氷堆石とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 地理 > 地形 > 堆石 > 氷堆石の意味・解説 

ひょう‐たいせき【氷堆石】

読み方:ひょうたいせき

氷河による堆石


モレーン

(氷堆石 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/28 13:19 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
スイスツェルマットに見られるモレーン。
カナダのレイク・ルイーズ付近に見られるモレーン。

モレーンmoraine堆石氷堆石)とは、氷河を削りながら時間をかけて流れる時、削り取られた岩石・岩屑や土砂などが土手のように堆積した地形のことである[1]。ただし、小疇(1985)によると、近年では、混乱防止のため、氷河により運ばれた岩屑、その集合体、それにより形成される地形をデブリティル、モレーンと呼び分けるようになってきている[2]。こうしたモレーン堆積物はシルト状のものから巨礫まで幅広く含まれ、通常淘汰が悪い。

氷河の後退などによりモレーンが氷河と切り離され、氷河との間の空間に溶けた水が溜まり氷河湖を形成することがある。氷河の後退によってモレーンとの間に出来た氷河湖は、モレーンの崩壊によって決壊し洪水を起こす可能性がある[3]。実際にネパールブータンで何度か氷河湖が決壊して洪水が発生し、下流部に死者を出す被害をもたらしたことがあるため、氷河湖の水位を下げるなど早急な対策が求められている。

種類

移動系モレーン

氷河の移動によって作られるモレーン。

オーバーモレーン
側壁から氷河の上に崩落した岩石が、氷河の融解によって堆積してできるモレーン。そのため、主に氷河の消耗域に形成される。
インナーモレーン
氷河の内に取り込まれた物質が、間氷期の氷河融解によって流出運搬されて堆積したモレーン。
アンダーモレーン
氷河の底で形成されるモレーンで、構成物質は氷河の底によって研磨され細粒化している。
サイドモレーン(ラテラルモレーン、側堆石)
氷河に沿って形成されるモレーン。側壁の岩石が混じることもあるが、多くはアンダーモレーンの構成物質と同じものが氷河の側面で運ばれて堆積した。
中央モレーン(メディアルモレーン、中央堆石)
2つ以上の氷河のサイドモレーンが合流しひとつになったモレーン。

堆積系モレーン地形

氷河の移動が終わり堆積したモレーン。

グランドモレーン(グラウンドモレーン、底堆石)
氷河の底部にあたる位置に堆積したモレーン。堆積物はアンダーモレーンおよびインナーモレーンから構成される。
エンドモレーン(ターミナルモレーン、端堆石)
氷河の末端部に形成されたモレーン。
プッシュモレーン
氷河の前進の際、氷河によって押されて高まった地塊からなるモレーン。
ソールモレーン
氷河の乗り越えによって作られたモレーン。グラウンドモレーンとは違い、物質の運搬が起こっていない。

脚注

  1. ^ 岩田 2011, p. 201.
  2. ^ 小疇 1985, p. 120.
  3. ^ 岩田 2011, p. 247.

参考文献

関連項目

外部リンク


「氷堆石」の例文・使い方・用例・文例

  • 氷堆石
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



氷堆石と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「氷堆石」の関連用語

氷堆石のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



氷堆石のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのモレーン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS