氷壁とは? わかりやすく解説

ひょう‐へき【氷壁】

読み方:ひょうへき

氷河末端氷山などの絶壁また、氷におおわれ岩壁。《 冬》


氷壁

作者鶴舞弘高

収載図書小説 がん告知
出版社風媒社
刊行年月1990.3


氷壁

作者井上靖

収載図書井上靖全集 第11巻
出版社新潮社
刊行年月1996.3


氷壁

作者ウィリアムD.ギャグリアーニ

収載図書サイコ
出版社祥伝社
刊行年月1998.12
シリーズ名ノン・ポシェット


氷壁

読み方:ヒョウヘキ(hyouheki)

氷の壁

季節

分類 地理


氷壁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/27 06:13 UTC 版)

氷壁』(ひょうへき)は、井上靖の長編小説。1956年2月24日から1957年8月22日まで朝日新聞に連載され、1957年に新潮社から単行本が刊行された。

切れるはずのないナイロンザイルが切れたために登山中に死亡した友人の死を、同行していた主人公が追う。1955年に実際に起きたナイロンザイル切断事件若山五朗北鎌尾根で遭難死した松濤明、芳田美枝子(奥山章夫人)ら複数のモデルがいる。友情と恋愛の確執を、「山」という自然と都会とを照らし合わせて描いている。

あらすじ

新鋭登山家の魚津恭太は、昭和30年の年末から翌年正月にかけて、親友の小坂乙彦と共に前穂高東壁の冬季初登頂の計画を立てる。その山行の直前、魚津は小坂の思いがけない秘密を知る。小坂は、人妻の八代美那子とふとしたきっかけから一夜を過ごし、その後も横恋慕を続けて、美那子を困惑させているというのだ。

不安定な心理状態の小坂に一抹の不安を抱きつつも、魚津達は穂高の氷壁にとりつく。吹雪に見舞われる厳しい登攀のなか、頂上の直前で小坂が滑落。深い谷底へ消えていった。二人を結んでいたナイロンザイルが切れたのだ。必死に捜索するも小坂は見つからず、捜索は雪解け後に持ち越されることになった。

失意のうちに帰京する魚津。そんな思いとは裏腹に、世間では「ナイロンザイルは果たして切れたか」と波紋を呼んでいた。切れるはずのないザイル。魚津はその渦に巻き込まれていく。ナイロンザイルの製造元は、魚津の勤務する会社と資金関係があり、さらにその原糸を供給した会社の専務は、小坂が思いを寄せていた美那子の夫・八代教之助だった。

作品の途中で、小坂が愛したデュプラの詩が引用されており、本作品のテーマを漂わせている。 尚、この訳文は深田久弥が訳したものである。

もしかある日、
もしかある日、私が山で死んだら、
古い山友達のお前にだ、
この書置を残すのは。
おふくろに会いに行ってくれ。
そして言ってくれ、おれはしあわせに死んだと。
おれは母さんのそばにいたから、ちっとも苦しみはしなかったと。
親父に言ってくれ、おれは男だったと。
弟に言ってくれ、さあお前にバトンを渡すぞと。
女房に言ってくれ、おれがいなくても生きるようにと。
お前がいなくてもおれが生きたようにと。
息子たちへの伝言は、お前たちは「エタンソン」の岩場で、
おれの爪の跡を見つけるだろうと。
そしておれの友、お前にはこうだ―
おれのピッケルを取り上げてくれ。
ピッケルが恥辱で死ぬようなことをおれは望まぬ。
どこか美しいフェースへ持って行ってくれ。
そしてピッケルのためだけの小さいケルンを作って、
その上に差しこんでくれ

そして最後では、小坂の妹かおるが、デュプラの詩を実現すべく、穂高に登りケルンを作って、小坂、魚津両名のピッケルを差し込む決心をする部分で終了している。

映画

氷壁
監督 増村保造
脚本 新藤兼人
製作 永田雅一
出演者 菅原謙二
山本富士子
野添ひとみ
川崎敬三
山茶花究
上原謙
浦辺粂子
音楽 伊福部昭
撮影 村井博
製作会社 大映
配給 大映
公開 1958年3月18日
上映時間 96分
製作国 日本
言語 日本語
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大映東京/カラー 大映ビスタビション(ビデオ・DVD化)

キャスト(映画)

テレビドラマ

1962年版

1962年1月9日から4月3日まで、フジテレビで放送。放送時間は 火曜日13:00 - 13:30。

キャスト(1962年版)

1967年版

1967年1月3日から5月23日まで、日本テレビで放映。全21話。放送時間は火曜21:30 - 22:00。前半部は映画監督の弓削太郎が演出したが、中村敦夫の大仰な演技をめぐってプロデューサーと対立し、途中で降板させられた。

提供スポンサーはサンスターシオノギ(サンスター歯磨=現:サンスター)一社。

キャスト(1967年版)

1972年版

1972年4月5日から5月3日までNHKで放映。全5話。脚本は倉本聰が担当。

キャスト(1972年版)

2006年版

テレビドラマ版は時代設定を2005年に合わせ、設定も変更されている。原作で物語の中心になる事故の原因となった「ナイロンザイル」も、現在では「切断されることがある」こともわかっているため、事故の原因はカラビナに変更されている。また、主人公2人が挑むのも、穂高岳ではなくK2になった。ちなみに登場人物は八代美那子を除く全員がこの2006年版ドラマのオリジナルキャラクターである。

主演は玉木宏と山本太郎で、NECのパソコン・VALUESTARシリーズのCM共演俳優同士がそのままNHKのドラマに出演するということが話題になった。玉木宏はこの作品が連続ドラマ初主演となる。

NHKが、「土曜ドラマ」で2006年1月14日から2月25日まで放送[1]

※本来は「月曜劇場」枠で、2006年1-3月の10回シリーズで放送が予定されたが、一連の不祥事に伴う番組編成の見直しにより土曜ドラマの復活第1弾として放送された。これにより放送回数も6回に短縮されている。

キャスト(2006年版)

スタッフ

主題歌

サブタイトル

  • 第1回 「運命のザイル」
  • 第2回 「生死を賭けた挑戦」
  • 第3回 「愛と疑惑」
  • 第4回 「裁かれたプライバシー」
  • 第5回 「戻れないふたり」
  • 最終回 「山男の伝説」

脚注

出典

関連項目

外部リンク

フジテレビ 火曜13時台前半枠
前番組 番組名 次番組
氷壁
(1962.1.9 - 4.3)
日本テレビ 火曜21時台後半枠
【当番組までドラマ枠】
新雪
※サンスターシオノギ提供
氷壁
(1967.01.03 - 5.23)
一枚看板
NHK総合 土曜22時台
氷壁
(→ここから「土曜ドラマ」枠)
NHK 土曜ドラマ
枠設立前につき無し
氷壁
(2006.01.14 - 2006.02.25)
繋がれた明日
(2006.03.04 - 2006.03.25)

「氷壁」の例文・使い方・用例・文例

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