全星団を恐怖政治により治める。しかし4100年、アトロポスとK.O.G-ATでコーラス6世のジュノーンと相討ちになり、A.K.D.は滅亡する。それら全てをアマテラスは黙認していた。 スペック…戦闘2A・MH制御2A・演算A・耐久3A・精神3A・クリアランス無し・タイプ無し 43. アトロポス/A-T・ライム(Atropos/A-T Lime) 「運命の3女神」の1人。ファティマの行動を制限するダムゲート・コントロールを施されず、全パワーゲージ3Aという超々弩級ファティマの能力を持ちながら、「人間」として生きていくこととなる。アマテラス製作のMH・オージェを1人で駆った際も、ファティマでなく騎士として騎乗している。 ラキシス、クローソーより先に完成したが、ファティマに対し異常な執着を見せていたトラン・バストーニュ領主ユーバー・バラダから逃れ、ボォス星カステポーで隠遁生活を送る。人間を超える能力を持たされたファティマでありながらダムゲート・コントロールを施されず、バランシェを恨んでいる。カステポーのツァイハイでパルチザンの首領としてウースー共和国軍と戦うと共にミース・シルバーを育て、パルチザンに加勢したダグラス・カイエンとのコンビでシュペルターを駆ってウースー軍を敗走させた。その後のシーンでカイエンとの間に肉体関係があったと思われる場面がある(リブート第3巻に「アトロポスはこの男(カイエン)に処女をあげたのかしらん?」とある)。その後ファティマとして扱ってくれたカイエンに感謝しつつ、正真正銘の人間であったらカイエンのいい奥さんになったと思うと言っている。戦後はツァイハイを去り、再会したソープからL.E.D.ドラゴンの幼生「すえぞう」を託される。不老長寿のファティマ故に幼生を育てる代償である「命の水」は必要としなかった彼女は、すえぞうを育てる代償として、自分が望んだ時に永遠の命を持つ自分を殺して欲しいと口にする。すえぞうからは「ねえちゃん」と呼ばれている。 のちにA.K.D.ライム公爵家の籍と皇位継承権第17位を与えられ「A-T・ライム伯爵」を名乗る。ラキシスが3239年にK.O.G.と共に消息を絶った後、3952年にアマテラスの元に現れる。ジュノー侵攻にK.O.G.-AT(パトラクシェ・ミラージュ)で参加。4100年、反A.K.D.軍との最終決戦で兄ユーパンドラと共にK.O.G.-ATで出撃するが、クローソーの乗るジュノーン(エンゲージSR.4)と相打ちになる。戦闘終結後、L.E.D.ドラゴンはカステポーでの願いを叶え、デルタ・ベルン星ごとアトロポスとクローソーを消し去った。 F.S.S.公式サイト(永野護公式サイト内)のキャラクター紹介では「彼女の言葉によって物語は終わる」と記述されている。 スペック…戦闘3A・MH制御3A・演算3A・耐久3A・精神3A・クリアランスOUT・タイプ∞(成長中) 44. ラキシス(Lachesis) 「運命の3女神」の1人。物語のもう1人の主人公。二つ名は「狂気のラキシス」(ファナティック・ラキシス)。通称は「姫様」。彼女は厳密にはファティマではなく、バランシェがその全ての能力を注いで創造した「ダブルイプシロン(ΥΥ)・ヒューマン」と呼ばれる超生命体である。ファティマとしてはクローソー以外では太刀打ちできない桁違いの能力に加え、天位騎士をも軽く凌駕する高い騎士戦闘力、そしてパワーソースの不明な(娘のカレンに由来する可能性がある)謎の力を有する。ただし彼女が真の力を発揮するのはアマテラスがいない場合だけである。神の力を時々使用するなどアマテラスに等しいとも言われるほどだが、依然不明な点が多い。 当初は姉妹と同じく普通のファティマとして製作されていたが、幼い彼女の「ソープ様と永遠に添い遂げたい」という願いに応えたバランシェにより、ダブルイプシロン・ヒューマンとして一から作り直された。星団暦2988年に完成し、レディオス・ソープ(アマテラス)をマスターとした。しかしマイスターはファティマを持つことを許されておらず、公式には「MHマイスターのレディオス・ソープと駆け落ちした後に死亡」あるいは「バストーニュ領主ユーバー・バラダに拉致されたまま、追い詰められたユーバーのエアドーリー自爆に巻き込まれ行方不明」となっている。その後天照のミコトより正式に「天照」の家名を受けて皇位継承権第2位保持者(第1位はアマテラス)となり、表向きはミコトの養女「祇妃・ラキシス・ファナティック・バランス・アマテラス・グリエス」を名乗る。 現在の姿は茶色のショートカットだが、ダブルイプシロン・ヒューマンとなる以前の本来の姿は藍色ロングであった。人によって姿が異なって見えるようでソープにはお馴染みの「栗色の髪の少女」として見えているが、コーラス23世やクローソー、サリオンには藍色の髪の少女に見えている。栗色の髪の少女の姿はあまりにも自然すぎてバストーニュでのお披露目ではそれが話題をさらい、AFガーランドでもあるダイアモンド・ニューが初対面ではAFだと見抜けなかったほど。 普段はカマトト、あるいはバカを装っておりやや情緒不安定。城でスペクターと悪さをしている。ただ、素顔は冷酷かつ非情。王朝動乱時に「私は帝ほど甘くはありません」と言い放った通り、ダムゲートコントロールを受けていなくても躊躇いもなく人の命を奪える(この点が殺人や兵器を嫌悪するアトロポス、クローソーと異なる)。ただ、人が無意味に死ぬことに対しては思うところがある様子。他の誰にも理解不能なパルテノやキューキィの言葉を正確に理解しており慕われている。他にウラッツェンやジャコー、ユーゴ・マウザーなど斜(はす)に構えている人物とは相性が良く、ミラージュ・レフトのメンバーに対しては当のラキシスが困惑するほどの異様なカリスマを発揮しているが、アイシャ、サリオン、レオパルトなど根が真面目な人物とは相性が悪い。天照家関係者でラキシスの力について全く理解しておらず「ただのファティマ」だと思っているのはミカドだけ。スペクターはラキシスを密かに護衛しているが同時に無闇に力を使わないよう監視している。 ムグミカから「5つの星の物語」の語り部である旨が語られ、第2巻の彼女の言葉はモラードだけでなく詩女たちに向けても語られていたことが明かされる。他にもミラージュマークの下に別宇宙であるタイカの紋章を刻むなど物語全体に通じていることを伺わせている。また、バランシェにせがんで次元航宙船「ザ・ウィル」の設計をさせ、今際の際のバランシェから設計図を受け取ったアマテラスが巨費を投じて完成させた。 2989年、ハグーダ戦役に参戦するためアマテラスとミラージュナイトと共にコーラス入りし、妹クローソーの揺れる心を諭しそして彼女の戦いとジュノーンの封印を見届ける(「時が来れば産みます」との言葉を残したのはこのときである)。この際、ラキシスの真の姿を見たモラード・カーバイトは、後にラキシスの言葉をムグミカから解き明かされラキシスが「5つの星の物語」の語り部であり、詩女と同様に星団の人々からすれば規格外の力を持っているのだと明かされる。 2992年、左翼大隊が反乱を起こすも、アマテラス不在の中フロートテンプルを守り通し、アマテラスを助けるべくヤクト・グリーンデーモンの起動スイッチを入れボォスに送り出している。帰還したアマテラスとL.E.D.ドラゴン(すえぞう)の赤いドラゴンドロップを分け合い、後の次元放浪でもその共振が2人を結びつける道標となる。 3010年、ブラック3によるフロートテンプル襲撃事件時はボスヤスフォートの狙いの一つがラキシスにあることを察したスペクターによって前もって隠される。 3030年には魔導大戦に静観を決め込むアマテラスに腹を立て、宮殿の柱をかじる等の暴挙に出た挙句、ちゃあことワスチャの助言(「ラキシスに”2人でどこか行こうよ”って言うんですよ」)を受けたアマテラスの説得により機嫌を直す。 3031年、北部ミグノシア・ベラ国にGTMスライダー、レディオス・ソープの妻「ファナ」として現れる。特務曹長として任命され、ソープの業務を整備大隊のベテラン勢でさえ驚く有能さでサポート。さらにファティマならではの能力でツラック隊のバーガ・ハリKKをチューニング、緊急事態には介入できるよう密かに全システムを掌握していた。非力(笑)な少女が懸命にコンテナを押してミノグシアのために尽くす姿は星団中に放映され、世論をベラ国寄りに大きく動かすとともにどこかのムッツリスケベ少年のメンタルを大きく削いだ。最終決戦となるベラ国攻防戦ではいざとなれば騎士としてGTMを駆る腹積もりでダブル・アライメントスーツで前線に向かい、最終局面のデムザンバラ特攻の際はナルミのバーガ・ハリを遠隔操作するという離れ業で不意打ちを回避させてアイシャの到着まで貴重な時間を稼いだ。ツラック隊と枢軸連合軍の戦いが終結した後は、一旦ソープと別れ、バイズビズとクニャジコーワを伴い、ナカカラへ向かった。 3037年、ナカカラ・クルル王国にて「ショウメ」と出会い、彼女をしばらく保護することになる。言葉を失うほどむごい有様となったツバンツヒを護衛にシャルデファー市街で遊んでいたところ、かつて2977年にバランシェ邸で出会ったダイ・グ・フィルモアと再会、そのあまりにも大きな悩みを解く手伝いをする。数日後、沼沢地を散策中に「ショウメ」を狙ってきたサタンとの戦いに巻き込まれ、さらにタイカ宇宙の神の争いにまで関わることになるが、神に対しても「私たちの世界への干渉は全力で阻止する」と毅然と立ち向かった(この際、MGPによるバスターランチャー三連射という荒業を遠隔制御するとともにヘッドライナーによる照準までも完璧にサポートし、超帝國剣聖オージェをして「姫様のGTMコントロールは想像を超える」と震撼させた)。事件の解決後、ポーターの手によって神に関する記憶は消されたが、スペクターから報告を聞いたミカドは思うところがある様子を見せた。 3239年、A.K.D.のカラミティ侵攻で擱座したK.O.G.と共にカラミティ爆発に巻き込まれて消息を絶つ。爆発の衝撃で時空の狭間に落ち込み、K.O.G.と共に様々な時空や次元を放浪する。7777年、フォーチュンにてアマテラスと再会し結婚する。その放浪中には1945年の地球に出現、第二次世界大戦のベルリン攻防戦にK.O.G.と共に参加し、その後に『フール・フォー・ザ・シティ』のソーニャ・カーリンと出会い、2187年まで滞在していたという設定になっている。 スペック…戦闘∞・MH制御∞・演算∞・耐久∞・精神∞・クリアランスOUT・タイプ∞ 45. クローソー(Clotho/Klotho) 「運命の3女神」の一人。ファティマとしての能力はラキシスをも凌ぎ、史上最強のものがバランシェにより与えられている。しかし姉2人同様ダムゲート・コントロールを施されておらず、MHに乗ることを極度に恐れる。アマテラスとラキシスを殺すという希望の糸を絶ち切る役目として作られたことを察していたからである。その戦闘力は超帝國の騎士をも上回る。 2988年にラキシスと同時に完成し、軟禁されていたユーバー・バラダ邸から逃亡する(ダムゲート・コントロールが施されていると脱走は有り得ない)。彼女の窮地を助けたコーラス23世(サード)に未来のコーラス26世(シックス)を見出し、レディオス・ソープやボード・ビュラード、ランドアンド・スパコーンらミラージュ騎士の助力で形式的にコーラス3世に嫁ぐことで引き取られる。翌年、コーラス・ハグーダ間に戦争が勃発。彼女は未来を予見し恐れていたが、姉ラキシスに諭され、ソープにより完成されたものの始動を拒んでいた王専用MH・ジュノーン(後期型エンゲージSR.3)を説得し起動させる。アトキでの最終決戦ではコーラス23世の駆るジュノーンに搭乗。ブーレイ傭兵騎士団の一員としてハグーダに加勢していたフィルモア帝国ノイエ・シルチスの騎士ラルゴ・ケンタウリのMH・サイレンの奇襲によりコーラス3世は絶命するが、ジュノーン自身のコーラス23世への報いの願いを聞き入れ、運命の悲しみのなかで一度だけその力を発揮し単独でサイレンを撃破、その後永い眠りにつく。SR.4に改修されたジュノーンと共に封印され、A.K.D.がジュノー星に侵攻した3960年、コーラス25世の命を受けた黒騎士グラード・シドミアンの手で、コーラス26世に託されるべく密林に隠される。 スペック…戦闘3A・MH制御VA・演算VA・耐久3A・精神A・クリアランスFF・タイプ∞(睡眠中)、休眠前はタイプS 46. MAXIMUM (未完成) バランシェ晩年の理論のみの作品。星団歴初のシバレースだが、ファティマとしての能力も併せ持つ。そのプログラムはミース・シルバー・バランシェに受け継がれ、彼女の卵子に組み込まれてダグラス・カイエンの精子と結合され誕生、後の剣聖マキシマム・ハルトフォラス(マキシ)となる。成長後は自ら「バランシェ・ファティマ46番」とも名乗り、アウクソーを「母様(ミースも同じく「母様」)」、カレンを姪、クーンを「大お母様」と呼ぶ。
※この「クローム・バランシェ作(故人)」の解説は、「ファティマ (ファイブスター物語)」の解説の一部です。
「クローム・バランシェ作(故人)」を含む「ファティマ (ファイブスター物語)」の記事については、「ファティマ (ファイブスター物語)」の概要を参照ください。
- クローム・バランシェ作のページへのリンク